【完全版】UGCとは?今注目される理由とEC広告・販促事例10選

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UGCとは_ogp

生活者が様々な情報を収集できるようになり、企業が自社の商品の魅力を一方的に発信しても、生活者には受け入れられにくくなりました。

そんな中、商品の魅力や信頼感を伝える手段として注目を集めているのが「UGC」の活用です。

今回は、「UGCは何を意味しているの?」「なぜ今UGCが企業のマーケティングにおいて注目されているのか?」「企業が取り入れるメリットとは?」といったUGC活用を始める際に気になる内容を、企業の実例とともにご紹介します。

Topics

UGCとは(UGCの意味・定義)

UGCとは

UGC(User Generated Contents)とは企業ではなく、一般ユーザーによって制作・生成されたコンテンツのことを言います。 SNSに投稿された写真や動画、ECサイトのレビューなど、いわば「生活者のリアルな声」です。日常生活で、よく参考にしている情報源ではないでしょうか。

似ている言葉としてIGC(Infrulencer Generated Content)というものもあります。言葉の通り、IGCは企業やブランドから依頼され、インフルエンサーが生み出されることが多いという特徴があります。

UGCとCGMの違い

UGCと混同されやすいのがCGM(Consumer Generated Media)です。一般ユーザーが参加してコンテンツができていくメディアを意味します。代表例は、食べログや価格.comなどのクチコミサイト、Yahoo!知恵袋などのナレッジコミュニティサイトです。

UGCが企業のマーケティングで注目される背景

”押しつけ感のある”広告への嫌悪感

広告に嫌悪感を抱く生活者が増えています。その理由の1つとして考えられるのは、広告を発信する側の企業が伝えたい情報と、広告を受け取る生活者が欲しい情報に大きなズレが生じたまま、生活者が受け取る情報量が増加しているからです。

この嫌悪感は、実際に「広告に接触しても内容を読まない」「すぐ閉じてしまう」といった行動に表れています。マイボイスコム株式会社が10,313人に対して実施した調査によると、直近1年間にインターネット広告が表示された人のうち広告の内容を読んだ人は4割弱で、「だいたい読む」が2.1%、「内容やタイミングなどによっては、読むこともある」が36.5%となっており、6割強の人は広告に接触しているにも関わらず内容を読まない判断をしていることがわかりました。

広告が表示された際に行ったこととして「広告を閉じた」「インターネット広告を、間違えてクリックした」が各37.1%で、「広告を閉じた」と回答する人の割合は4年間で増加傾向にあります※1)。

引用画像
画像引用:【 インターネット広告 】に関するアンケート調査(第3回)マイボイスコム株式会社

企業のマーケティング担当者は、激しく変化するデジタル広告市場に対応しようと広告施策やマーケティング手法の試行錯誤をしています。めまぐるしく変化するマーケットに対応し続けていると、やるべき業務量も増え、「お客様に気持ちよく商品購入体験してもらうにはどうすべきか」という本来考えるべき課題に、時間を割けなくなってしまうのも現状です。その結果、企業が発信する情報と生活者が受け取りたい情報にズレが生じてしまうのです。

このような背景のなか、生活者が発信したコンテンツであるUGCはリアリティがあり信頼されやすいため、企業のマーケティング手法のひとつとして取り入れる動きが活発化しています。

購買前の意思決定に与える影響力

UGCそのものの価値向上も理由の一つです。例えば、化粧品や洋服を買う時にInstagramで検索をして商品選びの参考にするなど、購買前の意思決定にUGCが作用するシーンが増えています。

ニールセンデジタルが2019年に発表した調査では、「購買の際に、UGCを信頼する」と回答した30代の生活者は33%(2017年)から45%(2019年)に増加していましたが、本調査では64.6%にまで上昇しており、UGCの信頼度が年々高まっていることが明らかになっています。

アライドアーキテクツが2022年8月に行った調査(※3)では、商品やサービスを購入する際に、「生活者のクチコミやレビュー(UGC)を信頼しますか?」との問いに対し、全体で64.6%の方がUGCを信頼すると回答しました。

さらに、「商品を購入する際に、企業から発信される情報と、実際に購入した方から発信される情報のどちらを重視しますか」という質問に対し、全体で51.3%が「商品を購入した方から発信される情報」と回答しました。UGCは、商品を購入する際に企業発信の情報よりも重要視されていると言えます。

商品購入時の情報の重要視度

マーケティングに必要なコンテンツ量の増加

デジタルマーケティング市場が加速度的に変化しているため、企業は様々なマーケティングチャネルを試しながら、施策のPDCAのスピードをあげていくことが求められます。

網羅的にマーケティングチャネルを試すとなると、チャネルに適したクリエイティブを準備することはもちろん、表現の幅や訴求の数を増やさなければなりません。その結果、企業がクリエイティブ制作に投資する時間とコストが必然的に大きくなっていきます。UGCの活用は、リソースに限りがある中で、クリエイティブ量と質を担保する効果的な打ち手の一つです。

UGCをクリエイティブに活用すれば、作業工数を減らしてクリエイティブの量を担保することができるだけではなく、生活者目線の表現を増やすことができます。

デジタル広告市場の変化

クッキー規制の強化、EC参入企業の増加によるCPMの高騰、各種プラットフォームによる広告規制の強化など、デジタル広告市場を取り巻く環境は大きく変化しています。

アライドアーキテクツが独自に調査した結果では、月額出稿額1,000万円以上の通販企業のSNS広告のCPMは、3年で約2倍に上昇していることがわかりました。

SNS広告のCPN推移

外部環境の変化に対応するため、企業は、従来型の広告運用だけに頼らず、いかに新規顧客を獲得し、リピート購入を促進するかの新たな打ち手が求められています。

UGC活用は、広告から流入したユーザーの購入率向上、既存顧客のリピート率向上など、デジタルマーケティングの各種KPIを改善する手段としても注目されているのです。

企業のマーケティングにUGCを取り入れるメリット

親近感や信頼感を醸成できる

UGCには、「商品やサービスの使用イメージを伝えやすく親近感を醸成できる」「客観性のある情報として信頼感を醸成できる」という特徴があります。UGCをマーケティングに使うことで、有名人を起用したマーケティングでは補完しにくい商品やサービスの使用イメージをよりリアルに醸成でき、生活者に身近に感じてもらいやすくなります。

同時に、企業が一方的に商品やサービスの魅力を伝えると”押しつけ感”がありますが、UGCを活用すると客観的な評価として説得力が上がり、信頼されやすくなります。

ECサイトやページのCVR向上につながる

アライドアーキテクツが実施した調査(※3)では、約9割が「ネット通販や定期通販」で商品を検討する際、「UGC(生活者のクチコミやレビュー)をチェックする」ことが明らかになりました。この結果は、「小売店で商品を検討する際(70.0%)」「お店や施設への来店を検討する際(74.0%)」よりも高く、ネットショッピングの際は、商品を検討する際の情報としてUGCが重要視されていると言えます。

クチコミやレビューのチェック可否

ECサイトやページにUGCを掲載することは、商品やサービスの検討をしているお客様の購入の後押しになり、結果的にCVR(コンバージョン率)の向上につながります。

制作コストを抑えつつ、クリエイティブの量と質を担保できる

多様化するマーケティングチャネルを網羅的に押さえようとすると、表現や訴求の幅が広がるため、大量のクリエイティブを準備する必要があります。UGCを活用することで、クリエイティブ制作にかかる時間やコストをスリム化できます。
生活者目線のクリエイティブを大量に調達することで、広告運用のPDCAを高速化できたり、公式アカウントの投稿頻度を増やすことにつながります。

また、UGCは、企業のマーケティング担当者が気付いていないような商品の「見せ方」や「訴求ポイント」が詰まったコンテンツです。実際に商品を使用したからこその独自の視点や斬新な表現こそが、新たなユーザーを惹きつける一手になりえます。

商品開発や施策改善のヒントになる

UGCは、自社の商品がどう捉えられているのか、どんな言葉で表現したら伝わりやすいのかなどの示唆に富んだコンテンツです。商品開発やマーケティング施策の改善のヒントとなる大切な資産ともいえます。近年、新たなビジネスモデルとして注目を集めている「D2Cモデル」では、商品開発~流入~購入後の体験に至るまで顧客の声であるUGCを活かしてビジネスを構築する企業が増えています。

企業がUGCを活用する際に気をつけること

著作権侵害対策をする

UGCを企業のマーケティングに活用する際は、原則として、投稿したユーザーから利用許諾を取得しなければなりません。ただし、事前に二次活用の許諾を得ているモニターやインフルエンサー施策等の場合は、必ずしも許諾を得る必要はありません。

UGCをLPやECサイト内に埋め込むことの是非に関しては、様々な議論がありますが、2020年6月、Facebook社は「Instagramの埋め込み機能を使って記事中に投稿を表示した場合は著作権侵害に当たらない」という判例に対して、「Instagramの埋め込み機能は画像利用の権利を許可するものではない」という見解を発表しました。この見解が示されたことから、投稿したユーザーから利用許諾を取得することが原則望ましいとされています。UGCを広告LPやサイトに活用する際には、事前にユーザーから許諾を取得するようにしましょう。

ユーザーへの許諾の取り方は、主に以下の2種類です。
・ Instagramのメッセージ機能を利用する
・UGC活用ツールを使う

ツールを選定する際には、プラットフォーム社のポリシーに則ったものを選びましょう。

投稿ユーザーからの許諾取り方について、詳しくはこちらの記事にまとめています。

Instagram上のUGCをLPや広告に使いたい!ユーザーへの許諾は必要?許諾の取り方は?

ステルスマーケティング対策をする

一般的に「ステマ」と呼ばれる事象です。企業から金銭などの対価を受け取っているにも関わらず、それを明記せず、宣伝であると悟られないように良いクチコミや評価を行う行為のことをいいます。ステマは、純粋なクチコミや評判を参考にし商品を検討する消費者を騙すこととなり、企業だけでなく業界全体の信用失墜につながりかねません。

特に2023年10月1日には景品表示法が改正され、これまで以上にステルスマーケティングに対する規制はますます厳しいものとなっており、企業は細心の注意を払う必要があります。

それはUGC活用においても同様です。UGC投稿をモニターやインフルエンサーに依頼した際に、投稿上に関係性の明示をしない行為はステマに当たります(ただし、第三者の自主的な投稿はステマ規制の対象外)。

ステマ対策のためには、企業とモニター・インフルエンサーの関係性を明示(「広告」「宣伝」「A社から商品の提供を受けて投稿している」などを明記)しましょう。

ステマ対策について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

ステルスマーケティング(ステマ)とは?NGの理由と事例を解説

薬機法の広告規制表現対策をする

たとえ自然発生したUGCを使ったとしても、LPや広告クリエイティブにそのUGCを掲載する場合は、企業の表現物となるため、薬機法の対象になります。

活用するUGCを選ぶ際は、薬機法に抵触しないか十分注意する必要があります。Instagramの投稿をUGCとして活用する際は、対策の一つとして、コメント部分を非表示とし、「写真・動画」のビジュアルコンテンツだけを活用しているケースも見られます。

UGCの活用方法

UGCの代表的な活用方法をご紹介します。

UGCをサイトに掲載する

UGCは、商品やサービスの購買の意思決定に重要なコンテンツです。
ECサイトの各種ページや広告用LPにUGCを活用することで、コンバージョン数増加やEC売上向上といった効果が期待できます。

  • <掲載場所の例>
  • ・TOPページ
  • ・カテゴリーページ
  • ・商品詳細ページ
  • ・新規顧客獲得LP
  • ・定期購入への引き上げLP

UGCを広告クリエイティブとして活用する

広告クリエイティブにUGCを活用することで、生活者目線に立った訴求ができ、広告の”押し付け感”を払拭できます。リアル感があり、フィードに馴染みやすいUGCを活用することで、「この広告は自分に関係していそう」といった共感を醸成でき、クリック率向上を期待できます。

UGCをCRMの素材として活用する

UGCを活用することで、コンテンツを担保できるだけでなく、お客様目線での表現が可能です。
例えば、既存のお客様のUGCを「長期利用や定期顧客ならではの声」として紹介することで、長く商品を愛用しているお客様目線で商品の魅力を伝えられます。CRMに活用することで、定期転換率向上も期待できます。

UGCをSNS投稿素材として活用する

SNS投稿にUGCを取り入れることで、お客様目線で商品やサービスの魅力を発信できます。「投稿のネタ切れ」対策にもなります。
お客様ならではの切り口で商品やサービスの魅力を伝えられるだけでなく、企業が発信するコンテンツに信頼感がプラスされるでしょう。

特定のハッシュタグで投稿されたUGCを公式アカウントのクリエイティブとして活用する場合が多いですが、UGCを投稿したユーザーからの許諾を忘れずにとりましょう。

UGCを商品の同梱物に利用する

ECで商品を購入してくれたユーザーに対し、同梱物にUGCを含めたリーフレットなどを入れる活用方法もあります。こうしたコミュニケーションによって商品を受け取ったユーザーが、商品をより有効に活用できるアイディアを伝えることができ、ユーザーの顧客体験の向上につながります。特にECの場合、直接お客様に対して接客を行えるわけではないので、顧客との接点の中で細やかな対応で顧客体験を向上していくことが重要となっています。

POST COFFEE

例えば、POST COFFEE株式会社では、毎月商品に同梱している小冊子にUGCを掲載しています。この施策では、小冊子に写真が掲載されたユーザーが「私の写真が掲載されました!」という新たな投稿も生まれており、冊子を見た他のユーザーに対して「私も写真を投稿してみようかな」というモチベーションをアップさせることにもつなげています。

UGC活用を売上につなげるためのポイント

UGCを活用するだけで成果が出るわけではありません。CVR向上や売上UPなどの成果を出すにはコツがあります。

UGCを運用する

運用型広告やLPにおいて、SKU毎、流入ユーザーの属性毎、活用するチャネル毎に訴求を調整するように、本来UGCも目的・場面に応じて成果の出る見せ方や内容は大きく異なります。

UGCも、運用型広告やLPと同様に、成果を定量的に把握した上で目的・場面に応じて適切に出し分けたり入れ替えを行うこと、そして戦略的にUGCを生成していくことで、大きな成果につなげることが可能です。

このように、戦略的にUGCを生成~活用~効果測定~さらに生成というサイクルを継続的に回し続けながら成果向上を追い求めていくことを「運用型UGC」と呼びます。運用型UGCの実践は、UGCを活用して成果向上するための必須事項と認識しましょう。

運用型UGC

目的に合ったUGCを生成・収集する

UGC活用によりどのような課題を解決したいのかによって、最適なUGCの種類は異なります。商品の「認知」を向上したいのか、ある程度認知されている商品の「理解を促進」したいのか。ECサイトへの新規訪問者のCVRを向上したいのか、商品の継続購入率を上げたいのか。自社の課題にあわせて、最適なUGCは何かを考えて生成・収集しましょう。

理解の促進
出典:【事例で解説!効果的なUGCの増やし方】認知拡大から継続購入まで、目的に応じたUGC生成方法とは

例えば、スペシャルティチョコレート専門店「Minimal - Bean to Bar Chocolate -」では、顧客のフェーズによってUGCのもつ意義を定義。既存顧客に対しては、UGCを「共感材料」になるものととらえています。パッケージにも工夫を加え、商品のSNS投稿を促進。同社にとって既存顧客向けのUGCは、既存顧客同士が同時期に商品を手に取っているという仲間意識をはぐくむことができるものとなっています。

【目的別】UGCを活用したマーケティング成功事例10選

複数のマーケティングチャネルでUGCを活用し売上UP

事例①DINETTE株式会社

コスメブランド「PHOEBE BEAUTY UP」を展開するDINETTE株式会社は、顧客の声は企業にとっての大切な資産であると考え、ブランド立ち上げ当初から「顧客の声」を軸にした施策設計を徹底してきました。

もともとSNS上に多くのUGCは存在しており、Instagramの投稿キャプチャを画像としてLPに貼り付けてはいたものの、成果が見えず上手く活用できていませんでした。

そこで、UGCを運用して成果につなげたいと考え、運用型UGCツール「Letro」を導入。Instagramに投稿されたUGCの定期的な収集に加え、ECの基幹システムとAPI連携して、継続的かつ自動的に購入者のInstagram投稿やレビューを生成・収集する仕組みを構築しました。

生成・収集されたUGCは、新規顧客獲得用LPやECサイトに掲載。広告クリエイティブなどの素材としても活用し、複数のマーケティングチャネルでUGCを活かしています。さらに、複数チャネルへの活用から得られた定量結果をもとに、オフラインの広告や同梱物などにもUGCを展開。UGCを通じて顧客インサイトの理解にもつなげています。

このように、UGCをとことん活用し運用を継続的に回し続けることで、導入前と比較して売上を3.7倍にすることに成功しました。

導入背景や活用実績など、詳しくはこちらの記事にまとめています。

2年で年商15億を実現した”PHOEBE”マーケティングの成功要因とは?

広告LP経由の新規顧客獲得効率UP

事例②ベースフード株式会社

1食で必要な栄養素をバランスよく取ることができるパンや麺の販売を行なっている同社。
以前より、SNSの公式アカウントでのユーザー投稿の紹介や、サイトにUGCを掲載してCVRをあげる施策に取り組んでいました。UGCごとのパフォーマンスに応じて、UGCを出し分けて施策の効果を上げたいと考え、本格的に運用を開始。LPを中心に掲載し、CVRが1.24倍に向上。またROIはLTVでみると380%ほどに向上しました。

basefood-lp

ただ”インスタ映え”するUGCを選ぶのではなく、「他のお客様が実際にどう活用しているかを体現している」利用シーンを想起できるUGCを厳選することで、大きな成果に繋がりました。担当者は、実際の商品の利用シーンや活用方法が伝わるリアルなコンテンツであるUGCは、それ自体が商品の価値をあげてくれるもの」と評価しています。

事例③株式会社I-ne

ボタニカルライフスタイルブランド「BOTANIST」を展開する同社。クリエイティブの専門チームを持ち、パッケージのデザインからオンライン用の広告バナーやLPまで、クリエイティブの制作は基本的に全てインハウスで実施しています。。費用や人的リソースをかけずに、素材をたくさん調達できればと考え、UGC活用を開始しました。

引用画像

様々な商品やキャンペーンのLPにInstagramのUGCを活用。CVRはUGC施策開始後1か月で約2倍に向上しました。ヒートマップ上でも、UGCを配置したエリアが真っ赤になるなど、商品検討時に求めている情報であることがわかりました。担当者は「UGCにより、確実に素材が増えており、素材の調達コストの低減に役立っている」と評価しています。

事例④株式会社LIFULL

不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」を展開する同社は、注文住宅向けカタログ請求サイトにUGC(レビュー)を掲載したことで、カタログ請求率125%を実現し、広告費の約1/2のコストで顧客獲得することに成功しました。

LIFULL HOME’S

ポイントは、掲載するページに訪問されるお客様の状態から解消すべき不安点や補強すべき情報を定義し、レビュー項目を設計・収集したことです。

レビュー項目に、実際にカタログ請求した方の「家族構成」や「世帯年収」、「カタログ請求のきっかけ」などを盛り込むことで、サイト訪問者が自分ごと化できるレビューの生成に成功しました。
また、レビューを表示するだけでなく、施策成果を最大化するため、レビューの掲載位置やバナー、レビュー内容の最適化を行う運用を実施し、カタログ請求率125%を実現しました。

導入背景や活用実績など、詳しくはこちらの記事にまとめています。

【カタログ請求率125%を実現し、広告費の約1/2のコストで顧客獲得成功】「LIFULL HOME’S」のレビュー活用事例

事例⑤株式会社イングリウッド

急成長中のD2Cブランド「三ツ星ファーム」を運営する同社は、新規顧客獲得向けLPにUGCを活用し、継続的な運用を行うことで、CVRを最大1.86倍に向上させることに成功しました。

三ツ星ファーム

同社は、企業側の一方的な発信では、お客様にそのまま信じてもらうのは難しいため、「実際に利用いただいているお客様=第三者の声で「美味しい」「便利だった」と伝えていただくことが必要」だと考え、UGC運用を本格的に開始しました。

三ツ星ファームの強みの一つである「メニューの多さ」を訴求するInstagram投稿のUGCを戦略的に抜粋し、新規顧客獲得向けLPに動的に表示するところからスタートし、さらなるCVR改善を目指し、テキスト形式のカスタマーレビューの運用にも着手しました。家族構成やライフスタイルに応じて感じる商品価値や課題が異なることに着目し、それらを表現するレビュー項目を設計・収集し、掲載しています。
Instagram投稿やレビューといったUGCをただ掲載するのではなく、UGCの内容や掲載位置などの検証~運用を行うことで、成果改善に繋げています。

オンラインショップの顧客体験向上&売上UP

事例⑥アモーレパシフィックジャパン株式会社

韓国コスメの火付け役的存在として、若年層を中心に人気を博している「エチュード」ブランドを展開する同社。
お客様同士のコミュニケーションからなる「クチコミ」という観点からECでの売上を向上させるために、画像や動画のUGCを活用しています。 イメージしづらい使用感をオンラインショップ内で訴求することで、購入前の不安を払拭させることが目的です。

同社は、UGCを見て購入意欲の高まったお客様がスムーズに購入していただけるような導線設計を行っています。オンラインショップのTOPページでは「USER’S VOICE」として注力商品を中心にUGCを掲載。
お客様が気になるUGCをクリックすると、コメント全文と商品購入ページへのリンクが表示されます。そこで内容を見て気になったユーザーが各商品購入ページにそのまま遷移できるようにしています。

各商品購入ページでは、従来のテキストレビューに加え、商品の画像付きのUGCを掲載し、画像つきレビューコンテンツとして機能させています。 オンラインショップにおけるUGC活用は、商品の魅力をわかりやすく伝えるコンテンツ施策としてだけでなく、離脱率や回遊率を改善する売上に直結する施策として評価いただいています。

導入背景や活用実績など、詳しくはこちらの記事にまとめています。

メイクアップブランドのエチュード、オンラインショップにUGCを活用した画像つきレビューコンテンツを実装

事例⑦日本トイザらス株式会社

国内最大級の玩具・ベビー用品のリーディングカンパニーとして全国約160店舗のトイザらス、ベビーザらスと「トイザらス・ベビーザらス オンラインストア」を運営する同社は、オンラインストアにUGCを活用して顧客体験を向上させる取り組みを行っています。

同社は、UGCを「お客様目線で『共感』を創り出してくれるコンテンツ」と考え、オンラインストアの各種ページにUGC表示し、具体的な商品利用イメージを醸成、顧客体験向上を実現しています。

商品のトップコンテンツには、ブランドそのものへの愛着を表現してくださっている動画UGCやお子様が楽しく遊んでいる様子が伝わるUGCを中心に掲載し、下層ページへの遷移率向上を図っています。
各商品の個別ページでは、より具体的に購買のサポートとなるように、お子様の年齢が分かるUGCや使用感が分かるUGCを選んで掲載しています。

日本トイザらス株式会社

導入背景や活用実績など、詳しくはこちらの記事にまとめています。

UGCは顧客体験向上に欠かせないコンテンツ。トイザらスに学ぶ、オンラインストア×UGC活用術

自社サイトに利用して顧客体験を向上

事例⑧株式会社エイチームライフデザイン

株式会社エイチームライフデザインは、同社が運営する結婚式場情報サイト「Hanayume(ハナユメ)」のTOPページ上に式場利用者のSNS投稿を掲載。
Instagram上のリアルなコンテンツをサイト上で見せることにより、サイトに来訪したユーザーがより具体的な自分たちの結婚式に対するイメージを持てるようになっています。

また、同サイトでは地域別にタブをわけてUGCを掲載する工夫を行っています。これによって、ユーザーは自分が挙式を予定しているエリアのUGCに絞って投稿を閲覧することができるほか、そこから個別の式場ページへの導線を設置。興味を抱いたユーザーがスムーズに式場ページに遷移してより詳細な情報を手に入れるようにするなど、UGCを入口としたサイト上の体験を向上させています。

instagram

事例⑨KCJ GROUP 株式会社

こどもの職業 ・社会体験施設 「キッザニア」では同社の公式サイト上でユーザーのInstagram投稿を活用しています。
お客様の声が、予約の意思決定に重要なコンテンツになると感じていたキッザニアでは、来場した顧客の投稿を「ご利用者様」の声として掲載し運用。サイト来訪者の予約意欲を向上させるために、キッザニアに関する理解を深めるほか、キッザニアでの体験を想起できるようなコンテンツをサイト上に拡充させることを目的とし、画像だけではなくInstagramリールなどの動画も掲載しています。

そのこうしたコンテンツ運用の結果、サイト上の顧客体験の向上に成功。予約率は110%となりました。

体験の様子

事例の詳細についてはこちらをご覧ください

【予約率110%】キッザニアのコンテンツ運用事例

定期購入への引き上げ施策にUGCを活用

事例⑩大地を守る会/オイシックス・ラ・大地株式会社

新規のお客様向けの「お試しセット」の購入者を定期購入申込者へと引き上げするための施策にUGCを活用しているのは、大地を守る会/オイシックス・ラ・大地株式会社です。

お試しセットを購入した顧客の定期購入者への引き上げ率に課題があった同社では、その理由のひとつとして、定期申し込み後の生活のイメージが伝わっていないという仮説を立てました。そして、そうした顧客層へのアプローチ施策としてUGCを活用しました。

ユーザーのUGC

同社ではお試しセット購入から14日以内の顧客を対象とした引き上げ用のLPに定期購入ユーザーのInstagram投稿を掲載。「わたしも使っています」というテーマで定期購入申し込み後の生活によってどんなことが達成できるのか、どんなメリットがあるのかということを生活者の目線でリアルに伝えています。
こうした施策によって同社では、定期引き上げ用LPのCVRを、PC版で1.15倍、モバイル版でCVR1.1倍に改善という成果をあげました。

まとめ

いかがでしたでしょうか? UGCの概念から企業のマーケティングにおいて注目される理由、UGC活用の成功事例をお伝えしました。

情報が溢れ、広告への嫌悪感が高まる時代に、生活者に受け入れられるマーケティングを行うヒントは、生活者自身がつくるコンテンツに眠っています。加速度的に変化しているデジタルマーケティングにおいて、費用対効果の良いマーケティングを行うためにも、UGCの活用は必然になってくるのではないでしょうか。

(※1)【 インターネット広告 】に関するアンケート調査(第3回)マイボイスコム株式会社
(※2)公式スライド│INSTAGRAM DAY TOKYO 2019
(※3)『購買行動におけるUGC影響度調査2022』アライドアーキテクツ株式会社