2019.9.26
企業によるインスタグラム活用の生命線ともいえる「ハッシュタグ活用」。
でも、「ハッシュタグってどう付けたらいいの?」「ハッシュタグって、そもそもマーケティングにどう活用できるの?」「どんな事例があるの?」…そんな声も、よく耳にします。
そこで今回は、全3回にわたり「インスタグラムハッシュタグ活用方法」を徹底解説!
まず第1回目は、企業によるハッシュタグ活用の第一歩とも言える「効果的なハッシュタグの付け方」をご紹介します。
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月間アクティブユーザー数が全世界で10億人(2018年6月時点)、日本でも3,300万人(2019 年6月時点)を誇り、幅広い性別・年代のユーザーに活発に利用されるインスタグラム。急速にユーザー数が増えた今、インスタグラムは若い女性だけでなく、あらゆるユーザー層にとっての「生活に必要な情報を得るための場所」として機能し始めています。
ではどうやってインスタグラム上で情報を検索しているのでしょうか…?そのキーワードとなるのが「ハッシュタグ検索」です。日本のインスタグラムユーザーがハッシュタグ検索をする回数は、グローバル平均の3倍もあると言われています。
(出典:カンタージャパンによるFacebook委託調査/2018年5-6月)
実際に、以下のデータから18~39歳女性の約半数が店名/ブランド名などの固有名詞ハッシュタグを使い、最新情報を確認したり、写真や口コミを参考にしていることがわかります。インスタグラムは今や多くの人にとっての「検索プラットフォーム」としての役割も果たしています。「検索対策」はもはやGoogleだけで完了するものではないのです。
このことから、まずはインスタグラム内における自社関連のハッシュタグの数を増やすこと、そして直接自社に関連するものだけでなく、適切なハッシュタグによりリーチを拡大したり、流入を促すことがいかに大切かが分かります。
出典:コムニコ/アゲハ「18~39歳女性のSNS利用スタイル調査」(2018年12月)データよりアライドアーキテクツ作成
企業がインスタグラムをマーケティングに活用するとなると、まずは企業による公式アカウントの運用を思い浮かべると思います。そのため、「効果的なハッシュタグの付け方」というと、「企業が公式アカウントで発信する際にどんなハッシュタグを付けるか」考えること…と理解されると思います。
もちろんそれもとても大切なことですが、インスタグラムには「企業から発信される投稿」と、「生活者から発信される投稿」の2種類があることを改めて知っておくことが重要です。
そして、生活者から発信される投稿の方が数として圧倒的に多いこと、同じ生活者による投稿が「口コミによる情報源」として重要視されていることを考えると、生活者から「自社の商品にどんなハッシュタグを付けて発信してもらえるか」という観点も大変大切であることが分かります。
「効果的なハッシュタグの付け方」を考える際には、この2つの観点をもっておくことが必要です。
まず第一ステップとして、自社に関連するハッシュタグの研究から始めましょう。
以下のようなポイントを一つ一つチェックしていきます。インスタグラム内のハッシュタグのトレンドは移り変わりますので、一度調べたら終わりではなく、定期的にアップデートすることも大切です。
<チェックリスト>
- ✔ 自社商品名、サービス名がついたハッシュタグはいくつ存在するか
- ✔ 自社商品名、サービス名をつけて投稿してくれているユーザーはどんな人か、どんな場面で使用してくれているのか
- ✔ 自社商品名、サービス名と一緒に投稿されているハッシュタグにはどんなものがあるか、数はどれくらいか。
- ✔ 競合商品名、サービス名と一緒に投稿されているハッシュタグにはどんなものがある数はどれくらいか。
これらのポイントをチェックすることにより、まずは客観的に自社の立ち位置を把握できます。自社に関する投稿数は十分あるのか。どんなイメージを持たれているのか。どんな風に使用されているのか。競合と比較しての数・質はどうか、などを知ることが、ハッシュタグを効果的に使いこなす第一歩だと捉えてください。
自社の立ち位置、競合の状況、世の中のトレンドなどを把握したら、具体的にハッシュタグを考えていきます。
ワードを考えるときは、そのキーワードの大きさ、メジャーさを意識することが大切です。よくインスタグラムユーザーからつけられているようなビッグワードから、マイナーで特定の人のみがつけるようなハッシュタグまで、種類を織り交ぜると良いでしょう。
Google検索と同じと考えると、わかりやすいと思います。検索数も多いが競合も多く、またさまざまな目的で検索している人がいるビッグワードから、検索数は限定的だが競合が少なく、より自社のターゲットに合っている人が検索しているスモールワードまで、バランス良く配置することを意識します。
インスタグラムで一つの投稿に付けられるハッシュタグの上限数は30個です。
(出典:インスタグラムヘルプセンター)
では、いったいいくつ付けるのが適切なのでしょうか?毎回できるだけ多くつけたほうがよいのでしょうか…?
こちらのデータによると、ハッシュタグを9~12個付けている場合がもっともエンゲージメントを獲得しています。企業が自社の投稿につけるハッシュタグ数を検討する際の、一つの目安となるでしょう。ただしこちらは海外のデータでですし、また、企業が自分でコントロールできる「自社の投稿につけるハッシュタグ」に関しては、数よりも質の方が大切ですので、あくまで目安として参考にしてください。
出典:HootSuite blog「Everything you need to know about Instagram hashtags in 2019」
では、企業が生活者に「ハッシュタグを付けた投稿を依頼する」場合はどうでしょうか?
その場合は、あまりにも多くの数を企業側からユーザーに指定することはNGです。企業指定のハッシュタグは多くても5個くらいまでを目安とし、あとはユーザーの感性やセンスに任せることが大切です。ユーザーに任せることで、ユーザー自身の属性にあったハッシュタグをつけるためフォロワーに広がりやすかったり、新しい訴求の軸が見つかったりすることもあります。
以上、今回は「効果的なハッシュタグの付け方」をご紹介しました。ハッシュタグはとても奥深いもの。トレンドを研究し、さまざまなハッシュタグを試すことで、自社の商品の立ち位置の新たな発見にもつながります。今回ご紹介した3ステップを意識しながら、自社にとっての最適なハッシュタグを見つけてください。
次回は、企業によるインスタグラムハッシュタグ活用の肝となる「生活者からのハッシュタグ投稿の増やし方」について解説します。
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