2024.5.22
SNSでの情報収集が当たり前となった今、ECサイトで売り上げを上げるためにSNSを活用することは必須のデジタルマーケティング施策と言えます。
SNSの中でも特にInstagram(インスタグラム)には、ショッピング機能などの通販向け機能があり、UGCとしての活用がしやすいなど、ECサイトと相性の良いSNSです。
InstagramとECサイトとうまく連携させることで、ECサイトへのスムーズな誘導が可能となりCVR向上が見込めます。
「ECサイトへの訪問者増加のためInstagramをより活用したい」
「SNSとECサイトをもっと連携させたいがやり方がわからない」
このような方に向け、本記事ではInstagramとECサイトの連携方法やそのメリット、事例について解説します。
Instagram(インスタグラム)には、ECサイト運営者におすすめの機能である、「ショッピング機能」があります。
ショッピング機能とは、ECサイトと連携させ、Instagram上にまるでECサイトのような商品一覧・商品詳細ページを作成し、ECサイトでの購入をスムーズに誘導できる機能です。
Instagramの投稿に設定された「商品タグ」もしくは「ショップを見る」をタップすると、Instagram上でそのショップの商品一覧・詳細ページが表示され、購入したい場合は「ウェブサイトで見る」からそのままECサイトの商品詳細ページに移動して購入ができます。
画像引用元:https://www.instagram.com/brightage_japan/
ユーザーは、Instagramで気になった商品の情報を再度ECサイト上で探す手間が省けるため、商品購入までの流れが簡潔かつスムーズになります。
ショッピング機能の商品タグは、フィード投稿、リール動画、ストーリーズなどに設定可能です。
新しくなったショッピング機能では「コレクション」が追加され、季節やテーマに合わせてまとめられた商品群から気になる商品を探すことも可能となりました。
Instagramでショッピング機能を利用するには、以下のInstagram公式が提示する利用要件をクリアする必要があります。
Facebook アカウントとページはFacebook のサービス利用規約、商業利用規約、およびコミュニティ標準に準拠する必要があり、Instagram プロフェッショナル アカウントは Instagram の利用規約とコミュニティ ガイドラインに準拠する必要があります。
さらに、販売者契約、コマース ポリシー、広告ポリシー、ページ、グループ、およびイベント ポリシーを含む当社のポリシーに準拠していない場合、Facebook コマース サーフェスやコマース機能にアクセスできなくなったり、アカウントが無効になったりする可能性があります。
Facebook ページまたは Instagram のプロフェッショナル アカウントには、Web サイトから直接購入できる製品リストが含まれている必要があります。
Facebook Commerce 画面からサポートされている国の Web サイトに購入者を誘導する場合は、販売に使用する単一の非短縮ドメインを Facebook に提供する必要があります。 Facebook ページまたは Instagram のプロフェッショナル アカウントは、提供されたドメインに関連付けられたストアまたは Web サイトを表す必要があります。ドメインを所有していることを確認するために、ドメイン検証プロセスを完了するよう要求される場合があります。
Facebook および Instagram Commerce サーフェスを使用するには、Facebook ページまたは Instagram のプロフェッショナル アカウントが、サポートされている国のいずれかにある必要があります。 Facebook と Instagram がサポートされている国は、ここで確認できます。
FacebookとInstagram でのチェックアウトは現在米国でのみサポートされています。新しい場所が追加された場合は、サポートされる国のリストを更新します。
Facebook アカウントと Page または Instagram のプロフェッショナル アカウントは、本物の確立された存在を通じてなど、信頼性を証明している必要があります。これには、十分なフォロワーベースを維持することも含まれる場合があります。
Facebook Commerce の画面に掲載される製品情報には、誤解を招く価格設定および在庫情報が含まれていてはなりません。返金と返品のポリシーは明確に表示され、Web サイトや Facebook、Instagram から簡単にアクセスできる必要があります。
これらの要件を満たさない場合は、Facebook コマース サーフェスやコマース機能にアクセスできなくなったり、アカウントが無効になったりする可能性があります。
Facebook コマースのサーフェスには、Facebook 上のショップ、マーケットプレイス ストア、Instagram 上のショップが含まれますが、これらに限定されません。
引用:コマースの利用資格|Instagram
利用要件について詳しくはInstagram公式ページをご確認ください。
上記利用要件記載の通り、Instagramのショッピングの決済機能は日本ではサポートされていない(※1)ため、代金の支払いは自社の運営するECサイトで行う形となります。
そのため、Instagramのショッピング機能を使うには自社ECサイトを持っていることが前提条件です。さらに、そのECサイトがInstagramと連携可能かどうかも確認しておきましょう。
Instagramショッピング機能の利用手順は以下です。
①Instagramアカウントをビジネス用プロアカウントに変更する
②InstagramアカウントをFacebookアカウントに紐づける
③販売したい商品をコマースマネージャーに登録し商品カタログを作成する
④アカウント審査を受ける
⑤Instagram上でショッピング機能の設定を行う
ショッピング機能を利用できるのはプロフェッショナルアカウントです。個人用の通常Instagramアカウントしか持っていない場合は、この機会にプロアカウントへの移行を行いましょう。
プロアカウントへの移行手順は以下ページをご確認ください。
Instagramでビジネスアカウントを設定する方法|Instagram
次の③でコマースマネージャーに登録する際にFacebookアカウントへのログインを求められます。事前にInstagramアカウントとFacebookアカウントをリンクさせておきましょう。
コマースマネージャーとは、FacebookとInstagramでオンライン商品販売を行う際の主要ツールです。
商品情報の管理・販売状況の管理などを効率的に行うことができます。
コマースマネージャーに商品情報を登録して商品カタログを作成する場合、既存ECサイトの商品情報をCSVファイルで一括インポートも可能です。
さらに、ShopifyなどFacebookパートナー(※2)のECプラットフォームを利用している場合、ツール側で連携の設定を行い、商品情報を取り込むことも可能です。
コマースマネージャーとECサイトの連携が完了すると、ECサイト上での情報の変更がそのままコマースマネージャーに反映されるようになります。
反対に、コマースマネージャーでの変更もECサイトに反映されるようになるため、情報変更の際は注意しましょう。
コマースマネージャではショップページのデザインも変更可能です。ブランドの世界観が伝わるデザインにカスタマイズしましょう。
登録完了後はInstagramアプリ内から審査の申込を行います。
1週間程度で審査が完了する場合が多いですが、さらに日数を要する場合もあります。
審査が通過するとInstagramに通知が来ますが、審査が落ちると通知は来ません。
10日以上通知が来ない場合は、問い合わせてみましょう。
審査が完了したら、Instagramアプリ内での設定を進めます。
設定>ビジネス>Instagramショッピングを設定するからショッピング機能を「オン」にします。
この作業を行うことで、初めて画像投稿時に商品タグをつけることができます。
1件のフィード投稿につき、最大20個の商品タグを設定可能です。
ショッピング機能の利用手順や設定について詳しくはMetaの公式サイトをご確認ください。
参考:Instagramでショップ機能を活用する|Meta
ショッピング機能を使う場合の注意点として以下2点を確認しておきましょう。
Instagramショッピング機能の使用がサポートされていない国や地域があります。日本は利用可能ですが、中国などでは利用できません。
自社ECサイトが海外向けの場合は、必ず利用可能国をチェックしておきましょう。
Instagramショッピング機能で以下の商品カテゴリは販売を禁止されています。
成人向け製品
アルコール
使用済みの化粧品
動物
デジタルコンテンツ
医薬品
タバコ製品
など
さらに、以下の商品の販売は制限されています。制限される商品を取り扱っているECサイトの場合、審査に通らない可能性があるため注意しましょう。
イベントのチケット
ギフトカードやクーポン
ペットの里親マッチングサービス
※1:Instagramアプリ内で商品の支払いまで完了できるInstagramチェックアウトが2019年に公開されましたが、現時点では米国のみ利用可能となっています。
参考:Instagram でのチェックアウトの導入
※2:ShopifyやWixなどのパートナープラットフォームからコマースマネージャでカタログに商品をインポートできます。
参考:パートナーのプラットフォームからカタログにアイテムをインポートして管理する|Meta
※3:引用:利用規約とポリシー|Meta
Instagram上のフィード投稿の埋め込みコードを利用し、ECサイト上に埋め込むことで、Instagramの投稿をECサイトに表示させることができます。
投稿の埋め込みはUGC(クチコミ)として掲載する場合が多いでしょう。
Instagramは画像がメインのSNSであるため、他SNSよりも視覚的に訴求できます。
リアルな顧客の声(UGC)として、画像付きのInstagramの投稿は多くのECサイトやLPに埋め込んで活用されています。
そもそも「UGCとはなにか」や「UGCが注目される背景」を知りたい方はこちら
▶【完全版】UGCとは?今注目される理由とEC広告・販促事例10選
▶知らなきゃ損!UGC×ECサイトが注目される理由・成功事例を徹底解説
動画の埋め込みなどと同様、Instagram上の投稿から埋め込みコードを取得し、ECサイトのHTMLに追記します。
投稿の埋め込みコードを取得するには、Instagramアプリではなくブラウザからログインして対象の投稿にアクセスする必要があります。
以下の手順で埋め込みを行いましょう。
④の作業により、ECサイトにInstagram投稿を埋め込み表示させることができます。
埋め込みコードはレスポンシブ対応のため、PCでもスマートフォンでも適切に表示されます。
より表示を自由にカスタマイズしたい方向けに、以下の方法でも埋め込み可能です。ただし専門的な知識が必要となるため、初心者にはHTMLコードを利用した先述の埋め込み方法をおすすめします。
ストーリーズや非公開アカウントの投稿、埋め込み設定などで埋め込みが許可されていないアカウントの投稿は、埋め込むことができないため注意が必要です。
また、公開アカウントであってもInstagram投稿を埋め込むためには必ず投稿者の許諾が必要です。さらに著作権なども絡んでくる場合があるため、投稿者への確認は怠らないように気を付けましょう。
ECサイトへのInstagram投稿埋め込み方法について詳細を知りたい方はこちら
これまで埋め込み方法を解説してきましたが、実際にECサイトInstagram投稿を埋め込み、成果を上げた事例をご紹介します。
以下の事例では、アライドアーキテクツ社が提供するUGC生成プラットフォーム「Letro」を活用しています。
GREEN SPOON/株式会社Greenspoon
「GREEN SPOON」は野菜をサラダやスムージーとして自宅に宅配するサービスを提供しています。
ECサイトには、Instagram投稿の埋め込みの下に、Letroを使って生成したテキストでのレビューも追加し、充実したUGCを掲載しています。
ただUGC(クチコミ)を掲載するだけでなく、その効果に基づいてさらに最適化させPDCAを回していく「運用型UGC」とすることで、CVRを1.7倍に向上させることができました。
「GREEN SPOON」のUGC活用について詳しくはこちら
上記事例のように、Instagram上に投稿された「画像がメイン」のUGCだけでなく、「テキストレビュー」を活用することも近年重要視されています。
アライドアーキテクツ社が2022年に行った調査では、約5割の方が購入決定に最も影響を与えるUGCの形式は「テキスト」であると回答しています。
引用:UGCは、Instagram・Xだけではない!今熱い”テキストレビュー”の重要性|ECのミカタ
Instagram投稿の埋め込みのみ行っていた企業がテキストレビューに着手した結果、CVRが大きく改善したという事例も多くあります。
ぜひ、視覚的に訴求できるInstagram投稿と、購買の後押しとなるテキストレビューの双方を活用することをおすすめします。
ECサイトにUGCを活用して成果を上げた事例はこちら
▶UGCは顧客体験向上に欠かせないコンテンツ。トイザらスに学ぶ、オンラインストア×UGC活用術
▶メイクアップブランドのエチュード、オンラインショップにUGCを活用した画像つきレビューコンテンツを実装
これは特にInstagramショッピング機能を利用した際のメリットです。
ショッピング機能を使った場合と使わなかった場合のユーザーの購買までの行動フローを比較してみましょう。
このようにショッピング機能を利用すれば、ユーザーはInstagram上で自分が気になった商品ページからECサイトの商品詳細ページに直接飛ぶことができるため、再度「ECサイト内で気になった商品を探す」という手間が省けます。
ショッピング機能を利用しない場合でも、熱量が高ければ購入に至る場合もありますが、購入までの工程が多いほど途中で離脱する可能性が高いでしょう。
このようにショッピング機能を活用すれば、ECサイトへの導線が簡潔になり、購買につなげやすくなるのです。
Instagramに投稿された商品利用者の生の声をUGC(クチコミ)としてECサイトに埋め込むことで、消費者の購買前の不安・疑問が解消され、購買のハードルを下げることができます。
UGCとはいわば「顧客の生の声」です。それをリッチなものにすることで、購買の後押しとなりCVRが向上する見込みがあるのです。
UGCを掲載していないECサイトでは、クチコミを重視する昨今のユーザーは、クチコミを検索しに別サイトへ離脱してしまいます。
そのような機会損失を防ぐためにも、ECサイト上でのUGC(クチコミ)掲載は必須の施策と言えるでしょう。
アライドアーキテクツ社が行ったアンケートでは、約77%の利用者が「UGCを活用することでパフォーマンスが向上した」と回答しています。
引用:UGC施策の担当者注目の調査!「企業のUGC活用における実態調査 2021」 ~企業はUGC施策で成果をあげているのか?~
しかし、UGC(クチコミ)も広告と同様、ただ掲載するだけで終わってしまってはコンテンツが摩耗してしまい、CVRは徐々に低下していってしまいます。
引用:UGCを掲載するだけでは売れない!UGCの運用が大切なワケ|ECのミカタ
継続的にUGCを生成~収集できる仕組み、UGCの効果測定を行う仕組み、PDCAを回し続けられる仕組みを構築することで、より精度の高いUGCの運用が可能となります。
Instagramショッピング機能は無料で始められます。
さらにUGCとしての投稿埋め込みも、投稿者に許可をとれば無料で掲載できます。
Instagramと連携させることで、多くの広告費をかけずとも流入入口を作ることができるため、小規模事業者にも向いている施策です。
ショッピング機能を活用する場合も、UGCとしてECサイトに埋め込む場合も、Instagramの適切な運用が必須となります。
ターゲット設定からKPI設定、インサイト分析などの作業が必要となりますが、そもそもその作業を行う自社リソースがない場合もあります。
Instagram運用を外注する場合もコストがかかるため、Instagramの運用コストはデメリットとなりえます。
しかし、適切に運用すればECサイトでの売り上げ向上が見込めるのが、SNSと連携するのメリットでもあります。
運用コストと自社の目指すゴールを照らし合わせながら、ECサイトとInstagram連携後も継続運用可能なのかどうか確認しましょう。
実際にInstagramとECサイトを連携している企業の事例をご紹介します。
「PHOEBE BEAUTY UP」はスキンケアやまつ毛美容液などを販売する化粧品ECサイトを運営しています。
Instagramのショッピング機能を利用しており、Instagram投稿の商品タグから画像や価格を確認することができます。
Instagram上の商品詳細ページの「ウェブサイトで見る」から直接ECサイトの商品詳細ページに飛ぶことができ、シームレスな購買誘導ができています。
「PHOEBE BEAUTY UP」のInstagramアカウント:https://www.instagram.com/phoebe_beautyup/
Minimalは、日本におけるBean to Barの先駆けとして、2014年に誕生したスペシャルティチョコレート専門店です。
ECサイトにUGCとしてInstagram投稿を掲載し、既存顧客の共感を生むコンテンツとしてCVR向上に役立てています。
TOPページのUGCエリアは5つのタブ切り替えが可能で、各商品群ごとにInstagram投稿のクチコミを閲覧できます。
UGCを「自分たちが作ったもの、伝えたことの答え合わせ」として捉え、マーケティングにも積極的に活用しています。
Minimal公式サイト:https://mini-mal.tokyo/?letrotab=6450
MinimalのUGC活用について詳細を知りたい方はこちら
▶UGCをサイトにストック。重厚なコンテンツづくりに欠かせない一手 ~お客様との持続的な関係を築く「Minimal」が捉えるUGCの価値とは~
InstagramとECサイトの連携について、ショッピング機能からUGC(クチコミ)の埋め込みまで様々な活用方法をご紹介しました。
InstagramとECサイトを連携させることで、InstagramからECサイトへのシームレスな誘導や、UGC掲載による購買の後押しなどが可能となります。
Instagramとの連携は、ECサイト運営者にはぜひともおすすめしたい施策です。
しかしながら、Instagramと連携させてもECサイトの流入を短期的に増加させるのは難しいため、集客施策としては中長期的に行うと良いでしょう。
ECサイトの売上アップには、集客施策に加え、サイトを訪問した準顕在層・顕在層の購入率を引き上げる施策を同時並行的に行うことが重要です。
昨今の生活者は、情報接点増加の中で自分に必要な情報を取捨選択し、しっかりと比較検討して商品を購入する傾向にあります。
目の肥えた生活者に対し、商品の機能説明を行うだけでは、離脱する可能性が高まるばかりです。
そのため、ECサイトでの購入率を向上させるには、訪問者が自分ゴト化できるような「UGC」や商品への共感をうむ「ブランドストーリーコンテンツ」、商品の魅力を多方面から伝える「動画」を活用し、ECサイトのコンテンツを充実させることが重要です。
しかしUGCの重要性は理解していても、運用リソースがなかったり外部ツールを使うことにコスト面で不安を感じる方も少なくないでしょう。
CVR最適化プラットフォーム「Letro(レトロ)」では、月額5万円~で手間や費用をかけずに、ECサイトをリッチにできるプランがございます。
手ごろな価格のプランで、Instagram投稿・テキストレビューの収集~分析改善まで、UGCに関わる施策をワンストップで支援いたします。
「購入の後押しとなるUGCを、低コストでECサイトに掲載したい」
「既にあるSNS投稿を有効活用して、手間をかけずにサイトをリッチにしたい」
という方は是非ご確認ください!
記事公開日:2024.05.22