2019.10.8
生活者をとりまくメディア環境が目まぐるしく変化する昨今において、生活者が接する情報量は増え、それに伴い情報リテラシーは向上。その結果、一方的な企業目線のクリエイティブやメッセージでは、生活者の心を動かすことが難しくなっていると言われています。
そこで注目されているマーケティング手法のひとつが生活者の目線に立ったUGC(※1)を活用するマーケティング施策です。なかでも、こうしたUGCを収集する場として、Instagramはその存在感を強めています。
一方、「Instagramは若年層のメディアだし、自社の顧客層とは合わないのでは?」という懸念の声も少なくありません。
果たしてInstagramのUGC活用は本当に若年層向けの施策なのでしょうか?
今回は幅広い年齢層でUGC活用を取り入れるべき理由と、その成功事例をご紹介します。
サマリー
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例えばミドルエイジをターゲットとした商品・サービスを展開している場合、Instagram上のUGC活用は自社の顧客層と合わないとお考えのご担当者も少なくないと思います。
しかしながら、国内ユーザー数が3300万人を突破したInstagram(※2)は、今や幅広い年代にリーチができるSNSとなっています。
2018年12月の時点で、40代、50代の層でも全体平均の32%に近い人がInstagramを利用していることがわかります。
(※2)フェイスブックジャパン 2019年6月7日リリースより
出典)株式会社ジャストシステム「モバイル&ソーシャルメディア 月次定点調査2018年総集編」データよりアライドアーキテクツが作成
また、Instagramアプリの年代別利用者の推移をみると、2014年6月と比較して、30〜40代女性の利用率は6倍以上、50代以上の女性も3倍以上、男性だと10倍近く増えています。
出典)ニールセンモバイルネットレビューより
このようにユーザー実態をみていくと、Instagramはもはや若年層だけのSNSとは言い難く、自社のターゲット層と違うと決めつけてしまうのは機会損失につながる可能性があると言えます。
また、消費者が商品を購入する際に、インターネット上の口コミをほぼ毎回参考にする人は21.3%、時々参考にする人は50.1%という調査結果もあります。
出典)株式会社ジャストシステム「モバイル&ソーシャルメディア 月次定点調査(2019年7月度)」
参考にする口コミの収集方法は年齢・性別によって様々ありますが、口コミをみる行為はどの年代でも一般的になっていることがわかります。顧客の購買意欲を高めていくためには、顧客が購入に到るまでに想定されるマーケティングチャネル上に口コミを用意し、口コミに触れてもらうことが大切です。
そもそも、UGC活用とはInstagram上のコンテンツを自社のマーケティングチャネルのKPI向上に活かす施策です。そのため、収集してきたUGCを活用する場はInstagramに限られているわけではありません。
インターネット広告のバナーやLP、顧客の離脱や引き上げを目的としたCRMメール、商品の同梱物や店舗のPOPにいたるまで、UGCはあらゆる場面で活用することができる、いわば資産のようなものです。
大切なのは、使っているマーケティングチャネル上に適切にUGCを活用していくことであり、それはターゲットが若年層でも中高年であっても変わりません。
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では、中高年をターゲットとした商品におけるUGC活用を行なっている成功事例にはどんなものがあるのでしょうか。2社の成功事例をご紹介します。
まず最初にご紹介するのはマナラ化粧品を展開する株式会社ランクアップの事例です。
同社は、よりリアルな口コミをみることで、購入検討中の人が納得感をもってもらえるのでは、との考えからInstagram上のUGCをそのままLPに掲載する取り組みをはじめました。
マナラホットクレンジングゲルのLP。
ユーザーの口コミを紹介するコンテンツとしてInstagram上のUGCを活用している。
結果として、クレンジングゲルのLPのコンバージョンレートは最大で110%向上。同社の担当者は「商品のターゲットが30〜40代のため、当初(若い世代に利用されている)Instagramの投稿がどこまでお客様への購入後押しとなるか、気になる点もありましたが、結果として、リアル感のある訴求ができるUGCの効果は大きいものだった」と語っています。
株式会社ランクアップの事例について詳しく知りたい方はこちら
▶【CVR110%を実現!】マナラ/ホットクレンジングゲルの「新・LPクリエイティブ戦略」とは? 〜企業担当者に聞く クリエイティブテック最前線〜
次にご紹介するのは株式会社アイムが2017年に発売したエイジングケアのためのスキンケアシリーズ・ブライトエイジ(第一三共ヘルスケアが研究・開発したエイジングケアブランド)の事例です。
ブライトエイジは新ブランドであったため、ブランドの認知形成がされていませんでした。そこで同社は、WEB広告とあわせて、生活者の体験談を生成して活用し、"押し売りではない"ブランドへの認知・理解・信頼感の醸成が必要と考え、マーケティング施策にUGCの活用を取り入れたのです。
同社では、商品発売前のモニター施策で獲得した使用感が伝わるような生活者目線の投稿や詳しい商品説明などのUGCを広告クリエイティブ、LPにフル活用。
発売から2年が経過した現在も、LPなどにUGCを積極的に活用している。
結果、UGCを取り入れた広告バナーはUGCを使わなかったものと比較するとCVRが1.54倍、顧客獲得単価(CPA)に関しては15.9%の改善が見られ、UGCを含んだランディングページは、その他のものと比較してCVRが1.6倍になるという結果を得ることができました。UGCを活用することで、ブランドの認知・理解が順調に進み、指名検索件数が大幅にアップ。結果として、月間目標件数の4倍で新規獲得が進捗、転換率が想定の1.3倍となったのです。
ブライトエイジはエイジングケア商材であり、そのターゲット層の年齢は高めですが、UGCを広告、遷移先のLPへと一貫して使用することで広告とLPとの整合性も高め、高い成果を残しています。
株式会社アイムの事例についてさらに詳しく知りたい方はこちら
▶モニターによる「UGC」を活用:新商品販売初月に【獲得目標400%達成 】! -株式会社アイム ブライトエイジ
▼ サンスターがCVR1.3倍・単月売上貢献1,000万円を実現したUGC活用!
いかがでしたか?今回は幅広い年齢層でもInstagramのUGCをマーケティングに取り入れるべき理由について成功事例と合わせてご紹介しました!
ぜひ今後のマーケティング施策にお役立ていただければ幸いです。
記事公開日:2019.10.08