ニューアーチデザイニング株式会社
2020.1.30ニューアーチデザイニング株式会社
(写真左より)
アライドアーキテクツ株式会社 SaaS本部 阿部友栄
ニューアーチデザイニング株式会社 企画開発部 主任 鈴木良太様
アライドアーキテクツ株式会社 SaaS本部 小林由依
スマートフォンの写真から、簡単にオリジナルのシールやキーホルダーが作成できるアプリ「Seel(シール)」を展開しているのは、ニューアーチデザイニング株式会社です。
同社では「Seel」のマーケティングにおいて、「クリエイティブの質と量を確保」することを目的として「UGC(※)」に注目。UGCを活用した施策の効率的な運用のため、モニプラファンブログ(以下モニログ)を導入しています。
同社がUGCに着目したのはいったい何故なのか。モニログのモニター投稿で得た成果とは?今回はご担当者に同社のUGC活用施策やその評価についてお伺いしました。
Topics
-まず初めに御社の事業内容やサービスについて教えてください。
弊社は「デジタルの力でコミュニケーションを活性化させ、人々の生活や世の中の様々な課題の解決に取り組む」をテーマとし、主に子育て領域においてWEBサービスを提供しています。
例えば、弊社で幼稚園・保育園向けにご提供している「WEL-KIDS PHOTO」は、運動会などの行事の際にプロのカメラマンを派遣。後日保護者の方が撮影した写真をWEB上でご購入できるサービスです。他にも「WEL-KIDS」では園児の登園管理など、保育園の事務作業を支援するクラウドシステムをご提供しています。
そのなかで、私は「Seel」というアプリサービスに携わっています。
-「Seel」はどういったアプリなのでしょうか?
「Seel」は、お手持ちのスマートフォンにある写真をアップロードし、簡単にシールやキーホルダーなどのオリジナルグッズを作ることができるアプリです。アプリ上で簡単にグッズのオーダーができ、ご購入手続き後、ご自宅までお届けいたします。ご家族やご友人たちとの思い出を形にし、手帳やスマホのカスタム、ギフトラッピングやDIYの装飾など、幅広い用途でお使いいただけます。
アプリ上で、作りたいグッズやサイズを選び、写真をアップロードすると簡単に商品をつくることができる。
-鈴木様はどういった業務をご担当されているのでしょうか?
私はデジタルマーケティングチームに所属し、「Seel」のマーケティングやカスタマーサービス、製造の調整などを担当しています。“大切な人たちとの思い出を形に”をミッションに、現在は売上をKGIとして日々の業務に取り組んでいます。
-アプリのマーケティング施策の特徴について教えてください。
基本的にはWEBマーケティングと一緒の考え方だと思います。アプリという限られた場ですし、既に同業者も多くいる分野ですので、ある程度のセオリーが確立されています。ただ、自社のアプリにとっての正解は、やってみないと分からないことも多いです。ユーザーへのアプリ通知・メッセージ送信のタイミングや内容など、様々なパターンを繰り返し試して検証していく必要がある点には、運用上の大変さを感じています。現在は、新規でダウンロード数を伸ばすための施策と、実際にダウンロードしたユーザーに向けてCVを作っていくための施策を行なっています。
-新規獲得施策ではどういった施策に取り組まれているのでしょうか?
一番新規の流入が多い施策は広告運用です。Twitter広告は代理店さんにご協力いただき、Google AdsとApple Search Adsはインハウスで運用しています。
また、WEBマーケティングでいうところのSEO、アプリではASOと呼ばれる、アプリストア最適化施策にも取り組んでいます。これはアプリストア内の文言や画像の修正を行い、ユーザーがアプリストア内で検索した際に自社アプリが上位に表示されやすくするための施策で、アプリストア内での新規ユーザー獲得を目的としています。加えて、現在InstagramとTwitterの公式アカウントを運用しており、新規のお客様との接点作りに努めています。
-既存ユーザー向けにCVを作っていくための施策についてはいかがでしょう?
アプリをダウンロードしたユーザーを「CV=商品購入」へ促すため、現在カスタマーエンゲージメントプラットフォーム「Repro」を活用して、施策に取り組んでいます。「Repro」を使うとアプリを起動してから購入に至るまで、どの段階でユーザーが離脱して購入に至らなかったのかという結果や、アプリ内でのユーザーの動向などを把握し、分析・検証することができます。こうした検証結果をもとに、プッシュ通知やアプリ通知でユーザーにアプリの起動を促したり、アプリを起動したユーザーに向けてメッセージを送ることで、CVに繋げるような具体施策を実施しています。
※「Repro」を活用したお取り組みの詳細はこちら:
カート落ち対策でCVRが約2倍改善! 数字が共通言語になった『Seel』チームが辿った”改善の軌跡とこれから”
-ありがとうございます。日々マーケティング業務に取り組まれるなかで、今回モニログをご導入いただいた理由についてお聞かせください。
モニログの導入を決めた一番の理由は画像クリエイティブの素材不足に悩んでいたためです。新規・既存施策共に、とにかく色々なパターンのクリエイティブを試し、どれが効果的なのかを検証していかなくてはなりません。そうなるとやはり画像クリエイティブの素材も数が必要となってきます。もともと広告素材は不足しがちであると感じていました。さらに昨年1月より「Repro」の運用を開始した後は、プッシュ通知への画像の添付、アプリ起動時に表示される画像付きポップアップメッセージなど、実施可能な施策も増え、より画像クリエイティブの需要が高まりました。そこでコンスタントに素材を集められるような「仕組み」があれば利用したいと思っていたところに、以前からご紹介いただいていたモニログさんを思い出し、導入を決めました。
ニューアーチデザイニング株式会社のモニプラファンサイト
-モニログで得られるクリエイティブは、モニターさんの投稿、いわゆる「UGC」です。画像クリエイティブは撮りおろしやフリー素材など他の方法で集めることもできますが、UGCを選ばれたのはなぜでしょうか?
撮りおろしや内製は、時間もコストもかかりますので、定常的にクリエイティブ数を確保するのは厳しいと思っています。また、フリー素材では実際に商品を使っているイメージを伝えることができません。もともと、アプリをダウンロードしたユーザーを効率的にCVへ繋げられていないという課題がありましたので、アプリをダウンロードしたユーザーにきちんと利用イメージを伝える必要があると考えていました。その点で、実際にユーザーが使った様子が分かるUGCは、アプリを使って作られたグッズのイメージや、季節ごとのイベントにからめたグッズの利用シーンを伝えることができるので有効であると考えています。
-利用シーンや商品イメージが伝わるような画像クリエイティブを、定常的に一定数確保していくためにご導入されたんですね。実際にご導入されてみていかがでしょうか?
モニログ導入後、イベントで得られたUGCを活用した成果としては大きく2つあります。1つ目はアプリ内メッセージにUGCを使うことで、コンバージョンの改善につながり、購入が増えていること。そして2つ目は、Twitter広告のクリエイティブに使用し、インストール獲得に寄与していることです。
-1つ目の成果、コンバージョンの改善について具体的な施策内容や成果について教えてください。
モニログの運用を開始したのが敬老の日の時期でしたので、「おじいちゃんおばあちゃんにお孫さんの写真を使ったグッズを贈ろう」という訴求を計画していました。そこでまず、モニログで子供のグッズを作った投稿を募集するイベントを実施。次に、いただいた投稿からアプリ内のポップアップメッセージに使用する複数のクリエイティブを作成して検証を開始し、成果の高いクリエイティブを見つけました。そして、成果の出ているクリエイティブに絞ってポップアップメッセージを表示したところ、結果的にCVが向上。子供や家族写真の注文件数は通常の1.5倍になりました。
敬老の日に合わせて配信されたポップアップメッセージ。複数パターンを試した結果、上記のクリエイティブは他のクリエイティブよりもCVRが2倍近く高かった。
また、クリスマス時期の訴求では、アプリ内のメッセージを表示させる層とさせない層で比較検証を行いました。その結果、UGCを使ったメッセージを表示させた層は、ポップアップメッセージを表示させなかった層よりも15%以上、CVRがあがりました。アプリ内メッセージ自体が効果的である部分はもちろんありますが、利用シーンが伝わるUGCクリエイティブはCVに寄与していると感じています。こうした検証ができたのは今後施策を進めていく上で重要ですし、検証をまわせるクリエイティブの量を確保できたのも、モニログでのモニター投稿が利用できたからだと評価しています。
-ありがとうございます。2つ目の広告クリエイティブへの活用で得られた成果についてはいかがでしょうか?
クリスマス訴求でアプリ内メッセージに使用した画像は、新規獲得向けのTwitter広告のクリエイティブにも使用しました。結果、アプリの全インストール数のうち、UGCを使ったクリエイティブ経由のものが6割を占めています。獲得数や獲得単価は他社さんの出稿状況などにも左右されるので、前月比など単純な比較はできません。しかし、結果としては好調だったと評価しています。
クリスマス訴求のアプリ内メッセージ(左)と、Twitter広告(右)どちらも、クリスマスギフトにグッズを利用するイメージをうまく伝えることに成功した。
-その他、感じていらっしゃる成果などありましたら教えてください!
実は多くのユーザーが女性であるものの、「Seel」を担当する社員は男性が多く、どんな訴求が女性ユーザーの共感を呼ぶのか、いまいち分からないという課題がありました。モニログを使うことで、モニログの女性モニターさんに、女性目線で素敵な投稿をしていただき、それを活用して効果検証することができるので、検証の効率もまたあがっていると感じています。
-最後に、今後モニログを活用して実施していきたい施策や展望についてお聞かせください!
ニューアーチデザイニング株式会社 企画開発部 主任 鈴木良太様
直近の課題としては、モニターさんの投稿率をあげていくためのアプローチが必要だと考えています。モニログは任意で投稿していただくものですので、必ずしも全てのご当選者の方に投稿していただけるわけではありません。ユーザーとのコミュニケーションの取り方など工夫・改善を加え、よりたくさんの投稿をいただけるようにしたいです。
また、「Seel」は家族写真だけでなく、ご友人との思い出やペット、旅行など様々なジャンルの写真をオリジナルグッズにすることができるサービスです。今後はターゲットを広げ、こうしたジャンルに関心が高い方にも「Seel」の認知を拡大していきたいと考えています。そのために、モニログでは各ジャンルに特化したイベントを実施し、ジャンルごとのアンバサダーのような方を育てていきたいです。