有限会社ティシビィジャパン
2019.10.23有限会社ティシビィジャパン
有限会社ティシビィジャパン 営業部係長 山本 竜弥氏
身の回りに潜むダニの研究に長年取り組んでいる日革研究所。その研究成果をもとに開発されたダニ対策製品の販売を行なっているのが、総発売元の有限会社ティシビィジャパンです。
意外と知られていないダニの習性や家庭でできるダニ対策など、ダニに関する知識の啓蒙活動を行い、ダニ対策製品を販売している同社は、2019年からモニプラファンブログ(以下モニログ)を導入し、SNSを活用したマーケティング施策に取り組んでいます。
同社がSNS活用に力をいれたきっかけとは?SNSを通して実現したいこととは?今回はSNS施策に踏み切った背景や今後の展望、モニログを導入した理由など、ご担当者に詳しくお話を伺いました。
Topics
-まず始めに御社の事業内容について教えてください。
弊社は有限会社ティシビィジャパンといいまして、グループ会社である日革研究所が研究・開発した「ダニ捕りロボ」「ダニ捕りマット」などのダニ対策商品の販売をしています。なかでも「ダニ捕りロボ」は弊社の主力商品の1つで、屋内に潜むダニ(屋内ダニ)を誘引剤でおびき寄せ、吸湿性セラミックでダニの水分を物理的に奪い、乾燥させて退治する、という商品です。
-山本様はどのような業務をご担当されているのでしょうか?
商品を販売するECサイトやモール店の運営から、コンテンツサイト運営や広告運用など、インターネットにまつわる業務全般を担当しています。
-コンテンツサイトとはどのようなものですか?
日革研究所の「ダニNAVI」というコンテンツサイトで、ダニに関する基礎知識やご家庭で行えるダニ対策についての記事を掲載しています。ダニは身近にいますが、その正しい知識や予防策についてはまだまだ知られていません。「ダニNAVI」を通して、私たちが長年の研究で培ったダニについての知識や対策のノウハウをお伝えし、ダニの正しい知識とダニ対策方法を広めていきたいと思っています。
日革研究所の「ダニNAVI」にはダニに関する記事コンテンツが豊富に掲載されている。
-今年は新商品の「ダニ目視キット」も販売されたんですよね。
はい。屋内に潜むダニを誘引剤でおびきよせ、目視で確認することができる画期的な商品が「ダニ目視キット」です。構想から開発までかなりの時間をかけて開発いたしました。
-こちらの商品を発売した背景について教えてください。
ダニは本来小さい生き物なので肉眼では確認できませんが、今回発売させていただいたダニ目視キットを活用することで、身の回りに潜むダニを目で確認することができます。実際にダニを確認することでダニ対策の必要性を感じていただけるのではないでしょうか。
また、今までは、アレルギーやダニ刺されなど具体的な症状の改善がなければ、ダニ取り商品の効果を実感してもらえなかったのですが、ダニが実際に集まっているのを確認できることで商品効果を感じることが可能になりました。
ダニの怖さについて知り、せっかくダニ対策商品をご購入いただいても、効果が分からなければその後のリピート購入にはつながりません。さらにダニ取りの類似製品も多く出ている中、弊社の商品は比較的価格が高めなこともあり、「高くても効果を実感して続けてもらう」ための打ち手が必要だと感じ、目視でダニが集まってきているのを確認できる「ダニ目視キット」を販売いたしました。
有限会社ティシビィジャパン 営業部係長 山本 竜弥氏
-それは画期的ですね!こちらの商品を発売したことで、山本様がご担当されているデジタル領域でのマーケティング施策に変化はありましたか?
目視キットの発売前は、刈り取り型の広告や純広告、アフィリエイトなどがメインの施策でした。「商品情報」や「効果」「安全性」などを訴求する“直接的な広告”で、ニーズがある程度顕在化している人たちにアプローチをする施策です。なかでもアフィリエイトは成果が高く、第三者的な立場で書かれた記事を経由して購入にいたるケースが多いと感じていました。こうした背景から、もっと第三者的な立場から発信されたコンテンツを強化したいという思いがありましたが、効果を実感しにくい商品でしたので、なかなか取り組むことができていませんでした。
「ダニ目視キット」の発売したことで、製品情報や効果などの「理屈」ではなく、実際に体験した方が効果を実感できるようになりました。それにより「ダニが見えた」「対策しようと思った」などのリアルな声をお客様から発信してもらえるようになり、その発信先としてSNSを活用した施策を行うことにしました。
-SNSの施策はインフルエンサーを起用した施策やキャンペーンなど様々あります。モニログのような生活者による発信を起点にした施策に興味をもたれたのは何故でしょうか?
当初は著名人などのインフルエンサーを起用した施策も検討していました。ですが、社内には「果たして著名人を起用することで商品の購入につながるのか」という疑問もありました。トップインフルエンサーのような発信力がある人は影響力はありますが、そうした人たちが商品の良いところだけをおすすめしたからといって、商品の購買にはそれほどつながらないのではと思ったからです。特に弊社の商品の場合、身近な人や自分と近い立場の人が、生活者の目線でメリット・デメリット含めて薦める方が「あぁそうなんだ、じゃあ買ってみよう」という気持ちにさせられるのではないかと考えています。
モニログは、こうした身近な人同士の小さなつながりをいくつも作っていくことができるツールだと感じましたし、価格も手頃で取り組みやすかったので導入を決めました。
有限会社ティシビィジャパンのモニログファンサイトページ「ダニ捕りロボファンサイト」
また、インフルエンサー施策については国や地域によって向き不向きがあるのではないかと思います。たとえば中国をみると、KOLと呼ばれるオピニオンリーダー的存在の人が発信するものが売れる傾向が強く、その人の発信力の大きさを重視した施策が合っているのではないかと思います。一方日本では、特定の誰かがが言ったからそれを買おうといった傾向は少なく、自分の周りのみんな良いと言っているから私も買ってみようという意識の方が強いのではないかと思います。
-次に、実際にモニログをご導入いただいたご感想を教えてください。
モニログユーザーさんの投稿を拝見していて、まずそのコメントに目をひかれました。トップインフルエンサーと比較して1人あたりのフォロワー数は多くありませんし、1投稿あたりのいいねの数自体は多くはありません。しかし、フォローしている人をみると、ユーザーさんと同じような環境や境遇の方が集まっている印象があります。そのため、コメントの内容も同じような悩みを抱えていらっしゃる人からのコメントや「どこで売っているの?」などの積極的なコメントが多く、その点は評価できるポイントです。
-やはり実感するので大きいのはユーザーさんの投稿についているコメントですよね。
また、ECサイトにはアナリティクスをいれているので、流入元を分析することができます。モニログを導入する以前は、アフィリエイトサイトからの流入が多かったのですが、最近はSNSからの流入も生まれています。これも施策の効果の1つだと思います。
ダニ目視キットの実際の投稿例
-先日は座談会も行なっていらっしゃいましたね。
座談会は15名のユーザーさんにご参加いただきました。座談会の目的や期待する効果は色々ありましたが、最終的には当日参加してくださった方に有意義な時間を過ごしてもらえるような内容をしっかり作っていくことを念頭に実施しました。
-当日はどのような流れだったのでしょう?
一番最初に弊社の社員からダニの基礎知識の話をしました。 また当日は、お掃除にまつわるコラム執筆などでもご活躍されている、生活環境問題の専門家・藤原千秋さんにご登壇いただきました。藤原さんからは、普段の生活で取り入れることができるダニ対策などについてお話いただき、参加者のみなさんにも関心高く参加いただけたのではと思います。
そして最後に事前に参加者にお配りしていたダニ目視キットを回収し、その場でご家庭のダニをカウントし、顕微鏡で実際にダニを見て皆様にダニ対策の必要性について実感をしていただきました。
座談会の様子。ダニ知識に関するセミナーや顕微鏡で自宅のダニを確認するなど、
参加者にとっても驚きと発見にあふれた充実の座談会だった。
-コンテンツも盛りだくさんだったのですね。実際に座談会を実施されていかがでしたか?
座談会を開いて、ダニの知識の啓蒙がまだまだ不十分だと実感いたしました。座談会後の参加者のSNS投稿を拝見しても「初めて知った」という方が多く、まだまだダニの知識が広まっていないなと思いましたので、今後も引き続き啓蒙活動には力を入れていきたいです。 また、こうした取り組みについては、今後お取引先への提案材料の1つにもなるかなと思いますので、活用していきたいと思います。
-そのほかモニログで得た投稿コンテンツの活用についてはどうお考えですが?
導入して4〜5ヶ月程たち、ちょうどユーザーさんの投稿コンテンツが溜まってきたところです。同時に、家の中のダニ調査のような形でモニログのユーザーさんにご協力いただき、データ採りも実施しています。こうした投稿コンテンツやデータは、新規のお取引先を開発するにあたっての資料や、実際にお使いいただいたお客様の感想として活用をすすめていきたいです。 また、ダニへの関心が高まる夏が終わり弊社はこれから閑散期に入ります。今年の夏は定期購入者の新規獲得が順調でしたので、離脱を防ぐための同梱物やフォローメールのコンテンツにも活用できるかなと考えています。
-様々な場面でコンテンツを活用していただけそうですね!
はい。弊社の商品は雑貨のジャンルになるので企業から効果効能について触れることはできません。モニログを活用し、商品を使用した方からのリアルな感想やどんな効果を実感したかなど、SNSに発信してもらえたらよいと思っています。
いろんな方にお使いいただいた感想は弊社の学びにもなりますし、商品開発などにも生かしていきたいです。
-ありがとうございます。最後にモニログを活用した今後の展望についてお聞かせください!
アライドアーキテクツ株式会社 モニプラファンブログ事業部 阿部 友栄
モニターイベントの他に座談会などは継続して実施していきたいです。弊社はダニの研究室にも力をいれていますので、実際にご来社いただいてダニについての理解を深めていただけるようなリアルイベントの実施も検討しています。
モニター施策をあわせて、お客様とのリアルなコミュニケーションも行い、弊社の商品をお使いの方から「エバンジェリスト」を作っていきたいと考えています。
-「エバンジェリスト」とはどういった方たちでしょう?
モニログの提唱する「サポーター」の定義と近く、弊社の商品を好きでいてくれ、ダニ対策の重要性や弊社の商品について積極的に発信してくれる人をイメージしています。
-なるほど。「エバンジェリスト」のような存在が重要だとお考えなのはなぜでしょう?
生活者からの発信が、今後ますます重要になってくると考えているためです。 例えば大手ECのAmazonが海外で展開しているリアル店舗では、レビューランキング順で商品が陳列されています。そこには作り手や店舗のおすすめよりも、第三者的な人のコメントが参考にされ、商品の購買につながっている背景があるのではと思います。日本のAmazonでもレビューが強化されるなど、その傾向が見られています。
このような第三者から発信されるコンテンツは企業で作れるものではありません。モニログを活用して生活者の声をベースにしたコンテンツの生成をうながし、さらにモニログでつながった人が弊社の「エバンジェリスト」になって自ら発信してくれるような関係を築いていきたいです。