2024.03.11
YouTubeやWebCM・SNS広告/投稿・オウンドメディアへの掲載など、企業による動画活用が進んでいます。
動画に取り組む上で壁となるのは、動画編集スキルをもった人材の確保や、外部への制作依頼費用、撮影費用といった予算の確保ではないでしょうか。
本記事では、動画制作にかかるコストの相場や内訳をまとめ、動画制作費用を安く抑えるポイントについても解説します。
ひと口に動画と言っても、静止画を少し動かすだけのGIF風の動画から、静止画を組み合わせた30秒程のもの、CGアニメーションを使ったハイクオリティのもの、スマートフォンで撮影・編集したものまで多岐にわたります。
制作する動画の種類によっても異なりますが、動画制作費用は次の3つのプロセスごとの内訳で決まります。
プロジェクトの計画と方向性を明確にするためのプロセスです。
具体的には、以下を決めます。
企画段階では次のような人件費がかかります。
企画をないがしろにして動画制作をスタートすると、途中で動画の方向性がずれてしまったり、必要な動画素材が撮影できていなかったりと進行に問題が生じてしまうので注意しましょう。
動画に使用するための映像・画像素材を撮影するプロセスです。
既存の映像・画像素材を使用する場合は、そのライセンス料や許可を取得する必要があります。
新しく撮影する場合にかかるのは次のような「人件費」「機材費・諸経費」です。
一般の生活者がSNSに投稿した動画コンテンツ(UGC)を許諾取得の上で素材として利用するケースも増えており、Instagram広告などで活用が進んでいます。
UGCを活用したInstagram投稿用動画の事例はこちら
▶【Instagram投稿用にUGCを活用したHowTo動画を制作】ドゥサンクィルの動画活用
映像や静止画、アニメーションを組み合わせ、1本の動画として仕上げるプロセスです。
編集コストは「人件費✖️編集にかかる時間」で変動します。
動画編集にかかる費用は次のような「人件費」「編集機材」です。
3DCGやクロマキー合成といった複雑な編集の場合、高い編集スキルを持った人材が必要になるため、その分費用は高くなるでしょう。
同様に、求められる動画の時間が長いほど、編集にかかる時間も必然的に長くなるため、動画制作の費用は高くなるでしょう。
最新動画制作ツールの比較についてはこちら
▶【2024年最新版】動画作成ツールおすすめ11選!比較ポイントも解説
テレビCM・WEBCM用の動画制作の相場は1本あたり50万円〜500万円以上です。
費用の振れ幅が大きい理由は、「起用するタレント費用(キャスティング)」「スタジオ費」「カメラマン費用(人件費)」「コピーライティング費」などによって大きく変動するからです。
社員に出演してもらったり、すでに持っている画像・映像素材を使ったりすることで、費用は大きく下げられますが、CMとして会社が納得できるクオリティを目指す必要があります。
動画制作費用に加えて、広告配信枠の獲得にもお金がかかることを忘れずに予算を組みましょう。
タクシー広告を検討している方は、以下の記事をご覧ください。
▶【最新版】タクシー広告とは?メリットや費用を徹底解説
YouTube用の動画制作の相場は、1本あたり5000円〜30万円です。
YouTube動画は5〜10分が多く、テロップやカット、効果音といった編集が必要となります。
すでに撮影済み・編集のみの場合、1〜2週間の納期で1本あたり5000円〜3万円が相場になっています。
動画の企画・構成から撮影・編集まで依頼する場合、2〜4週間の納期で1本あたり5万〜10万円が相場になっています。
昨今では、クラウドワークスやLancersといったサービスを通して企業ではなく個人に依頼するケースも増えています。
YouTube運用を考えている方におすすめの記事
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動画制作ツールLetroStudioが提供するSNS広告のテンプレート
SNS投稿・SNS広告用の動画制作の相場は、1本あたり1万円〜70万円です。
カメラマンが撮影した映像というよりも、動画の長さは5~30秒程度で、商品の画像やお客様が実際に使っている画像(UGC)を組み合わせ、テキストとアニメーションを加えたものが多いです。
SNS広告の場合は、複数パターン制作して検証・改善を短期間で繰り返すことが必要なため、1本1本外部制作会社に依頼していると、かなりの金額になるでしょう。
Instagram・Facebook・Twitter・LINEなどが日本国内の主要SNSですが、各SNS媒体ごとに動画の規格も異なります。
例えばInstagramのストーリー用に制作した動画は、正方形のフィード投稿には向いておらず、同じ内容の動画を「リサイズ」して作り替える必要があります。
SNS動画別の規格・サイズについてはこちら
▶【2024年最新版】SNS動画の規格・サイズ一覧表 ~広告・オーガニック投稿の動画サイズが一目で分かる~
商品・サービス紹介動画の相場は、1本あたり30万円〜100万円です。
その商品が有形か無形か、どの業界かなどによって動画のイメージは変わります。
例えば、ソフトウェアのような無形商材の場合、そのサービス画面のスクリーンショットやアニメーションを組み合わせて動画を制作します。
撮影やキャスティング費用などがかからないため、CM動画より安く制作できるでしょう。
有形商材の説明動画で、3Dアニメーションを使って表現したい場合は、専門のスキルを持った人材が必要になるため費用は高くなるでしょう。
会社紹介動画(採用動画)の費用相場は、1本あたり30〜150万円です。
会社紹介動画は採用やPRを目的に作られるため、「会社にどのようなイメージを持ってもらいたいか」を考えて企画に落とし込みましょう。
YouTubeアカウント:佐川グローバルロジスティクス公式チャンネル
参考:佐川グローバルロジスティクス株式会社 新卒採用ムービー
ある社員の一日に密着し、リアルな仕事現場を見せています。ドキュメント番組風に製作された約10分の作品を通じて、業務内容の理解を深めることが可能です。
他にも、「オフィスツアー」として、オフィスの中身を見せる動画も主流です。
制作会社に動画を委託する際は、自分が理想とする会社紹介動画をいくつか持っていくことで、イメージのすり合わせがしやすくなるでしょう。
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マニュアル動画制作の相場は、1本あたり30〜80万円です。
何かしらの手順に従って操作する必要があるサービスにおいて、文字だけでは説明しづらい部分を伝える役割があります。
例えば、家具の組み立てや機械の操作説明などが挙げられます。
実際に操作している様子を撮影した映像とテキストを組み合わせた動画が多いです。
マニュアル動画の事例はこちらから
▶【紙マニュアルを動画に置き換え】サービス操作手順のマニュアル動画を月20本以上制作/BRANU株式会社
操作箇所をわかりやすく示すために「矢印」のアニメーションを付けたり、音声を付けたりすることで、誰が見ても同じ操作ができるマニュアルへと変化するでしょう。
個人に依頼する場合の費用相場は1万円から15万円程度です。依頼の範囲によって変動しますが、比較的リーズナブルです。撮影、編集、ナレーションといった特定の作業だけを依頼するのが一般的です。これにより、コストを抑えつつ必要なサービスのみ受けることができます。
映像制作会社での経験を持つフリーランスもおり、特定の領域における高いクオリティの成果物が期待できる場合があります。また、 個人での作業のため、制作依頼から納品までのスピードが早いことが多く、急ぎのプロジェクトにも比較的柔軟に対応してもらえます。
スキルが未熟、経験が浅い、信頼感に乏しいフリーランスも存在するため、依頼する際は慎重な選定が必要です。過去の実績や、コミュニケーション能力を事前に確認することが重要です。
また、個人のクリエイターは、撮影や編集など、動画制作の特定の作業のみを行うことが多く、企画やディレクション、マーケティング設計などは自社で行う必要があります。これらの全体的なプロジェクト管理を求める場合は、映像制作会社など他の選択肢を検討する必要があるかもしれません。
動画制作会社に依頼すると、企画から撮影、編集、納品までの全工程を一括で依頼できます。特に動画制作の知識がない場合は、動画制作会社に依頼することをオススメします。
また、企業だからこそ準備できるキャストや機材、撮影地などのリソースが豊富にあります。これにより、高クオリティの動画を作成することが可能です。
動画制作会社に依頼する際の費用相場は30万円から200万円程度と、比較的高額です。高品質なサービスとリソースの利用には相応の費用がかかるため、予算計画には注意が必要です。
また、動画制作にかかる期間が長くなりやすいのもデメリットの一つです。窓口担当、編集担当、撮影担当、企画担当など、プロジェクトに関わる多くの社員が別々に割り振られています。修正依頼や要望が複数人を介して伝わることで、対応が遅くなることがあります。
コストをできるだけ抑えたいと考えている場合、フリーランスへの依頼や自社制作が良いでしょう。
しかし、動画制作を外注する場合は、フリーランスよりも動画制作会社の利用を推奨します。ビジネス目的で利用する動画や映像では、高品質で戦略的に構築されたコンテンツが望ましいためです。
オススメの動画制作会社紹介についてはこちら
▶【費用・実績別】動画制作会社を厳選10社ご紹介!選ぶポイントも解説
動画制作費を構成する「企画」「撮影」「編集」のいずれかでコストを削減することで、トータルの動画制作費用を安く抑えることができます。
それぞれ、具体的な打ち手を解説していきます。
制作会社のプロデューサー・プランナーが担っている「動画制作スケジュール」「動画の目的・構成作り」「必要な素材の洗い出し」などを社内で行うことで、企画にかかる費用を削減できる可能性があります。
とはいえ、大きな予算をかけて制作するCM動画などの場合、カメラマンやナレーター、美術スタッフ、動画編集者とステークホルダーが増えるため、調整の難易度は必然的に高くなるでしょう。
SNS動画広告の場合、各SNS媒体の特性を理解した構成作りが重要です。
例えば、Instagramのリール広告の場合、最初の数秒でユーザーの興味を引くシーンをおくことで、動画の視聴時間が伸びやすくなります。
また、Twitterでは、マナーモードでタイムラインを楽しむユーザーが多いため、音がなくても伝わる動画作りが求められます。
法人に特化した動画制作ツール「LetroStudio」では、導入企業各社にサポート担当がつき、「どんな動画を作ったらよいか」「動画にどのような素材が必要か」をフォローする体制が整っています。
LetroStudio導入企業の事例はこちらから
▶動画広告でCPO11%改善!D2Cブランド「BELTA」が語る新規顧客獲得のインハウス広告運用
動画制作の撮影と聞くと「プロユースのカメラやドローンを使い、カメラマンに依頼して高品質な映像を撮らなければ」と思う方もいるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
特に昨今のSNS・Web広告では、素人がスマートフォンで撮影した素材の方が効果的なケースもあります。
また、素材調達方法は撮影だけに限りません。
新しく撮影する必要がないのであれば、有料・無料素材サイトでダウンロードする手も検討しましょう。
無料で使える素材サイトを以下にまとめているので、ご参照ください。
▶【2022年度最新版】商用可能なフリー動画・画像素材サイト8選
▶【商用利用可】Instagram向けフリー素材サイトまとめ(写真・イラスト・動画)
「フリー素材だと、他社と被るリスクが高い」という方は、有料の動画・画像素材サイトがおすすめです。
毎月 25点の通常ライセンスの素材または 3本のHDビデオで月額9,328円〜利用できます。
1億点を超える高品質な写真やイラスト、ビデオ、テンプレート、3Dアセットをサブスクリプションで利用できます。
画像引用:Adobe Stock
動画だけでなく、画像や音楽素材、効果音、3Dアニメーションまでダウンロードできる有料の素材サイトです。
指定されたカタログ内の素材を無制限にダウンロードできる定額制プランに加え、各素材ごとに購入することができるため、柔軟に予算を調整できるでしょう。
動画編集を社内の人員のみで行うには、「動画編集スキルを持った人材の採用」もしくは「動画編集を社員に覚えてもらう」必要があります。
動画を単体で制作する場合には外注した方が安いですが、これからも継続的に作り続ける場合には、専門の人材を採用することを検討しましょう。
ただし、動画の種類によって求められる編集スキルは異なります。本格的な動画を制作する場合は専門の知識を持った人材が必要ですが、SNS投稿等に使う動画であれば、専門知識がない社員でも対応が可能です。
例えば、TikTokやInstagramの場合、プロユースの動画編集アプリの使い方を知らなくても、アプリ内で動画を編集できる機能がついています。
無料かつ直感的な操作で扱えるため、SNSを普段から使っている社員であれば、慣れるのに時間はかからないでしょう。
初心者向けの動画編集アプリを以下にまとめているので、ご参照ください。
▶【デバイス別】動画編集アプリおすすめ11選!選び方のポイントは?
また、法人利用に特化した動画制作ツールもおすすめです。
動画制作ツール「LetroStudio」では、SNS・広告・商品紹介・マニュアルなどカテゴリごとに豊富な動画テンプレートを用意しており、そのテンプレートに素材やテキストを当てはめるだけで、社内の誰でも、経験ゼロから制作に着手できます。1本の動画制作にわずか15分、パワポ感覚で作ることができます。さらに、1to1のサポート体制で目的・媒体にあわせた動画制作が迷いなくできます。
月額課金のため、定期的に動画を制作していく予定であれば、外部に委託するよりもコストパフォーマンスが良く動画を量産することができます。
動画制作の相場や内訳、制作費用を安く抑えるポイントをご紹介しました。
有名タレントを起用したテレビCMからスライドショーのような商品紹介動画まで、動画の幅は広く、その相場も「時間」や「表現方法」次第で大きく変動します。
動画制作プロセスの全てを制作会社に丸ごと依頼するのではなく、「どのような動画を制作したいのか」「誰に動画を届けたいのか」「どれくらいの頻度で動画を作りたいのか」によって、まずは適切な動画制作手段をを考えてみるのはいかがでしょうか。
記事公開日:2022.09.07