ROIは1,000%以上。成長D2Cカンパニーnatural techが考えるUGCの魅力とは

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ROIとは?-ogp

創業4年目のnatural tech株式会社は、日本発のサプリメントや美容製品のD2Cブランドを展開するビューティー・ウェルネス企業です。

葉酸サプリの「mitas series」、妊娠線予防クリーム「mitera organics」、漢方由来のスキンケア製品「BEAW」、知力健康サプリメント「Rimenba」など、マタニティ・ビューティー・ライフスタイルのカテゴリにおいて複数のブランドを展開して急成長しており、業界内でも大きな注目を集めています。

今回は、natural tech株式会社 代表取締役の竹内 太郎 氏に、同社がマーケティングにおいて大切にしている考え方についてインタビュー。成果につながる施策として現在注力している「UGC活用施策」についてもたっぷりお話を伺ってきました。

課題

  • 消費者の声を大切にした商品開発やサービス設計を行っており、第三者によるクチコミ=UGCを自社のECサイトやLP上に掲載する重要性も非常に高いと考えた
  • 顧客のInstagram投稿のキャプチャを撮り静止画でLPやECサイトに貼り付けていたが、お客様からは企業からのメッセージと同じような見え方になっていた

解決策

  • 妊活期、妊娠中、産後の時期別にUGCが生成されるように工夫し、商品別にUGCを出し分けてLPに掲載
  • UGCの掲載位置や見せ方(Instagram投稿/テキスト形式のレビューなど)の検証を実施

成果

  • LPのCVRが1.6~2倍に向上
  • LetroへのROIは1,000%超

高機能・高付加価値な製品群で、あなたらしくいられる生活を提案

-まずは貴社の事業概要を教えてください。

竹内氏:naturarl techは現在創業4年目の会社です。マタニティ・ビューティー・ライフスタイルの分野において複数のブランドを展開しています。

すべてのブランド共通で大切にしているコンセプトは「あなたらしく」。あなたが理想とするあなたでいられるために、ナチュラルで高機能・高付加価値な製品群を開発・提供し、皆さまの人生の質を向上させることを目指しています。

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natural tech株式会社 代表取締役CEO 竹内 太郎 氏
P&Gマーケティング本部でPampers、SK-IIの国内・海外市場のブランドマーケティングを歴任。ベビーケアやビューティーのカテゴリーを担当していた経験から、独立しnatural techを創業。

-マタニティ・ビューティー・ライフスタイルの分野でブランドを作った背景を教えてください。

竹内氏:私はもともとP&Gにおり、当時パンパースやSKⅡを担当していました。P&Gでは生活者調査を数多く行っていたのですが、そのなかで、現在「妊活」する方が増えており、それに伴って悩みを持つ方も増えているという実感があったんです。

そこで、まずはマタニティの分野でブランドを展開しました。それが妊活期向けの葉酸サプリ「mitas」です。

「mitas」のリリースをスタートに、妊娠中の方向けの葉酸サプリ「mamaru」、産後・授乳期サプリ「mamaco」、妊娠線予防クリーム「mitera organics」、漢方由来のスキンケア製品「BEAW」など、製品群を横展開して事業を伸ばしてきました。

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マタニティ・ビューティー・ライフスタイルの分野において複数のブランドを展開

徹底的な消費者調査がブランド作りのカギ

-製品開発において大切にしていることは何ですか?

竹内氏徹底的に消費者調査を行うことです。私もCOOの片岡もP&G出身で、消費者調査をやることの重要性が骨身にしみていたため、そこは常に意識しています。立ち上げ時に資本がないところから大手と戦わなければなりませんので、消費者への定性・定量調査を繰り返すことで市場を戦略的に定め、コンセプトを作ってきました。

最初のステップは市場選定です。「大手が入りにくいニッチな領域か?」「サブスクに向いているカテゴリーか?」などの指標で市場を定めます。

次に行うのがコンセプト設計です。電話会議や対面のインタビューで、顧客ひとりひとりと深く向き合い、共通するインサイトを探っていきます。

その際に大切なのが、まずは消費者の方の「行動」を聞くことです。例えば、建前では「オシャレさ」を求めている方でも、行動を聞くと「機能」を最重視していることもあります。本人も意識していないインサイトをしっかりと見極めること、そして顧客に共通する要素を見出していくことが必要です。

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-妊活期向けの葉酸サプリ「mitas」のコンセプト作りの経緯を教えてください。

竹内氏:妊活を行っている方にインタビューをする中で、妊活中の方は体の冷えを気にして温活をされている方が多いことが分かりました。

妊活に葉酸や鉄分は必要だと認識されており、世の中に葉酸・鉄分が摂取できるサプリはたくさんあります。ただ、葉酸や鉄分に加えて温活のことも考えてあげられているものはなかったんです。ここに勝機があると考え、まずは「温活」を訴求しブランドをローンチしました。

しかし、その後定期的に消費者調査を繰り返す中で、「自分の体調に合うと理解してもらうこと」「信頼や誠実性が伝わること」の重要度も高いことが分かったんです。

そこで、「温活」に加えてさらに複数のコンセプトを設計して消費者調査を行い、現在の「時期別」のコンセプトにたどり着きました。

この結果を踏まえてLPの訴求も変更し、購入率も上々です。時期別を訴求することで「自分の体調に合う」「信頼できる」といった情緒面にプラスの効果もあったと考えています。

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「時期別」を訴求するLP

ユーザーの嫌がることはしない。気持ちに寄り添うコミュニケーションを大切に

-サービス設計において大切にしていることは何ですか?

竹内氏ユーザーが嫌がることはしないことです。よくある「定期縛り」は一切やっていません。買った日にすぐに止めることもできますし、「解約するときは電話のみ」といったこともありません。

休眠している会員の方に「またこのブランドを使いたい」と思ってもらえることこそブランド力だと思うんです。そう思ってもらえれば、第一子を妊娠・出産し、我々の製品を一度卒業した方でも、第二子、第三子で再び戻ってきていただくことができます。

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マーケティングというと新規獲得に偏重してしまう傾向がありますが、LTVを伸ばすことに注力する方が、長期的にはよりインパクトがあると思います。「LTVが伸びる→利益率が上がる→新規獲得により多くの広告費をかけられる」という良いスパイラルが生まれるのではないでしょうか。周囲の成功D2Cを見ていても、やはりきちんとブランド設計をし、LTV思考でマーケティングをしているところが伸びていると感じます。

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-LTVを伸ばすために行っている施策を教えてください。

竹内氏:弊社のCOO片岡がリードして既存顧客へのコミュニケーション戦略を設計してくれて、クロスセル率は大幅に改善しました。

購入後の消費者の気持ちの変化について調査すると、妊活をはじめて実際に妊娠し、その後出産するまで、気持ちは大きく変化することが分かります。彼が行った消費者調査で、購入前、購入後、解約後までの気持ちの変遷を細かく分類して、タイミングに合わせて同梱物の内容を変更していきました。

例えば、やる気Maxで妊活をスタート、その後3ヵ月ほどで不安な気持ちが出てくる、6ヵ月後はもっとも気持ちが落ち込む、その後妊娠してまた気持ちはMaxに、つわり期でまた不安に…といった具合で、細かく消費者の気持ちの変遷を理解していきます。

このような消費者の気持ちの変化に寄り添って、各段階でのコミュニケーションを考えています

natural tech株式会社 取締役COO 片岡大和氏

natural tech株式会社 取締役COO 片岡 大和 氏
P&Gマーケティング本部でPampersブランドを担当していた時に竹内氏と出会う。2021年10月よりnaturaltechのCOOとして参画。

消費者の声=UGCでユーザーの購入意欲を後押し

-消費者の声を大切にした商品開発やサービス設計を行っている御社が、なぜ運用型UGCソリューション「Letro」を導入したのかお聞かせください。

竹内氏:UGCは「消費者の声」そのものです。会社が一方的に伝えるブランドメッセージだけでなく、「みんなはこう思ってるよ」もあわせて伝えることで、より購買意欲や信頼度の向上につながると思います。

こうした第三者によるクチコミ=UGCを自社のECサイトやLP上に掲載する重要性は非常に高いと考え、Letroを導入しました。

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-Letro導入前も、UGCを活用していましたか?

竹内氏:顧客のInstagram投稿のキャプチャを撮り、静止画でLPやECサイトに貼り付けていましたが、お客様からの見え方としては企業からのメッセージと変わらなかったのではと思います。

一方、LetroのUIはInstagram上で見るUIと同じですよね。企業が仕込んだクチコミではなく、実際の顧客が投稿したものだとリアルに伝わるのが良いと思っています。

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LPにInstagramのUGCを掲載

UGCを運用することでCVRが1.38倍に

-現在、UGCをどのように活用しているか詳しく教えてください。

竹内氏:まずは、妊活期、妊娠中、産後の時期別にUGCが生成されるように工夫し、商品別にUGCを出し分けています

Letroのチームの皆さんには、それぞれのステージでどんなUGCが商品の魅力をより反映するかを一緒に発掘いただいています。今まで、ユーザーの実体験はなかなか出てこなかったので、そこを追及するのが楽しいですね。

また、UGCの掲載位置や見せ方も工夫しています。ファーストビューのすぐ下に置くのが良いのか、CTAの直後に置くのが良いのか。UGCに添えるテキストは「わたしも使っています」と「Review ご愛用者様の声」ではどちらが効果が高いのか。そんな細かな検証を積み重ねてUGCを運用することで、Letro導入前に比較してCVRは1.38倍に向上しました。

UGCの掲載位置や見せ方

LPにおけるUGCの掲載位置や見せ方を細かく検証。複数のパターンを試して効果の良いやり方を探った。

自分たちだけではここまでの検証はやりきれなかったと思います。Letroのチームの皆さんが伴走してくれたからこそと感謝しています。

現在は全4ブランドの複数のLPでLetroを導入しており、導入前と比較してCVRが1.6~2倍になったものもあります。ROIは1,000%を超えているので、めちゃくちゃ費用対効果の良い施策だと評価しています。

運用型UGCの導入成果

Letroを導入して運用型UGCを行い、PDCAを積み重ねることで、導入前に比較しLPのCVRは1.38倍に向上。
Letro導入のROIは1,000%以上。

UGCで製品の機能や効果に留まらない魅力を訴求していく

-今後、UGC活用施策でやってみたいことを教えてください。

竹内氏:今後は、我々の製品を半年など長期間使っていただいた方からのUGCを増やしていきたいです。

今まで、我々自身でインフルエンサーさんに依頼して投稿いただいていたUGCは、使用後1ヵ月程度の感想なんですよね。これからはLetroさんとご一緒し、半年など長期間でモニターをしていただいたユーザーさんのUGC生成にチャレンジする予定ですので、そこからどんな成果につながってくるのか楽しみです。

製品を使ってもらった瞬間の感想だけではなく、しばらくたってどう変化があったかの感想をLP上で見せることで、成果も大きく変わるのではと期待しています。

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UGCは、企業では思いつかない魅力やストーリーが語られていることがあります。例えば「mitasは安心して妊活できるお守りのような存在です」と表現いただいていたり。あるいは、ご自身の妊活~産後に対する悩みや不安の中で、なぜこの製品を買ったのかを語っていただいていたり。

製品の直接的な機能や効果が語られていなくても、このようなユーザーならではの感想が見た方の共感を呼び起こし、成果にもつながりやすい結果が出ています。薬機法の観点でもクリアできますし、今後はよりこうしたユーザー目線ならではの製品の魅力が伝わるUGCを生成・発掘していきたいですね。

-最後に、Letroの導入を検討されている方に向けてコメントをお願いします。

竹内氏:Letroはとても満足度が高い施策です。Letroで実現できることを自社でやろうとしたら、デザイナー、コーダー、企画や日々の運用など、少なくとも3~4名は必要です。それを踏まえても、どう考えても投資対効果の良い施策だと思います。スタートアップでリソースが限られている企業であればなおさら、その成果を実感しやすいはずです。ぜひ導入をお勧めしたいですね。