2023.01.05
日本で人気のD2Cブランドを、業界別に一覧形式でまとめました。各商品の特徴やマーケティングで注目しておきたい施策もあわせて、一挙にご紹介します!
D2Cとは「Direct to Consumer」の略で、企業が製造した商品を生活者にダイレクトに販売するビジネスモデルを指します。昨今では、コスメや健康食品、アパレルなどさまざまな業界がD2Cモデルを採用し、自社サイトやSNSなどを通じて、生活者に直接商品を販売しています。
従来型のモデルとの違いや、D2Cモデルのメリット・デメリットなど、詳しい情報は以下の記事で紹介していますのであわせてご覧ください。
今、なぜD2Cが注目されるのか
▶【カンタン解説】D2Cとは?従来モデルと比べたメリットや成功ポイントをわかりやすく説明
ここからは、日本で人気の20ブランドを業界別に一挙にご紹介します!
公式サイト:https://phoebebeautyup.com/
ビューティー特化型動画メディア「DINETTE」から生まれたD2Cコスメブランド「PHOEBE BEAUTY UP」。第一弾のまつ毛美容液ローンチを皮切りに、フェイスマスク、毛穴美容液、酵素洗顔、化粧水・乳液とラインナップの幅を広げています。
同社のマーケティングは、商品開発からCRMまで、カスタマージャーニーの全てのポイントで「顧客の声」を軸に展開されていることが特徴です。
▶Letro×ecforceで前年比6.5倍!2年で年商15億を実現した”PHOEBE”マーケティングの成功要因とは?
▶D2Cは原価度外視の初期投資がカギ。DINETTE尾崎氏が語る新しいコスメブランドの形とは?
公式サイト:https://medulla.co.jp/
日本初のパーソナライズヘアケアサービス「MEDULLA」。5万通りの組み合わせの中から、ひとりひとりの髪質にあわせて最適なシャンプー・トリートメントを提案してくれるサービスです。一度カスタマイズして終わりではなく、定期カウンセリング機能を通じて、髪質の変化にあわせて常に最適なものを届けてくれます。
マーケティングメッセージとしては、悩み訴求をするのではなく、常に「ポジティブな顧客体験」を届けることを大切にしており、お客様の「きゃーっ♡」を生み出すコミュニケーションを心がけているそうです。
公式サイト:https://meeth.store/
美容家のソンミさんがプロデュースするスキンケアブランド「meeth」。ファンの声に真摯に向き合い、徹底的に品質にこだわった商品作りが、日本だけでなくアジア各国から高い評価を受けています。
同社は「広告宣伝に大きな費用をかけるのであれば、商品開発の方にもっと投資してお客様にご満足いただける商品を作りたい」というスタンスを貫いており、大きな広告投資をせずに、商品・サービスやSNSでのコミュニケーションを通じてコツコツと信頼を積み重ねることで顧客層を広げてきたことが特徴的です。
公式サイト:https://www.alo-organic.com/shop/product_categories/alobaby
国産オーガニックベビースキンケアブランド「ALOBABY(アロベビー)」。2013年の立ち上げ以降、Amazon・楽天で1位を獲得するなど、ベビースキンケアの日本トップブランドに成長しています。
「必ずいつか卒業する」ベビー商材だからこそ、お客様のLTVを伸ばすことに注力。限られた期間の中でどれだけ長く継続いただくか、また他の商材も購入いただくかを常に考えているそうです。
公式サイト:https://www.orbis.co.jp/
言わずと知れた超人気ブランドの「ORBIS(オルビス)」。代表商品「オルビスユー」をはじめ、最高峰エイジングケアシリーズ「オルビスユードット」、肌への機能が認められた特定保健用食品「オルビス ディフェンセラ」などを展開しています。
ORBISは2018年にリブランディングを実施。とにかくCPOが安く、獲得しやすい商品を打ち出す傾向があった状態から脱却し、「ここちを美しく。」するスキンケアブランドだという認知を取ることに注力。大きく売り上げを伸ばすことに成功しました。
同社のマーケティングの特徴は、とにかく徹底的に定量のデータに基づくダイレクトマーケティングを推進していることです。新規獲得のCPOをできるだけ抑え、既存顧客のLTVを上げられるように、一人のお客様から出る利益がどれくらいかを図る「ユニットエコノミクス」の視点を軸に各種マーケティング施策を実行しています。
公式サイト:https://botanistofficial.com/shop/default.aspx
ドラッグストアやバラエティショップ店頭でも見かけることが多いBOTANIST。2015年の誕生以来、勢いが衰えることなく成長を続けているシャンプーブランドです。
同社のマーケティングは、Instagramを始めとしたSNSを巧みに活用、データドリブンに行われていることが特徴的です。BOTANISTの世界観を伝えるクリエイティブにもこだわっています。自社内にクリエイティブ制作の専門チームを持つことで、ブランドの世界観を守りながらも、PDCAを高速に回せる体制を整えていることも同社の強みと言えます。
公式サイト:https://basefood.co.jp/
1日に必要な栄養素の1/3をすべて摂れる、完全栄養食のパン・麺・クッキーを販売するブランドBASE FOOD。「忙しくて自炊する時間がない」、「食事管理をしているけど、パンやクッキーを食べたい」など、ブランドコンセプトに共感するユーザーの支持を得て、大きな成長を遂げています。
同社のマーケティングの特徴は、「お客様とのつながりを大切にした運用型マーケティング」。商品開発から広告宣伝まで、お客様の声を起点に改善を回すことで顧客体験を進化させています。
公式サイト:https://postcoffee.co/
スイーツ、お酒、ライフスタイルなどの趣味嗜好からコーヒー診断を行い、30万通りの組み合わせの中から、ユーザー一人ひとりの好みにパーソナライズしたコーヒーの詰め合わせを毎月届けるサービス「PostCoffee」。
コーヒー豆だけでなく、シュガー、ミルク、フィルターも付いているからユーザーは届いたその日からすぐに好みのコーヒーを楽しめる、商品はポスト投函完結の形を取ることでユーザーが不在票や再配達に煩わされないように工夫するなど、徹底して顧客に寄り添ったサービス設計をしていることが特徴です。
公式サイト:https://green-spoon.jp/
ひとりひとりのカラダや生活に必要な栄養素を、野菜を中心とした200種類以上の食材・フルーツ・スーパーフードから組み合わせたパーソナルフードとして届けるGREEN SPOON。季節や気分にあわせて、スムージー、スープ、ホットサラダから好きなものを組み合わせて提供しています。
同社は、購入検討いただく方がもっとも知りたい情報は、商品を体験した方の「味の感想」であると考え、LP上にUGCを活用し、購入者を伸ばすことに成功しています。
公式サイト:https://nosh.jp/
健康的でおいしい食事を冷凍の状態で届けるNOSH。自社のシェフと管理栄養士がメニューを開発し、全てのメニューが糖質30g以下、塩分2.5g以下であることが特徴です。
同社は、WEB広告を中心とした新規獲得に加えて、インフルエンサーとの提携にも注力しています。美容・ダイエット系の女性インフルエンサーのみならず、動物系YouTuberやゲーム系配信者とも提携。SNS上でnoshの話題を広げることに成功しています。(参考:冷凍弁当宅配の「ナッシュ」がコロナ禍で販売数を8倍に伸ばした方法)
公式サイト:https://zenb.jp/
「世界初の黄えんどう豆100%ヌードル」を提供するZENB。捨てられてしまう薄皮まで使う、グルテンフリーなどの特徴もあります。
同社はSNS上に自然にUGCを発生させる取り組みに注力しており、投稿促進キャンペーンを行ったりしています。ただ単に「あなたのレシピ投稿して!」のような形式ではなく、
「夜ガッツリ食べたい!」といったニーズに合わせて「#夜に食べたいZENBメシ」のハッシュタグ投稿をつけた投稿を促すなど、面白がって投稿してくれる工夫を施しています。
(参考:アンカー・ジャパン、ZENB JAPANに聞くD2Cブランドのサステナブルな成長戦略。リピーターを生み続けるアプリ・SNS・UGC活用術)
公式サイト:https://earth-milk.net/
オーツ麦の粉から作るミルク:オーツミルクを展開するEarth MILK。安心・安全の栄養素を最大限に、環境への影響を最小限にするサスティナブルフードを展開しています。
同社は、細分化した顧客ターゲットに最適なUGCをECサイトに掲載することで、開始当初の注文件数を想定の10倍以上にすることに成功しています。(参考:オーツミルクを販売するEarth MILK、顧客ターゲットごとに適したUGCを掲載 想定の10倍の注文数)
公式サイト:https://yonasato.com/
「ビールに味を!人生に幸せを!」をミッションに、よなよなエール、インドの青鬼、水曜日のネコなどクラフトビールを製造・販売する株式会社ヤッホーブルーイング。同社が提供するクラフトビールの定期宅配サービス「ひらけ!よなよな月の生活」は、購入者の満足度が高く、90%を超える継続率を誇っています。
同社はファンマーケティングに注力していることで知られており、独自の「熱狂度」という指標を持って、製品に興味をもった消費者の熱量を高めるためのさまざまな活動を推進しています。
▶ヤッホー、ファンによる熱量の高いUGCがEC売上に直結!CVR1.16倍に向上
▶オルビスがヤッホーブルーイングに聞く!ファンマーケティングの価値を、どう判断しているの?【オルビス×ヤッホーブルーイング対談・後編】
公式サイト:https://brands.naturaltech.jp/mitas/
葉酸サプリの「mitas series」、妊娠線予防クリーム「mitera organics」、漢方由来のスキンケア製品「BEAW」など、マタニティ・ビューティー・ライフスタイルのカテゴリにおいて複数のブランドを展開して急成長中のnatural tech株式会社。
同社の代表やCOOはP&G出身であり、徹底的な消費者調査をもとにしたブランド作りやマーケティング展開を行っています。
公式サイト:https://fujimi.me/
パーソナライズビューティブランド「FUJIMI」。パーソナライズサプリメント、パーソナライズプロテイン、パーソナライズフェイスマスクを販売しています。
同社は製品の提供をパーソナライズ、「あなただけの商品」を提供するだけでなく、CRM施策でも一人一人に向き合うサポートを行っています。例えば、定期購入のお客様だけ送る「お肌のチェックシート」では、顧客がシートに記入してLINEで送ることで、リッチなフィードバックを返しています。(参考:MEDULLA、Post Coffee、FUJIMI。「パーソナライズ」D2Cブランドの成長戦略とマーケティング設計)
公式サイト:https://sui.clinicfor.life/
日本人のウェルネスをサポートする医師発ブランド「Sui +」。
同ブランドは立ち上げ時にクラウドファンディングを利用。プロダクトのコンセプトにどれだけの共感が集まるのかをトライしました。クラウドファンディングを通じて支援してくれた方にはユーザーインタビューも行い、自社の仮説と市場の受け取り方が同じかどうかの確認をしたそうです。(参考:エモいストーリーの裏側に緻密な戦略あり!注目のD2Cベンチャー3社が語る、「D2C的ブランド立ち上げ」とは?)
公式サイト:https://cohina.net/collections/cohina
身長150cm前後の小柄女性のためのアパレルブランド「COHINA」。
同社はInstagramを積極的に活用し、小柄女子に役立つ情報などを積極的に発信することにより、小柄女子のコミュニティを作り出すことに成功しています。商品を作る過程をライブ配信する、質問を受け付け双方向のコミュニケーションをするなど、SNSならではの機能をフル活用してファンとのエンゲージメントを高めています。
公式サイト:https://fabric-tokyo.com/
オーダースーツやオーダーシャツをネット通販で購入できるブランド「FABRIC TOKYO」。まずは店舗で採寸。その後、多彩な生地とアイテムからWEB上でオーダーメイドの商品を購入することが可能です。
同社がマーケティングで注目しているキーワードは「NARATIVE(ナラティブ)」。事業者側からの押し付けではなく、購買体験を通して一人ひとりのユーザーの心に生まれる物語を大切にしようと考えてサービス展開をしているそうです。(参考:「顧客の心に突き刺されば次につながる」。日本を代表するDtoC企業 FABRIC TOKYO)
公式サイト:https://coco-gourmet.com/
獣医師監修の手作りドッグフード「CoCo Gourmet(ココグルメ)」。従来のドライ加工が施されたフードやレトルト加工が施されたウエットフードとは異なり、新鮮なお肉や野菜を"そのまま"使ってワンちゃんが食べやすい形に一つ一つ調理することで、香りや彩り・栄養価の損失を抑えていることが特徴です。
同社はSNSを通じたユーザーとの丁寧なコミュニケーションを重ねることで、ローンチからわずか2年で累計販売食数300万食を突破することに成功しています。(参考:ローンチ2年で累計販売300万食突破!日本発手作りドッグフードのパイオニア「CoCo Groumet(ココグルメ)」がD2Cで人気)
公式サイト:https://konokototomoni.com/
福岡にある通販企業、株式会社オモヤが展開するペット向け食品のD2Cブランド「コノコトトモニ」。人も口にすることができる安心安全な原材料を使用し、日本国内の工場で丁寧に作ったドッグフードを販売しています。
同ブランドのウェブサイトは、ペットとの生活に役立つさまざまな読み物コンテンツが充実。SNSでも、わんちゃんのパパ・ママと同じ目線でわんちゃんとの暮らしがより楽しくなる情報を配信しています。
各ブランドとも、顧客と直接つながるD2Cモデルならではの特徴を生かし、顧客の声(UGC)を中心にプロダクトやマーケティングの設計を行っています。また、顧客の声を通じて、新規顧客に商品の魅力、商品がある生活を伝えていることが特徴的です。
有名D2CブランドがUGCをどのように活用して売上につなげているのか、事例を資料にまとめました。ぜひお気軽にダウンロードください。
記事公開日:2022.08.05