X(Twitter)は、2023年8月11日(米国時間)、フォロワー獲得広告の提供を急遽終了したことを発表しました。企業のX(Twitter)アカウント運用において、フォロワー数は重要な指標の1つであり、突然の終了に戸惑われている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、X(Twitter)がフォロワー獲得広告の提供を終了した背景や、企業への影響、適切な対処方法について解説します。
エンタープライズAPI対応の「echoes(エコーズ)」から、アルゴリズム、API、認証バッジの最新情報をまとめてお届け!
フォロワー獲得広告(旧名称:プロモアカウント)とは、現在フォローしていないX(Twitter)アカウントの中で興味を持ちそうなアカウントを利用者におすすめする形式の広告です。タイムライン、[おすすめユーザー] セクション、検索結果など、X(Twitter)のさまざまな場所に表示されていました。
参照:https://business.twitter.com/ja/help/overview/what-are-follower-ads.html
タイムラインでは、下の左側の図のような自動生成(※2022年にはメディアをアップロードする形式に変更)されたフォロワーカードとテキストで訴求され、タイムラインの右上にある [おすすめユーザー] セクションでは、下の右側の図のようにアイコンとアカウント名のみ表示されるものでした。
出典:https://business.twitter.com/ja/help/campaign-setup/create-a-followers-campaign.html
企業のX(Twitter)アカウント運用において、フォロワー数は重要な指標の1つであり、フォロワー獲得目的に最適化され安価なフォロワー獲得単価で獲得できることから、長年多くの企業に活用されてきました。
2023年8月11日(米国時間)、フォロワー獲得広告の提供を終了したことが発表されました。この変更は、X(Twitter)の体験価値を最適化する大規模な取り組みの一環と説明されていますが、X(Twitter)広告利用者に対しても突然のアナウンスとなり、動揺する声が広がっています。
2023年8月17日現在、X(Twitter)広告管理画面で「キャンペーンの目的」の選択肢のうち、従来「エンゲージメント数」の下にあった「フォロワー数」が消えています。キャンペーン作成及び配信も停止した状態です。
なお、ここでの「キャンペーン」とは、広告を管理するための単位を指し、フォロー&RTキャンペーンなどユーザー参加型のX(Twitter)キャンペーンとは異なります。企業X(Twitter)キャンペーンの開催は引き続き可能です。
X(Twitter)社は「私たちは全ての広告主様において、X上で関連性の高いフォロワーを獲得することで、短期・長期のマーケティング目標を最大化させることが、広告主様の利益へとつながると考えています。」
とアナウンスしていることから、関連性の高いフォロワーは今後も重要と捉えていることが分かります。
一方でフォロワー獲得広告を廃止する判断をした、ということは、フォロワー獲得広告が「関連性の高いフォロワーを獲得する」商品になっていなかった(フォロワー獲得広告で獲得したフォロワーのエンゲージメント率が低い、ないしは獲得後のリムーブ率が高い)上に、改善を図った場合でも収益リターンが低いと判断したのではないかと考えられます。
X(Twitter)社は、アルゴリズムのアップデートによりタイムラインに表示されるおすすめ比率や、エンゲージメントによる重みづけを以前より高める中で、フォロワー獲得広告が今後の目指す方向性とは異なる商品になったために提供を終了したのではないでしょうか。
フォロワー獲得広告を利用していた企業にとっては、以下の2点が影響として出てくると考えられます。
フォロワー獲得広告を出稿する場合、通常CPF(フォロワー獲得単価)を指標として運用を行いますが、代替となる広告形式ではフォロワー獲得での最適化を掛けられないため、獲得効率が下がり、CPFが高騰する可能性が高いと言えます。
フォロワー数をKPIとしてフォロワー獲得広告を出稿していたケースにおいては、CPFの高騰によりKPIを達成できなくなる、KPI達成には莫大な予算追加が必要となってしまう可能性があります。そのため、自社のKGI・KPIにおけるフォロワー数指標の優先度を今一度見直し、適切な予算や目標を再設計する必要があります。
今後、フォロワー数を伸ばしたい場合、主に2つの手段が考えられます。
X(Twitter)社は、フォロワー獲得広告の後継となるメニューは発表しておらず、広告のキャンペーン目的を「エンゲージメント数」「リーチ」などに切り替えることを推奨しています。ただし、いずれも最適化のアルゴリズムや課金方式が異なるため、以前のような獲得効率での配信は難しいものと思われます。
そこで、広告に加えて、補完としてX(Twitter)キャンペーンの活用を推奨します。
X(Twitter)キャンペーンとは、X(Twitter)上で実施するプレゼントキャンペーンを指します。生活者との接点拡大や、商品情報の拡散を目的に実施することが多く、なかでも「フォロー&リツイート」を条件としたキャンペーンが主流です。キャンペーンの応募条件にフォローを指定できるため、高い獲得効率でフォロワーを増やすことが可能です。
企画設計のヒントに!目的別の手法を事例とともにチェック
▶【2023年最新版】X(Twitter)キャンペーン目的別事例7選!成功の秘訣とは?
このキャンペーン告知ツイートに「エンゲージメント数」目的で広告を掛けて配信することで、ユーザーの拡散と広告によりリーチを最大化し、効率的なフォロワー獲得が可能になります。
毎日参加型のインスタントウィンキャンペーンは、よりパフォーマンスを高めることができるキャンペーン形式です。
参加してすぐに抽選結果が分かることでよりユーザーの参加動機を高め、さらに毎日参加を可能にすることで拡散量も増えるため、キャンペーン応募者数を最大化し、結果的にフォロワー獲得増への寄与が期待できます。
認知拡大や集客に圧倒的な成果が見込める「インスタントウィンキャンペーン」のより詳しい解説はこちら
▶【2023年最新】X(Twitter)インスタントウィンキャンペーンとは?やり方と成功事例を紹介
しかし、そもそもフォロワー獲得広告が終了となった背景にあるように、現在のX(Twitter)においては“関連性の高いフォロワー”を獲得することや、フォローしてもらった後でしっかりとエンゲージメントを上げるためのコミュニケーションが重要になります。その視点では、参加型キャンペーンにおいても、単にフォロワー獲得数の最大化を目指すのではなく、いかにエンゲージメントや購買・来店行動につながるアクションを喚起できるかが重要になります。
X(Twitter)キャンペーンを活用してエンゲージメントや購買を喚起する手法としては「UGCの創出・対話」や、非ECの消費財であれば「マストバイキャンペーンへの誘導」がおすすめです。
X(Twitter)のアルゴリズム変更に伴い、一般ユーザーが商品・サービスに言及した投稿(UGC)は、さらに重要度を増しています。弊社アライドアーキテクツ株式会社「echoes」の調査では、X(Twitter)の情報をきっかけや参考にして商品の購入またはお店に来店したことがある方のうち、「フォローしている友人や一般の人の投稿」がきっかけと回答した方は全体の43.9%を占め、「フォローしている企業アカウントの投稿」とほぼ同等であることが分かりました。
X(Twitter)の購買行動への影響について、より詳細な調査結果はこちら
▶【2023年最新調査】”Twitter離れ”は本当に起きている?イーロン・マスク氏買収以降のX(Twitter)ユーザー利用実態調査
参加型キャンペーンにおいては、フォロワーが話題にしやすいテーマで、指定ハッシュタグや引用ツイートを条件としたキャンペーンを開催することで、大規模なUGC創出が狙えます。
ヤマザキビスケットのクラッカー「ルヴァンシリーズ」は、「フォロー&リツイート」型のキャンペーンに加えWチャンスキャンペーンとして「あなたのおすすめルヴァンレシピ」の引用ツイート投稿を促し「#おすすめクラッ活」のUGCを創出。さらに、企業アカウントからユーザーの投稿を引用ツイートしてリアクションしたことでインプレッションが大幅に拡大。UGCの創出に加え、ユーザーとの対話によりUGCの影響を拡大することに成功しました。
ヤマザキビスケットの施策背景やより詳しい実施内容・成果についてはこちら
▶【インプレッション数800万、レシピ投稿数4,000件超!】ヤマザキビスケットに学ぶ、TVCM施策のプロモーション効果を最大化するTwitter×UGC活用」
より直接的に購買を促すには、マストバイキャンペーンとの連携が近道です。
X(Twitter)の広告とキャンペーンを活用し、大規模に集客したユーザーをマストバイキャンペーンページへ誘導することで、直接的に購買を後押しできます。
カルビーは、人気商品を決める企画「カルビー総選挙」において、マストバイキャンペーンを実施。企画の認知拡大とマストバイキャンペーンへの送客を目的に、X(Twitter)でのキャンペーンもあわせて実施しました。
「フォロー&リツイート」後、抽選結果を確認するためにマストバイキャンペーンページへ遷移する仕組みを導入。X(Twitter)から大規模なユーザーをマストバイキャンペーン応募に繋げることに成功しました。
消費財メーカー企業では、SNSから売り場への送客や購買の可視化が難しい課題がありますが、このようにX(Twitter)キャンペーンとマストバイキャンペーンを組み合わせることで、購買貢献度を可視化し、施策毎に改善を図ることが可能になります。
メール及び電話にて回答させていただきますが、回答までにお時間をいただく場合があります。
あらかじめご了承ください。