株式会社富士達 / 七輪焼肉 安安
2020.06.15
株式会社富士達 販売促進担当部 大矢亮氏
「七輪焼肉安安」は、単品での価格上限が税抜490円、一人あたり2,200円以下で飲んで食べて満足できるお店として、大変な人気を集めています。そんな同社が現在「来店直結型」施策として力を入れるのがTwitterを活用したプロモーションです。
「テレビCMに替えて、これからはTwitterが一番の広告塔になる」と語る、「七輪焼肉安安」運営の株式会社富士達 販売促進担当部 大矢亮氏に、同社が実践するTwitterプロモーションの詳細をお聞きしました。
-まずは御社の事業内容と、大矢さんのご担当業務内容を教えてください。
私たちは、焼肉チェーン店「七輪焼肉安安」を展開しております。1982年に大井町に初の店舗を構えて以来、「とにかく安くて、おいしくて、楽しい飲食店づくりを通じて、社会のために貢献したい」を事業原点に邁進してまいりました。現在は、「安全で安心 さらに安く」を合言葉に、全国7都道府県にて直営店155店舗・FC11店舗を運営しております(2020年1月時点)。
その中で私は、焼肉安安のブランドイメージを広く伝えるための「全店規模」のプロモーションをメインに担当しています。LINE活用など店舗毎の販促施策は、各店舗にて企画した上で、私のところに稟議が集まる仕組みです。そのように「全国」と「各店舗」で役割分担しながらマーケティングプロモーション業務を行っております。
-「全店規模」のプロモーションとして、どのような施策を中心に実施されてきたのでしょうか?
これまでのプロモーションの主力は「ホットペッパー」です。またホットペッパーでの予約を増やすための施策としてLPの制作なども行っています。「これだけの予約数を取るために、これくらいLPへのアクセス数が必要」という目標がありますので、それを追う施策を積み重ねてまいりました。
ただ、一方で、お客様から「LP」や「ホームページ」はほとんど見られていないのではないだろうか?という疑問もありました。焼肉安安へのご来店をご検討される過程でホームページを訪れていただく方もいらっしゃるとは思いますが、多くの方はSNSなど他の場所で情報収集をしているのではないだろうか?とも感じておりました。
各店舗ごとにLINEアカウントを運営し、店舗限定のセール情報や来店回数に応じたクーポン配布などは行っておりますが、それらは基本的には一度接点を持った既存顧客向けにリピートを促進する施策であり、新しいお客様との接点作りが目的ではありません。
また、弊社は現在、全国7つの都道府県に店舗を構えておりますが、店舗数が少ない地域や、これから初出店する地域では認知度がまだ足りていないという課題もありました。
-その中で今回「Twitter」に注目されたのですね?
はい、そうです。Twitterがもっとも弊社の顧客層に合うイメージであったこと、また素早く情報が更新されるプラットフォームで拡散力が高く、新規のお客様との接点作りや認知度向上にもっとも適しているのではと考えました。Instagramも、飲食店を検索する場所として重要だとは思いますが、弊社の場合はあまりビジュアルでは戦えないと判断し、ビジュアル訴求で戦うよりもスピードで勝負できるTwitterを選択しました。
現在は約4.7万人の方にTwitterでフォローしていただいており、その方たちの反応が見れたり、また新たな方にフォローしていただけたりすることが大変励みになっています。
ホットペッパーは焼肉顕在層へのアプローチとして、LINEは1回接点を持ったお客様のリピート促進として、Twitterは多くの方に広める場所として、それぞれ目的に応じて上手く役割分担できるようになったと思っています。
-今回、Twitterプロモーションツール「echoes」を利用して、Twitterインスタントウィンキャンペーンを行った経緯について教えてください。
実は、私の前任者がTwitterインスタントウィンキャンペーンに取り組んだことがあり、その際にとても効果が良かったと聞いていたため、どこかのタイミングで私も実施したいと考えていたんです。
最終的に決め手となったのは、インスタントウィンの仕組みを活用することで、当選者に来店クーポンを配布するだけでなく、抽選に「ハズレ」た方にもその場ですぐにアプローチできることでした。また、echoesのクーポン機能を利用することで、キャンペーンで配布したクーポンがどれだけ利用されたかを可視化できるのも魅力でした。
<キャンペーン概要>
七輪焼肉安安の公式Twitterアカウント(@anan_yakiniku)をフォローし、該当のツイートをリツイート(RT)した人の中から1,000名に「2,000円お食事券」を即時抽選(インスタントウィン)でプレゼント、落選した人にもその場で「店内でタン塩を1皿食べられるクーポン」をプレゼントした。また、毎日抽選に参加できる仕組みとした。
キャンペーン実施期間:2020年1月14日~2月29日
当選者には自動ダイレクトメッセージで当選クーポンを送付、当選者がダイレクトメッセージ内のURLを開くと消込型クーポンが表示される仕組み。当選者は(店頭にて)クーポンURLを開いて画面を店員に提示、店員は画面を確認し「確認ボタン」をスワイプすることでクーポンが消込される。
-Twitterインスタントウィンキャンペーンの結果はいかがでしたか?
キャンペーンの効果は想定以上でした。開始後すぐにリアクションがあり、キャンペーンによるご来店客が増えている実感を持つことができたんです。
特に、ハズレクーポンを利用し「タン塩」を頼まれる方が多いのが印象的でした。正直、想定よりもクーポンの使用率が高かったため、店舗側から「そろそろ制限がかけられないか」という声が上がったほどです(笑)。Twitterでキャンペーンを実施していた期間は、タンの仕入れが通常の3倍ほどになりました。
今回のキャンペーン期間中に、Twitter以外の他施策でも同じく「タン塩」プレゼントのクーポンを配布していたため、100%がTwitter経由とは言い切れません。ただ、従来「ホットペッパー」や「自社ホームページ」からはあまりクーポンが使われていない印象があります。そもそもそのような方は顕在層なので母数が少ないこともあるかもしれません。
ですので、この時期に使われた「タン塩」クーポンは、ほぼTwitter経由であると考えています。
キャンペーンを実施していた1月後半や2月は通常は閑散期なのですが、今年は、全体売上が前年比約110%ほどになり、大変良い結果を得ることができました。
-キャンペーン後、Twitter上のファンも5.1万人ほどまで増加したようですね。
はい。今回のキャンペーンを通じて、2.6万人もの方との新しいつながりを得ることができました。フォローしてくださる方が増えれば増えるほど、弊社のことを知ってくださる方が多くなると思っておりますので、情報をお伝えするチャネルとして影響力をより大きくするために、これからもより多くのフォロワーと繋がっていきたいと考えております。
今回のキャンペーンを通じて、フォロワーからさらにその先のまだ出会えていない方へ、情報がどんどん拡散していく実感を持ちました。まさにテレビCMを打っているのと同じようなイメージだな、と。また、新たにファンが増えただけでなく、通常投稿へのいいねなど、エンゲージメントも上がった所感がありました。それまでは、なかなか投稿にいいねもつきませんでしたが、キャンペーン後は、弊社が投稿するセール情報をリツイートしてくださる方も出てきており、大変嬉しく思っています。
-他施策と比較し、今回のTwitterインスタントウィンキャンペーンの費用対効果をどのように評価していますか?
私たちの販促施策のメインはグルメサイト、特にホットペッパーで、そこには年間で数千万円単位の予算を割いています。また、それに伴うLP作成費にも毎回費用をかけております。
それと比較し、今回のechoesを活用したインスタントウィンキャンペーン施策は、グルメサイトの年間予算の「何十分の一」もの低い金額で実施でき、しっかりと店頭売り上げにも繋げることができました。ですので、費用対効果ははっきりと「良い」と評価しています。
通常の(他媒体での)バズ企画でもここまで良いと感じられるものはあまりないのではないでしょうか。Twitterに特化した企画だったからこそ、良い結果につながったのではないかと考えています。
また、弊社は現在テレビCMも出していますが、それよりもTwitterの方が効果があるのではないかとさえ感じています。テレビは、全くセグメントしていない不特定多数に一方的に画を見せているだけですし、また昔から言われていることではありますが、なかなか効果が見えにくいです。年末の特番でゴールデンにCMを打ったこともありますが、同じく効果は感じられませんでした。
それに対し、Twitterは、安安に少なからず好感を持ってくださっている「来店により近いお客様」へ情報を届けることができます。クーポン利用により効果を「見える化」し、実際に店舗に送客があったことで、Twitterが来店施策として大きな影響があると分かりました。
他にも、「3月末の期限だったが外出自粛で行けなかった」「期限を延ばせませんか?」などの声も多くいただき、たくさんの方に見ていただけていることを実感しています。
社内からの評価も上々です。社長や経営層から評価されただけでなく、各店舗からも「(自分たちの店舗施策を)Twitterで発信できませんか?」と言われることが増えました。現場でも評価されているのは大変嬉しいことです。
-今後、Twitterをどのように活用していきたいですか?
とにかく広く多くの方に知っていただくための「テレビCMの替わり」として、Twitterを使っていきたいと考えています。これから弊社の一番の広告塔になり得ると期待しています。
Twitterは、施策実行の負担が軽いのもメリットです。テレビCMは準備がとても大変で、企画やキャスティング、素材準備、絵コンテなど、担当とのやり取りも非常に多いですが、Twitterはパッとクリエイティブを用意してテキストを打てばすぐ投稿することができます。
ですので、GW明け、夏休み前、年末年始明けなど、特に閑散期で来客が落ち着くときに「もってこいの企画」だなと考えています。弊社は7月決算で、8月から新期が始まりますが、毎年前半の売上が落ち込み気味になってしまうんです。季節要因に相まって、新規施策を打つには、社内も整備されていないことも理由になります。本来は年間を通して販促をしていきたいので、今後は閑散期に都度Twitterキャンペーンの計画を立ててもよいかと考えています。
-御社のこれからの目標を教えてください。
私たちは、お客様の毎日の食卓の選択肢に追加していただけるような存在になりたいと考えています。
例えば、「叙々苑」に行くというと、特別な日で高級な外食という印象があります。「焼肉」には、まだまだそのような「特別な印象」が皆さんの中にあると思います。
でも私たちは、「お腹いっぱい焼肉を食べたい」と思う時に、「あ、安安に行きたい」と思ってもらえることを目指しているんです。理想は「何食べたい?」に対して「焼肉!」ではなく「安安!」って言っていただけること。そういう観点から考えても、Twitterは日常を切り取る場所であり、私たちにとても合っていると思います。
これからも、皆さんの身近にある「焼肉食堂」と言えるような存在を目指して、日々邁進してまいります。
メール及び電話にて回答させていただきますが、回答までにお時間をいただく場合があります。
あらかじめご了承ください。