2019.12.25
「新たな商品発見」から「実際の購入」につながる場所として、欠かせない存在となったInstagram。
2019年、Instagramは「今後ユーザーに新たなショッピング体験を提供する」とし、ショッピング機能と決済機能のシームレスな連携など、さまざまな購買につながる機能追加や、EC通販企業担当者が活用しやすいさまざまなInstagram広告メニューのアップデートを実施しました。
今回は、2019年に実施されたもののうち、EC通販担当者が必ずチェックしておくべき3つのInstagram広告アップデート内容を、詳しく解説します。
画像内商品に直接タグをつけて商品詳細ページに誘導することが可能な「ショッピング機能」。
従来はショッピング機能を使った投稿は広告出稿の対象外でしたが、2019年10月31日より広告での配信が可能となりました。これにより、今までオーガニックではリーチできなかった層に広告配信が可能となりスケールの拡大が期待できるとともに、ターゲット層への確実なリーチも可能となります。
商品に直接タグ付けして商品詳細ページに誘導させることが可能なショッピング機能。
今後は商品詳細ページからInstagramアプリ内で決済まで可能にする「Instagram CheckOut」機能の導入も見込まれる。
このショッピング機能を使った投稿にアクション(ショッピング投稿をタップしてタグを表示する)を起こすユーザーは、グローバルで月間1.3億アカウントにのぼるとも言われています。
また、Facebook社は、ショッピング機能からシームレスにInstagram内で決済まで完了させる「Instagram Checkout」機能のテストを米国の一部で開始しており、今後日本でも導入が予測されます。
「ショッピング機能」を使った投稿への広告配信をうまく実施することで、Instagramからダイレクトに購入につなげることが可能となるでしょう。
関連記事:【Instagramが、同アプリ内で決済まで完了できる機能Checkoutを発表!】今後のInstagramのEC展開に備えて、私たちが準備するべきこととは?
ストーリーズ広告で「アンケート機能」の利用が可能となりました。アンケート機能は、オーガニックでも人気のあるスタンプの一つで、インタラクティブなコミュニケーションを生み出すことが期待されます。
参照元:Instagram Day Tokyo 2019の公式スライド
Facebook社は、今後ストーリーズの質問スタンプやアンケートスタンプなどの
インタラクティブな機能に注力していくと発表した。
アンケート機能を用いることで広告感が抑えられ、ユーザーからのアクションを自然に促しやすくなること、アンケート内容に訴求内容を入れることで自然とユーザーマインドを「商品検討」のステップにシフトさせやすくなることで、CTRやCVRの改善につながると考えられます。
株式会社アイムはスキンケア商品「アクポレス」のストーリーズ広告にアンケート機能を利用(上図:右)。
利用前(上図:左)と比較して、CTR(ストーリーズ広告内の「詳しくはこちら」をクリックした率)は1.8倍に、
CPA(この広告からLPに遷移して商品を購入した人の獲得単価)は40%削減された。
日本ではストーリーズの利用が大変盛んで、デイリーアクティブ利用者の70%がストーリーズを利用しています。また、ストーリーズは、ユーザーによるストーリーズ投稿だけでなく、ビジネスによるストーリーズ投稿もユーザーによく閲覧されていることが分かっています。最も見られたストーリーズ投稿の中でビジネスが占める割合は3分の1にも及ぶそうです。
今回広告でも利用が可能になったアンケート機能を上手に活用し、ストーリーズ広告に取り組んでみましょう。
関連記事:事例で解説!Instagramストーリーズ広告クリエイティブ制作7つのTIPS【入稿手順も分かる・徹底解説マニュアル付!】
クリエイター(インフルエンサー及びパブリッシャー)が投稿したオーガニックのブランドコンテンツを、協業関係にあるビジネスが広告配信することが可能な「ブランドコンテンツ広告」の提供が開始されました。
ブランドコンテンツ広告はクリエイターのアカウントから配信され、アカウント名の下に「広告(英語ではSponsored)」と表示されるのに加え、利用者がクリエイターとビジネスの協業関係を簡単に理解できるよう、キャプション欄の冒頭に「XXX(ブランド名)とのタイアップ投稿」と明記される。今後はストーリーズでも利用が可能になると発表されている。
従来はインフルエンサー施策の評価を「インプレッション」で測る、もしくはインフルエンサーが投稿した日前後の購買数の変化を見ることで測るしか方法がありませんでしたが、ブランドコンテンツ広告開始によって(その投稿のCPAなど)ダイレクトにどれだけの効果があったのかを測ることができるようになり、設定目標に対する最適化も実施しやすくなりました。
また、広告を使うことによって、インフルエンサーのフォロワーにリーチするだけでなく、より広いターゲット層にインフルエンサーの投稿を届けることが可能になります。
さらに、インフルエンサーの投稿は、もともとユーザーに受け入れられやすいコンテンツであること、また企業名ではなくインフルエンサー名で広告配信されるため、ユーザーに受け入れられやすいフォーマットであると考えられることから、良い広告効果が生み出されることが想定されます。
ショッピング機能をクリエイター投稿内にも使えるテストも実施されており、実現されれば、今後さらにインフルエンサー投稿からダイレクトに購入につなげる流れが強まると考えられます。
Instagramは今後もダイレクト広告向けのメニューを拡充させると考えられます。アップデート情報をチェックし、まだライバルも少ないうちに積極的に新たな広告にチャレンジするべきです。
また、ターゲティングや広告自動最適化の精度が上がっている今、広告運用の結果を一番左右するのは「クリエイティブ」です。しかしながら「ショッピング機能を使った投稿」「ストーリーズ投稿」などクリエイティブの難易度は上がる一方。PDCAを回して「勝ちクリエイティブ」を見つけるためには相当な数を用意する必要があり、制作リソースをどう確保するかも頭が痛い問題です。
そのような中、これを解決する一つのヒントとして、ユーザーによる投稿(UGC)の活用が考えられます。ハッシュタグをキーにして自社商品に関する投稿を収集し、それを広告に活用することで、ユーザーに受け入れられやすいデザインのクリエイティブを無数に用意できる可能性があります。以下、株式会社バルクオムの事例を参考にご覧ください。
関連記事:バルクオムの事例で解説!Instagram広告成功のための3つのキホン
以上、今回は2019年に実施されたInstagram広告アップデートのうち、通販売上UPに使える3つのアップデートをご紹介しました。
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記事公開日:2019.12.25