「ここで買いたい」を創る。ASKUL/LOHACOが挑むInstagram×ファンマーケティング

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Instagramアカウント用にどうやってネタを考えたらよいのか分からない、頑張って運用しているのになかなか目に見える成果につながらない…とお悩みの企業担当者の方も多いのでは?

そこで今回は、フィード/ストーリーズ/リール投稿/ライブ配信などさまざまな種類の投稿を通じて、ECサービスとしての「SNSを通じたWeb接客」にチャレンジ中の「ASKUL」「LOHACO」公式Instagramアカウントご担当者様にインタビュー。

ECサービスにとってのInstagramアカウントの運用意義、日頃どのようにInstagramへの投稿企画を考えているのか、フィード/ストーリーズ/リールの使い分けは?、運用を続ける中で見えてきたコツや得られた成果は?など、Instagramご担当者の皆さまが気になる話題についてたっぷりお話を伺ってきました。

日頃「LetroStudio」をInstagram運用にどのように活用いただいているのかについてもお聞きしています。ぜひご覧ください。

SNSを通じて「ASKUL/LOHACOでのお買い物を楽しんでくれる」ファンを増やしたい

ーまずはお二人が担当しているInstagramアカウントの紹介をお願いします。

LOHACO担当/大庭氏:
私は「LOHACO」の公式SNSアカウント運用を担当しています。
「LOHACO」は、2012年のスタート以来、30~40代の子育て世代の女性を中心に、累計930万人(2022年8月時点)のお客様にご利用いただいている個人向けの通販サイトです。「くらしをかるくする」をコンセプトに、食品や日用品などの生活必需品を取り扱い、LOHACOオリジナル商品やメーカーさんとのコラボ商品も多数揃えています。

私の所属する部署のミッションは「LOHACOの売り場づくり」ですが、公式Instagramの運用は、よりLOHACOを身近に感じていただくために行っている取り組みです。LOHACOのファンづくりを目標にInstagramを運用しており、現在のフォロワー数は約7.2万人です。

大庭氏
ASKUL事業本部 マーチャンダイジング本部 LOHACOマーチャンダイジングカテゴリ広告販促SNS担当 大庭歩氏。「LOHACO」公式Instagramの他、公式Twitterの運用も担当中。

ASKUL担当/片野氏:
私は「ASKUL」の公式Instagram運用を担当しています。
実はメイン業務は別にあるのですが、アスクルの社内副業制度を活用し、メイン業務との兼務でSNSの運用に携わることになりました。現在、私のような副業メンバーも加わる形でInstagram・Twitter・Facebook・YouTubeの公式アカウントを運用しています。

「ASKUL」は1993年3月の事業開始から今年で30年を迎えます。当時は文房具やコピー用紙などオフィス向け商品を中心に販売しておりましたが、現在は食品や飲料、医療・介護用品、製造・建築現場用品など、様々な仕事場でご利用いただける商品を幅広く取り揃えています。

「ASKUL」は法人向けサービスでどこか堅いイメージがありますが、実は可愛いデザインのものや便利な機能の商品も多数取り扱っているんです。SNSを通じて、そのような「ASKULの今まで知られていない新しい一面」をお伝えし、ファンになっていただけることを目指しています。Instagramアカウントの現在のフォロワー数は約1万人です。

片野氏
ASKUL事業本部 ブランド戦略&プロモーション 片野紗枝氏。社内副業制度を活用し「SNS強化プロジェクト」メンバーの一員として、「ASKUL」の公式Instagramアカウントの運用を担当中。

ーSNSを運用する目的として「ファンづくり」がキーワードに上がりましたが、御社では「ファン」をどのように定義していますか?

LOHACO担当/大庭氏:
ファン=「LOHACO」を推してくださる方だと定義しています。
「推し」については、思わず友達に「ねぇねぇ聞いて」と話をしたくなったり、時間やお金を使うことをあまり気にしなくなったりしますよね。そのように、「自分が推している何か」と同じ気持ちを「LOHACO」に対して持っていただけることが究極の状態だと思います。

リアルの店舗を想像すると、「あの人が接客してくれたから、またあの店で買いたいな」という体験をすることがあると思います。ECではなかなかそのような人間味のある体験をすることが難しいですが、そのような接客が唯一できる場所がSNSだと考えています。SNSを通じてもっと「LOHACO」のことを知っていただき、「LOHACOで買い物するのが楽しいから、LOHACOを利用する」と言ってくださる方が増えたらいいなと思って日々運用を頑張っています。

ASKUL担当/片野氏:
同意見です。ただASKULでお買い物していただくのではなく、SNSを通じて「ASKUL」の色々な一面を知って、「ASKULで買いたい」と思っていただけるファンを増やすことを目指しています。

Instagramで「新たな出会い」と「ファンとの深いコミュニケーション」を両立

ーお二人とも複数のSNSを運用されていますが、その中でInstagramをどのように位置づけていますか?

LOHACO担当/大庭氏:
YouTubeは娯楽性が強く、Twitterは情報収集やコミュニケーションに活用されることが多いのに対し、Instagramは「自分が興味のあることを深く調べる」を最もやりやすいSNSだと捉えています。自分の中にある潜在的な「欲しい」という感情とLOHACOのアイテムを結びつける場、出会いの場として活用しています。また、商品にどのような想いが込められているのかを深く知っていただく目的ではInstagramが適していると思いますね。

ASKUL担当/片野氏:
Instagramはビジュアルで伝えやすいSNSです。「ASKUL」のオリジナル商品は画像や動画で見ていただくことでより伝わりやすいものが多いので、Instagramだからこそ「パッと見て気になる」出会いを作りやすいのかなと思います。また、リアルタイム性が強いTwitterや公式感が強いFacebookより、Instagramの方が色々なテーマのコンテンツを投稿しやすく、ファンとのコミュニケーションが取りやすいと感じています。

LOHACO・ASKULの公式Instagramアカウント
(左)LOHACOの公式Instagramアカウント(@lohaco.jp
(右)ASKULの公式Instagramアカウント(@askul_official

ーInstagramでは何を定量的な指標にしていますか?

LOHACO担当/大庭氏:
まずは見ていただくための土台作りとして、フォロワー数や投稿毎のインプレッション数はしっかり追っています。また、ファン作りの指標としては、コメント数や保存数、シェア数、メンション数を見ています。わざわざコメントくださったり、ハッシュタグやメンションを付けて写真を投稿くださる方は、LOHACOへの一定の愛着を持ってくださっていると考えられるからです。

ただ、定量的なKPIを設けてはいるものの、1対1の丁寧なコミュニケーションや、相手の気持ちを想像して正直な発信をすることなどの、数字では測れない部分を何よりも大切にしています。

ASKUL担当/片野氏:
投稿毎のいいね数やインプレッション数
を見ています。ASKULのアカウントはまだフォロワー数が1万人と規模が大きくないので、新規の方をどれだけ増やせるかにも注力しています。最近は、発見タブやリールを通じて、フォロワー以外の方へのリーチもしやすくなったと感じています。

ーInstagramの投稿頻度と投稿ネタの作り方を教えてください。

LOHACO担当/大庭氏:
フィード投稿を週に3回行っており、そのうちの一つはできるだけリール投稿にするようにしています。
投稿のネタは、一か月に一度、商品のことを一番よく知る社内のバイヤーや売り場担当からエントリーしてもらう形式で集めています。バイヤーは商品への熱い想いがあるので、その想いをお客様に伝えることが役割だと考えています。

ストーリーズは特に頻度を決めず、事前に社内エントリーも募集せずに、鮮度の高い情報をシェアしています。キャンペーンやInstagramライブの告知を行ったり、社員の出張の様子を急遽レポートしたりと内容もさまざまです。ファンの方が投稿してくださったUGCの紹介も行っています。DMで「ストーリーズに載せてもいいですか?」と事前に連絡するようにしており、丁寧な対応を喜んでいただけることが多く、良い1to1のコミュニケーションになっているのかなと思っています。

ASKUL担当/片野氏:
フィード、ストーリーズ、リールをあわせて週に3回投稿しています。
チームで運用しているので、定例ミーティングを設けてネタを出し合っています。ストーリーズの質問箱でフォロワーさんから投稿ネタを募集することもあります。

インタビュー風景

リール投稿、ライブ配信。動画を上手く取り入れることでより商品の魅力を伝える

ーInstagramの投稿で静止画と動画はどのように使い分けていますか?

LOHACO担当/大庭氏:
紹介するテーマや商品によって、静止画と動画のどちらの見せ方がより伝わりやすいか、楽しいコンテンツになるかが使い分けの第一の基準です。動画でないと特徴や使い方が伝わらない商品もありますので、そのような場合は動画で投稿しています。

また、パッと見たときに興味がわくような商品は動画でリール投稿し、リールをきっかけに興味を持った方がアカウントに来てくださった時にじっくり見ていただけるように、フィードに静止画の投稿を並べています。フィード=見やすいカタログのようなイメージです。

ーリール投稿の効果はいかがですか?また、どんな動画が効果が出やすいかのコツがあれば教えてください。

LOHACO担当/大庭氏:
リール動画の投稿を始めてから、ストーリーズの時よりも4~5倍インプレッションを取れるようになりました。
ストーリーズはフォロワーにしか見られませんが、リールの場合はフォロワー以外の方にも届くからだと思います。単なる商品の紹介ではなく、「それを使うとこんな良いことがあるよ!」「これが解決するよ!」という相手目線のメリットを明確に伝えることが動画作りのコツだと思います。

リール動画の届け方も工夫しています。制作チームが作りこんだ動画よりは、私がスマホで撮った動画の方が反応が良いですね。「誰か普通の人が作った動画」という感覚の方が、Instagramには馴染みやすいようです。

ASKUL担当/片野氏:
「ASKUL」でも最近リール動画の投稿を始めました。社内ツアーやWEBサイトだけでは知ることのできない情報など、見ている人の興味・関心を引くような内容を意識して投稿しています。「ASKUL」の新たな一面を知っていただけるきっかけになればと思っています。

片野氏

ーライブ配信はどのようなやり方をしていますか?

LOHACO担当/大庭氏:
Instagramライブでは、バイヤーを招いて担当する商品について話してもらうことが多いですが、あえて何も事前準備をしないようにしています。
リハーサルもしませんし、原稿も準備しません。「何の商品を取り上げるか」だけは私も事前に把握していますが、そこでバイヤーが何を語るのかはあえて知らないようにしているんです。そうすることで、お客様と同じ目線で嘘のないリアルなリアクションをお届けでき、共感していただけるのではと思っています。同じ目線に立つことで、「この人から買いたい」と思っていただけたら嬉しいですね。

大庭氏

LetroStudioで投稿フォーマットを制作。社内複数メンバーで共有することで工数を削減

ー現在、Instagramの運用にLetroStudioをどのように活用いただいているかお聞かせください。

LOHACO担当/大庭氏:
LetroStudioでフィード投稿用のフォーマットを用意し、色やテキストを編集してアレンジすることで毎回の投稿を用意しています。一般的な編集ソフトは各個人のPCにインストールしなければならず、メンバー間でファイルを共有しにくいですが、LetroStudioはクラウドサービスなので、複数メンバーで作業できるのが助かっています。

ASKUL担当/片野氏:
同意見です。複数のメンバーがそれぞれで投稿を作ると素材や投稿の世界観がバラバラになりがちですが、LetroStudioでフォーマットを用意しておくことで、複数名でも統一感の取れた投稿を作りやすいです。

LetroStudioを活用して投稿用の静止画を制作。複数の担当者でフォーマットを共有することで投稿制作の工数を削減。

ー最後に、今後のInstagram運用への展望を教えてください。

LOHACO担当/大庭氏:
LOHACOのInstagram担当になってから、まずはとにかく取り組んでみる、試してみる期間を経て、ここ半年は運用体制づくりに注力してきました。かなり全容が見えて運用も回せるようになってきたので、これからはファンとのコミュニケーションにより注力し、「ファンの方が何を求めているか」に向き合う時間を作っていきたいと思っています。また、LetroStudioをより活用して、リール投稿やショート動画の制作にも磨きをかけていきたいです。

ASKUL担当/片野氏:
ASKULの色々な側面を発信することで、ファンの方からも「ASKULへのイメージが変わった」と言っていただけることが増えてきました。これからもさまざまな切り口での発信を続け、新たな「ASKUL」の魅力を伝えていきたいです。