2023.4.10
「YouTubeショート」とは、YouTube内で60秒以内の縦長ショート動画を投稿できる機能のことです。2022年5月以降、この配信面に対して広告の出稿ができるようになりました。
本記事では、YouTubeショート動画広告に関心のある企業担当者に向けて、広告を出す際に理解しておきたい要点やメリット、注意点を解説します。
あわせて、縦長ショート動画広告で成果を出すためのポイントや、おすすめの動画テンプレートも紹介します。
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【TikTok・Pangle広告】COREKARAに聞く、縦長動画広告で成果の出たクリエイティブ&PDCA大公開
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はじめに、YouTubeショートの概要について解説します。
YouTubeショートとは、最大60秒までの縦型の動画を投稿・閲覧できる機能です。スマートフォンの画面いっぱいに縦長動画が表示され、動画をスクロールするとすぐに次の動画へと切り替わる点が特徴です。
秒までの縦型ショート動画をYouTube内で投稿・閲覧できる機能のことです。
投稿する動画はスマートフォンと、YouTubeアプリ内に搭載されている機能「YouTubeショートカメラ」を使うことで、誰でも作成可能です。
スマートフォンの画面いっぱいに縦長動画が表示され、動画をスクロールするとすぐに次の動画へと切り替わる点が特徴です。
[出典]【2023年版】YouTubeショート動画の作り方。成功事例・コツも解説!TikTokとの違いとは?
「縦長ショート動画」という点ではTikTok動画によく似た機能だと言えます。しかし、視聴するユーザー層が異なります。
TikTokは10代、20代のユーザーが多いのに対し、YouTubeは全年代に利用されており、10代から40代の利用率は9割を超えています(※1)。
TikTokに関しての詳しい記事はこちら
▶TikTokの使い方|企業担当者が理解しておきたいポイントを解説
同じく「縦長ショート動画」という点でInstagramの「リール機能」とも似ていると言えますが、リールともユーザー層が異なっています。
Instagramの年代層別利用率は、10代が69%、20代が68.1%、30代が55.6%となっており、50~60代になると利用率は約3割以下に落ち込みます(※1)。
Instagramリールに関しての詳しい記事はこちら
▶【2023年版】Instagramリール|活用のコツ、注意点とは?企業事例5選つき
(※1)「令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」|総務省
YouTubeショートの枠に広告が流れるようになったことは、クリエイター(ユーチューバー=動画配信者)にとっては「YouTubeショート向けコンテンツを制作・配信することで広告収入を得られるようになり、収益化の幅が広がった」ということを意味します。
より多くの視聴者がショート動画コンテンツを支持し、YouTubeショートの配信面が活性化すれば、今後、クリエイターによるショート動画コンテンツ制作がさらに進むことも想定できます。
YouTubeショートには、2022年5月24日から動画広告を出稿できるようになりました。
次の画像は、動画広告のイメージです。スマートフォンの全画面を使った縦長ショート動画広告を配信することができます。
[出典]Google Marketing Live 2022 でのサービスに関する発表のまとめ - Google 広告 ヘルプ
YouTubeショートに配信できる広告種別は、以下の3つです。
1つ目は、コンバージョン促進を目的とした「動画アクション キャンペーン」です。
[出典]Google Marketing Live 2022 でのサービスに関する発表のまとめ - Google 広告 ヘルプ
動画の長さは10秒以上〜60秒以内にする必要があり(※2)、アスペクト比は問いません。
必ずしもYouTubeショートだけに掲載されるのではなく、一つのキャンペーンを作成することでスマートフォン、パソコン、テレビなど複数のチャネルで広告配信が行われます。
Googleによると2023年内には、広告に関連のある商品フィードも表示できるようになるそうで(※3)、アップデートが進めばさらにEC流入・コンバージョン促進を期待できるでしょう。
[参考]About Video action campaigns - Google Ads Help
2つ目は、モバイルアプリのユーザー獲得、プロモーションを目的とした「アプリ キャンペーン」です。
モバイルアプリをGoogle PlayやApp Storeに掲載している場合、新規で動画広告を制作する必要はありません。アプリストア内の掲載情報から取得できるアセットを使って広告が自動的に作成され、YouTube、Google ディスプレイ ネットワークなどに配信されます。
つまりこの広告種別も「YouTubeショートだけに動画広告を流す」ということではなく、YouTubeのサイト内のさまざまな場所や、Google の関連サイト全体に掲載されます。
[参考]About App campaigns - Google Ads Help
3つ目は、「P-MAXキャンペーン」です。
「P-MAXキャンペーン」とは、1つのキャンペーンを作成することで、すべてのGoogle広告の広告枠に配信が可能になり、YouTube広告、ディスプレイ広告、検索広告、Gmail、Googleマップなど、Googleのあらゆるチャネルでコンバージョンを後押しします。
長さ10秒未満の縦長動画を入稿しておくと、自動的にYouTubeショートでの配信対象になります。それ以外の形式で入稿した動画は、ショート面に配信されることはないようです(※2)。
[参考]
P-MAX キャンペーンについて - Google 広告 ヘルプ
アセット グループを作成する - Google 広告 ヘルプ
(※2)2023年3月20日時点、Googleカスタマーサポート担当に確認
(※3)Google Marketing Live 2022 でのサービスに関する発表のまとめ - Google 広告 ヘルプ
YouTubeショートに広告を出すメリットと注意点について解説します。
YouTubeはTikTokやInstagramと比較すると、若年層に限らず、全年代が利用する動画プラットフォームです。
スマートフォンアプリからYouTubeを視聴するユーザーにとっては、「ショート」のタブをタップするだけですぐに何らかの動画の再生がスタートします。通常のYouTube動画を視聴する場合と少しユーザー体験が異なっていて、サムネイル一覧から見たい動画を判断して選択するステップがありません。
視聴体験がそもそも違うので、従来のYouTube動画広告ではリーチできなかったユーザーに対しても情報を届けられる可能性が広がります。
また、出稿手順はYouTube動画広告と全く同じで、手軽に配信面を増やすことができる点も企業にとってメリットだと言えます。
【YouTube広告を出す手順】
▶YouTube広告の種類9つをご紹介!特徴や広告を出す流れとは?
YouTubeショートは、広告枠として今後大きな伸びしろが期待できます。
ビデオソリューション事業の「株式会社エビリー」の調査によると、YouTubeショート動画は2021年1月時点で8,296本投稿されており、この時点ではYouTubeの全動画の中での割合はわずか1.26%に過ぎませんでした。ところがその後、2022年12月時点では投稿数が88,850本に急増、YouTubeの全動画の中での割合も10.52%に上昇しました。
わずか2年でショート動画の月間投稿数はおよそ10倍になっており、YouTubeにおける重要度が高まってきていると言えます。
ユーザー側も情報収集に「タイパ(=タイムパフォーマンス、時間効率性)」を重視するようになっており、ショート動画の人気が高まっている状況です。
縦長ショート動画の広告枠は、今後大きな伸びしろを期待できる広告掲載枠だと言えるでしょう。
[参考]2023年のショート動画はどうなる?最新トレンド調査|株式会社エビリー
【縦長ショート動画のメリット】
▶【縦型動画の時代へ】作り方のコツやメリットは?事例で解説!
注意点は、You Tubeショートだけに限定して配信することは不可能で、あくまで「動画広告の配信面が増えた」と理解をする必要がある点です。
2023年3月20日時点でアライドアーキテクツがGoogleカスタマーサポート担当に確認した情報によると、
との回答でした。YouTubeショートはアップデートのサイクルが速いエリアとのことで、広告配信面としての成長に伴い、今後も仕様変更が実施される可能性があります。
YouTubeショートに配信する動画広告は、長さ10秒ほど(最大60秒)の縦長ショート動画です。ユーザー視点で見ると、ランダムで広告が流れてきて、接触するのは「一瞬」です。
ここからは、縦長ショート動画広告でユーザーの関心を引く4つのポイントをお伝えします。
まず、動画広告の冒頭でユーザーの関心を強く引くことのできる工夫が不可欠です。
商品の特徴やメリットなどを、ユーザーの興味を引く形(例えば質問形式や問いかけ式を使う、冒頭で大きく絵を動かすなど)で訴求しましょう。
YouTubeショートを見ているユーザー心理とは、移動時間、スキマ時間などにショート動画コンテンツを視聴して楽しみたい、情報収集したい、といったものだと想定できます。その間に広告を見てもらおうとすることは、コンテンツ視聴時間にいわば企業が「お邪魔」している状態です。ユーザーは動画広告と接触した一瞬、あるいは数秒で「自分に関係があるかどうか」「見るか、スキップするか(あるいはアプリやタブを閉じるか)」判断します。
それゆえ、冒頭に第一訴求ポイントを必ず盛り込むようにして、ターゲットユーザーの関心を強く引こうとする工夫は欠かせません。
ディスプレイ広告やSNS広告など、静止画広告で高い成果が得られた「勝ちクリエイティブ」を転用し、少しアレンジを加えて動画化するのも非常に有効な手法です。
具体的には、反響が高かった静止画の一部を動画編集ソフトに取り込み、テキストにアニメーション効果を付けたり、背景が輝くようなエフェクトを付けてより目を引くクリエイティブに加工することです。
制作コストを抑えられる上、検証がしやすいため成果につながりやすいメリットがあります。
YouTubeは音を出して見ているユーザーが多いため、音声は必ず付ける必要があります。一方、YouTubeショートについては「音声オフ」で視聴している状況も想定されます。例えば、移動時間やカフェなどでスマートフォンを見ている場合もあるでしょう。
そういった視聴環境をあらかじめ想定し、音声無しでも重要なメッセージが伝わる工夫を盛り込むことも大切です。
具体的には、第一訴求メッセージをもれなく伝えるために、動画冒頭でテロップを入れる、テロップを動かすエフェクトを付ける、といった手法が考えられます。
UGC(購入者のクチコミ)を動画広告内の素材として活かすことも大切です。
UGCは生活者の購買意欲を喚起する効果があるとされており、アライドアーキテクツの調査(※4)では生活者の64.6%が購買行動においてUGCを信頼していることが明らかになっています。
(※4)生活者の64.6%が購買行動においてUGCを信頼、購入の意思決定に最も影響を与えるコンテンツ形式は、「テキスト」 | アライドアーキテクツ株式会社
具体的には、動画広告内でUGCを見せる(例:ユーザーによる商品の利用シーンを見せる)ことなどが挙げられます。
企業側が発信する訴求ポイントやメッセージだけでなく、第三者による評価・クチコミを見せることで動画広告視聴者にとってより説得力が高まり、「自分ごと化」できる特徴があります。
【縦長ショート動画広告で成果を出す!】
▶動画広告の作り方まとめ|制作フローから成果を出すポイントまで徹底解説!
▶動画広告で成果を出す一歩は「当たり静止画へのちょい足し」がポイント
▶Pangle開始2ヵ月、単月出稿額1,000万超えを実現!COREKARAが語る「縦長動画広告」の可能性とは
動画広告で成果を出すための4つのポイントをもれなく盛り込もうとすると、動画制作に入る前の「企画」「構成」プロセスに多大な時間を取られがちです。ノウハウや人手不足の課題を感じている企業も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめの動画広告作成方法が、「動画テンプレート」を活用することです。
動画テンプレートとは、各種掲載媒体(SNS・YouTubeなど)に適合する動画サイズ内に、背景やエフェクトなどがあらかじめセットされ、一式のパッケージになったものです。
編集ソフトで動画テンプレートを開いて、そこへあらかじめ準備した動画・写真・イラストを取り込んで、テキストを差し替えていくだけで、プロのようにクオリティの高い動画をスピーディーかつ低コストで仕上げることができます。
動画テンプレートの提供元によりますが、「コスメの動画広告」「サプリの動画広告」など、目的・業種別に特化したテンプレートを選ぶことで、動画制作プロセスを大幅に効率化できます。
【動画テンプレートについてもっと詳しく】
▶動画テンプレートで企画・構成時間をカット!活用時の注意点とおすすめサービス
この記事では、YouTubeショート動画広告について解説し、成果の出る動画広告をスピーディーに制作するには、動画テンプレートの活用がおすすめであることを紹介しました。
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勝ちトレンドを反映したテンプレートをプロのデザイナーが毎月追加。ノウハウがなくても、今日から“成果の出る”動画を、PowerPointのような直感的な操作で、誰でもサクサク量産できます。
また、ツールの提供だけではなく、17年間のSNS運用・広告代理事業の経験で培ったノウハウをもとに、導入企業様をサポートします。
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記事公開日:2023.04.10