2023.1.31
生活者の購買決定に大きく影響しているカスタマーレビュー。
カスタマーレビューを企業のマーケティングに活用する際に欠かせないのが、「カスタマーレビューの収集・掲載ツール」です。
今回は、カスタマーレビューを企業が活用するメリットや効果的な集め方、事例といった、カスタマーレビューを活用する際に知っておきたい情報とともに、おすすめのツールをご紹介します。
カスタマーレビューとは、企業の商品やサービスに対する感想や意見、評価など、顧客からのフィードバックのことを言います。
カスタマーレビューは、企業にとって商品開発や改良に有益な情報となるだけでなく、これから商品やサービスを検討しようとしているユーザーにとっても大変重要な情報になり得ます。
現在、こうした顧客から寄せられたカスタマーレビューを、商品・サービス検討ユーザー向けのコンテンツとして活用するレビューマーケティングに取り組む企業が増えています。レビューはUGC(User Generated Contents)の一種とも言えるので、レビューマーケティングはUGCマーケティングと同様の意味で使われることもあります。
企業がカスタマーレビューを活用すべき理由はなんでしょうか。どのようなメリットがあるのか整理しました。
アライドアーキテクツ株式会社が10~60代の男女1,100人を対象に行った「生活者のUGCに対する意識調査 2022」(※1)では、「商品・サービスの購入時に、UGCを信頼しますか」という質問に対し、実に全体で64.6%がUGCを信頼すると回答しました。
さらに、「商品を購入する際に、企業から発信される情報と、実際に購入した方から発信される情報のどちらを重視しますか」という質問に対し、全体で51.3%が「商品を購入した方から発信される情報」と回答しました。商品購入時は、企業発信の情報よりも「商品を購入した方から発信される情報」が重要視されることがわかります。
ECサイトへのカスタマーレビューの掲載は直接的なCVR(コンバージョン率)向上につながります。
カスタマーレビューにより、他の購入者がどのような体験をしているのか知ることができ、「自分にあっている商品か」見極めやすくなります。また、商品情報を補完して情報の信憑性を高めるためです。
同社が実施した「生活者の購買行動におけるUGC影響度調査2022」(※2)では、約9割が「ネット通販や定期通販」で商品を検討する際、「生活者のクチコミやレビューをチェックする」と回答しました。この結果は、「小売店で商品を検討する際(70.0%)」「お店や施設への来店を検討する際(74.0%)」よりも高く、ネットショッピングの際は、より生活者のクチコミやレビューが重要視されていると言えます。
記事内で、レビューを活用してCVR向上を実現した具体事例をご紹介していますので、是非ご覧ください。
ECサイトなどカスタマーレビューを収集しているサイトにリッチスニペットを導入することで、レビュー情報を検索結果に表示させることができます。
レビュー件数の多さや評価の高さは、商品の情報を探しているユーザーにとって有益な参考情報と言えます。リッチスニペットを導入することにより、クリック率向上=サイトへの検索流入を増やすことにつながります。
企業のマーケティング活動において様々なメリットがあるカスタマーレビューを集める方法をご紹介します。
顧客に商品が到着したタイミングなどで、フォローメールを送り、そのメールでレビューを依頼します。商品の到着可否や商品に不備がないかを確認しつつ、商品の感想を尋ねましょう。レビューを収集するためにフォームを使用する際は、ユーザーがログイン不要のものを使うなど、レビューの入力ハードルを下げる工夫をすると良いでしょう。また、レビュー投稿をした方にポイントやクーポンをプレゼントするなどのインセンティブを付与することも有効です。
顧客直後は商品へのアテンションが高まっているタイミングです。決済完了画面や商品購入のサンクスメールなどで、レビュー投稿を促しましょう。「商品をなぜ購入したのか」といった顧客が購入に至った背景がわかるレビューや「サイトで購入する際に気になる点」といった購入体験のレビューが集めやすくなるでしょう。
SNS上で、レビュー投稿者に割引クーポンやギフトを贈るといった、特典つきのキャンペーンを行うのも良いでしょう。ただし、むやみにやりすぎると、信憑性の低いレビューが集まる可能性もあります。良質なレビューを集めるために、公式アカウントをフォローしているユーザーを対象にしたキャンペーンを実施するなど工夫が必要です。
評価が高い・低いに関わらず、カスタマーレビューは貴重な顧客からのフィードバックです。ECサイトなどに寄せられたレビューにきちんと返信をすると、閲覧した他のユーザーに対しても誠実な印象を与えることができ、新たなレビューも投稿されやすくなります。レビューに返信する際は、定型文などを使わず、ユーザーの投稿内容を踏まえた丁寧に返信するようにしましょう。
UGCツールは、カスタマーレビューをはじめとするUGCの収集や掲載、分析など、企業のUGC活用を一貫して支援してくれるツールです。
UGCツールは一般的に下記のような特徴があります。
「レビューを活用したいが、収集や掲載方法がわからない」「できるだけ手間をかけずレビュー活用をしたい」「レビューの施策成果を最大化したい」といった企業は、UGC活用ツールを利用することをおすすめします。
企業のマーケティング活動においてカスタマーレビューはどのような役割を果たしているのでしょうか。主な活用例をご紹介します。
顧客のリアルな声であるカスタマーレビューは、企業メッセージでは伝えきれない情報を補ってくれます。
アライドアーキテクツ株式会社による調査(※2)によると、商品購入やお店への来店を検討する際にクチコミやレビューをチェックする理由は「自分にあっている商品か見極めるため」「クチコミやレビューからさらに商品の良さを知るため」だと明らかになりました。
このことからも、商品を検討しているユーザーは、自分に近しい人が発信した意見や顧客目線の感想を知れることを期待して、レビューをチェックしていることがわかります。
ECサイトなどオンライン上での購買行動が一般化した今、レビューを表示することで、商品を検討するユーザーの共感を得ることができ、信頼感を醸成した状態で購買行動へとつなげることができます。
ECサイトのTOPページにレビューを掲載することで、商品の興味関心を引くことができます。さらに、商品詳細ページへの導線を引くことで、TOPページから商品詳細ページまで自然な流れでユーザーを導けます。
この際、掲載するレビューは、顧客目線の商品の魅力がわかりやすいものを選ぶと、ユーザーの共感を得やすくなります。
メイクアップブランドのエチュードは、UGCを見て購入意欲の高まったお客様がスムーズに購入していただけるような導線設計をしている。
引用:公式オンラインショップ│アモーレパシフィックジャパン株式会社
おすすめの商品をレコメンドする際にレビューを活用するのもいいでしょう。星つき評価のレビューや属性がわかるレビューにより安心感を醸成し、購入しやすくなります。
カスタマーレビューには、商品やサービス自体、一連の顧客体験の改善につながるヒントがたくさん詰まっています。レビューに「商品の色が思っていたものと違った」と多ければ、商品画像の差し替えを検討したり、「梱包が雑だった」という意見が多ければ、梱包方法を見直す必要があります。顧客のフィードバックを商品・サービスの改善や顧客体験の向上に活かしましょう。
代表的なカスタマーレビューツールと、その特徴をご紹介します。
通販業界におけるUGC活用ツール累計導入ブランド数1位のツールです。
テキスト形式のレビュー・星つきレビュー、Instagram投稿など幅広いUGC活用に対応しています。「Letro」の最大の特徴は、ダイレクトマーケティング業界における豊富な支援実績と「運用型UGC」という独自のフレームワーク、カスタマーサクセス支援です。
「化粧品売上高TOP50の半数以上がLetroを導入」「健康食品売上高TOP50のうち約3分の1がLetroを導入」(※)など、大手ECから急成長D2C企業まで多数の企業・ブランドが導入しており、圧倒的な売上向上実績を誇ります。
これらの実績を支えるのが、「運用型UGC」とダイレクトマーケティングに知見の深い専任担当によるカスタマーサクセス支援です。
レビュー掲載予定のサイト訪問者を想定し収集するレビューの項目を設計、表示位置やバナー訴求を最適化するなど、レビューを掲載するだけで終わらせず、「運用型」で継続的に改善を続けることで成果につなげる支援を行っています。
*日本流通産業新聞社「【2022年6月調査】化粧品通販売上高ランキングTOP84」「【2022年3月調査】健康食品通販売上高ランキングTOP103」よりそれぞれ上位50位に絞って算出(2022年10月時点累計導入数)
料金プラン | 有料(要お問い合わせ) |
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特徴 |
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参考:Letro公式サイト
イスラエル発のUGC活用ツールです。ユーザーレビューやQ&A、Instagram投稿を収集、活用するツールです。GoogleやSNSとの連携もしやすく、ECサイトの売上向上を目指す機能が充実しています。無料版も用意されているため、気軽に試すことが可能です。
料金プラン |
無料版:レビュー依頼メール・UGCサイト掲載可能 有料版(要お問い合わせ):レビュー依頼メール・写真収集・UGCサイト掲載の他、SEO対策機能が利用できる ※機能及びドメイン数・購入者数により利用料金が異なる |
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特徴 |
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参考:YOTPO公式サイト
レビューの依頼からサイト・プロモーション活用までを支援しています。レビュー獲得率アップからAIによるレビューコンテンツの分析など、目的にあったレビューシステムの構築が強みです。独自のメール配信アルゴリズムやレビューフォーム、LINE公式アカウントを通じた依頼、カスタム質問など、レビュー収集に役立つ機能を複数保有しており、高いレビュー収集成果を誇っています。
料金プラン | 有料(要お問い合わせ) |
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特徴 |
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参考:U KOMI公式サイト
Instagram投稿とTikTok投稿、レビューのUGC活用ツールです。メール内のレビューフォームやLINE公式アカウントを通じた依頼、サイト上での直接収集など、複数のレビュー収集方法を持ち合わせているのが特徴です。
料金プラン | 有料(要お問い合わせ) |
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特徴 |
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参考:UGCクリエイティブ
EC支援会社ecbeingが開発したレビュー最適化ツールです。140サイト以上の事業者への導入実績があります。ReviCoに参加しているサイトで商品を購入すると、メールが届き、そこからレビューを投稿するとキャンペーンに参加ができるというレビュー投稿を促進する仕組みが特徴です。ECサイトへのレビュー活用のみならず、店舗でのレビュー活用にも利用できます。
料金プラン | 有料(要お問い合わせ) |
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特徴 |
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参考:ReviCo公式サイト
ECサイトなどでカスタマーレビューの投稿と掲載を実現するツールです。世界各国でデータや分析ツールを提供しているグローバルな情報サービス企業「エクスペリアン」が2013年8月に提供を開始しました。
サイト内でのQ&Aソリューション、分析機能や、レビュー収集時の質問調整や管理画面上での表示デザインの変更などレビュー収集~活用の基本機能を保有している他、不適切な内容が投稿をアラートを発信するレビューの有人監視を代行する仕組みが特徴的です。
料金プラン | 有料(要お問い合わせ) |
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特徴 |
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広告の新規顧客獲得LPにレビューを掲載し、新規顧客獲得効率が向上した事例をご紹介します。
冷凍のおかず定期便サービス「三ツ星ファーム」の新規顧客獲得用LPにレビューやInstagram投稿のUGCを掲載・運用し、CVRが最大1.86倍に向上しました。
当初、Instagram投稿やレビューを"静的"(表示が固定した状態)にWeb上のデザインとして埋め込んで表示しており、第三者が発信するコンテンツの強みを上手く活かせている状態ではありませんでした。
三ツ星ファームの強みである「メニューの多さ」を訴求するInstagram投稿を戦略的に抜粋してLPに動的に表示し、掲載位置やデザインなどの検証~運用を実施。さらに、家族構成やライフスタイルに応じて感じる価値や課題が伝わるようにテキスト形式でのレビュー項目を設計、収集し、LPに動的に掲載。検証~運用を行った結果、CVRが最大1.86倍に向上しました。
同社は、生成したレビューを、引き上げを目的としたステップメール内のコンテンツとしても活用しており、2回目購入(F2転換)以降のKPI改善も実現しています。さらに、レビューとして届く顧客の言葉は、広告クリエイティブの訴求としても活用しています。
国内最大級のコーヒー通販サービスに成長している「PostCoffee」は新規顧客獲得向けLP(診断ページ)と診断結果ページにInstagram投稿やレビューのUGCを掲載・運用し、CVRが最大1.8倍に向上しました。
同社ではSNSでの投稿の働きかけなど、オーガニックでもお客様から購入いただける仕組み作りに注力していたため、既に熱量の高いUGCが多数生成されている状態でしたが、LP上に手作業でUGCを掲載するに留まっており効果的に活かしきれていない状態でした。
運用型UGCソリューション「Letro」を導入し、新規顧客獲得向けLP(診断ページ)と診断結果ページにInstagram投稿のUGCを掲載し、最適化を行う運用を実施しました。
さらに、大きな改善成果を実現するために、レビューの運用にも着手しました。長期利用者のリアルな声が購入の意思決定に大きな影響を与えるため、それらを表現するレビュー項目を設計してレビューを収集し、掲載しています。利用者の満足度評価を星で表すだけでなく、商品利用歴や家族構成もあわせて表示することで、レビューを見ているユーザーの「自分ごと化」をより促進できるよう工夫しました。
Instagram投稿のUGC、レビューの検証~運用を行った結果、CVRが最大1.86倍に向上しました。
いかがでしたでしょうか。カスタマーレビューの意味から、企業がマーケティングに活用するメリット、活用方法や事例、おすすめのツールをご紹介しました。
企業の一方的な情報発信だけでは、商品やサービスの差別化、購入促進が難しくなっている今、企業のマーケティング活動の成果向上の鍵を握るのは、カスタマーレビューの活用です。カスタマーレビューを上手く取り入れることができれば、広告費をかけずに、ユーザーの関心を引き、信頼感を醸成し購買行動につなげることができます。
そのためにも、自然にカスタマーレビューが生まれるのを待つのではなく、積極的にカスタマーレビューを生成・収集する仕組みを構築し、マーケティングに活用していきましょう。
※1:アライドアーキテクツ株式会社│『生活者のUGCに対する意識調査 2022』
※2:アライドアーキテクツ株式会社│『生活者の購買行動におけるUGC影響度調査2022』
記事公開日:2023.01.31