2024.4.25
記事LPは、通販企業が新規顧客を獲得するための重要な手段です。商品・サービスに関する広告と接触したけれど、購入のモチベーションがまだ形成されていない潜在ユーザーの受け皿となり、商品・サービスに対する理解を促進して購入へと導くためのページです。
この記事では、記事LPの集客効果を高めるためのポイントをわかりやすく解説します。
特に、UGC(ユーザー生成コンテンツ)や動画など、CVRに大きな影響を与える要素の活用方法を、具体的な成功事例を交えて紹介します。
記事LPとは、ページ訪問ユーザーの共感を引き出し、商品・サービスに対する理解を深め、購入へと導くことを目的とした読み物形式のLP(ランディングページ)です。次の表は、「通常LP(獲得LP)」と「記事LP」との違いをまとめたものです。
通常LP | 特徴 | 記事LP |
---|---|---|
リスティング広告 SNS広告 |
流入元 |
ネイティブ広告 WEBメディアの記事一覧 SNS投稿の間に表示される広告 |
課題が顕在化したユーザー 能動的に検索して訪問、 ターゲティングされた広告から訪問など |
ユーザー |
潜在層 商品購入モチベーションが まだ形成されていないユーザー |
商品の魅力 ベネフィット 根拠をアピール |
コンテンツ |
ユーザーが抱える悩みの原因や 解決策を中心に構成され、 広告色が少ない |
直接的に 商品・サービス購入に誘導 |
導線 |
通常LPへ遷移を促してから 購入へ誘導する 広告と通常LPの間に挟まる役割として 「クッションLP」と呼ばれることも |
なぜ、「通常LP」とは別途「記事LP」を作成する必要があるのでしょうか?その理由として、以下の3つのポイントが挙げられます。
記事LPの最大の利点は、明確な購入意志がまだ形成されていない潜在ユーザーに対する受け皿になることです。
広告で商品・サービスと接触したものの、まだ十分な理解を持っていない潜在層に対して、情報を提供し、理解を促す場として機能します。
商品・サービスに対する自然な興味を喚起し、ユーザーを段階的に購入に向けて導くことができます。
ユーザーを広告から直接、通常LPに誘導するのではなく、記事LPを利用してワンクッション挟むことで、ユーザーの違和感(「まだ商品についてそれほど理解していないのに、購買への誘導が強い」といった印象)を軽減します。
ユーザーが抱える悩みの原因や解決策を伝えながら、自然に商品への興味・理解を深めることで、離脱率を低下させることができます。結果として、ユーザーは商品に対する関心が高まり、購入に対する不安や疑問、抵抗感が少なくなります。
記事LPを通してユーザーが「この商品の特徴は、自分に合っている」「自分の悩みを解決してくれそうだ」と理解できれば、通常LPへの遷移が期待できます。購入意欲が明確になってから通常LPを訪れるため、通常LPのCVRが向上し、結果的に広告投資の効果も高まるといえます。
集客効果を高めるためには、具体的にどのように記事LPを作成すれば良いのでしょうか?そのポイントを紹介します。
記事LPでは「ターゲット設定」を行うよりも、より具体的に想定ユーザーを描き出す「ペルソナ設定」が推奨されます。ペルソナ設定とは、潜在顧客の特性、ニーズ、行動パターンをくわしく描き出す取り組みです。
ターゲットとペルソナの違い | |
---|---|
ターゲット | 広範囲にわたる特定の市場セグメントや顧客群を指す (例)「20代〜40代の女性」 など |
ペルソナ | ターゲット市場内の個々の潜在顧客の詳細なプロファイル。 具体的な年齢、職業、興味、悩みなどを設定する。 (例)「30代後半の女性で、フルタイムで働く母親としての日常の 忙しさと、健康や、子供の教育への関心が高い人」など |
潜在顧客の具体的な課題や悩みを理解し、それに対する解決策を記事LPの内容に盛り込むことで、より深い共感と関心を引き出し、最終的に購買につなげることがポイントです。
ペルソナ設定についてくわしく理解しよう
コンテンツ作成の際には、ペルソナを踏まえたうえで、「誰に」「何を」「どのように」伝えるかを明確にしましょう。
「誰に」伝えるのか:
想定ユーザーのプロファイルを描き出します。どんな人に記事LPを読んで理解してほしいのか、年齢、性別、職業、興味・趣味などを書き出してみましょう。潜在顧客に共感してもらえるコンテンツを的確に用意するために、重要なプロセスです。
「何を」伝えるのか:
想定ユーザーの興味やニーズに合わせたコンテンツを計画します。想定ユーザーが抱えているであろう悩みを受け止め、解決策を提案しながら、自然に商品への理解・関心が深まるようなコンテンツを用意することが望ましいといえます。
「どのように」伝えるのか:
どのような切り口、順序でコンテンツを伝えるのが適切か、具体的に考えましょう。画像や動画など視覚的な要素や、第三者による商品評価・レビューなども組み込むことで、ユーザーの関心をより引くことができるよう、工夫しましょう。
また、最初から商品・サービスを前面に押し出すのではなく、ユーザーの問題解決や興味に焦点を当てることで、自然な流れで商品訴求へとつなげることができます。
購買行動を促進する「新・PASONAの法則」
ここで、コンテンツを通じてユーザーの購買行動を促進するためのフレームワーク「新・PASONAの法則」を簡単に紹介します。これは、著名マーケターである神田昌典氏が提唱した法則です。
ステップ | 説明 |
---|---|
P | Problem - ユーザーが抱えているであろう問題を提起します。 |
A | Agitation/Affinity - 問題に深くフォーカスしてユーザーの感情に訴えます。 |
So | Solution - 問題解決策を提示します。 |
N | Narrow down - 緊急感や独占性を示し、オファーが限定的であることを強調 します。 |
A | Action - ユーザーに具体的な行動を促し、次のどのようなアクションを取る べきか呼びかけを行います。 |
このフレームワークを活用することで、購入に向けてスムーズな流れを作ることができます。
新・PASONAの法則についてもっとくわしく
以下は、記事LP制作時のチェックリストです。このチェックリストでは、ユーザーが内容をスムーズに理解しやすいよう、視認性と利便性を重視しています。
チェック項目 | 説明 |
---|---|
タイトルのインパクト | タイトルが読者の注意を引きつけるか、インパクトがあるか |
タイトルのメリハリ | タイトルに適切な強調が施されているか、メリハリが利いてい るか |
文字数の適切性 | タイトルや本文の文字数が適切かどうか。 多すぎず、必要な情報が凝縮されているか。 |
テキストの読みやすさ | 本文が平易でリズム良く読めるか、 スマートフォン表示にも適しているか。 |
強調ポイントの伝達 | 強調したいポイントが効果的に伝わるように工夫されているか |
客観的評価の利用 | 客観的なデータや評価を交えて情報の信頼性を高めているか |
押し売り感の排除 | コンテンツが押し売りになっていないか、 ユーザーに自然に受け入れられる形で情報が提示されているか |
希少性・限定性の提示 | 商品・サービスの希少性や限定性を適切に伝えているか |
CTAボタンの設定 | CTA(Call to Action)ボタンが目立つ位置にあり、適切に機能 しているか |
通常LPへのリンク設定 | 記事LPから通常LPへの遷移がスムーズにできるようリンク設定 がされているか |
記事LPのライティングのポイントはこちらもチェック
広告からの集客数があっても、CVRが低いと最終的なビジネスの成果獲得に繋がらず、獲得コスト(CPA)が高くなります。そのため、迅速な効果検証と改善のサイクルを継続的に行うことが重要です。記事LP施策の成果を効率的に獲得し、より多くのリターンを得るために必ず記事LPのPDCAを実施しましょう。
LP最適化の重要性を理解しよう
記事LPの説得力を高めるためには、前章でも述べた通り客観的なデータや評価を交えて、情報に信頼性を持たせることがポイントの一つです。
記事LPは、特にオンライン専業のEC・D2C事業者にとって、初の顧客接点となる場合があります。
その記事LPで、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を見せることで、説得力が高まります。現代の生活者は、購入前にSNSなどで他のユーザーの意見や体験談を探ることが一般的だといえます。アメリカの調査(※1)によれば、生活者の半数近くが「最も信頼できるコンテンツはUGC」と回答したことが明らかに。
(※1)eBook: 5 Brands Crushing UGC & Influencer Marketing Strategies|Social Native
生活者は、企業からの一方的なメッセージ(性能・機能などの価値訴求)だけでなく、ユーザーの声と接触することで「商品が自分に合っているかどうか」をより具体的にイメージできるようになり、商品に対する信頼を持てるようになります。
よって、UGCを積極的に取り入れると、商品・サービスに対する興味や検討度を高め、情報に溢れる現代社会において生活者の意思決定に大きな影響を与えるといえるのです。
UGC訴求は、さまざまなCVR改善施策の中でも「最もインパクトがある」と捉えている企業もあります。その事例をいくつか紹介します。
ヘアケア用品やボディケア用品で知られるブランド「BOTANIST」は新規顧客獲得を目的として、記事LPでUGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用しています。
満足度の高い星評価や、具体的な使用感を掲載。信頼できる情報として潜在顧客の興味を引き上げ、記事LPから獲得LPへの遷移率を1.15倍に改善しました。
パーソナライズヘアカラーブランド「COLORIS(カラリス)」の記事LPでも、UGCを積極的に掲載しています。
このブランドはオフライン販売がないため、購入検討中のユーザーにとって、他のユーザーの体験談が購入前の不安を解消し、CVRの改善につながっています。
特にセルフカラーの簡単さや、色の出方、使用後の髪のツヤや、まとまりを示すUGCが効果的で、これらのコンテンツの導入により、記事LPから獲得LPへの遷移率が1.12倍、CVRが2.0倍に向上しました。
スキンケアブランド「あきゅらいず」の記事LPでは、既存顧客の声を活かし、日常生活での肌の悩みや理想について詳細に触れています。
既存顧客は、「かんたんに泡立つ泡が気持ちいい」「30秒で完成する手軽さ」といった商品の特長を高く評価していることが分かり、それを記事LPの中心内容として反映しました。
このアプローチにより、潜在層の製品への興味を高めることに成功し、CPAが17%改善されました。
事例の詳細を読む
動画コンテンツは、記事LPの効果を大幅に向上させる要素です。
動画は情報の伝達をスムーズにし、ユーザーがストレスなくコンテンツを消費する手助けをします。動画は静止画に比べてユーザーの視認性が4.8倍、購入促進の効果が3.1倍というデータもあります。
この特性を活かし、ファーストビュー、メインコンテンツ、CTA(行動喚起)などの重要部分を動画化することで、ユーザーの興味を強く引きつけ、関心度や検討度合いを自然に高めることができます。
記事LPにおける動画活用事例を2つ紹介します。
さくらフォレストは、福岡を拠点に健康食品やサプリメント、ヘアケア、化粧品、食品など多岐にわたる商品の通信販売事業を展開しています。
このブランドでは記事LPでのCVR改善を目指し、動画を効果的に使用しています。
テキストは最小限に抑え、直感的な理解を促す内容の動画を掲載。この施策により、SmartNews広告からのCVRを約2.5倍に向上させることに成功しました。
DMJえがお生活は、健康食品やサプリメント、化粧品などを扱っているブランドです。
このブランドでは記事LPのファーストビューに動画を活用して、CVRを2.25倍に向上させました。
動画制作では、ターゲットである悪玉コレステロール値が気になるユーザー(40代以上の女性)が食事を楽しめるようなイメージを選び、視覚的魅力を高めるために白とピンクの色調を使用。特に「減り方」というテキストは黄色で強調し、インパクトを与える工夫をしました。
この記事では、記事LPを用いて通販企業が新規顧客を獲得するための効果的なアプローチと、具体的な成果向上のポイントをくわしく解説しました。
まずはペルソナ設定をして、UGCや動画といったコンバージョン率を大きく左右する要素を活用しながら、戦略的にコンテンツを作り上げていくことが重要です。
なお、次のようなお悩みを抱える企業の担当者様に向けて、無料のお役立ち資料を用意しています。
下記のURLから、無料でダウンロードしていただくことができます。記事LP制作の重要ポイントやライティング技術、成功事例を今すぐお読みいただけますので、どうぞお気軽にご活用ください。
記事公開日:2024.04.25