株式会社AKAISHI
2019.4.19株式会社AKAISHI
(左)株式会社AKAISHI マーケティング部DMセクション マネージャー 小林氏 (右)同部署 碓井氏
モニプラファンブログ(以下モニログ)のファンサイト・オブ・ザ・イヤー2018(以下FOY2018)で金賞を受賞したのは、外反母趾や扁平足、O脚など足のトラブルに特化した靴ブランド「AKAISHI」です。「FOY2013」「FOY2014」「FOY2017」の過去三度の受賞を経て、今回ついに金賞の受賞となりました。
「商品だけでなく担当者のファンになった」といった声が多数挙がるなど、多くのユーザーの心をつかんでいる同社は、2010年のモニログ導入以降、「ファンサイト」を通じ、企業からの一方的な発信ではない「人と人」の関係性に基づいたファンとの真摯なコミュニケーションを継続してきました。また、モニログを通じて得られたUGC(※)を自社オンラインサイトに活用し成果を上げる等、マーケティングの成果にもしっかりと結び付けています。現在の同社のマーケティングの課題や方針、モニログの活用方法等についてお話を伺いました。
Topics
-まずは御社の商品の概要と、現在のマーケティングにおける基本方針を教えてください。
弊社は、足元からお客様の生活の質の向上のお役に立ちたい、という想いで、外反母趾や扁平足、O脚など足のトラブルに特化した靴ブランド「AKAISHI」を展開しています。
現在、「らくちんパンプス」など、アパレルの靴を履きやすくした商品が売られるようになってきましたが、弊社の商品は「医療靴」からスタートし、さらにできるだけデザインをよくするアプローチを取っていることが特徴です。このような設計思想を持った靴ブランドは、日本にはまだあまりありません。
また、販売後も、「お客様がご満足いただけるまで永続的にサービスをご提供する」というモットーでメンテナンスサービスをご提供しており、専門のシューフィッターが、お客様の個々の足に合わせた調整等を行い、カルテに記録しています。実際の店舗ではこのようなサービスを行うブランドもありますが、弊社のような通販の形態でここまでのサービスを提供している靴ブランドはないのではないでしょうか。これは、お客様との信頼関係を重要視する、という弊社の文化から来るものです。
このような点から、弊社の商品は、基本的に「刺さる方には刺さる商品」であると思っています。よって、マーケティングにおいては、まずは「どれだけの多くの方に弊社の商品を知っていただけるか」、そして知っていただいた上で「きちんと魅力が伝わるか」を重視しています。
-現在御社が取り組んでいるマーケティング施策について教えてください。
デジタル広告については一通り実施しています。効果が見えやすく、また結果にも繋がりやすいのはGoogleアドワーズ、ディスプレイ広告や、リマーケティング広告ですね。アフィリエイト広告は品質のコントロールが難しいと感じており、現在は取り組んでおりません。また、マス広告も過去取り組んだことはありますが、成果が見えにくいため現在は実施していません。
また、LINE@を自社チャネルとして開始しており、メルマガと同じような利用の仕方をしています。自社メルマガに比較して、LINEの方が2倍の送客率があるので、今はメルマガのお客様も、また新規のお客様も含めて、LINEに登録いただけるように働きかけています。
「足のお悩み百科」というコンテンツサイトの運営や、足のお悩みに関する小冊子の制作も行っています。
-各種マーケティング施策を実施されている中、モニログはどのような位置づけでご利用いただいているのでしょうか。
マーケティング施策には短期的にすぐに成果に繋がるものと、長期的に実施することによって、他では得難い価値を得られるものと2種類あると思いますが、モニログはその後者に該当すると考えています。
AKAISHIのモニログファンサイト(https://monipla.jp/archfitter/)
個人的には、モニログは、SNSと広告のちょうど中間ぐらいの施策という位置付けです。弊社商品の「顧客」ではなく、まだ「顕在層」でもないけれども、「興味関心」はある方々と繋がり、長期的なコミュニケーションが取れることが魅力だと思います。そのようなサービスは他にはないのではないでしょうか?
ですので、週1回の社内のマネージャー会議では、モニログ経由での流入数や購入数等、定量的なところも共有しておりますが、弊社ではそのような「定量の数値」だけでなく、「モニログのファンの方から得られるコンテンツ」や「モニログのファンの方とのコミュニケーションから得られるヒント」などを重要視しています。コミュニケーションの成果を「定量」として測ることは難しいですが、とても大事なことだと考えています。
-モニログを通じたファンとのコミュニケーションを重要視する理由は何でしょうか?また、具体的にどのようにマーケティングに活かしているのでしょうか?
モニログで定期的にイベントを開催、ファンの方から商品へのフィードバックをいただいたり、またファンの方に書いていただいたブログ記事を自社コンテンツに活用したりしています。
例えば、以前、インソールが厚くてやわらかい商品を「ふわふわ」を売りにして販売していたのですが、あるときモニログのファンの方から、モニター記事内で「ふわとろ」という表現をしていただいたことがあったのです。それをきっかけに、ブランドのコピーを「ふわとろなはきごごち」に変えたところ、売上が一気に伸びました。私たちがブランドとして考えていたラインよりも一歩踏み込んだ表現ではありましたが、この件で消費者目線を改めて認識し、社内でも「お客様に伝わるためにこういう表現までやるべきだ」という認識をすることができました。
また、以前は機能面で訴求していたサンダルを、これもファンの表現をお借りして「40代の私でもはける」という訴求に変えたところ、過去一番のアクセス数を獲得し大きな売上に繋がったこともあります。
モニログのファンの方の感想は、弊社にとって、確実に「商品に対してこういった表現をしてみようか」を考えるヒントになっていますので、新商品を出すタイミングでは必ずモニターの方に試していただくようにしています。また、いただいた感想には必ず全て目を通しています。
モニターしていただいたUGCは、自社サイトのコンテンツにも活用させていただいています。自社で用意できるコンテンツの量やパターンには限りがありますが、UGCを活用することで、バラエティ豊かなコンテンツを用意することができています。今は、モニログで得られたUGCを活用し、シーズンにあわせて掲載商品やコンテンツを入れ替え、LINE@やメルマガ記事からの紹介先としても活用しています。
AKAISHIの新商品紹介ページ。
モニログのファンによる動画やブログレポートをコンテンツとして掲載している。
また、モニログのファンの方による写真やレビューは、「プロ」っぽすぎず、リアル感が伝わるところも、とても良いと考えています。ファンの方は、みなさん綺麗に写真を撮っていただけますが、プロレベルというわけではない。そこが、リアルさを伝える絶妙なバランスだな、と感じています。
素敵な紹介をしてくださるファンの方には、プライベートオファー機能を通じて、個別にレビュー作成の依頼もしています。
モニログは、プラットフォームとして、このようにUGCの生成/許諾取得/掲載/効果測定等の一連の機能が備わっているのが素晴らしいですね。自社だけで実施しようとすると、とても大変な作業だと思いますが、モニログを通じて実施することでとても効率的・効果的に運用することができています。
-最後に一言、今回の受賞に対するメッセージをお願いします。
モニログを始めて9年、日を重ねるごとにファンの方に支えられていると感じます。日々のやり取りの中で皆様から新商品の素敵なコーディネート写真や、私たちがびっくりするクオリティの動画を撮っていただいたり…。
ECサイトを運営しているからこそ、そういったコンテンツを考えて、つくることがどれだけ大変かを私たちは知っています。そして、そこに垣間見られる皆様のお気持ちが何よりうれしく、価値を感じ、勇気をいただいています。
そんな方々に恵まれ、私たちは本当に幸せなんだと実感しています。
足の悩みを解決することは、日々いきいきと歩けることです。自分の足でどこにでも行けるのは、豊かな人生につながると考えています。私たちは足にお悩みの全ての方の助けになりたいです。
今回の賞を皆様からの激励だと受け取り、もっと喜ばれる商品つくり、ブランドつくりに努めていきます。これからもAKAISHIをよろしくお願いいたします。