【初心者向け】動画広告の作り方まとめ|制作フローから成果を出すポイントまで徹底解説!

| | |

動画広告-ogp

2022年のインターネット広告媒体費のうち、動画広告は2割以上を占めており、今後さらなる拡大が予想されます。
(参考:2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

一方、いざ動画広告をスタートしようとしても、広告用の動画をゼロから作るハードルの高さが足かせになっているのも事実です。

実際、アライドアーキテクツが行った動画に関する調査(2020年12月実施、有効サンプル数221)では、約4割の方が「制作費が高いこと」「作れる人がいないこと」を動画制作における課題と回答していました。

そこで今回は、動画広告の作り方やポイントを制作のフローに沿って解説していきます。

動画広告|制作前のポイント

① ゴールとターゲットを明確にする

闇雲に動画広告を制作し始めると、広告の成果を後で振り返ることができません。

どういった目的で、誰に広告を見てほしいのかをまずは定義付けましょう。

目的は「認知度拡大」「購入促進」「ブランディング」など、なぜ動画を制作するかを明確にしましょう。

目的を定めたら、具体的な数値や期限を決めましょう。

例)今期中にサイトのアクセス数を30%増加させる。

ターゲット課題・行動・感情・接点を可視化することで、顧客の行動・心理が整理でき、顧客の解像度を高めることができます。顧客の行動や心理が理解できるようになると、どのようなアプローチをどのタイミングですべきか見えてくるでしょう。

ターゲット例)

ターゲット例

目的・ターゲットをしっかり定めておくことで、動画の方向性が明確になり、スムーズに制作できるようになります。

動画広告の基本知識についてはこちら
【保存版】動画広告の基本を解説!費用相場や事例もご紹介

② 配信する媒体を決める

動画広告を配信できる主な媒体として次の6つが挙げられます。

  • ・YouTube
  • ・LINE
  • ・Facebook
  • ・Twitter
  • ・Instagram
  • ・TikTok

広告で取り扱う商品の価格帯やターゲット、広告にかけられる予算を考慮して広告媒体を選びましょう。

主要SNS広告について簡単に解説します。

<YouTube広告>

Google広告の仕組みを使った精度の高いターゲティングや6秒のバンパー広告などが特徴です。YouTubeの月間利用者数は国内7,120万人(2023年)を突破しており、老若男女問わずにメッセージを届けられます。

5秒でスキップできるものや最初から「広告」という印がついている動画など、YouTube広告には8つの種類があります。広告戦略に応じて、どの方法で広告を打つのか選択できます。

<LINE動画広告>

広告知識が浅い方でも気軽に始めやすい点や、「動画広告の配信がアプリからゲームまで幅広い分野に対応している点が特徴です。LINEの月間利用者数は国内9,500万人(2023年)であり、幅広い年齢層にリーチできます。LINE広告はユーザーの性別や年齢、みなし属性などで精度高くターゲティングできることが魅力です。

LINE広告動画が急増!?LINE広告動画について詳しくはこちら
LINE動画広告の総まとめ!事例で学ぶ「成果につながる動画広告」制作のコツとは?

<Facebook動画広告>

Facebookのパーソナルな情報を駆使した精度の高いターゲティングが特徴です。
ビジネスコミュニケーションツールとしても利用されます。Facebookの月間利用者数は国内2,600万人(2019年)であり、30〜50代の男性ユーザーの割合が女性を大きく上回っています。
また、ほとんどのユーザーが実名で登録し、同級生や同僚など、実際に会ったことのある人とつながる場として利用されることが多くなっています。

Facebook動画広告の基本についてはこちら
【最新版】Facebook動画広告の種類や規格を徹底解説!

<X(旧Twitter)動画広告>

テキストがメインのSNSで、タイムラインに違和感なく溶け込む動画広告が特徴です。
月間利用者数は国内4,500万人(2017年)で、10〜40代の幅広い年齢層へのリーチ力と興味関心軸でのターゲティング精度が強みです。X(旧Twitter)で閲覧された動画は、タイムライン上でスクロールを止めて視聴されます。他のオンラインプラットフォームに比べ、内容を思い出す率が高く、感情に訴えかけることができる点が強みです。

引用:X(Twitter)動画のリソース|Twitter

X(Twitter)動画広告の特徴、強みについて詳しくはこちら
Twitter動画広告を網羅!動画広告で認知を広げるためのポイントとは?

<Instagram動画広告>

Facebook広告の仕組みで広告を配信でき、Instagram自体が動画に力を入れている点が特徴です(リール機能など)。Instagramの月間利用者数は国内3,300万人(2019年)で、10〜40代がメインターゲットの広告に適しています。

動画広告をアプリ内で効果的に流すために、タイムラインに流れてくるフィード広告や発見タブを活用したディスカバリー広告など、さまざまな種類が存在します。

Instagram動画広告の種類、特徴について詳しくはこちら
Instagram広告の出し方は?費用や特徴・成果を出すポイントも解説

<TikTok広告>

縦型フルスクリーンで表示される動画広告や特殊なフィルターを使った動画広告が特徴です。TikTokの月間利用者数は国内950万人(2019年)で、10〜20代の若年層のユーザーが主体ですが、平均年齢は34歳と年々上昇しています。
他のSNS広告との大きな違いは、「TikTokの広告は楽しんで⾒られている」という点です。実際、他広告プラットフォームと比較してTikTok広告は「エンタメ性が高い」と回答した方の割合が多いという結果が出ています。

出典:Media Guide 2023 Q3|TikTok for Business

TikTok広告の特徴、強みについて詳しくはこちら
【2024年版】TikTok広告の基本を解説!コツやメリットとは?

どの媒体に出すのかを決めたら、広告の規格(秒数やサイズ)は必ず確認しましょう。

③ 伝えたいメッセージをひとつ決める

ターゲットに合わせて、伝えたいメッセージを決めます。その際、端的に確実に情報を伝えるようにしましょう。
ユーザーは数秒で動画広告をスキップし、見たいコンテンツへと移動します。

ひとつの動画にメッセージが複数入っていると、ユーザーはどのメッセージを受け取ってよいか分からず、あまり印象に残らない動画となるでしょう。

複数のメッセージを伝えたい場合は、メッセージごとに動画を複数パターン作るのがおすすめです。

④ 構成を考える

動画には時間軸があるため、「何秒で商品名を出すのか」「会社のロゴを表示させるのはいつか」といった構成を考える必要があります。

構成を考える際に役立つマーケティングのフレームワークをご紹介します。

・CAMS(キャムズ)

CAMSは「Catch / つかむ」「Appeal / アピール」「Motivate / 動機づける」「Suggest /提案する」の頭文字をつなげたフレームワークです。

最初の「Catch」では、消費者がハッとするようなコピーやイメージを配置して、インパクトを与えます。

次に「Appeal」では、商品のメリットを端的に伝えて興味を引きます。

そして、「Motivate」で消費者が商品に対して抱いている不安や不信感を取り除き、行動へのきっかけを作ります。

最後の「Suggest」にて、視聴者に寄り添う形で期待する行動を提案するといった流れです。

CAMS(キャムズ)が活用されている例

CATCH: "忙しい女性の皆さま、健康的な食事の用意や調理にお時間を取られていませんか?"

APPEAL: "そんなお悩みを抱えるあなたにオススメなのが、こちらの『〇〇食品デリバリーサービス』!"

MOTIVATE: "このサービスは、栄養士が監修し、栄養バランスを考え抜いた食事を提供しています。美味しくて栄養満点な料理が、あなたの食卓に届きます!"

SUGGEST: "今なら、初回注文で送料無料!健康を重視するあなたに最適な食事デリバリーをお楽しみください。オンラインショップで簡単に注文できます。

重要な点は、冒頭にユーザーの興味を引くシーンを配置すること、そしてユーザーにどんな行動をとってほしいのかを明確にすることです。

動画広告の作り方

1)動画に必要な素材を集める

動画を作るのに必要な画像やイラスト、動画素材を集めましょう。

動画広告は必ずしも動画素材が必要とは限りません。

静止画とテキストを組み合わせて動きをつけたものでも動画広告です。

既に静止画のバナー広告やSNS広告を出稿しており、効果が出ているクリエイティブがある場合は、それを動画に転用しましょう。

手元に使いたい動画・画像素材がない場合は、商用可のフリー素材を使うのもひとつの手段です。

また、企業利用に特化した動画制作ツールLetroStudioでは、広告クリエイティブに特化した素材集「LSライブラリ」を提供しています。

2)動画を編集する

動画編集ソフトやアプリに素材を読み込んで、動画を編集します。

はじめて動画広告に取り組む方は、静止画を組み合わせたスライドショーからスタートするのがお手軽です。

画像や動画だけでなく、テキストも工夫して、商品のイメージがより伝わるようにしましょう。
色は3色以下におさえると、画面がチカチカせず、バランスよく見えます。

動画内容と広告をクリックした後に表示されるランディングページに一貫性が欠けていると、ユーザーは誤って別のページに誘導されたと勘違いし、サイトを離脱する可能性が高まります。ユーザーが安心してランディングページを閲覧できるように、色調、デザイン、情報の内容を統一し、一貫性を持たせることをオススメします。

動画広告のアイディアが思い浮かばないとき

「素材は揃っているものの、どんなデザインの動画にすれば良いか分からない」
という方は、公開されている動画広告を参考にするのがおすすめです。

自身のSNSに流れてきた動画広告の中から、印象に残ったものをピックアップし、「なぜ印象に残ったのか」を分析するとヒントが見えてきます。

他にも、広告デザインの参考になるサイトを2つご紹介します。

Facebook広告ライブラリ:FacebookやInstagramに流れている広告を検索できるサイトです。商品名や企業名を検索すると、広告が一覧で表示されます。

Pinterest:広告に限らず、様々なデザインに触れることができます。気に入った動画広告を保存すると、Pinterestが自動学習し、広告関連のコンテンツが優先的にトップ画面に表示されるようになります。

動画編集ソフトについて

動画広告で成果を出すには、スピード感のあるPDCAが欠かせません。そのためには、デザイナーによる修正を待たず、広告運用者自身がさっと動画編集をできる環境が理想でしょう。

どの動画作成ツールを使うか迷っている方はこちら
【2024年最新版】動画作成ツールおすすめ11選!比較ポイントも解説

動画広告を制作する2つのコツ

① 静止画広告の勝ちクリエイティブを動画化する

既に静止画のバナー広告やSNS広告を出稿しており、効果が出ているクリエイティブがある場合は、それを動画に転用しましょう。

制作コストが抑えられる上、検証がしやすいため成果につながりやすいというメリットがあります。

<やり方>

  • 1. 既に成果の出ている静止画バナーを用意する(1~3枚)。
  • 2.静止画の文字を削除して、動画編集ソフトで動く文字にする。もしくはキラキラなどのエフェクトをつけたり、色を変えたりと各要素を変更する。
  • 3.同じ静止画をベースに様々なパターンの動画広告を作って検証する。

<イメージ図>

静止画勝ちクリエイティブの動画化のイメージ図

② UGCを素材として活用する

UGCとはUser Generated Contentsの略で、ユーザー自身が発信するコンテンツを指します。
身近な例を挙げると、Instagramに「#商品名」がついているユーザーの投稿や、Twitterで商品名を検索するとヒットする口コミを指します。

そのUGCを動画広告の素材として活用します。
UGCは生活者の購買意欲を喚起する効果があるとされており、実際にアメリカの調査では約63%の生活者が商品の購入前にUGCを参考にするというデータが発表されています。

生活者の商品購入前

ただし、UGCを使用する場合はUGCを投稿したユーザーに必ず確認をとるようにしましょう。

動画広告|制作後のポイント

複数パターン作り、効果検証をする

企業のマーケティング活動では、全ての施策においてPDCAが回っている状態が理想です。
しかし検証のハードルの高さから、運用が回っていない施策も多く存在します。
動画広告もそのひとつです。

静止画のバナー広告と同じように、動画広告も同じクリエイティブを出し続ければ摩耗します。ユーザーに飽きられてしまうのです。

それを防ぐために、動画広告も運用型の施策にする必要があります。

<具体的な実践方法例>

1.訴求軸によってパターン分けをする
動画広告のデザインは変えずに、価格やメリットなど訴求したい内容によってパターンを分けて配信します。

静止画クリエイティブ

2.デザインの要素を変えてパターン分けをする
1の訴求軸の検証で勝ったクリエイティブをベースに、デザインの要素を変えてパターンに分けます。例えば、文字のサイズや色、広告のベースカラーなど検証する要素は多数あります。広告に与える影響度の大きい要素から検証すると、改善幅がわかりやすいでしょう。

運用制作型とは

成果につながる動画広告を作るなら「LetroStudio」

今回は動画広告の作り方や成果を出すポイントをご紹介しました。
動画広告で成果を出すには、媒体ごとの規格やトレンドを押さえたクリエイティブを量産し、効果検証をしながら改善検証をしていくことが重要です。

しかし、「制作リソースがなくクリエイティブを量産するのが難しい」「社内でノウハウが蓄積されておらず、成果がでない」と悩まれる企業は少なくありません。

PDCAを高速化・成果向上を支援する動画制作サービス「LetroStudio」なら、媒体トレンドにあったテンプレートを使用して短期間で新たな勝ちパターン生成が可能です。非デザイナーでもリッチな広告クリエイティブを量産できる機能が充実しているため、たくさんの訴求軸を用意して、スピーディーに効果検証を回すことができます。