2019.12.1
2019年10月29日にFacebook社が開催したBtoB向けカンファレンス「Instagram Day Tokyo 2019」より、国内のインスタグラム利用状況に関する最新データ、注力する3つの新機能、インスタグラムをブランディングに活用するためのTIPSまで、インスタグラムに関する最新情報をまとめてご紹介します!
※本記事内のデータ・画像は全てInstagram Day Tokyo 2019の公式スライドから引用したものです。
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Instagram Day Tokyo 2019では、インスタグラムの利用に関する興味深い最新データがいくつか紹介されました。
インスタグラムは急速に拡大しており、2019年3月時点で月間アクティブアカウント数は3,300万に到達しています。
特に18-29歳の若年層による利用時間が飛躍的に伸びており、2017年と比較し201%にまで成長しています。利用時間帯は起床時から就寝時まで万遍なく、1日中利用されていることも分かっています。
若年層の検索行動は「ググる」から「タグる」へ変化しています。これは、若年層が何か興味関心のある物事を調べる際に、グーグルよりも、インスタグラムのハッシュタグを使うことが増えている現象を指しています。
実際に、若年の女性層がファッション、グルメスポット、レジャースポットの情報を検索する際に、インスタグラムをもっともよく利用されていることが分かっています。
また他にも、「インスタグラムで商品やサービスを見つけるユーザー:83%」など、インスタグラム利用者が新しい発見のためにインスタグラムを訪れていることを示す数値が複数紹介されました。
日本ではストーリーズの利用が大変盛んで、デイリーアクティブ利用者の70%がストーリーズを利用しています。日本で1日あたりに投稿されるストーリーズの数は700万投稿にも及び、これは映画1万本分より長い時間に相当するそうです。なお、2018年にもっとも使われたストーリーズのスタンプは「質問スタンプ」でした。
ユーザーによるストーリーズ投稿だけでなく、ビジネスによるストーリーズ投稿もユーザーによく閲覧されていることが分かっています。最も見られたストーリーズ投稿の中でビジネスが占める割合は3分の1にも及ぶそうです。また、質問スタンプなどのインタラクティブ機能は、ユーザーだけでなくビジネスでもよく使われています。
Instagram Day Tokyo 2019では、インスタグラムが注力する機能は「発見タブ」「ストーリーズ」「ショッピング」の3つであると発表されました。全て、インスタグラムのミッションである「大切な人や大好きなことと、あなたを近づける」を実現するものであり、これらは「多様な体験を可能にするエコシステム」であると表現されています。
それぞれ広告メニューの提供も開始されており、この3つの機能をいかにうまく活用するかが、インスタグラムをマーケティングに活用したい企業にとっての今後のポイントになると考えられます。
また、インスタグラムから「いいね!」数の表示を消した理由として、「コンテンツを作るときに、いいね!数を気にするのではなく、心からそれを楽しんでほしいから」と説明されました。企業は目の前のいいね!数を追求するのではなく、本当に興味のある人に楽しんでもらえるコンテンツ作りに専念することが求められます。
そのユーザーの興味関心に合わせて、フォローしていないアカウントのコンテンツが表示される。全世界でインスタグラムユーザーの半数が月に一回は発見タブを使用しているそう。
フィード投稿よりも身近に感じてもらいやすい。今後、質問スタンプなどのインタラクティブな機能に注力。企業もユーザーと同じくインタラクティブなコンテンツ提供を。
ユーザーに新たなショッピング体験を提供する。商品を販売、ローンチし、顧客とエンゲージメントを深めるところまで一気通貫で実現できる。決済まで含めて全ての購買行動を完結させる「インスタグラム Check Out」も一部の地域で実施しており、ユーザーの反応はとても良い。商品ローンチを補強する機能としては、「商品ローンチのリマインダー通知」をする機能を盛り込む。顧客とのエンゲージメントを深める方法としては、AIで試着などの体験ができる機能を考えている。
インスタグラムの急速な拡大に伴い媒体価値は急速に高まっており、リーチ数やインプレッション数が急増、インプレッション単価も大幅に下がってきています。インスタグラムはもはや「限られた層だけにリーチする、コスト効率が悪い」メディアではなく、認知拡大や態度変容を促す「ブランディング」に適したメディアとなっています。
①ブランドを創る:プロフィールページはブランドの顔!
プロフィールページを訪れるユーザーの3分の2はそのページの非フォロワーであり、非フォロワーはそのページをフォローするかどうかをプロフィールページを見て決めています。プロフィールページはまさにブランドの顔であり、商品情報等をきちんとアップデートしておくことが大切です。
②ファンとの交流を深める:インスタグラムのアルゴリズムを理解し、インタラクティブなコンテンツを!
インスタグラムではエンゲージメントが高いほどフィードやストーリーズでも上位表示されるようアルゴリズムが組まれています。エンゲージメントの高さの評価は500以上のシグナルから構成されており、「コンテンツへの関心度の高さ」×「アカウントとの繋がり度の高さ」が重要視されています。具体的には、安定的に投稿が実施されているか、コメントやDMのやりとりがあるか、どれだけそのコンテンツを視聴しているかなどで評価されています。
よりシグナルを貯めるためのTIPSとして、「一方通行のコミュニケーションではなくインタラクティブなやりとりをすること」「質問ステッカーなどインタラクティブなコンテンツを活用すること」「インサイト機能を活用してオーディエンスの反応を確認しながらコンテンツの改善をしていくこと」などが紹介されました。
③広告でリーチを拡げる:オーガニックではリーチできない層に接触
オーガニックではリーチできるオーディエンスに限界があるため、全てをオーガニックでやろうとするのではなく、広告をうまく組み合わせることで本来のターゲットにリーチを拡大していくことが可能です。
また、新たな広告形式として「ブランドコンテンツ広告」が開始されました。これは、インフルエンサーが投稿したコラボコンテンツを広告主が直接広告としてプロモーションできるものです。フィード上だけでなく、ストーリーズや発見タブにも表示可能です。
以上、今回は「Instagram Day 2019」の内容をもとに、インスタグラムに関する最新情報をご紹介しました。
今回のカンファレンスを通じてFacebook社が繰り返し語ったキーワードは「インタラクティブ」でした。いいね!数も非表示となった今、インスタグラムをマーケティングに活用する企業にとって最も大切なことは、よりユーザーと企業の間で、あるいはユーザー間でのコミュニケーションが生まれる「インタラクティブなコンテンツ」を増やしていくことです。それが結果としてアルゴリズムでの評価となり、発見タブやハッシュタグなども通じて多くの新規ユーザーへのリーチにつながっていきます。
今後、企業は、生活者目線でのフィード投稿、スタンプなどを活用したストーリーズ投稿など、よりコミュニケーションが生まれるコンテンツ作りを意識してインスタグラムに向き合っていく必要がありそうです。