急速に進化するWebマーケティングの世界。企業は常に新しい技術やツールを取り入れ、顧客体験を向上させながら、競争優位性を築いていかなければなりません。同時に、次世代を担うWebマーケティング人材の育成も急務となっています。
今回、サントリーウエルネス株式会社 ITプロダクト推進部 UXデザイングループの多田氏にインタビュー。同グループは、顧客体験（CX）向上と若手人材育成という二つの大きなミッションを掲げ、様々な挑戦を続けています。その取り組みを強力にサポートしているのが、当社アライドアーキテクツが提供しているLP作成・編集ツール「LetroEditor」です。
サントリーのWebマーケティング戦略における人材育成への想い、そしてLetroEditorがもたらした革新的な変化とは？多田氏へのインタビューを通じて、LetroEditorの活用事例と効果に迫ります。
サントリーウエルネス株式会社 ITプロダクト推進部 UXデザイングループの多田匠氏
ー多田様の所属はITプロダクト推進部ということですが、サントリー内でデジタルのお取り組みはどのような方針に基づいて動かれているのでしょうか？
多田氏：
サントリーには「やってみなはれ」という創業精神があります。聞き慣れない言葉かもしれませんが、これは新しいことに挑戦し、失敗を恐れずに学ぶという企業文化のことです。この精神は、デジタル戦略においても重要な指針で、我々のチームもこの精神を大切にしています。
ー挑戦の文化ですね。チームのミッションはどういったものでしょうか？
多田氏：
私の所属するUXデザイングループのミッションは、顧客体験（CX）の向上と若手育成という二つの柱です。CX向上は、単にCVRを上げるだけでなく、顧客一人ひとりに寄り添い、最適な体験を提供することを目指しています。特に私たちが扱う商品は、お客様の健康に深く関わるもの。だからこそ、お客様一人ひとりの状況に寄り添い最適な体験を提供することが重要だと考えています。
具体的には、ヒートマップ分析ツールを用いてユーザーがサイトのどの部分に注目しているのか、どこで離脱しているのかなど顧客行動を分析し、改善点の洗い出します。LPのデザインについても、ユーザーが理解しやすい情報設計になっているか、購入しやすい導線になっているかなどを常に考えながら、企画や分析を行っております。
また、チームとしては、協業している外部パートナー様とも連携をし、それぞれの知見を共有・活用していくハブ機能も担っています。施策から得られた成功事例・知見を水平展開していくことで、サントリー全体のWebマーケティング力を向上させることができると考えています。
もう一つの柱「若手育成」は、会社を挙げて力を入れている部分で、私のチームでは、若いうちからWeb施策の「打席」に立たせ、実践を通して成長を促しています。デジタル人材の育成には、実践的な経験の蓄積が不可欠だと考えています。
ーチーム内での課題についてお伺いさせてください。まずはCX向上観点で抱えられていた課題はどのようなものがあったのでしょうか？
多田氏：
一番の大きな課題は、CX向上のための改善点を洗い出すことはできても、それを実際にLPに反映させるまでに時間がかかってしまっていたことですね。
以前はLP制作に数週間かかることも珍しくありませんでした。その最大のボトルネックがコーディング作業です。ヒートマップやユーザーテストで分析した結果を活かしてLPを改善しようとしても、このタイムラグによってせっかくの施策効果が薄れてしまう可能性もありました。
デザインは完成しているのに、コーディング待ちで公開が遅れてしまう。より早く仮説を検証し、磨き続けるというLP改善の営みにおいては、この所謂待ち時間は、正直勿体ないなと感じておりました。
ーメンバー育成観点だとどのような課題がありましたか？
多田氏：
今後のさらにデジタル化が進むであろう世の中を見据えると、Web領域に精通した人材の育成に注力していくべきと感じていました。
そのため、仮説検証サイクルを高速で回したり、データに基づいて迅速に意思決定するといったWebマーケティング特有の仕事の進め方を、より多くのメンバーが習得できるよう、育成体制の強化に取り組んでいきたいと考えていました。
ーコーディング待ちによるLP制作の遅延、そしてリソース不足という課題に対して、どのような解決策を講じたのでしょうか？
多田氏：
LP制作の課題を解決するために様々なツールを探しましたが、なかなか要件を満たすものが見つかりませんでした。例えば、外部の会社様の中には安くLPを作ってもらえるサービスもありましたが、結局それを自社の環境にアップロードする作業が必要で、大きな時間短縮には繋がらない。結局、社内で誰かがその作業をする必要があり、リソースの問題は解決しませんでした。他にもいくつかツールを試してみましたが、どれも私たちのニーズを満たすには至りませんでした。
ーそんな中で、LetroEditorを選ばれた理由はなんだったのでしょうか？
多田氏：
ちょうど行き詰まりを感じていた時に、アライドアーキテクツさんからLetroEditorを紹介してもらいました。開発なしでLPが作れる手軽さ、直感的な操作性、そして高いコストパフォーマンス。この3点がLetroEditorを選んだ決め手でした。特に、コーディング不要という点は非常に魅力的でした。コーディングの知識がなくても、Webページが作成できる。これはWeb制作の経験が少ない若手社員にとって大きなメリットです。さらに、ドラッグ＆ドロップで直感的に操作できるため、学習コストも低く、すぐに使いこなせるという点も大きかったです。
ー実際にLetroEditorを導入してみて、どのような効果がありましたか？
多田氏：
LetroEditorの導入によって、LP制作にかかる時間は以前と比べて大きく短縮されました。デザインがFIXしてからわずか1営業日で公開できてしまうスピード感は他では実現できないです。ABテストも迅速に実施できるようになり、PDCAサイクルは劇的に高速化しました。
例えば、「サントリーウエルネス」で検索した際に表示される広告や、肌健康管理特集など、様々なキャンペーンページでLetroEditorを活用しています。中には、LetroEditorで制作したLPで非常に高いCVRの改善効果が得られた事例もあります。
さらに、LetroEditorの大きな強みは、仕様やデザインの検討・調整がギリギリまでできるという点です。LetroEditorなら、私たちだけでLP制作を完結できるので、ギリギリまで納得いくまで修正できます。「ああでもない、こうでもない」と迷いながら、より良いLPを作り込める。じっくりと時間をかけて企画に集中できるこの環境は、私たちにとって大きなメリットです。きっと多くの企画担当者も共感いただけるポイントだと思いますね。
ーLetroEditorが人材育成にも繋がっているというお話でしたが、どういう関係性でしょうか？
多田氏：
LetroEditorは新人育成にも大きく貢献しています。操作がシンプルなので、新人でもすぐに使いこなせ、自分の施策を企画から公開まで、一人で完結できるようになりました。Web施策を「手触り感」を持って作れるようになり、成長を実感しやすい。結果がすぐに分かるので、次の施策へのモチベーションにも繋がります。PDCAサイクルを高速で回せるので、チャレンジする回数も自然と増えました。
LetroEditorで制作したLPは、自分たちで責任を持って公開まで行います。自分で考えて、作って、試せる、この「自分でコントロールできる」という感覚が若手メンバーの意識を大きく変えました。「自分の頑張りで変えられる」という実感を持つことで、主体性や責任感が育まれ、成長スピードも格段に上がりました。LetroEditorは、若手メンバーの主体性を育むツールとしても非常に効果的です。
ーチームの展望としては、どんなことをお考えですか？
多田氏：
チームの組織力強化は大きな目標です。まずはチームの人数を増やし、より多くのWeb施策にチャレンジできる体制を構築したい。将来的には、ここで育ったメンバーを、ウエルネス以外の領域にも送り出したい。様々な経験を通して成長を加速させ、サントリー全体の発展に貢献してほしいと考えています。
自ら学び、自ら考え、自ら行動する。そして、失敗を恐れずに新しいことに挑戦していく。そういう組織文化を醸成したいですね。そして、このチームでの経験が、彼ら彼女らにとって将来のキャリアの選択肢を広げることに繋がるといいなと考えています。
記事公開日：2025.06.16
