広告出稿額が前年比15倍に!フェズの若手エースに学ぶ、成果の再現性を高める広告運用体制構築のポイント

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デジタル広告においてここ数年で動画配信面が拡大し、「動画広告にもっと力を入れたい」と考えている運用担当者も多いはず。しかし、その一方で次のような課題もあるのではないでしょうか。
「社内のデザイナーチームに動画制作を依頼すると、思うようなスピードで検証できない」「そもそも、動画クリエイティブ制作に関してスキル・ノウハウを持った人が社内におらず、リソースが足りない」
「競合調査・企画・構成に時間がかかってしまう」

同じような課題を抱えていたのが、国内最大級のリテールデータプラットフォーム「Urumo」をベースにドラッグストアを中心とした小売事業者やメーカーなどへのDXソリューションを提供する株式会社フェズです。

同社では、動画広告の展開拡大を決意したことを機にLetroStudioを導入、その結果クライアントの広告出稿額を前年比15倍に向上させることに成功しました。

今回は、株式会社フェズ ビジネスプロデュース3部 ビジネスクリエーション2グループ 小林 一馬 氏にインタビュー。動画広告の強化を図る上での課題、LetroStudioをどのように活用して広告事業の成果向上につなげたのか、そして「勝ちクリエイティブ」を継続的に出し続けるコツなどについて、詳しく伺いました。

動画制作に関するノウハウ・知見不足に危機感

ー動画広告の配信を強化された背景を教えてください。

小林氏:
弊社は、ドラッグストア様を中心とした小売店様やメーカー様へのDXソリューションのご提供をメイン事業としながら、通販メーカー様などの広告運用も行っています。

動画広告に関しては、静止画バナーから動画へのトレンド変化や、TikTokなどショート動画プラットフォームの利用拡大が進む中で「やらなくてはまずい、乗り遅れてはいけない」と感じていました。しかし、「自社には動画制作に関するノウハウ・知見が不足している」という課題もありました。

その危機感から、「これからは動画広告の取り組みに踏み出していかなくては」という考えに至ったことが、一番の背景です。

小林氏

株式会社フェズ ビジネスプロデュース3部 ビジネスクリエーション2グループ 小林一馬氏

ー動画による広告配信はLetroStudio導入前も行っていたのでしょうか?

小林氏:
はい、デザインツールCanvaを使用したり、社内のデザイナーに依頼したりしてクリエイティブ制作を行っていました。ブランディング重視の場合はデザイナーに依頼し、獲得重視で速くPDCAを回したい場合にはCanvaを活用して簡易的に制作する、といったすみ分けをしていました。

ーLetroStudio導入前の課題を教えてください。

小林氏:
「ストーリー作成のノウハウ」と「制作スピード」が大きな課題
でした。

まず、どのようにして質の高いストーリーを構成すればよいのか、その基本的な知識が不足していました。適切な「型」を見つけられていなかったため、月に数本しか作成できず、PDCAサイクルを回すことも困難でした。

「質」「量」両方とも大きな課題だったと言えます。

動画の企画構成を考える際には、主に競合他社の分析に取り組んでいました。しかし、それが本当に市場で通用するかどうか判断が難しかったため、成果も出しづらかったです。

この事前調査に多くの時間を費やし、なおかつ動画テンプレートが無い状態からクリエイティブ制作をせざるを得なかったため、「企画」「制作」の両方に時間がかかっていました。

デザイナーに依頼する前の企画・構成を練るのは、営業・ディレクター側で行っていましたが、実際に制作に移るまでに約3〜4営業日かかっており、迅速な制作ができていませんでした。

企画構成・制作時間がほぼ半分に。出稿媒体数の拡大に成功

ーLetroStudioを実際に使ってみて、いかがでしたか?

小林氏:
直感的で使いやすく、既に獲得広告向けのテンプレートが用意されていることが時間短縮に大きく寄与
しました。特に、以前と比べると、企画構成のプロセス、つまりPDCAサイクルの「P」の段階がスムーズに進むようになりました。競合調査に費やしていた時間と調査結果から企画構成に落とし込む時間を大幅に削減できたからです。

実際に制作に移る部分でもスムーズに使用でき、企画構成~制作作業の時間が体感でほぼ半分に短縮されたと思っています。

小林氏

ーLetroStudioで気に入っている機能、よく使う機能を教えてください

小林氏:
アニメーションの種類が多いことは、非常にありがたいです。たとえば広告のオファー部分に、アニメーションで動きのあるCTAを加えることができます。細かい表現ですが、部分要素の検証が以前はあまりできていなかったので、成果が良い要因を明確に把握できていませんでした。まさに、私が求めていた表現や勝ち要素検証を実行するうえで「ちょうど良い機能が集約されてる」と感じました。

素材やテンプレートの選択肢が多すぎず、少なすぎず、どのオファー表現にどの機能を使えばいいか直感的に分かるので、作業を進めやすいです。この「ちょうどいい」バランスが、勝ちを再現するに当たっても動画制作プロセスを非常に助けてくれていると感じています。

PDCAサイクルのワークフロー改善ができ、なおかつ、ABテストなど、検証に必要な機能もLetroStudioに集約されています。一度成果が出たら、その再現性を高めることができるんです。

ー今はどのような媒体で動画広告を配信されていますか?

小林氏:
Instagramをメインに、Facebook広告、その他LINE広告やSmartNews広告、Outbrain広告なども利用しています。LetroStudio導入から4ヶ月ほどで、2つの媒体へ出稿を増やすことができました。

成果の出た動画広告を、他媒体にも転用してみることにしたんです。
既存の媒体で良い結果を出せれば、次々と新しい媒体への拡大を、クライアントに対して提案しやすくなります。
LetroStudioのおかげで、さまざまな媒体への拡張が可能になったと思っています。

「心の声」の落とし込みと成果検証の仕組みが、勝ちクリエイティブを生み出すコツ

ークリエイティブ制作で気をつけていることを教えてください。

小林氏:
最も重視しているのは、生活者のインサイトを徹底的に掘り下げ、目を引く文言やパワーワードを考えて、クリエイティブに落とし込むことです。

動画広告運用を1年半続ける中で、クリエイティブが当たる時は、「生活者の共感を絶妙に得られたタイミング」であることに気づきました。生活者が自分自身でもまだ気づいていないような、潜在的なニーズを引き出すことの重要性を学びました。

生活者の「心の声」を拾うために、X(Twitter)やYahoo!知恵袋、発言小町など、リアルな声が出やすいプラットフォームを頻繁にチェックしています。そこから、ユーザーが本当に悩んでいそうなワードや感情を読み取り、それを言語化するようにしています。特に、匿名でのコメントからユーザーの本音が垣間見えることが多く、その「ふと漏れた声」を大事にしています。

ユーザーの立場や気持ちを想像してみて、その人が言いそうなセリフを想像してみるんです。そして、さまざまな訴求を試して検証し、成果が出たものをさらに発展させていきます。特に、動画冒頭のキャッチコピーでの検証を行っています。

出稿して終わりではなく、成果を検証する仕組みを確立させることも必須で、その中でワークフロー改善があって、成果が生まれると考えています。

小林氏

PDCAスピードが圧倒的に向上し検証量は6倍に、出稿額は前年比15倍に

ーLetroStudioで改善されたことや、変化を教えてください。

小林氏:
PDCAのスピードが圧倒的に上がりました。
以前は、背景を少し変えるだけで、月に5パターン程度の動画制作が限界でしたが、今では月に20〜30本のパターン違いを作れるようになって、検証量が6倍ほどに増えました。これは特に、企画構成・制作のプロセスを大幅に時短できたからです。

クライアントの出稿額も、前年比15倍と大きく拡大しました。

特に、動画広告を展開し始めてからの変化は顕著です。女性向けコスメ商材で、冬場に下がりがちだった成果が、動画を通じてユーザーの興味喚起をできたり商材理解が深まったりしたことで、成果をキープできています。

なお、「新規に考案したクリエイティブの検証」と、「既存の勝ちクリエイティブの転用した検証」は、分けて運用しています。これにより、CPAを安定させながら新しい「勝ちクリエイティブ」を見つけ、予算を広げていくことにつながります。前者の「新規の検証」では、考える時間をしっかりと割いて、訴求文言やストーリーをガラッと変えます。後者の「既存の転用」では、クリエイティブの数を増やし、当たったものを素早く転用していく方法です。たとえば1つのストーリーが当たったら、その冒頭だけを変えたり、オファーの見せ方を変えたりして、多くのバリエーションをクイックに作り出しています。

これら全てを1人で行っていますが、LetroStudioのおかげで企画構成・制作の時間を大幅に短縮できているからこそ、実現できています。

小林氏

ー今後の展望について教えてください。

小林氏:
次の段階として、まずTikTokなど、私自身が今までチャレンジしてこなかった媒体にもチャレンジしていきたいと考えています。

さらに、視点をシフトさせ、今まであまり取り組んでこなかった記事LPを作成し、その中で動画を活用することで、トータルで顧客のCPAを下げるようなサポートができればと思っています。

新規の施策を進めつつ、既存の仕組みを同時に回すことは、実に難しい作業です。特に、既存のCPAの費用対効果が望ましくない場合、新規の施策を推進することが、非常に難しくなります。理想は「既存施策で成果を出しながら、新規施策にチャレンジしてさらなる拡大を図る」といったサイクルを繰り返していくことです。このバランスを取りながら事業を永続的に成長させていくことが、最も理想であり、目標です。

ー最後に、LetroStudioの導入を検討中の方へアドバイスをお願いします。

小林氏:
LetroStudioを活用することで、企画構成・制作作業の効率化を図れます。しかし、クリエイティブを生み出す過程では、生活者のインサイトを深く理解し、表現するプロセスにしっかりと向き合うことが非常に重要です。この部分にエネルギーを向けることで、「質」「スピード」の両方を兼ね備えた素晴らしい広告クリエイティブが生まれると信じています。だからこそ、LetroStudioのようなサービスを活用しながら実際の作業を効率化しながら、インサイト分析・洞察の時間を確保し、業界トレンドや生活者ニーズを常にキャッチアップすることが大切だと思います。