2019.6.24
2019年5月、ヤフー株式会社は、提供中の「Yahoo!プロモーション広告」において、広告掲載基準の変更に関する公式発表を行いました。
この変更により、2019年6月3日以降順次、Yahoo!プロモーション広告では、一部サイトを除きアフィリエイトサイトと判断されたサイトの広告掲載ができなくなります。(※1)
今回は、この広告掲載基準の変更の概要について改めて確認すると共に、その規制背景や今後のマーケティング施策のヒントをご紹介していきたいと思います。
(※1)広告掲載基準の変更に関する公式発表とは
ヤフー株式会社発表 広告掲載基準「広告の有用性について」判断基準変更のお知らせ より
(https://promotionalads.yahoo.co.jp/support/announce/672679.html)
Topics
そもそも今回、Yahoo!の広告規制の対象となった「アフィリエイト」とはどのような施策なのでしょうか。
アフィリエイトとは成果報酬型広告の1つです。
広告主である企業は、アフィリエイターと呼ばれる個人のブログやウェブページに、商品の広告記事を書いてもらったり、制作会社に広告サイトを制作してもらったりし、その広告を介して成果が発生した時に、報酬を支払います。
成果は、クリックや資料請求、商品の購入など目的に応じて設定されます。
アフィリエイトでは、成果がなければ報酬が発生しないため、広告主にとって非常に取り組みやすい広告施策の1つです。
実際、通販企業をはじめとした多くの企業・業種でアフィリエイトは利用されています。
今回、ヤフー株式会社が発表した広告掲載基準の変更は主にこの「アフィリエイトサイト」に関する規制です。
変更対象となる広告掲載基準は下記の赤字の部分です。
出典:Yahoo!JAPAN 広告掲載基準「広告の有用性について」判断基準変更のお知らせより
(https://promotionalads.yahoo.co.jp/support/announce/672679.html)
変更後は、ビジネスモデルが成果報酬型サイト(アフィリエイトサイトを含む)およびそれと同等であると判断されたサイトは、赤字部分の「広告のクリック等をさせることを主目的としているもの」に該当するサイトとみなされ、ヤフー株式会社の提供する全てのサービス、提携パートナー上での広告掲載ができなくなります。ヤフーが配信している広告は、ヤフージャパンのサイトだけでなく、新聞社のニュースサイトなど、多くのウェブサイトに配信されており、こうしたメディアについてもアフィリエイトサイトに誘導するネット広告は掲載されなくなります。
この規制は徹底されており、今後は、例えばサイト内のコンテンツを修正したとしても、成果報酬型サイト(アフィリエイトサイトを含む)と判断されたものは、広告掲載が出来なくなるのです。
これまでの掲載基準では「アフィリエイト」というビジネスモデルについて明確に言及してこなかったので、今回の変更は、アフィリエイトを活用している広告主にもアフィリエイターにも影響範囲は大きいと予想されます。
では、ヤフー株式会社はどうしてこのような規制を行うのでしょうか?
公式の発表では、同社は規制の理由として、「ユーザー保護」と「広告掲載面の品質向上」の2点をあげています。
アフィリエイトは成果がなければ報酬が発生しません。そのため、アフィリエイターは、様々な工夫を施して、より多くの人にコンテンツを読んでもらい、リンクをクリックしてもらったり、商品を購入してもらったりなどの成果につながるよう、日々努力しています。
例えば、WEBでの検索順位を上げる工夫をする、ターゲットに向けてコンテンツの内容や見せ方を工夫するなどが、具体的な対策の一例として挙げられます。その結果が「アフィリエイト上の成果」につながり、報酬が発生する、というのが本来の姿です。
ですが、近年は報酬を求めるあまり、一部の悪質なアフィリエイターが虚偽や誇張表現を含んだ記事や広告サイトを制作しているケースが発生し、問題となっていました。
「テレビ番組で紹介された」や「芸能人も絶賛」など事実と反する表現が盛り込まれた広告をご覧になったことがある方もいらっしゃると思います。
こうした媒体のガイドラインを守らない悪質な広告や情報の乏しい広告サイトは、生活者の広告体験・消費体験を損ね、結果として広告主の不利益にもなります。
また、こうした広告が多く掲載されることは、媒体の信頼度を低下させ、ユーザー離れを招く一因になりかねません。
このような背景から、ヤフー株式会社は今回、広告基準の変更に踏み切ったと推測されます。
今回のヤフーの広告規制に見られる流れを踏まえると、今後広告主は、より生活者の消費体験を損なわない、有用性の高い広告体験を、生活者に提供していく必要があると言えます。
そこで注目されているマーケティング施策の1つが「ファンマーケティング」や「アンバサダーマーケティング」と呼ばれる、企業のマーケティングに生活者を巻き込んでいく手法です。
この施策を通して企業は、企業やブランドに好意を持って応援してくれる生活者=ファンを味方につけ、ファンのSNSなどを通してブランド情報や商品情報を発信してもらうことができます。
また、ファンの発信したコンテンツ=UGC(※2)を、企業のWEBサイトや広告クリエイティブ、SNSの投稿に活用する企業も出てきています。
こうしたファンからの情報発信は、企業との間に金銭報酬のやりとりが発生しておらず、広告慣れしている生活者に信頼感や安心感を与えることが可能です。さらに発信そのものが、企業にとって自分たちでは作ることが難しい生活者目線のメッセージにもなります。
生活者にとって信頼感や安心感、共感をうみやすいファンからの情報発信を促し、それらを積極的に活用していく。
今後、生活者の消費体験を損なわない、有用性の高い広告体験を提供していく上で、これはとても重要な施策だと言えます。
そんなファンによる情報発信を効率的に促し、活用できるツールとしてご紹介したいのが「モニプラファンブログ」(以下モニログ)です。
モニプラファンブログ トップページ(https://monipla.jp/)
モニログには現在、企業の商品体験を求めるユーザーが約32万人います。
企業はユーザーに向けて、モニター募集のイベントを開催。
応募者の中から選定した当選者に商品を提供して、インスタグラム投稿やブログ投稿を促すことが可能です。
報酬目的ではなく、純粋に商品を体験したいモチベーションを持ったユーザーの投稿は、生活者の立場にたった有用性の高いメッセージです。
そのメッセージからヒントを得て、マーケティングに活用している導入企業も多くいます。
さらに、ユーザーから発信された投稿は、企業のホームページやECサイト、広告クリエイティブやSNSアカウントなど様々な場面で活用することができます。
また、モニター募集のイベント制作から応募者の管理、当選者選定や投稿の閲覧まで、管理画面上で一貫して行うことができるので、ツールを使わずに同様の施策を実施するよりもはるかに効率的に施策を行うことができます。
モニログを導入し、生活者目線のメッセージを活用している企業の1つが、外反母趾や扁平足、O脚など足のトラブルに特化した靴ブランド「AKAISHI」です。
同社では、モニログで集まったモニター投稿やアンケートなどのフィードバックから、商品のキャッチコピーを変更したり、訴求内容を変更したり、柔軟にマーケティング施策に活用しています。
AKAISHIのモニログファンサイト(https://monipla.jp/archfitter/)
例えば、インソールが厚くて柔らかく「ふわふわ」と表現していた商品では、モニター記事内で書かれていた「ふわとろ」という表現に注目。商品コピーを「ふわとろなはきごこち」に変更し、該当商品の売り上げを伸ばすことに成功しました。
モニログユーザーの声を商品訴求のメッセージを考える際のヒントとして活用し、成果をあげている事例です。
AKAISHIのモニログ活用事例を詳しく読みたい方はこちら
ファンは「絶妙な立ち位置」で自社にヒントをくれる心強い存在
世界の一流品から日本の伝統工芸品まで、さまざまな種類の食器やテーブルウェアを販売する「ル・ノーブルトレーダース株式会社」もモニログを活用している企業です。
同社は、モニターによるUGCを、「商品を体験した生活者ならではの切り口で、自社制作では思いつかない着眼点のコンテンツ」と位置づけ、WEBサイトや店舗での商品説明などにフル活用しています。
ル・ノーブルトレーダース株式会社のモニログファンサイト(https://monipla.jp/lenoble/)
「この商品はとても素敵だけど、実際には、どんな料理を盛り付けたらよいのだろうか?」「自分に使いこなせるかな?」「この食器は和食にも合うのかな?」といった、お客様のリアルな疑問に対して、モニター投稿を活用することで「普段使いでお料理を盛ったらこのようなイメージになりますよ」という具体的な提案ができていると、同社の担当者は語ります。
自社で作るクリエイティブでは伝えるのが難しいメッセージも、モニター投稿を活用することで発信することができます。
ル・ノーブルトレーダース株式会社のモニログ活用事例を詳しく読みたい方はこちら
ファンのUGCをWEBサイトや店舗での説明にフル活用ー新たな訴求軸開発のヒントにも
以上、今回はYahoo!の広告掲載基準変更の概要から、今後の流入対策を含めたマーケティング施策のヒントまでをご紹介しました。
ぜひ今後のマーケティング施策にご活用ください!