CVR1.27倍!新規獲得LP・定期引き上げ用LPから公式オンラインショップまで、コーセープロビジョン「米肌」がUGCをフル活用する理由とは

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米肌インタビュー_ogp

コーセープロビジョンのスキンケアブランド「米肌(まいはだ)」は、「お米」と「発酵」のチカラで自ら潤う肌を育む、コーセーグループで唯一の通販ブランドです。

順調な成長を続ける要因の1つにリピート率の高さがありますが、一人一回限りの「14日間の米肌体験セット」や、お得な「定期購入サービス」など、多様な入り口から新客を獲得し、愛用者へ結びつけていく施策を展開しています。

そのような中、同ブランドはさらなる売上向上を実現するために、よりリッチなマーケティングコミュニケーションが重要と考え、様々な顧客接点にUGC(顧客の声)を活用することで顧客獲得効率の向上を図っています。

今回は、新規獲得用LPから、一度「14日間の米肌体験セット」を購入いただいたお客様を定期宅配コースへと継続転換するための定期引き上げ用LP、そして公式オンラインショップや季節のキャンペーンページまで、米肌が様々な顧客接点においてUGCを活用する狙いや工夫ポイント、それによって得られた成果についてお話を伺いました。

課題

  • さらなる売上向上を実現するために、顧客獲得効率の改善ができる新たな打ち手を探していた

解決策

  • 新規獲得用LPや定期引き上げ用LPにUGCを掲載
  • 媒体・ターゲティングや流入経路別に見せるUGCを選別して表示
  • UGCの表示位置や見せ方(Instagram投稿/テキスト形式でのレビュー)についても検証

成果

  • 新規獲得用LPのCVRが1.27倍に、定期引き上げ用LPのCVRが1.2倍に改善
  • 公式オンラインショップにもUGCを掲載することでコンテンツの拡充に成功

コーセーグループで唯一の通販ブランド「米肌」。ブランドの世界観を損なわない販売促進を目指してクリエイティブを展開

ー「米肌」の特徴やお客様の層について教えてください。

「米肌(まいはだ)」は、「お米」と「発酵」のチカラで自ら潤う肌を育む、コーセーグループで唯一の通販ブランドです。

老舗酒造に古くから伝わる発酵技術を応用して生み出されたライスパワーエキス。処方の難しいこのデリケートな成分を、長い歴史の中で培われた当社の先進技術によりハイクオリティな化粧品に仕上げることで、米肌という製品が誕生しました。

ブランド立ち上げ時点から、新聞の折り込みチラシやインフォマーシャルなどの広告も多く活用してきたことから、お客様層は40-50代の比較的高い年齢層のお客様が多いです。一方で、近年は動画コンテンツの拡充や共創プロジェクトなどを通じて、若い世代のファン作りにも挑戦しています。

米肌は、肌のお悩みや目的に応じてお使いいただけるように4つのシリーズをラインアップしており、様々な年齢層にあわせたケアをしていただける製品であることも特徴の一つと言えます。

尾﨑氏

コーセープロビジョン株式会社 ダイレクトビジネス室 尾﨑 柚美 氏
コーセープロビジョンのスキンケアブランド「米肌(まいはだ)」のオンライン/オフラインにおける制作物のディレクションを担当。

ー米肌のクリエイティブを展開する上で、大切にしている軸を教えてください。

米肌のクリエイティブを制作する上で意識していることは、米肌としてのブランドの世界観を損なわない販売促進ができるクリエイティブ展開を行うことです。

新規のお客様に商品理解を深めていただき、購入までつなげていく必要がありますが、広告のトレンドを追って急に今までと異なるテイストのクリエイティブを展開しても、既存のお客様は突き放されたような気持ちになってしまうかもしれません。

あくまでも米肌というブランドを大切に、ブランドカラーやフォントは統一し、ライスパワーを意識させる日本らしいテイストを盛り込むものも制作するように意識しています。

米肌商品

UGCは、「購入へあと一歩」の背中を押せるコンテンツ。内容を吟味すればブランドの世界観を生かすことも十分可能

ー米肌は、新規獲得用LPから定期引き上げ用LP、そして公式オンラインショップや季節のキャンペーンページまで、様々なチャネルに「お客様の声(UGC)」を活用しています。その狙いを教えてください。

米肌は通販ブランドであり、小売店舗での販売も行っていませんので、ご購入前にお客様に実際に手に取っていただくことができません。

そのような中、デジタル上の接点に実際のお客様のUGCを置くことによって、ユーザーは「このブランドを実際にこうして利用している方がいるんだな」と発見することができ、購入前の最後の一押しにつながると考えました。

現在の生活者の購買行動として、通販でものを買う際にはInstagramなどのインターネット上でクチコミ情報を探す方が多いと思います。LPやECサイトに直接UGCを置いておくことで、サイトからの離脱を防止し、ワンクッションを置かずともクチコミを確認したいニーズに応えることを狙っています。

尾﨑氏

ー大手企業様の中には、「UGCはブランドガイドラインに合わない」「薬機法や景表法などのリスクもある」として、UGCに関連する施策を躊躇する企業様も少なくありません。ブランドの世界観と獲得効率の両立を重視する御社は、この観点でどのようにバランスを取っているのでしょうか。

集まったUGCを一つ一つ精査し、写真だけでなくテキストの内容も含めて確認をしてから掲載するようにしています。

テキスト内容については、薬機法や景表法などの法律に抵触しないかはもちろん、ブランドの表現とも大きな違和感がないものをピックアップするように気を付けています。

お客様が投稿する内容を企業側でコントロールすることはできないですが、その中で「何を出すか」は企業側でしっかりコントロールすることができます。

UGCの内容を吟味することで、法律に抵触する等のリスクを回避し、ブランドガイドラインとの統一感を守りながら、しっかりと成果につなげることができると思います。

UGCを活用することで、新規獲得用LPのCVRが1.27倍に改善。その工夫ポイントとは?

ーまずはじめに、新規獲得用LPに掲載しているUGCの内容を教えてください。

米肌の肌潤シリーズと肌潤美白シリーズの新規獲得用LPにUGCを掲載しています。LPは、広告チャネルによって潜在層向け(ブロード配信等)/顕在層向け(SEM等)に分けて用意しており、それぞれに応じて掲載するUGCを出し分けています。

潜在層向けLPでは「利用者の多さや満足度の高さを表現する権威付け」「トライアルセットでの効果実感」「本品継続後の満足度」「課題・悩み別の満足度」が伝わるUGCを選定して掲載。顕在層向けLPでは、これに加えて米肌の特徴である「ライスパワーによる効果実感」が伝わるUGCを選定して掲載しています。

米肌の新規獲得用LPにおけるUGC掲載箇所の一例

米肌の新規獲得用LPにおけるUGC掲載箇所の一例

ー掲載するUGCの内容だけでなく、見せ方において工夫していることはありますか?

InstagramのUGCをそのまま埋め込む形式、テキスト形式のレビューのみ掲載する形式、両方をあわせて見せる形式の3パターンでテストしました。UGCの掲載位置も複数パターンでテストしています。

また、UGCエリアに表示するバナーのテキストも「お喜びの声続々」「私たちがオススメするワケ」など複数のパターンを試しました。バナーを動画化することでレビューの視認性を高めるテストも行いました。

さらに、「肌の悩み」別にレビューを表示する工夫もしています。ターゲット毎に詳細に掘り下げることによって、お客様の自分ごと化を促進することを狙っています。

ー新規獲得用LPにUGCを掲載したことによる成果を教えてください。

運用型でUGCの内容や見せ方の改善を続けることで、新規獲得用LPのCVRを1.27倍に改善させることができました。

自分たちではUGCをただ掲載するだけで精一杯ですが、Letroのご担当者様がしっかりと運用をサポートくださり、成果を見ながら最適な見せ方を追求し続けてくださったから、このような成果につながったと感じています。

尾﨑氏

定期引き上げ用LPや公式オンラインショップにもUGCを活用

ー定期引き上げ用LPへのUGC活用のポイントと得られた成果を教えてください。

定期引き上げ用LPにおいては、長期間米肌を利用したお客様のInstagram投稿を掲載しています。「長期間使い続けることによって肌にどんな変化があったのか」、「長期間使い続けたことによる体験」が表現されたInstagram投稿を掲載することで、長期利用イメージやメリットを想起することができ、定期引き上げ用LPでもCVRを1.2倍に改善することができました。

米肌の定期引き上げ用LPにおけるUGC掲載箇所の一例

米肌の定期引き上げ用LPにおけるUGC掲載箇所の一例

また、公式オンラインショップでもUGCを活用しています。米肌が持つ3タイプのクレンジング商品(クリームタイプ/オイル in ゲルタイプ/オイルタイプ)別にUGCを表示することで、3タイプの商品の機能差のみならず、生活者が実際に体験した使用感の違いがリアルに伝わり、お客様がより自分の好みに近い商品を選びやすい状態を創ることができていると感じています。

米肌の公式オンラインショップにおけるUGC掲載箇所の一例

米肌の公式オンラインショップにおけるUGC掲載箇所の一例

季節感のあるUGCや動画UGC。多彩なUGCを活用することで、UGCの影響度を拡大

ーその他、UGCを活用して成果につなげるポイントがあれば教えてください。

季節感のあるUGCを活用することによって、CVRがさらに向上しました。その時々に求められるUGCがタイミングよく存在する状態を創り上げるために、UGCを戦略的に生成することも大切だと思います。

米肌の季節感を反映したUGCのイメージ例

米肌の季節感を反映したUGCのイメージ例

また、もう一つ可能性を感じているのは動画UGCの活用です。おしゃれに撮っていただいている静止画UGCもたくさんあるのですが、それよりも動画UGCの方が製品のテクスチャーが伝わりやすく、リアルな感想として信用していただきやすいと感じています。

同じ化粧水でもサラサラのものもあればとろみがあるものもあり、好みも分かれますよね。動画だとそうした使用感をよりリアルに伝えることができます。

動画UGCは、動画素材の拡充という意味でも大変役立ちます。動画の素材を自分たちで用意するのはとても大変ですが、UGCを活用することで多彩な動画素材を手に入れることが可能です。

ーUGC活用を行うパートナーとして、Letroをお選びいただいている理由を教えてください。

季節感のあるUGCや動画UGCなども含めた様々なパターンの戦略的なUGCの生成から、掲載後の効果検証と改善まで、一貫して依頼できる点が大変心強いと思っています。

自分たちだけでは正直そこまで手が回らず、掲載するだけで精一杯です。Letroの皆さんがいてくださるから、戦略的にUGCを活用して大きな成果につなげることができていると感じています。

尾﨑氏

ー最後に、今後UGC運用において取り組んでいきたいことを教えてください。

オンラインショップでのUGC活用をより拡充していきたいと考えています。全ての商品ページに、米肌公式Instagramの投稿とUGCの両方を並べて出すことにもチャレンジしていきたいですね。

また、既存のお客様へのメールマガジンや、チラシや同梱物などのオフラインの場でもUGCを活用してみたいです。