株式会社ハークスレイ/ほっかほっか亭
2020年から2021年にかけて、新型コロナウイルスの感染拡大により人々の生活様式や消費行動が大きく変化する中で、企業の販促活動も大きくアップデートする必要に迫られました。
イベントなどのオフラインでのプロモーション施策実施への制限がかかり、その予算をデジタル施策に振り向けた企業も多かったと言われます。なかでも、コロナ禍以前と比較して、生活者がより多くの時間を過ごすようになったSNS(※1)関連の施策に、より多くの予算を投下する企業が増えた印象です。
そこで今回、アライドアーキテクツは、2021年の企業のSNSマーケティング関連予算の実績についてアンケートを行い、あわせて2022年の予算見込みも調査しました。
(※1)出典:新型コロナウイルス感染症拡大以降の「新しい生活様式」における、消費者のSNS利用実態調査(2020年7月 アライドアーキテクツ調べ)
本記事では上記調査結果の一部を公開しております。
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■調査概要
調査名称 : 企業のSNSマーケティングに関する実態調査
調査主体 : アライドアーキテクツ株式会社
調査時期 : 2021年9月28日~9月30日
調査方法 : Fastask(株式会社ジャストシステム提供)でアンケート調査を実施
調査対象数: 549名(食品メーカー111名、飲料メーカー61名、化粧品メーカー57名、外食103名、小売107名、その他110名)
※全国の20~50代男女25,971名を対象にスクリーニング調査を実施、SNSマーケティング・プロモーション関連の業務に携わっていると回答した2,581名の中から任意に抽出した549名に本調査を実施しました。
※設問ごとの有効回答数は「n=」で記載しています。
※本調査の内容を転載・ご利用いただく場合は「アライドアーキテクツ株式会社調べ」とクレジットを記載してください。
Topics
Q1. 2020年から2021年にかけて、SNSマーケティング施策への予算はどのように変化しましたか?
■全体
全549名の回答者のうち、2020年から2021年にかけて、SNSマーケティング施策への予算が「非常に増加した」が25.0%、「やや増加した」が45.4%という結果となり、全体の7割以上の人がSNSマーケティング施策への予算を増やしたことが分かりました。
「減少した」は全体のわずか4%にとどまっており、2021年はSNSマーケティング施策に予算を増やし、注力した企業が非常に多かったことがうかがえます。
■業種別
業種別に見ても、調査した全ての業種において予算が「非常に増加した」「やや増加した」が約7割を占める結果となりました。特に「飲料」と「外食」は「非常に増加した」と回答した企業が多く、それぞれ29.5%、40.8%を占めました。
もっとも注力しているSNS別×2021年の予算実績は?
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Q2. SNSマーケティングの予算を増やす判断をした理由は何ですか?
■全体
SNSマーケティング施策への予算を増やした理由は、「他の施策と比較して新規顧客獲得が大きく見込まれるから」と「コロナ禍による消費者行動の変化にあわせて」が並んで多い結果となりました。
他施策にかけられない予算分をSNSに振り向けたという消極的な理由ではなく、他施策よりもSNSにおいて新規顧客獲得ができるという積極的な理由でSNSマーケティング施策への予算を増やした企業が多いことが見て取れます。
■業種別
業種別にみると、メーカー系企業(食品メーカー、飲料メーカー、化粧品メーカー)では「他の施策と比較して、新規顧客獲得が大きく見込めると考えたから」を挙げた人がもっとも多いことが分かります。
一方、外食・小売では、「コロナ禍に伴う消費者行動の変化にあわせて」を挙げた人がもっとも多い結果となりました。コロナの影響を大きく受けた業種では、コロナ禍によりSNSの消費者に対する影響度が高まったことを背景に、SNSマーケティング施策への予算を増やしたと考えられます。
Q3. 2021年、SNSマーケティングにおいて、もっとも強化・予算を増やした施策は何ですか?
■全体
2021年にもっとも強化・予算を増やしたSNSマーケティング施策として、全体の34.9%の人が「SNSキャンペーン」と回答し、最多となりました。次いでアカウント運用、SNS広告がほぼ同率で並びました。
■業種別
業種別に見ると、化粧品メーカー以外の全業種において、2021年にもっとも強化・予算を増やした施策はSNSキャンペーンだったことが分かりました。特に、外食ではその割合が高く、50%の人がSNSキャンペーンにもっとも注力したと答えました。化粧品メーカーは、アカウント運用にもっとも注力している企業が多いようです。なお、飲料、小売は、他業種と比較しSNS広告に注力している企業の割合が高いことも見て取れます。
Q4. どのSNS企業公式企業アカウントにもっとも注力していますか?
■全体
もっとも注力しているSNSアカウントとしては、Instagramを挙げた人が全体の31.3%と最多でした。次いで、Twitterが23%、LINEが18.5%という結果でした。
■業種別
業種別に見ても、食品、飲料、化粧品、外食、小売の全てにおいて、もっとも注力しているSNSはInstagram、Twitter、LINEの3つが多い結果となりました。
現在は「企業のSNSアカウント運用」=ほぼ「Instagram、Twitter、LINE」の3つに集約されると言えそうです。
Q5. 2022年のSNSマーケティング予算の見込みを教えてください。
■全体
回答者549名のうち17.7%が、2022年のSNSマーケティング予算を「非常に増加させる予定」、50.6%が「増加させる予定」と回答しました。合計7割近くが増加予定という結果から、来年も引き続きSNSマーケティング施策に注力する企業が多いことが明らかになりました。
「2021年よりも予算を減少させる」と回答した人は、わずか1.6%にとどまりました。
■業種別
どの業種も、約6~7割の企業が2022年度のSNSマーケティング予算を「非常に増加」「増加」させると回答しました。特に外食は「非常に増加させる予定」と回答した割合が高く、27%を占めています。
「2021年と同等の予算を投下する予定」を含めると、各業種とも8割以上となり、2022年も、2021年に引き続きSNSマーケティングに力を入れる企業が多い見込みです。
Q6. 2022年、SNSマーケティング施策として注力する予定の施策は何ですか?
■全体
2022年に注力するSNSマーケティング施策として、49.7%がアカウント運用、46.4%がSNSキャンペーン、43.9%がSNS広告と回答しました。2021年の傾向と変わりなく、2022年のSNSマーケティング施策はアカウント運用・キャンペーン・広告の3本柱で行われていく見込みです。
■業種別
業種別に見ると、メーカーはSNS公式アカウント運用・SNS広告に、外食・小売はSNSキャンペーンに注力する予定と答えた企業の割合が高いことが分かりました。
Q7. 2022年、どのSNSへの予算を増やす予定ですか?
■全体
全回答者のうち、55.7%がInstagramに、次いで49.3%がFacebookへ、45.6%がTwitterへの予算を増やす見込みと回答しました。
■業種別
メーカーはInstagram、Facebookに予算を増やす企業が多い見込みです。一方、外食、小売はInstagramとTwitterへの予算を増やすと回答した企業が多く見られました。
2022年の予算増減見込みについてさらに詳しく分析するべく、2022年に注力する予定のSNS別に、2022年にどの程度予算を増やす見込みであるのかについても集計を行いました。
2022年に注力予定のSNS × 2022年の予算見込み
■全体
2022年に注力する予定のSNSとして「Twitter」を挙げた人のうち、39.8%が2022年予算を「非常に増加させる予定」と回答、InstagramやLINEよりも高い結果となりました。「TikTok」に注力している人も2022年の予算を増加させる割合が高く、TwitterとTikTokに注力している企業は、現在その効果を実感している割合が高いことが窺えます。
2022年に注力する予定のSNS施策別に、2022年にどの程度予算を増やす見込みであるのかについても、集計しました。
2022年に注力予定のSNS施策 × 2022年の予算見込み
■全体
2022年に注力する予定のSNS施策としては、「UGCの生成・活用」「ライブ配信関連」「インフルエンサーマーケティング」「SNSキャンペーン」に注力する人が「予算を非常に増やす予定」と回答した割合が高いことが分かりました。
「UGCの生成・活用」「ライブ配信」に注力する企業数はまだそれほど多くはありませんが、現在実施している企業は「予算を非常に増加させる」と回答した割合が高く、2022年以降も期待を寄せていることがうかがえます。
「インフルエンサーマーケティング」「SNSキャンペーン」は注力する企業数も多く、「予算を非常に増加させる」と回答した割合も高いことから、多くの企業にSNSマーケティングとしての効果を実感されている施策だと考えられます。
今回調査した全ての業種において、約7割の企業が2021年のSNSマーケティング予算を増額していました。コロナ禍による生活様式の変化に伴い、SNSの重要性がより増していることも背景に、SNS施策は他よりも「新規顧客獲得」の面で重要であると判断した企業が多かったようです。
化粧品メーカー以外の全業種において、2021年にもっとも強化・予算を増やしたSNSマーケティング施策は、SNSキャンペーンでした。多くの企業は、消費者との接点拡大や、ブランド・商品・サービスの認知拡大や理解促進を目的にSNSを活用しています。その目的を達成する手段として、SNSキャンペーンがもっとも予算を投下すべき施策だと捉えられているようです。
今回調査した全ての業種において、6~7割の企業が2022年にSNSマーケティング予算を増加させる予定です。全回答者のうち55.7%がInstagramに、49.3%がFacebookに、45.6%がTwitterに予算を増やす見込みと回答。中でも、TwitterとTikTokに注力している企業は2022年の予算を「非常に増加させる予定」と回答した割合が高く、現在成果を出している企業が多いと考えられます。
SNSマーケティング施策については、SNSキャンペーン、インフルエンサーマーケティング、UGCの生成・活用、LIVE配信に注力予定の企業が、2022年の予算を「非常に増加させる予定」と回答した割合が高く、今後に期待を寄せられている施策であることが窺えました。
各業種別の注力SNS×注力施策のクロス集計結果や、SNSに予算を増加させる代わりに予算を減らした施策の調査結果など、本記事では公開していないデータを掲載した完全版PDFファイルを、以下よりダウンロードいただけます。ぜひご覧ください。
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