【最新】顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)とは?今注目される理由・取り組み方をわかりやすく解説

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顧客体験(カスタマーエクスペリエンス/CX)とは?

カスタマーエクスペリエンス(Customer Experience)とは、購入前後を含めたすべての購買プロセスで顧客が得る体験や価値、メリットなどを指す用語です。「CX」や「顧客体験」と表記されることもあります。

商品やサービスの価格や機能といった金銭的・物質的価値だけでなく、顧客の心理的・感覚的価値も重視しているのが特徴です。

<顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)の例>

  • 製品やサービスを使用したときに感じる物質的・感覚的な価値
  • 商品やサービスを購入するまでの過程、使用する過程、購入後のサポートまでの一連のプロセスにおける顧客体験
  • 商品やサービスを提供している企業への印象

顧客体験(カスタマーエクスペリエンス/CX)はなぜ注目されているのか?

デジタルシフトによる企業と顧客のタッチポイントの変化

従来は、リアル店舗の店頭、ダイレクトメール、メール、コールセンターなどが中心でした。しかし、インターネットの普及に伴い、企業と顧客のタッチポイントは、多様化し、その数も増加しました。SNSやスマホアプリ、ネット記事、クチコミ、チャットといった要素が加わり、顧客はこれらのタッチポイントを通じて多くの情報を吸収し、購買判断を行うようになりました。

つまり、購入場所とされている「リアル店舗」や「ECサイト」における販促や接客業務だけではなく、それ以前のタッチポイントも顧客の購買の意思決定に大きく影響するようになったのです

顧客接点‐役割図
出典:株式会社NTTデータ 経営研究所│2021年6月号「デジタル化による顧客接点改革」岩澤 信一郎氏執筆

コモディティ化する市場

市場は高品質で安価な商品で溢れており、機能や品質などで差がなくなってしまう「コモディティ化(一般化)」が起きています。企業は、低価格競争を強いられ、付加価値の高い商品を市場に投入し続けなければ勝ち残りが難しい状況になっています。
この打開策として注目されているのが、顧客体験の向上です。市場優位性を確立するための戦略として、カスタマーエクスペリエンスが求められています。

顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)を向上させるメリット

クチコミによる顧客獲得

顧客体験の向上によって、顧客は商品やサービスに対する「信頼」や「愛着」が高まり、「周囲にも良さを伝えたい」と推奨する行動につながります

『購入商品について最も参考にした情報源は?(年代別)』の問いでは、全年代をとおして多いECモールや公式WEBサイトに次いで、20代ではInstagram・YoutubeなどのSNS、30代〜40代はクチコミサイト、60代はクチコミサイトと店頭の商品・販促物が購入の決め手になると回答しています(※1)

それが、クチコミやSNSでのシェアです。商品やサービスの購入前後の体験全てを通じて発信されるクチコミそのものが、購入の意思決定に影響を与え、新規顧客の獲得につながっているといえます。

購入商品情報収集‐年代別
出典:EC・通販ユーザー動向調査レポート2021|株式会社KDDIエボルバ

リピーターの獲得

低コストで安定的な売上を実現するには、リピーター顧客の獲得が不可欠です。企業が継続的に顧客体験の向上に取り組むことで、顧客の商品やサービスに対する総合的な満足度が向上し、リピーターを生み出します
Watermark Consulting社によると「優れたカスタマーエクスペリエンスを提供している企業は、良くないカスタマーエクスペリエンスを提供する企業の3倍ものリピーターを獲得しています(※2)」。
また、helpscoutの調査によると、「消費者の65%が製品やサービスの価格よりも顧客体験の方が重要である(※3)と回答しました。

顧客体験を向上させることがリピーターの創出に寄与し、ひいては安定した収益を継続的に得ることになります。

ブランドイメージの向上

継続して良い体験を受けた顧客は、商品やブランドへの信頼を深めます。顧客の一定数がファン化し、ファンが増えれば、ブランドの総合的なイメージが向上します。

顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)を向上させる方法

顧客体験を向上させるには、顧客の潜在的なニーズを把握し、データドリブンで戦略を決定し、サービス全体に反映させることが大切です。

顧客データを収集・蓄積する

顧客は複数のチャネルを横断し、情報収集や購買を行っており、顧客の行動は複雑化しています。一方、テクノロジーの進歩で、取得できる情報の量は増し、精度も高くなっています。顧客の属性や行動データ、購買データを適切に収集し管理することで、顧客の心理に寄り添った情報提供や購買までの快適なコミュニケーションを可能にします。

カスタマージャーニーを作成する

マーケティングに活かすために、顧客のデータを分析し、整理します。カスタマージャーニーマップとは、顧客の動き(行動・思考・感情)を時系列で可視化したものです。顧客が全体を通してどのような動きをしているか把握し、各タッチポイントでどのような顧客体験をしてもらうのかを整理しましょう

フィードバックを収集・評価・改善する

顧客からのフィードバックやデータを収集し、施策結果を評価します。ページビュー数、コンバージョン率、直帰率といったKPIを定め、その結果から「顧客はどのタイミングで離脱しているのか」「購買まで至っている顧客の行動パターンは何か」などを読み解きます。改善点を洗い出し、次に取るべき施策を決め、実行するという積み重ねによって、顧客体験は向上していきます。

事例で紹介!お客様目線×データドリブンが施策のカギ

①株式会社SOLIA

メイド・イン・ジャパンのオーガニックブランドを展開する同社は、2013年の創業と同時に立ちあげたブランド「ALOBABY(アロベビー)」は、ベビースキンケアの日本トップブランドに成長させています。同社は、データドリブンなマーケティングと顧客行動を反映したコミュニケーションの設計を行っています。 複数のブランドを展開する同社は、各ブランドや商品のコミュニケーションの軸を最初に定め、コンセプトやメッセージをずらさないことで、お客様に最終的にブランドの親和性を感じてもらえるような設計をしています

施策例

  • ターゲットやメイン・サブの訴求を明確にする「Who・Whatシート」を作成・公開し、社員が共通認識をもてるようにしている
  • アンケート調査やインタビュー調査から商品を開発
  • フォーム一体型のLPに改善し顧客行動にあわせたクロスセルを実現
  • お客様が購入前に調べるクチコミ(UGC)をECサイトに掲載
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データドリブンで成長するSOLIAのマーケ投資思考とは?

②DINETTE株式会社

ファンの声を生かしたコスメブランド「PHOEBE BEAUTY UP」を立ち上げ、ローンチからわずか2年で年商15億のブランドへ成長しているコスメD2Cです。同社は、施策設計の軸に”ユーザーファースト”を据え、あらゆるユーザーの声を施策に反映しています。また、施策の良し悪しをクイックに見極めるため、全ての施策結果はデータとして残し、改善スピードを上げています。

施策例

  • 友だち”のような寄り添う感覚のコミュニケーション
  • コメントやDMへの丁寧な返信
  • お客様と一緒に仲間として商品つくり上げる
  • メールを見ないZ世代にはSNSで問い合わせ対応
  • お客様のフィードバックからECで提示する商品の組み合わせを改善
  • お客様の声を活かすため、Instagram投稿/レビューをLPに掲載
  • 広告クリエイティブに採用
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顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)の向上にUGCを活用

顧客体験を向上させるには、「顧客視点」でマーケティング全体を設計することが重要であることはご理解いただけたと思います。
SNSやECサイトが顧客の情報収集・購買行動の主戦場になった今、ブランドにとって有益な資産である「顧客の声=UGC」を中心にマーケティング全体の設計を行い、ECの売上向上を実現している企業が増えています

UGCを継続的に生み出し、吸い上げ、ブランド成長に繋がるコンテンツに変換し、そのコンテンツへの反応を踏まえて商品・サービスの開発・改善や、顧客の声の拡大につなげる「UGC運用」の取り組みは、これからはどの企業にとってもスタンダードな企業活動になるはずです。

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Letroは、顧客の声を中心に新規顧客向け施策からCRM施策までフル活用できる「UGC活用ツール」です。

リアルなお客様の声を収集してサイトに掲載できるだけでなく、「どんなインスタ投稿/レビューが購入の後押しとなるか」「どんなデザインだとCTRが高いか」など、効果が最大化される”勝ちパターン”を発見し、商品の改善や顧客体験の向上にまで繋げられます。
オンラインでの売上向上を目的に、顧客体験を向上させたい方は下記の資料もご覧ください。