2023.7.10
企業の動画の活用先として、YouTubeやInstagram、オンライン展示会などが挙げられますが、LP(ランディングページ)に動画を入れる事例も増加しています。
デジタル広告が溢れる世の中で、広告効果をより高めるためには、他社と違ったアプローチが重要です。その手段としてLPに動画を活用することで、CVRの改善や商品理解度の向上が期待できます。
「LPにあった動画の作り方がわからない」
「LPに動画を活用してサイトが重くならないだろうか」
こういった不安をお持ちの方に向けて、本記事では「LP×動画」をテーマにそのメリットや注意点、事例を解説します。
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ランディングページ(LP)とは、ウェブ広告やメールリンクなどから訪れたユーザーが初めて「着地」するページのことを指します。このページの目的は、商品やサービスの魅力を伝え、ユーザーに何らかのアクション(購入、会員登録、資料請求など)を起こさせることです。
動画付きランディングページ(LP)は、静止画よりも高い情報伝達力を持つ動画を取りいれたLPを指します。
株式会社ディーエムジェイは、健康食品やサプリメント、化粧品等通販サイト「DMJえがお生活」を運営しており、記事LPに動画を起用しています。
動画掲載前はCVR4.8%であったのが、動画掲載後は2.25倍の10.8%にまで伸び、広告予算も拡大しました。
動画開始1秒で「減り方」というキーワードが上からスライドインで登場し、ユーザーの目を引く演出となっています。
出典:北の快適工房
株式会社北の達人コーポレーションが運営するECサイト「北の快適工房」のヒアロエイドという商品のランディングページです。
LP内には動画が4つ配置されており、1つ目は商品がくるくると回る3Dアニメーションをファーストビューのすぐ下に、2つ目は商品の実物がわかる動画をLP中盤に設置しています。
残り2つの動画は、商品の使い方が分かる動画になっており、「『ヒアロエイド』の使い方はとても簡単!」というキャッチコピーに説得力を持たせています。
出典:北の快適工房
こちらも同じく北の達人コーポレーションのモウダスという発毛促進剤のLPです。
「『モウダス』で発毛促進をはじめる!」というボタンにアニメーションがついており、ユーザーの目を引くCTA(Call to Action)となっています。
その他、商品自体にキラリとひかるエフェクトを施していたり、ターゲット像である男性商品を使っている様子を動画で見せたりなど、LPに訪れたユーザーを飽きさせない工夫がちりばめられています。
出典:あきゅらいず
あきゅらいずは株式会社LIGUNAの運営するスキンケアブランドで、上記はそのお試しセットのランディングページです。
LPを上から順に見ていくと、スクロールするごとにふわっとした動的なアニメーションがかかっています。
一般的なLPはのっぺりとしたデザインで動きはあまりありませんが、今回紹介するLPでは動的な要素が加わることで、ついスクロールしたくなる仕掛けがされています。
出典:ACROS
矢崎加工株式会社のACROSという台車を紹介するLPで、動画をふんだんに使っています。
まずファーストビューでは、商品の利用シーンを集めた動画の上に半透明の黒いフィルターをかけ、「悪路にACROS」と商品名を訴求しています。
スクロールすると台車が左右から現れ、カラオケのようなアニメーションがかかった文字が表示されます。
ACROSが本当に悪路に有効なのかどうか、文字と画像だけでは伝わりづらいですが、実際に砂利道や段差、水辺で利用されているシーンが動画になっていることで、情報が補完されています。
足で軽く踏むだけで、ロック・解除が行える「フットスタンド」など、細かい機能に関して動画が用意されている点も特徴的です。
出典:yappli
株式会社ヤプリが提供するアプリの開発・運用・分析をノーコードで提供するサービス「yappli」のランディングページです。
ファーストビューでは、導入企業のロゴが右から左に流れるアニメーションが使われています。
「スピード導入」という部分では、スマートフォンの画面にyappliで作成できるアプリのモック画像が次々と表示される動画を使用しており、導入後のイメージが湧きやすくなっています。
実際のアプリ作成フローも動画化しており、操作感に対しての不安を払拭しています。
yappliのようなBtoBの無形商材の場合、文字・画像だけでは操作方法や特徴が伝わりにくいです。お申し込みのハードルを下げるために、動画をLPに活用して顧客の懸念材料を払拭してあげましょう。
「わざわざ動画を入れる意味はあるのか」「今までのLPのままではいけないのか」といった疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
LPに動画を使うことで得られるメリットを3つ解説します。
1分間の動画はWebサイト約3,600ページ分の情報量に相当すると言われています。
先ほどご紹介したDMJえがお生活の記事LPでの動画活用事例においても、動画自体は6秒と短いですが、「悪玉コレステロールが気になっても当該商品で対策することで食事を楽しめているイメージ」が伝わりやすく、LP内でも目を引きます。
商品の使い方に関しても、画像を縦に並べて説明するよりもスライドショー形式で動画にした方がスクロール負荷も少ない上に、情報も入ってきやすくなるでしょう。
実際、Forbesの記事によると、ユーザーは文字で得た情報は10%、動画から得た情報は95%記憶に残るとされています。
参考:How To Incorporate Video Into Your Social Media Strategy|Forbes
アメリカの動画マーケティング会社Eyeview社は、LPに動画を起用することで、コンバージョン率が80〜86%改善すると発表しています。
参考:The Secret to Conversion Rate Optimization: Video Marketing|vwo.com
さらに、動画を視聴した消費者の64%はその商品を購入する確率が高い、とも言われており、動画が購入の後押しをするのは明らかです。
参考:Using Video In Marketing: Why Wouldn't You?|Forbes
オンラインショッピングでは実物に触れられない分、文字や画像などのコンテンツで情報を補完する必要があります。
そのコンテンツをリッチにすることで、購入の不安が取り除かれ、コンバージョン率の改善につながると考えられます。
平均的なネットユーザーを対象にした調査では、動画付きのWebサイトの方が88%長く滞在していたようです。
参考:Using Video In Marketing: Why Wouldn't You?|Forbes
先ほどのACROS(矢崎加工株式会社)でも、スクロールするたびに新しい動画が次々と現れるため、長時間滞在しても飽きずに見ていられます。
文字情報よりも、動画の方がインプットの負担が少ないこともページ滞在時間増加の一因と考えられます。
動画をLPに入れるメリットを3つ紹介しましたが、ただ単に組み込めば良いというわけではありません。通常のLPOと同じく、動画の内容や長さ、動画を入れる位置について検証・改善を重ねる必要があります。
ここでは、動画付きLPで成果を出すためのポイントを4つ解説します。
広告経由でLPに流入してきたユーザーは、商品について「少し興味がある」程度です。
そのため、動画が最後まで見られる確率は低いと考えられるでしょう。
動画冒頭でインパクトのある映像を使ったり、文字を大きく表示させたりと、ユーザーの興味を引く演出をしなければ、すぐにスキップされる可能性が高くなります。
ランディングページにおいてCVRを改善するには、「いかに申し込みのハードルを下げられるか」「申し込みの後押しができるか」が重要となります。
動画は、ユーザーがその商品を使う少し先の未来を想像させたり、商品に関する不安を払拭する役割を担うことが可能です。
メリットで記載した通り、動画には「情報理解度の向上」という効果もあるため、動画をきっかけに購買意欲が高まった顧客を逃さないためにも、CVボタン近くに動画を設置するのがおすすめです。
モウダス(株式会社北の達人コーポレーション)で見られたように、ボタン自体にアニメーションをかけて目立たせる方法も有効です。
ランディングページに訪れたユーザーは、そのページを離脱するかどうかを3秒以内に判断し、ファーストビューでサイトを離れる確率は70%と言われています。
こちらの記事もご覧ください
▶ファーストビューとは?検証すべきポイント&デザイン事例を紹介|Letro
一概には言えませんが、ファーストビュー周辺・ページ上部に動画を設置することで、ユーザーに「スクロールして詳細を知りたい」と興味を持ってもらいやすくなります。
ユーザーは文字情報よりも先に動画を見ることで、商品についてポジティブな印象を持った上で読み進められるため、商品理解もより深まります。
ユーザーはすでに広告をクリックした上でランディングページに訪れているため、再度「売り込み要素の強い」広告動画を見せる必要はありません。
むしろ、その商品にはどのような特徴があるのか、実際にどうやって使うのか、といった情報提供メインで訴求しましょう。
商品の性能やメリット、使い方などを1本の動画にまとめると、情報過多になり最後まで見てもらえません。
あくまで動画はメッセージを効果的に伝えるための手段であるため、必要な情報だけをシンプルに伝えることが重要です。
ファーストビューではユーザーの気を引きそうなハイスピードな動画、商品説明のあとには使い方をレクチャーする動画、CTA付近には使用後の未来のイメージが湧くような動画、といった具合で使い分けましょう。
デバイスやWi-Fiといったユーザーの閲覧環境によっては、動画内の文字が小さすぎたり、動画が重すぎて再生できなかったりといった問題が想定されます。
ページを開いてすぐに音楽付きの動画が再生されると、驚いてページを閉じる方も少なくないでしょう。
動画を自動再生ではなくクリック再生に設定する、動画をGifとして埋め込む、YouTubeの埋め込みで対応する、といった配慮が大切です。
動画を入れたLPは入れていないLPと比べて、サイトが必然的に重くなります。
2018年のGoogleの調査によると、ページの読み込みに3秒以上かかると、モバイルユーザーの53%が離脱するそうです。
動画を埋め込んだサイトの表示速度改善の打ち手として、動画ファイルの圧縮や外部リンク(YouTube)のタグの埋め込みが挙げられます。
動画ファイルは、フレームレートを下げる、もしくはビットレートを下げると圧縮することが可能です。
フレームレート(fps)とは、1秒間の動画が何枚の画像で構成されているかを示し、ビットレート(bps)は1秒間のデータ量を示します。
さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。
▶動画サイズの変更方法まとめ|軽量化・リサイズからアスペクト比変更まで
動画付きランディングページでは、通常のLP制作費に加え、動画毎に制作コストが加算されることが一般的です。
WebCMのようなクオリティのものだと50〜500万円、商品紹介動画で30〜100万円、SNS広告動画で1〜10万円が動画1本あたりの相場です。
こちらの記事もご覧ください。
▶動画制作費用の相場と内訳をわかりやすく解説!安く抑える3つのポイントとは?
動画制作コストを抑えたい方は、動画制作の内製化に取り組んでみましょう。
まずはスマートフォンで撮影した動画を無料アプリで編集するのも良いですし、法人に特化した簡単操作の動画編集ツールもおすすめです。
LetroStudioは、動画編集スキルのない人でもLP用のテンプレートが用意されているため、すぐに動画作りを始められます。月額制で動画も作り放題のため、LP用の動画だけでなく、SNSや広告、マニュアルにもお使いいただいています。
LetroStudio、LP(ランディングページ)で成果につながったコンテンツをテンプレート化して提供開始|PR TIMES
動画付きランディングページについて、企業事例も用いながらそのメリットや注意点について解説しました。
LPを動画に組み込むことで、CVRの改善やページ滞在時間増加が期待できますが、動画の内容・配置場所によって大きく効果が変わってきます。LPごとに動画位置を変えるなどA/Bテストを実施し、検証を重ねることが大切です。
LeroStudioでは、LP向けのテンプレートを拡充しています。専門知識がなくても、誰でもパワポ感覚で簡単にLP向けの動画を作成することが可能です。編集機能も柔軟なので、実際の効果を見ながら、素早くパターンの制作ができます。
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記事公開日:2023.07.10