InstagramのUGCをマーケティングに活用、売上に繋げるためのノウハウ・事例を大公開!【ガイアックス×アライドアーキテクツ セミナーレポート】

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ガイアックスアライドアーキテクツ共催セミナー登壇者(左)株式会社ガイアックス ソーシャルメディアマーケティング事業部 大久保亮佑氏
(右)アライドアーキテクツ株式会社 Letro事業部 松井健太郎氏

株式会社ガイアックスとアライドアーキテクツ株式会社が開催した、Instltgram上のユーザー投稿「UGC」の活用をテーマとするセミナーの内容をご紹介します。

セミナーのテーマは「UGCを活用して、いかにマーケティングを効果的・効率的に実施し、売上につなげていけるか」を深堀すること。

第1部では、ガイアックスより、現在のソーシャルメディアマーケティングにおいて、UGCを起点とした施策がいかに重要であるかを解説したほか、InstagramにおいてUGCを創出するための具体的なノウハウを紹介。

第2部では、アライドアーキテクツより、UGCをSNS運用や、広告施策、企業LPやEC等のオウンドサイトへ活用するための具体的なステップと、実践している企業事例を紹介しました。

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ソーシャルメディアマーケティングが変化、UGCの重要性が高まっている

まず、ガイアックス大久保氏は、ソーシャルメディアマーケティングが大きく変わってきていると説明し、現在はUGC(※)の重要性が高まっていると説明しました。

(※)UGCとは:
UGC(User Generated Contents)とは企業ではなく、一般ユーザーによって制作・生成されたコンテンツのことを言います。 最近はInstagramなどSNSに投稿された写真や動画などが UGCとして注目されています。

ガイアックスアライド共催セミナーの様子当日は60名を超える参加者が出席。セミナーへの注目度の高さが伺えた。

従来は、ソーシャルメディア上でどれだけの人にメッセージを届けられるか、反応されるか、ファンがいるか、が重要視されていましたが、以下の2つの背景から、その状況は大きく変わってきているとのこと。

1.企業発信のメッセージ影響力低下

SNSの発達によりユーザーが接する情報量が増え、またユーザー同士のコミュニケーションが面白く、活発になるにつれて、企業メッセージの影響力が低下している。今ユーザーに重要視されているのは、コンテンツにおいて「何」が見られるかではなく「誰」がそのコンテンツを発信しているか。企業がクオリティの高いコンテンツを作って届けるだけでは効きづらく、いかにそのコンテンツがユーザー同士の中でやりとりされるかが重要になっている。

2.ニュースフィードのアルゴリズムの変化

2015年頃まで、FacebookはGoogleよりも「ウェブサイトへの流入」に大きな影響力を持っていたため、多くの企業が、以下にFacebook上でユーザーにリーチするか、いかにファンを増やすかを追求していた。しかしながら、2016年頃より、Facebookは身近な人の投稿をフィード上に優先表示するようにアルゴリズムを変更。2018年には、企業ページよりも友人や家族の投稿を優先するという声明が出され、企業の投稿がユーザーにリーチしにくくなった。

ソーシャルメディアマーケティングの変化従来のKPI:リーチ数、ファン数
これからのKPI:企業への言及数、UGC数、これらコンテンツのエンゲージメント総数

これら2つの背景から、「現在のソーシャルメディアマーケティングにおいては、企業はいかに”人”を媒介にしてユーザーに情報を届けられるかが重要であり、そのためには、ソーシャルメディア上でのUGCを創出していくこと、それらUGCへのエンゲージメント総数を伸ばしていくこと、企業、ファン、ユーザーが一体となって、UGCが生まれるエコシステムを作り上げていくことが重要」と強調しました。

UGCはユーザーの「購買活動」に大きな影響を与える

次に大久保氏は、重要度が高まるUGCの特徴を説明。企業が発信するコンテンツと比較し、コントロール性は難しいが、(だからこそ)ユーザーからの信頼度は高い、UGCが自然と生まれる循環を作ることができれば、コンテンツの調達コストを大幅に下げられると語りました。

UGCの特徴

また、株式会社ホットリンクが提唱の「ULSSASモデル」を紹介し、「ユーザーの現在のソーシャルメディアを起点とした購買行動は、友人の投稿シェアであるUGCを見るところから始まる」と説明。

SNS時代の行動プロセス【ULSSAS(ウルサス)】引用:SNS時代のマーケティングフレームワーク、「ULSSAS(ウルサス)」とは

「ユーザーは企業情報を見るためにSNSを利用しているわけではないため、企業からの直接の商メッセージには目が向きにくい一方で、とあるユーザー投稿が気になった場合、その先の商品情報にも目が向いていきます。ユーザーを介することで、企業情報も、ユーザーに好意を持ってもらえるコンテンツになるのです。」(大久保氏)

UGCから商品への導線ユーザー投稿を媒介にして興味を持ってもらえば、企業コンテンツもユーザーにとっての好意的な情報となる

InstagramでUGCを創出するための企画設計 5つのポイント

では、売上に大きく繋がる「UGC」を創出するためには、どのような企画設計が必要なのでしょうか?大久保氏は、今回の説明の対象を「Instagram上でのUGC創出」に絞った上で、「そのポイントは5つある」と語りました。

1.Instagram上のユーザー行動調査

Instagram上で既にユーザーが取っている行動に着目すること。例えば、「#おうちごはん」というハッシュタグ付の投稿数はすでに1,000万を超えており、Instagramユーザーにとって、「自宅で作った料理をInstagramに投稿する」行動は、よく行われているものであることが分かる。これらを応用したのが、企業による「#弁当女子」「#男飯」などのハッシュタグだ。ユーザーが普段している行動の目線を少し変えるだけの企画であるため、ユーザーは参加しやすい。一方で、「料理中の動画」をアップさせる企画だとどうか。ユーザーに「普段やらないこと」をやってもらう必要があるため、行動促進が難しくなる。

Instagramハッシュタグページの事例その他の例として企業指定ハッシュタグ「#タビジョ」「#古着女子」を紹介。
すでにInstagramユーザーがしている行為(旅の写真をアップする、古着を着た写真をアップする)に企業指定ハッシュタグを当てはめるだけなので、ユーザー行動を促しやすい。

2.投稿ハードルの調整

ユーザーが簡単に参加できる企画にすること。例えば、「どこに行ってこういうアクションを取ってください」という企画では、「まずはここにいかなければならない」「こういうポーズを取らなければならない」など物理的・心理的なハードルがある。指定のハッシュタグを付けて投稿することで、アジア・アフリカの国に給食を1食寄付できる企画「おにぎりアクション」は、簡単に作れて、毎日でも作れる「おにぎり」を投稿テーマにすることで、ユーザーの参加ハードルを下げた。

3.ハッシュタグ名の工夫

自社固有、かつユーザーが気軽につけやすいハッシュタグ名にすること。先の「おにぎりアクション」は、ハッシュタグを「#○○寄付」などの(見方によっては)仰々しいものではなく、「#onigiriaction」と横文字でポップにすることで、ユーザーの心理ハードルを上手く下げた。

Instagramハッシュタグページの事例「おにぎりアクション」のハッシュタグページ。
企画テーマをユーザーの日常に沿うものとし、ハッシュタグも工夫することで、大きく投稿数を集めた。

4.指定ハッシュタグでの初期投稿創出

指定のハッシュタグによる投稿数が少ないと、ユーザーは投稿しにくい。そのため、企画の初期は最も苦労する。この時期に、ユーザーや自社社員を巻き込んだり、専用のサービスを活用することで、ユーザー投稿を増やしていくことが重要である。指定のハッシュタグで投稿された枚数が多いほど、さらに新しい投稿が集まり、良い循環が生まれる。

5.指定ハッシュタグでの世界観の統一

指定のハッシュタグによる投稿の世界観が統一されていることにより、ユーザーは「どんな投稿が求められているか」を理解できる。例えば、「#シンプルホーム」のハッシュタグ投稿には、シンプルですっきりとしたイメージのインテリア写真が揃っており、世界観が統一されている。初期にUGC創出する際には、この点に注意すること。

Instagramハッシュタグページの事例ユーザーはすでに上がっているユーザー投稿を参考にするため、初期の投稿創出の際には世界観を揃えておくことが重要。

InstagramでUGCを創出するために!企業アカウントがするべき4つの工夫

最後に大久保氏は、Instagram上でUGCを創出するために企業のアカウントでできる4つの工夫ポイントを紹介し、講演を締め括りました。

1.参加ルールを説明する

公式アカウントプロフィール欄で投稿ルールを説明しよう。指定のハッシュタグ投稿やメンション付きの投稿を依頼するとよい。ルールに則った投稿は企業アカウントから紹介するかも、と打ち出すことで、ユーザーの投稿促進も可能。

Instagramアカウントプロフィール欄書き方

2.お手本になる投稿を見せる

企業アカウントで、お手本になる投稿を見せよう。どんな投稿が求められているのか、ユーザーにも分かりやすく、指定ハッシュタグの世界観の統一にもつながる。

Instagram企業投稿事例

3.ユーザー投稿を褒めて動機づけする

ユーザー投稿を企業アカウントで紹介する際に、その投稿に対する感想や感謝の気持ちを添えよう。企業アカウントから褒められることで、ユーザーにとても喜んでもらえることが多い。

Instagram企業コメント事例

4.ユーザーにアクティブアプローチする

指定の投稿をしてくれているユーザーに、企業アカウントから積極的にアプローチしよう。そそれによりユーザーのエンゲージメントが高まり、さらに、そのやりとりを見ている周りのユーザーの投稿も促進できる。

Instagram企業アプローチ事例

第2部では、アライドアーキテクツの松井より、UGCは「SNS運用・広告施策・企業LPやEC等オウンドサイト」など、企業側がマーケティングに積極的に活用できること、そのための具体的なステップと、実践している企業の事例を紹介しました。

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UGCは広告・SNS運用・オウンドサイトでの強力なコンテンツとなる

松井はまず、「UGCにはユーザー目線で語る説得力と信頼性があり、広告・SNS運用・オウンドサイト等での魅力的なコンテンツとなり得る」とし、Appleの事例を紹介しました。

Appleはiphone6を発売する際のプロモーションにUGCを活用、企業目線で「○○万画素の写真が撮れる」と語るのではなく、ユーザーが実際に撮った写真を広告クリエイティブに活用することで、「私でもこんなに綺麗な写真が撮れる」と一瞬で理解させたとのこと。

AppleUGC活用Appleはiphone6のプロモーションにUGCを活用した。

一方で「企業目線の広告はユーザーから嫌われているというよりも、意識すらされていない現状がある」と説明しました。

企業目線の広告は意識されていない。AdRoll消費者リサーチ2017調査レポート過半数を超えるユーザーが、「ネット広告は意識&クリックすることが(ほとんど)ない」と回答

「そこで有効になるのがUGCの活用です。UGCをクリエイティブとして活用することで、ユーザーの信頼性も高く、エンゲージメント率の高いクリエイティブにできます。また、クリエイティブ制作コストを抑えたり、クリエイティブパターンの幅出しなども実現できます。企業は、もっと積極的にUGCを活用するべきです。」(松井)

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UGCを活用し、売上に繋げるための4ステップ

では、具体的にはどのようなステップでUGCを活用すればよいのでしょうか?松井は、「4つのステップ」で活用方法を説明しました。

UGC活用ステップUGCを活用・売上に繋げるための4ステップ

1.UGCを生成する

まずはUGCを生成しよう。自社サービス名、企業名などでハッシュタグ検索すると、意外にすでに自社に関する投稿が存在していることに気が付くのではないか。これらは企業にとっての貴重な資産と言える。マーケティングに活かさず、そのままにしているのは非常にもったいない。

もし自社に関する投稿が十分にない場合は、インフルエンサー・広告施策、ハッシュタグ投稿キャンペーンを開催、日々のマーケティング活動から地道に増やすなどの対策を取ろう。

2.UGCを収集・許諾取得する

ハッシュタグを通じて、UGCを収集しよう。収集後、どのような活用をするかによって、ユーザーからの許諾取得の必要性が異なる。

広告や自社のSNSアカウント投稿に活用する場合は、許諾の取得は必須。使いたいUGCのInstagramコメント欄に企業アカウント名で書き込みし、ユーザーから使用許諾を取ろう。このプロセスはユーザーとのコミュニケーションのきっかけにもなるので、機会を最大限に活かそう。

自社のLPやECなどのオウンドサイトに活用する場合で、Instagramの規約に則ってUGCをそのままサイトに掲載する場合(Instagramのembed機能を利用、もしくは規約に則った専用ツールを利用)は、必ずしも使用許諾を取る必要はない。(ただし、コミュニケーションの機会にもなり得るし、また無用なトラブルを避けるためにも、使用許諾を行うことはお勧めする)。

Instagramの規約に則って掲載を行わない場合(画像キャプチャのベタ張り等を行う場合)は、個別にユーザーからの使用許諾取得が必要。

UGC活用事例(左)Instagramの規約に則って掲載しているため個別のユーザー使用許諾取得は必須ではない。
(右)画像キャプチャの利用であり、Instagramの規約に則った形ではないため、個別のユーザー使用許諾取得が必須。

3.UGCをチャネルに合わせて活用する

収集したUGCを、広告、SNSアカウントの投稿、LPやECサイトなどの各チャネルにあわせて活用しよう。UGCをそのまま使うだけでなく、チャネルに応じてテキストを加えたり、ブランドのロゴやイラストなどと組み合わせて活用することも有効。

SNS広告への利用の場合は、「Facebook広告:UGCの中でもオフィシャル感の表現されているクリエイティブ」、「Twitter広告:エンタメ感があるクリエイティブ」など、使い分けしよう。

<公式Instagramアカウント投稿への活用>

UGC活用事例_企業SNSアカウント投稿日常のInstagram投稿やストーリーズ投稿にUGCを活用している。

<広告クリエイティブへの活用>

UGC活用事例_企業広告クリエイティブSNS広告クリエイティブにUGCを活用している。

<オウンドサイトへの活用>

UGC活用事例_企業オウンドサイトUSERS VOICEとして、LPのコンテンツにUGCを活用している。

4.UGCの効果検証をする

UGC活用後は、しっかりと効果検証しよう。専用ツールの利用がお勧めだが、広告やSNSアカウント投稿への活用の場合はプラットフォームが提供している効果検証機能、オウンドサイトへの活用の場合はGoogle Analytics等の活用も可能。活用したらしっぱなしではなく、どのUGCが最も効果を出しているか等のPDCAをしっかりと回すことが大切。

UGC活用を実践、成果を上げている企業事例

松井は最後に、UGC活用を実践し成果を上げている企業の事例を2つ紹介しました。

1.キリン株式会社

キリン株式会社は、自社公式Instagramアカウントの投稿にUGCを積極的に活用している。UGCを活用することで素材の量を確保、投稿頻度を従来の2倍に、準備にかける工数を大幅に削減。また、ユーザー視点での新たな切り口の投稿ができるようになり、UGCを活用した投稿は、その他投稿に比較し1.35倍のエンゲージメント率を獲得。投稿への許諾申請を通じて、ユーザーとの間であたたかなコミュニケーションも発生。約90%のユーザーが投稿への活用を許諾、好意的なコメントも多く寄せられている。

UGC事例_キリン

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2.株式会社バルクオム

株式会社バルクオムは、SNS広告クリエイティブにUGCを活用することで、クリエイティブの幅が拡がり、PDCA高速化を実現。その結果「勝ちクリエイティブ」が見つかり、結果として広告のCPAを約3分の1に改善、1年で顧客獲得件数を10倍に伸ばした。LPにもUSERS VOICEとしてUGCを掲載、リアルなクチコミを訴求することで購入の後押しに繋げている。

UGC事例_バルクオム

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以上、今回は、Instagram上のユーザー投稿「UGC」の活用をテーマとするセミナーの内容をご紹介しました。

UGCをマーケティングに活用することで、大きな成果に繋げることが期待できます。ぜひこれを機に、UGC活用に取り組んでみてください!