2023.4.12(2024.5.23更新)
2023年3月30日、X(旧Twitter、以下「X」とのみ記載)は新しいTwitter API のプランを発表しました。
今回、大規模なプラン変更のため、このAPIを利用して広く提供されてきた一部ツールがサービス終了になるなど、現在利用されているツールをこのまま利用できるのかと戸惑う企業X担当の方も多いかと思われます。
そこで、本記事では、Twitter APIに関する最新情報と、プランごとの違い、Twitter API利用ツールへの影響についてをまとめます。
※本記事は最新・完全・正確な内容を保証するものではなく、解釈や推測が含まれます。必ず公式サイトの情報、および各ツール提供会社のアナウンスを確認してください。
Twitter API(Application Programming Interface)は、Xが提供するサービスで、個人や企業、研究者はこのAPIを利用してXの様々なデータにアクセスし、ソフトウェア開発や分析ができるようになっています。
Xの投稿予約・スケジュール管理を行うツール、Xアカウントや投稿の分析ツール、Xキャンペーンツールなどの各種ツールから、診断系アプリやXのログインを必要とする各種機能まで、さまざまなサービスがこのTwitter APIを用いて提供されています。
2023年2月2日にX社は、これまで無料で公開されていたAPIについてバージョン1.1、2両方の有料化を発表しました。
その後、3月30日に続報があり、新しいAPIプランが明らかにされました。
3月30日に発表された、新プランの概要は以下になります。
5月26日にプロプランが追加されました。
■ビジネスを拡大するスタートアップまた、以前より提供されていたエンタープライズAPIとAds APIは継続提供されます。
この新しいプラン発表に伴い、Standard (v1.1)、Essential (v2)、Elevated (v2)、Premiumを含む以前のプランは、30日以内の提供終了がアナウンスされました。また、4月21日にはPremium SearchとAccount Activity APIを含む「Premium v1.1 API」も廃止になったと発表され、Twitter APIを商用利用する場合は、エンタープライズプランへの移行を推奨。廃止時点で新しいプランに移行されていない開発者アカウントは、遅くとも米国時間の2023年4月29日までに影響を受けるとされました。
プラン発表後、数日でアクセスが停止になったというアプリの情報がXや開発者フォーラムに複数投稿され、Xが移行を進めている様子が伺えます。
また、「2023年4月29日までに」というアナウンスから、4月29日に一斉に停止され新しいフリープランへ自動ダウングレードされるのではという解釈もできましたが、2023年5月2日時点ではまだ「新プランに移行していないアプリ」全てが停止されている状況にはないと思われます。「4月29日以降に「新プランに以降していないアプリ」でも停止になっていないものもあり、認証済みユーザー数の多いアプリから優先して停止を行い、移行を促すという対応を取ったのではと推定されます。
6月15日に、Twitter Developers Forumにて、「従来の Twitter API アクセス層を廃止しました」とのアナウンスが発表されました。Ads API開発者として猶予を得ていないアプリは、一斉にFreeプランに強制変更されたと推察されます。一部アプリはサスペンド(一時停止)状態になっており、Freeプランにサインアップして一時停止を解除する必要があります。
※「Project」に属していないアプリ(Standalone App)はサスペンド状態でない場合、まだ利用できるようです。
6月30日には、「BasicおよびProプランから、フォローとリストフォローのエンドポイントを削除した」旨の公式アナウンスがありました。告知なく削除された後の事後アナウンスになったため、多くの開発者が戸惑いのツイートを投稿されていましたが、公式に削除という扱いのようです。
これまで旧プランで主に利用されてきたAPIは「Standard v1.1」でした。このAPIでは、ポストの投稿・検索・取得、ユーザーの検索やフォロー関係の取得、ダイレクトメッセージの送信・取得、トレンド情報の取得など様々なエンドポイント(接続先)が用意され、データの「POST(送信)」と「GET(取得)」が可能です。
一方で、新プランのベーシックプラン、プロプランで利用できるAPIはほぼ全てが「v2」になります。v2 APIはv1.1よりも新しいAPIで、将来的な移行が明言されていたものの、v1.1と並行して提供されて追加開発が行われていたAPIです。
例えばダイレクトメッセージにおいてはv1.1では「DMボット」を開発するための機能がサポートされている一方で、v2では現時点でサポートされていません。逆に、v2ではグループでのダイレクトメッセージが新たにサポートされているなど、新旧のエンドポイントごとに細かな機能の違いがあります。
また、一番の大きな違いは「レート制限」になります。Twitter APIでは、上記の発表されたレート制限に加えて、各エンドポイントごとにも細かく使用量の制限が定義されており、今回のプラン変更により、その定義も変更となりました。新プランのレート制限では、全体として以前のレート制限よりも厳しい内容となっており、ベーシックプランでは、個人やプロトタイプ開発用のAPI提供というコンセプトに沿った制限が加えられています。
商用向けのエンタープライズプランは、X developer Platformにて、月額42,000ドル~と記載されている通り、契約するには企業にとって大規模な投資となります。エンタープライズプランに移行可能な売上規模が無く、新プランのレート制限内で提供できないユーザー規模や提供機能を有する個人向けツールは、残念ながら多くがサービスの終了を選択すると考えられます。
それでは、企業向けツールについてはどのような影響が想定されるでしょうか。
まず第一に、Ads APIの利用承認を受けて開発されていないツールは、予告なく一時停止する可能性があります。また新プランに移行する必要があり、仮にエンタープライズプランに移行可能な売上規模だとしても、短期間で新しいAPIを契約して対応するのは極めて難しいと言える状況です。そのため、現実的にはベーシックまたはプロプランの制限内でのサービスに速やかに移行する必要があると考えられます。一方、Ads APIの利用承認を受けているツールは90日間の猶予内に移行を行うことができるため、より安全性が高いと言えます。
プランを移行しても、レート制限の影響をあまり受けないと思われるケースもあります。例えば投稿予約・スケジュール管理を行うツールは、ベーシックプランでもユーザーレベル(企業アカウント単位)で3,000ポスト/月、100ポスト/24hまで投稿でき、アプリレベル(サービス単位)でも50,000ポスト/月、1,667ポスト/24hまで投稿できます。平均的な企業のポスト数が日に1~3投稿程度までと仮定すると、同じアプリで500社近くは利用できる計算になります。※ただし、アクティブサポートのためリプライを送る企業が多い場合など、ツール事業者によって、投稿上限数は制限される可能性があります。
一方で投稿の分析ツールは、自社投稿の最新ポスト取得、他社のポストやUGCの検索・取得においてアプリレベル(ベーシック:10,000ポスト/月、プロ:1,00,000ポスト/月)の制限を受けることになるため、サービス提供の拡大はやや難しいと言えます。この点、日本においては、X(Twitter) Official Data PartnerであるNTTデータ社の「Twitterデータ分析サービス(なずきのおと事業)」を利用しているサービスであれば、Xデータの分析環境を利用してXデータ分析結果の提供を受けることができます(5月23日現在)。
キャンペーンツールにおいては、より状況が複雑です。
企業がフォロー&リポスト(RT)などのキャンペーンを実施できるように、キャンペーンツールは応募者のフォロー有無、リポスト(RT)やハッシュタグ付き投稿など応募に関連するアクションを全て取得し、当選者へDM送付をする機能を提供しています。またさらに発展した形式として、応募したその場で抽選するインスタントウィンや、自動返信(オートリプライ)といった機能もあります。
新プランの発表以降、アプリ停止によりサービス提供を一時見合わせているツールや、4月21日の「Premium v1.1 API」廃止により自動返信機能の提供を停止しているツールなど、一部に影響が出ています。一方で、Ads APIの利用承認を受けているツールには影響がなく、現在も多くの企業キャンペーンが開催されている状況です。そのため、企業がキャンペーンを実施する場合は、ツール事業者に対しダウングレードなどの影響有無を確認した上で行うことをお勧めします。
企業向けツールは総じて機能が多く複雑で分かりにくくなることもあり、シンプルで低価格のサービスが魅力的に見えがちですが、Twitter APIを利用した企業向けツールにおいては、長期における実績があり、運営元および提供先の企業規模が大きく、安定したツールを選ぶべきと言えます。
現在の状況においては、「Ads APIの利用をX社より承認されているか」「Twitterデータ分析サービス(なずきのおと事業)を利用しているか」「APIプラン移行の影響を受けているか」といった点も、大きな選択のポイントになります。
キャンペーンツールを検討する場合は、「エンタープライズAPIに対応しているか」が重要なポイントとなります。以下の表のとおり、エンタープライズプランはベーシックプランと比較して、自動リプライ送信、自動・一括DM送信、ハッシュタグ・キーワード収集などの制限が少ないため、目的に合わせた施策を実施することが可能です。
「echoes」は、豊富なキャンペーン機能からUGC収集・検索、投稿・クリエイティブ管理、ダッシュボード機能まで備えたXマーケティングのオールインワンツールです。2018年に提供を開始し、2020年4月にはX広告APIプログラムにてAds APIのスタンダードアクセスレベルを取得。2022年12月には、X Official Data PartnerであるNTTデータ社のとの共同事業によりXデータ分析結果の提供を受け、UGC管理機能をリリース。また、すでに最新のTwitter APIに対応済みのため、引き続きXキャンペーン施策やXマーケティングにご利用いただけます。
X上でのフォロー&リポスト(RT)キャンペーン、インスタントウィンキャンペーンはもちろん、マストバイキャンペーン、サービス登録サイト・ECサイト、自社アプリ、店頭といった購買に繋げる「売り場」への誘導、X上のUGC生成を強力に促し、生成されたUGCの収集や企業公式アカウントの投稿・広告への二次活用まで、一気通貫で実施・支援可能なツールです。
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