企業名
2021.02.05
Twitter上では企業によりさまざまなキャンペーンが開催されていますが、Twitterユーザーはそれをどのように受け止めているのでしょうか?企業がTwitterキャンペーンをマーケティング上の成果につなげるためには、どのような工夫が必要なのでしょうか?また、懸賞目的による参加が多いとも言われがちなTwitterキャンペーンは、企業にとって本当に有効な施策と言えるのでしょうか?
そこで今回はTwitterユーザーによる「企業公式アカウント開催のTwitterキャンペーン利用実態」を調査。キャンペーンに参加したことがあるか?、どんなキャンペーンに参加したいと思うか、利用アカウント別(プライベート用アカウント/懸賞応募用アカウントなど)にTwitterをきっかけとした購買行動に変化があるのかなどを詳しく調べました!
■調査概要
調査名称 : Twitter企業アカウント利用に関する意識調査
調査主体 : アライドアーキテクツ株式会社
調査時期 : 2020年12月16日~12月27日
調査方法 : Fastask(株式会社ジャストシステム提供)でアンケート調査を実施
調査対象数: 4,409名
※設問ごとの有効回答数を「n=」で記載しています。
※本調査の内容を転載・ご利用いただく場合は「アライドアーキテクツ株式会社調べ」とクレジットを記載してください。
【無料ダウンロード】
本調査レポートの完全版(性別・世代別の結果含む)をダウンロード
Twitter上で企業公式アカウントのキャンペーンに参加したことがある人は、Twitterアカウントを保有する人のうち62.1%です。Twitterキャンペーンは6割のユーザーに参加経験があり、多くのTwitterユーザーに浸透している企画のようです。
男女別・年代別で見てもキャンペーン参加には大きな偏りがないですが、20代・30代の参加率がやや高い状態です。
キャンペーンに参加したことがある人が参加時に主に使用しているアカウントとしては、自身のプライベート用アカウントが65.1%、懸賞応募用アカウントが28.5%であり、主に懸賞応募用アカウントで参加している人は、キャンペーン参加者全体の3割弱という結果となりました。
では、キャンペーン参加時に約3割のユーザーがメインで利用している懸賞応募用アカウントとはいったい何なのでしょうか?Twitterユーザーの内、何割くらいの方が懸賞応募用アカウントを持っているのでしょうか。
まずは、Twitter利用ユーザーに、保有しているTwitterアカウントの種類について聞いたところ(当てはまるもの全てに回答)、全体の86.4%が自身のプライベート目的のアカウントを保有、26%が趣味のつながり用のアカウントを保有、19.8%が懸賞応募用のアカウントを保有していると回答しました。
「アカウント保有数別」に見ると、全体の66.2%がアカウントを「一つだけ」保有しています。2種類以上のアカウントを保有しているのは全体の33.8%です。
また、アカウントを一つしか持っていない人の8割はプライベート用のアカウントだけを保有しています。「懸賞応募用のアカウントのみ」を持っているユーザーは5.8%とごくわずかであることが分かります。
これらの結果から、複数のTwitterアカウントを持つユーザーは、プライベート目的のアカウントに加えて、趣味のつながり用のアカウントや、懸賞応募用アカウント、仕事用アカウントなどの専用アカウントを並行して持っており、場面に応じて「Twitterアカウントの使い分け」をしているだけであることが分かります。
「Twitter懸賞ユーザーは実態のないユーザーなのか?」と不安に思う必要はないと言えます。2019年6月に実施したTwitterユーザー企業公式アカウント利用実態調査(以下、2019年度Twitterユーザー調査)の結果と比較しても大きな変化は見られませんでした。
懸賞応募用アカウントを保有していると回答した人のうち、男性は45.4%、女性は54.6%となり、女性の方が多い結果に、年齢別に見ると20~30代に多い結果になりました。ただし、Twitterユーザー全体の傾向と比較しそれほど大きな偏りがあるわけではなく、懸賞アカウントが特定層により利用されているものではないことが分かりました。
ではここからは、Twitterキャンペーンが「新規フォロワー増加」や「既存ファンとのコミュニケーション」に貢献するかを見ていきます。
まずTwitterユーザーが企業公式アカウントをフォローするきっかけを聞いたところ、「Twitterキャンペーン」が59.5%で最も多く、続いて「企業の公式サイトを見て」が45.1%、「一般人の投稿やリツイートを見て」が35.5%という結果になりました。
2019年度Twitterユーザー調査と比較しても大きな変化はなく企業公式アカウントをフォローするきっかけとしてSNSキャンペーンがユーザーに定着していることが分かります。Twitterキャンペーンは、新規フォロワーを増やす上で有効な施策と言えるでしょう。
また、Twitterで企業公式アカウントをフォローしているユーザーに、企業アカウントからもっとも欲しい情報を聞いたところ、47.4%が「サービスや商品の新情報やセール情報」、40.9%が「Twitter上で参加できるキャンペーンの情報(割引クーポン等)」と回答しました。Twitterキャンペーンは、既存ファンに喜んでもらう施策としても有効であると言えそうです。
Twitter企業アカウントというと「中の人」のキャラクターを押し出した運用に注目が集まる傾向にありますが、実際には「企業の人となりが分かる日々の何気ない投稿」をもっとも求めている人は全体の7.9%にすぎないことが分かります。
Twitter企業アカウントを運用する際には、中の人や企業の姿勢が伝わる投稿に加えて、ユーザーにメリットのあるキャンペーンやセール情報などを定期的に織り交ぜていくことが重要だと考えられます。
Twitterキャンペーンを開催してフォロワーを増やしても、すぐにアカウントフォローを解除されてしまうのでは…と心配する声もよく聞かれます。そこで、ユーザーがTwitter企業公式アカウントのフォローを解除する理由についても調査しました。
68.2%がTwitter企業公式アカウントのフォローを解除した経験があると回答しました。一度企業の公式アカウントをフォローしても、その後、内容によってアカウントフォローを解除するユーザーが多いようです。
フォローを解除する理由としては、37.2%が「サービスや商品の新情報やセール情報が少ないから」と回答、「サービスや商品の情報が多いから(28.4%)」を上回る結果となりました。また、31.2%が「Twitter上で参加できるキャンペーンの実施が少ないから」と回答、こちらも「Twitterキャンペーンの実施が多いから(17.2%)」を大きく上回っています。
宣伝しすぎることを恐れて、セールやキャンペーン情報などを極力つぶやかない方針で運用している企業アカウントも多いですが、それが逆に公式アカウントフォローを解除する理由にもなるようです。Twitterキャンペーンをきっかけに新規のフォロワーと繋がった後に、しっかりと「フォローしているメリット」が得られる投稿を続けていくことで、アカウントフォロー解除を防ぐことができるでしょう。
ただし、商品情報やキャンペーン情報ばかりになってしまうこともアカウントフォロー解除の理由になりえます。さまざまな投稿を試しながら、自社のフォロワーが求めていることは何かをしっかり見極めていくことが最も大切です。
ではTwitterキャンペーンは、ブランド好意度の向上や実際の購買にもつながっているのでしょうか?
「Twitter企業公式アカウントフォロー後のブランドへの好意度・理解度」を、キャンペーン参加経験有無、およびキャンペーン参加時に主に利用しているアカウント種類別に集計すると、キャンペーンに参加したことがあるユーザーの方が、Twitter企業公式アカウントをフォロー後に圧倒的に深くそのブランドへの好意度や理解度が上がっている結果となりました。
内容を見ると、「そのブランドが好きになった」「詳しくなった」はプライベート用のアカウントをメインに参加しているユーザーの方が数値が高いのに対し、「そのブランドの利用が増えた」は懸賞応募用アカウントを主に利用しているユーザーの方が数値が高いことが分かります。懸賞応募用アカウントを保有している人はさまざまな商品に対する興味度が高く、購買につながりやすいからと考えられます。
Twitterをきっかけに企業の商品やサービスを購入した経験を、キャンペーン参加経験有無、参加時に主に利用しているアカウント種類別に集計すると、プライベート用アカウントをメインにキャンペーンに参加したことがあるユーザーは77.7%、懸賞応募用アカウントをメインにキャンペーンに参加したことがあるユーザーは79.7%、キャンペーンに参加したことのないユーザーは30.8%となり、キャンペーン参加ユーザーの方が圧倒的に「Twitterをきっかけに企業の商品やサービスの購買した経験」が多い結果となりました。また、購入カテゴリ数についても、キャンペーン参加ユーザーの方がより多くのカテゴリの商品を購入した経験があることが分かります。
2019年度Twitterユーザー調査でも同じ結果が出ており、Twitter企業公式アカウントが開催するTwitterキャンペーンは、ブランド好意度や理解度、購買経験に大きな影響を与えると言えます。
【無料ダウンロード】
※商品カテゴリ別/男女別/年齢別に「Twitterをきっかけとした購買行動」について
まとめたデータはこちら。
最後に、ユーザーはどんなTwitterキャンペーンを求めているのかについて聞きました。
企業によるTwitterキャンペーンで重要な要素を聞いたところ、48.8%が「キャンペーン参加の手軽さ(応募時に登録等の手間がかからない)」と回答しました。Twitter上でのリツイートやコメントなどだけで気軽に参加できるキャンペーンへのニーズが高い様子がうかがえます。次に「その場ですぐに当落が分かる(34.9%)」が続いており、Twitterユーザーには、手軽でかつ即時性のあるキャンペーンが求められていると考えられます。
今回の調査を通じて、Twitter企業公式アカウントが開催するTwitterキャンペーンは、ファンを増やしたり既存ファンを楽しませるなど日々の公式アカウントの運営に役立つだけでなく、ブランドの好意度や理解度に好影響を与え、購入にもつなげられる施策であることが分かりました。
また、Twitterキャンペーンに参加する際に使用するアカウントとして全体の約3割が懸賞応募用アカウントを利用していますが、ほとんどのユーザーはプライベート用アカウントに加えて懸賞応募用アカウントも保有し、アカウントを使い分けている状態であることも分かりました。懸賞応募用アカウントをメインにキャンペーンに参加するユーザーからもしっかりブランド好意度・理解度の向上や購買につながっており、Twitterキャンペーンを開催しても懸賞目的のユーザーばかり集まるのではないか?という心配をする必要はないと言えます。
企業がTwitterで公式アカウントを運営する際は、日々の運営に加えて、ユーザーが気軽に参加できるようなTwitterキャンペーンを定期的に開催し、さまざまな商品への興味度が高くTwitter上での企業活動への参加に積極的なユーザーとつながりを持つことで、Twitter上での企業活動を「認知拡大」だけでなく、より効率的に「売上拡大」にもつなげることができるでしょう。
性別・世代別の結果や、本調査対象者の属性など、さらに詳細なデータは下記よりダウンロードしていただけます。
メール及び電話にて回答させていただきますが、回答までにお時間をいただく場合があります。
あらかじめご了承ください。