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【UGCは資産として活用すべきもの】ドゥクラッセ・CMO藤原氏が語る、アパレルブランドのマーケティングにUGCがもたらす価値とは?

2019.08.15

「DoCLASSE」はミドルエイジをファッションから応援したいをコンセプトに展開されているアパレルブランドです。このブランドで2018年からCMOに就任し、デジタル施策の強化に従事してきたのは、ガシー・レンカー・ジャパン(現プロアクティブカンパニー)やアクティブ合同会社を設立し、数多くの企業のマーケティング支援で活躍してきた藤原尚也氏。

藤原氏が同ブランドのデジタル強化のために取り組んだ施策の1つがUGC(※1)の活用です。
アパレル業界ではまだ取り組む企業が少ないUGC活用を、藤原氏が取り入れた理由とは?UGCにどんな価値を見出しているのか。
今回は藤原氏が同社で行なってきたWEB強化施策からUGC活用の背景、同社のマーケティング施策においてUGCに期待することなど幅広くお話を伺いました。

(※1)UGCとは:
UGC(User Generated Contents)とは企業ではなく、一般ユーザーによって制作・生成されたコンテンツのことを言います。 最近はInstagramなどSNSに投稿された写真や動画などが UGCとして注目されています。

ドゥクラッセ 藤原 インタビュー

サマリー

LPのCVR

1.6

  • WEBでの売り上げ向上のため、LINEの強化やWEBサイトのリニューアル、紙媒体からの導線の見直しを実施
  • WEBページはUGCを使ったものとそうでないものでABテストし、UGCを使ったもののCVRが1.6倍に
  • UGC生成施策は、コスト無しで発生するお客様発信のコンテンツ(資産)を、最低限の固定費でマーケティング活用できるモデル

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ファッションの力でミドルエイジの方を応援したい

-まず初めに簡単に御社の事業と顧客層について教えてください。

DoCLASSEは「実年齢で輝く」をテーマにしたファッションブランドです。内面の美しさが充実するミドルエイジの方をファッションの力で応援したいという思いで2007年に創業しました。
したがって商品はミドルエイジ、もう少し具体的には40〜50代の大人の女性が顧客層となります。子育てが落ち着き、ある程度自由にお金や時間が使えるような世代ということで、このくらいの年代の女性がターゲットにあたります。

ドゥクラッセ 藤原尚也 CMO

1996年4月カルチュア・コンビニエンス・クラブに入社。TSUTAYA店舗運営、ツタヤオンライン事業、DBマーケティング事業の立上げを経て、2012年化粧品メーカーのガシー・レンカー・ジャパンのデジタルマーケティング責任者として、事業拡大に貢献。その後、マードゥレクス取締役社長に就任。ブランド再構築や、CRM、店舗流通を管掌し、事業拡大を行う。2018年より株式会社DoCLASSEのCMOに就任し、同ブランドのデジタル施策の強化にあたっている。

-商品展開も幅広いイメージです。

アンダーウェア系は取り扱っていませんので、商品点数は少ない方かなと思います。シャツやニット、ワンピース、パンツ、アウターなど、少しおしゃれをしたい時やちょっとした旅行の時に着こなしていただく、そんなイメージで商品を展開しています。

ドゥクラッセ EC 事例

DoCLASSEのトップページ

スマホファーストを軸にWEBでの売り上げ強化を実施

-ありがとうございます。藤原さんは2018年からDoCLASSEに参画されWEBの強化に従事されてきたと思います。これまでのお取り組みについて教えてください。

まず、「WEBの強化」と一口に言っても①WEBでの売り上げをどうするか②店舗やカタログと連携し、インフラとしてのWEBをどうしていくのかという2つのポイントがあります。

-WEBの売り上げを上げていく施策としてはどういったことに取り組まれてきたのでしょう?

一般的に、WEBの売り上げを強化する施策は「新規」と「既存」に分けて考えます。例えば新規ですと現状の成果が明確で数字で語りやすいので、広告の見直しをしっかり行うことで比較的すぐにある程度の改善を行うことができます。一方で既存の売り上げは少し厄介です。問題がECサイトの中にあることが多く、1つ改善を加えるのにも影響範囲が大きくなってしまうからです。その中でもツールや運用体制の見直しは影響範囲がそこまで大きくないので、取り組みやすい改善策です。

ただ、新規・既存共にこれらの施策で得られる成果は「ある程度」にとどまり、だいたいの場合この改善した数字と経営陣から求められるものにギャップがあることが多いです。
僕の場合も例外ではなく、そうなると今やっていることをチューニングしたり少し良くしたりといったレベルではなく、今までと全く違う発想のマーケティングをしなくてはいけません
そこで1つの軸となったのは「スマホファースト」に施策を転換していくことです。これまでDoCLASSEのデジタル施策はスマホよりPCを意識したものでした。ですが創業してからの10年強で世の中のスマホシフトは大きく進みましたし、ここを考慮せずに進めることはできないと考えました。

僕がまず新規の売り上げをあげるために実施したのは、「LINE」の強化です。理由としては40〜50代の女性に対してアプローチをしたいことと、大量に新規顧客を獲得する必要があったためです。ターゲット層に強く、大規模なリーチが可能なLINEはまさにうってつけの媒体でした。

ドゥクラッセ LINE 事例

DoCLASSEの公式LINEアカウント(@doclasse)クーポン配布や新商品先行販売の告知などの情報発信が行われている。

-LINEはコストがかかるイメージもありますが?

そうですね。もちろんLINEを有効活用しようとするとコストはかかりますが、きちんとROIやROASが合うかというシミュレーションを行なったうえ実施しましたので、納得できる成果をあげることができました。

-既存の売り上げ向上についてはいかがでしょう?

既存の売り上げ向上のための施策としては、これまで10年ほど変えてこなかったWEBサイトのデザインをスマホファーストになるようにリニューアルしました。
具体的には、画像のサイズの変更や、同じ商品でも色によってコーディネートを変えたり、モデルさんの角度を変えたりなど、商品が魅力的に見えるような工夫を行うことで、既存の売り上げを改善していきました。

ドゥクラッセ スマホ 事例

スマホで見たDoCLASSEのECサイト。スマホを意識した画像サイズ・表示形式・動作など改善を行った。

丁寧に消費者の実態を正しく伝えていくことが重要

-店舗やカタログなどオフライン施策の受け皿としてのWEBについてはどんな強化を行いましたか?

僕がDoCLASSEに参画したときはちょうど多数の店舗出店計画があったときでした。特に新宿のアルタには大型店を作る計画があったので、店舗とWEBの連携をどうしていくかが大きな課題であり、それについては2つの施策を実施しました。
1つはアプリの導入。アプリを作って店頭との連動施策を行いました。2つ目は位置情報の利用です。実は現在新宿アルタの店舗にだけ入れているのですが、Wi-Fiを利用した位置情報の取得に取り組んでいます。来店されたお客様がどこの駅から電車に来たのかなどのデータを裏側でとる施策です。ただ、実施できる携帯電話のキャリアが現状1つに絞られているため出現率は25〜30%ほどなので、現在のところ活用は参考値程度にとどまっています。

-カタログとの連携についてはいかがでしょう?

カタログや紙媒体との連携については誘導の見直しをしました。それまでECへの誘導はURLを掲載していたんです。理由としてはPCでは「ドゥクラッセ」の小文字の「ゥ」が打てない人が多いからというものでした。スマホが浸透し環境は変化していたのですが、この認識は結構強く社内に残っていて、なかなか変えるのが難しいところでした。

-確かに、長年の「こうに違いない」という意識を変えるのは難しそうです。

僕の場合はこの社内の意識を変えるために、Google Search Consoleを使ってDoCLASSEのWEBサイトに8割がカタカナ表記の「ドゥクラッセ」で来ていることを示して納得してもらいました。

結局、僕がデジタルがわかっているかとか、スキルがあるかということ以前に、まず社内の人にどのように今の消費者の実態を正しく伝えるかが重要で、時間のかかることだと思います。ここを一度間違えてしまうと、いくらよい施策を提案しても一切受け入れられてもらえません。

-時間をかけて伝えていくことが大切なんですね。

そうですね。それこそ、新宿の店舗ではスタッフをやらせてもらって一緒に立って働いたりもしました。
そのなかで、社内のなかになんとなくあった「デジタル=若年層向けの施策」という認識を払拭していきました。ポイントは第三者の目線で、客観的な数値をもって伝えること。たとえばLINEにしても、MAUが7000万ででそのうち48%以上が40代以上だということも、LINE社の公式発表資料を見せながら説明することで納得してもらったり今までの思い込みを変えてもらえたと思います。

UGCを活用して第三者目線のコーディネートを提案

-そんなWEB強化施策の1つとして新しくお取り組みされているのにUGCの活用があると思いますが、UGC活用に取り組んだ背景を教えてください。

UGCはコーディネートの提案をして、商品の複数購買を促すために活用を始めました。 DoCLASSEに来て感じたのは、顧客の購買の仕方が単品通販に近いということです。例えばパンツを購入した場合、同時にその色違いや同じラインの新商品が購入されることはあっても、コーディネートしてシャツやコートが購入されることはあまりありませんでした。ECの売り上げ改善のためには、複数購買を促して客単価をあげていくことが必要ですので、その改善策として活用を始めたのがUGCによるコーディネートの提案でした。

-具体的にはどのように施策を進めたのでしょうか?

まずはキャンペーンを実施してDoCLASSEの商品を着こなした投稿を促すキャンペーンを実施し、Instagarm上にUGCを生み出していきました。
そして投稿を増やすだけではなく、そこでうまれたUGCを活用して、ユーザーをサイトへ誘導し、CVRをあげたり、客単価をあげたりしていくために、アライドアーキテクツさんのLetroを導入し、ユーザーの投稿をWEB上に掲載する施策を行いました。

ドゥクラッセ UGC 事例

ユーザーからのリアルな着こなしが表示されている商品ページ

-第三者発信のコーディネートコンテンツでいうと、例えば店舗スタッフの活用やインスタグラマーを起用する方法もありますが、一般の方のUGCを取り入れたのはなぜでしょうか?

前提として美しく着こなしている人に発信をしてもらったコンテンツを載せたいので、依頼されて着るのではなくDoCLASSEが好きで着たいと思っている人に着こなして欲しかったからです。そのためにはスタッフではなく、普段からInstagramを使っていて、かつDoCLASSEの服を普段から着てくださっているお客様から広がっていくような施策を、時間がかかってもいいから作った方がよいと考えました。
また投稿の質の観点でいうと、全体的に投稿のクオリティがあがってきているので、すでに一般のユーザーとインスタグラマーの境目があまりないのではと思います。だとすると、今までアパレル業界ではあまり取り組まれてこなかったUGCの活用の方が、取り組んだ分だけ効果がでてくるのではないかと考えました。

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DoCLASSEが考えるUGC活用のメリットとは?

-UGCの活用は効果的とは認識しつつも、アパレル業界ではブランドイメージとのギャップ、またコーディネートに他社製品が写り込んででしまうなどの懸念から踏み込めない企業様が多いイメージです。この点についてはどうお考えだったのでしょうか?

他ブランドが写り込む懸念については弊社にもあり、これは各社判断が分かれる点だと思います。うちの場合は競合他社製品のロゴなどの露骨なものじゃなければよいと決めていました。それよりも、うちの商品を使ってこんな着こなしができるというのが伝われば、うちに類似商品があった場合にそれが売れる可能性もありますし、もっと言えばお客さんが望んでいるのならそういった商品を置くべきだという示唆にもなると考えています。

また、ブランドに与える影響については、それを言い出したらキリがないかなと思っています。ユーザー目線で語られるのがUGCの良い点なので、そのレベル感や質に企業が口をだすべきではないというスタンスです。ここは、施策をやりながらブランド側も努力をしてチューニングを重ね、時間をかけてUGCを自分たちのイメージに近づけていくべきではないかと思います。

-カタログやWEBのビジュアルとUGCの役割の違いについてはどうお考えでしょうか?

モデルさんを起用したビジュアルについては、戦略の1つとして、万人受けはしないかもしれないカラーリングや異素材をミックスしたような商品をあえて取り入れています。これには、カタログやWEBコンテンツを通じてお客様に新しいもの提案し、このブランドはこんなチャレンジができる、こんな商品も作れるといったメッセージを伝えていく意図があります。
それに対してUGCは、ユーザー目線のコンテンツになるので、ブランドのメッセージは気にせずに純粋にみんながどう着こなしているのか、リアルなコーディネートの提案コンテンツであれば良いなと思っています。

UGCは投資ではなく資産としてとらえて有効活用を

-実際にLetroをご導入いただき運用にかかるコストも含めどうご評価されていますか?

WEBページはUGCを使ったものと使っていないものでABテストをしながら運用していて、現在UGCを使ったもののほうがCVRが1.6倍高くなっていますので、定量的にはイメージ通りの良い運用ができていると評価しています。
もともと目的としていた、ユーザー発信のコーディネートがSNSに発生して、さらにそれを自社のWEBサイトの中に置くことでCVRをあげるというのが、実現された形になっています。

ドゥクラッセ 藤原 インタビュー

株式会社DoCLASSE CMO 藤原尚也氏

また僕は、UGCは資産と考えるべきだと思っています。
UGCはお客さんが作ってくれるコンテンツですので、自分たちでコンテンツを作るコストがかかっていません。UGCを生み出す施策は、コスト無しで発生したお客様発信のコンテンツを、最低限の固定費でマーケティング活用していけるモデルです。さらに、そのコンテンツはスマホのカメラの機能を駆使し、背景やアイテム、立ち位置や角度など試行錯誤を重ねて撮影されたもので、これを有効活用しない手はないと思います。
したがって、資産としてのUGCを、どう見せて有効活用していくかの視点で考えるとむしろコストはすごく安いのではないでしょうか。
UGC活用を投資とばかり捉えてこの視点が抜けてしまうと、「UGCをやって、でどうなるの?」ということになってしまうのかなと思いますので、あまりこうした発想はして欲しくないですね。

-確かにそうですね。その視点は我々も抜けがちなのでとても勉強になります。最後に今後、その資産としてのUGCをどう活用されていくか展望をお聞かせください。

今は、WEBページへの掲載の他に、広告クリエイティブとしてUGCの活用を始めたところです。その他だと、UGCはステップメールにも活用可能性があるんじゃないかと思っています。ステップメールはクローズドで細かくセグメントして送っています。それぞれのメールに最適なクリエイティブを掲載するにはクリエイティブの量も必要ですし、実際のコーディネートが購入後押しになる為、これほどUGCが活用できる媒体はないはずですよね。

また、次の段階としてCVRだけではなくUGCを経由したお客さんの方が客単価が高いという状態にしていきたいです。たとえば、UGCから導き出された人気のあるコーディネートの商品を自社商品で関連アイテムとして同じページに掲載するなどの工夫ができれば、商品ページが充実して客単価の向上につながっていくのではないかと思います。
そのためには、資産としてたまったUGCを僕らがもっときちんとみていかなくてはいけません。いずれにしても、資産としてのUGCをしっかり見て、常にきちんと活用方法を考えながら施策を進めていければと思っています。

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