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【2022年5月版】Instagramポリシー・ガイドラインとInstagramキャンペーンにおける注意事項のポイントまとめ

Instagramポリシー・ガイドラインとInstagramキャンペーンにおける注意事項のポイントまとめ

昨今、利用者数が増え続け、企業の生活者接点としての重要性が増しているInstagram。
その中で、Instagramキャンペーンは2022年5月現在、企業Instagramアカウントの規模拡大や売上貢献において欠かせない施策になっています。

一方で、Instagramのポリシーやガイドラインは複雑で分かりづらく、キャンペーン実施において不安という声もあります。また、その難しさから「Instagram上でのキャンペーンは禁止されている」といった誤認も生まれているようです。そこで、本記事では、Instagramキャンペーン実施におけるポリシー・ガイドラインの注意事項・ポイントをまとめました。

サマリー

  • Instagram上での「プロモーションへの参加」には、インセンティブを提供してよいとされている
  • 当選者を選考する、または抽選する形式でのプロモーション実施が可能であると考えられる
  • 「Instagram上で〇〇した方に全員プレゼント」のキャンペーンはガイドラインに抵触する可能性がある
  • 景品として「現金」「現金同等物」を提供するキャンペーンはガイドラインに抵触する可能性が高い
  • Instagram上でのアクションは、あくまでプロモーションの中で応募者を判別し当選者を選抜する応募条件であることを明確にして実施するべき

キャンペーン実施に関連するInstagramポリシーとガイドライン

Instagramが現在公開している利用規約、ポリシー、ガイドラインとして、Instagramキャンペーンの実施に関連すると思われるものは複数あります。

Instagramプロモーションガイドライン
プロモーション(コンテスト、懸賞等)の案内や運営のためにInstagramを利用する企業や個人が遵守しなければならないガイドラインです。

Instagramコミュニティガイドライン
Instagramが安全でオープンなコミュニティになるように作成されたもので、全てのユーザーは、Instagramを利用することでこのガイドラインに同意したことになります。規定範囲に従わない行為は、コンテンツの削除、アカウントの停止、またはその他の制限につながる可能性があるとされています。

開発者ポリシー
アプリ開発者やウェブサイト運営者などが、FacebookやInstagramプラットフォームへアクセスしてデータを取得するといった機能を開発する際に遵守する必要があるポリシーです。Instagramのキャンペーン開催支援システムを提供する企業は、こちらの元で開発を行う必要があります。

※2020年12月10日追記
2020年12月20日にInstagramの「利用規約」が改訂されますが、キャンペーンの実施に言及された変更や、キャンペーンの禁止について言及された変更はありません。
一部で利用規約変更に伴いキャンペーンが禁止されるといった記載のある記事が公開されていますが、誤認であると考えられます。instagram利用規約の変更差分(PDFファイル)をご確認ください。

Instagram上でインセンティブを提供して良いとされる「プロモーション」とは?

Instagramプロモーションガイドラインでは、以下の通り記載されています。

1.プロモーション(コンテスト、懸賞等)の案内や運営のためにInstagramを利用する場合、ページ作成者は、次の事項を含めて、当該プロモーションを合法的に運営する責任を負います。

・公式ルール
・規約と資格要件を設定すること(年齢や居住地の制限等)。
・プロモーションおよび提供される賞品や賞金に適用される規則や規制を遵守すること 
 (登録、規制上必要な承認の取得等)。

引用:Instagramプロモーションガイドライン

つまり、Instagram上では、公式ルールを定め、規約と資格要件を設定し、賞品や賞金に適用される規則や規制を遵守し、合法的に運営することで、コンテストや懸賞等の案内や運営が可能になります。

懸賞とは、景品表示法上は、

商品・サービスの利用者に対し、くじ等の偶然性、特定行為の優劣等によって景品類を提供することを「懸賞」といい、共同懸賞以外のものは、「一般懸賞」と呼ばれています。

引用:景品規制の概要(消費者庁)

とされることから、Instagramプロモーションガイドラインに記載された「懸賞」についてもこれと同様に考えるならば、偶然性によって賞品の当選者を決める「抽選」、優劣等によって当選者を決める「選考」形式でのプロモーションが実施可能と考えられます。

またInstagramを利用したシステムの開発者においても、開発者ポリシーで以下のように定められていることから、Instagramプロモーションガイドラインと法律を遵守することでプロモーションへの参加にインセンティブを提供することができると言えます。

3.適切な使用の奨励

2.利用者にインセンティブを提供してよい行動は、アプリへのログイン、アプリのFacebookページまたはInstagramにおけるプロモーションへの参加、スポットへのチェックイン操作、貴社とのコミュニケーションを目的としたMessengerの使用のみです。その他のアクションに対してインセンティブを提供してはなりません。

9. Instagramプラットフォーム

10.開発者は、Instagramのプロモーションガイドラインと適用されるすべての法律および規則を遵守することを条件として、Instagramで宣伝を運営できます

引用:開発者ポリシー

Instagram上で提供してはならないとされるインセンティブとその提供形式は?

Instagramコミュニティガイドラインでは、以下の通り記載されています。

「いいね!」やフォロー、コメントを含むやり取りの見返りに、現金や現金同等物の提供を申し出たりしないでください。

引用:Instagramコミュニティガイドライン

このガイドラインの該当箇所は、2020年6月に追記されたものになります。

※2020年11月18日追記
日本語訳の表記が変更されました。
キャンペーン禁止の誤認識が一部に広まってしまったことから、「景品」「禁止」のニュアンスを緩やかに無くしたものと考えられます。

変更前:「いいね!」やフォロー、コメント、その他の関わりの見返りとして現金や現金に相当する景品の提供を申し出ることは、禁じられています
変更後:「いいね!」やフォロー、コメントを含むやり取りの見返りに、現金や現金同等物の提供を申し出たりしないでください

※2021年2月26日追記
再度、日本語訳の表記が変更されました。
「現金や現金同等物」だった表現が「金銭や金券など」に、「提供」が「プレゼント」に変更されています。「金券」を明確にNGとし、「プレゼント」のニュアンスを加えることで、金券を景品としたプレゼント企画はNGとしたい意図がより明確になっています。

変更前:「いいね!」やフォロー、コメントを含むやり取りの見返りに、現金や現金同等物の提供を申し出たりしないでください。
変更後:「いいね!」やフォロー、コメントを含むやり取りの見返りに、金銭や金券などのプレゼントを申し出たりしないでください。

※2021年8月24日追記
再度、日本語訳の表記が変更されました。
「金銭や金券など」だった表現が「現金や現金同等物」に、「プレゼント」が「提供」へ変更され、2021年2月に変更が加えられる前と同様の内容に戻っています。

変更前:「いいね!」やフォロー、コメントを含むやり取りの見返りに、金銭や金券などのプレゼントを申し出たりしないでください。
変更後:「いいね!」やフォロー、コメントを含むやり取りの見返りに、現金や現金同等物の提供を申し出たりしないでください。

ここでのポイントは2つあります。

1.Instagram上での「やり取りの見返り」と言える形式(Instagram上で〇〇した方に全員プレゼント)のキャンペーンはガイドラインに抵触する可能性がある

2.景品として「現金」「現金同等物」を提供することに関してはガイドラインに抵触する可能性が高い

1.Instagram上での「やり取り見返り」と言える形式(Instagram上で〇〇した方に全員プレゼント)のキャンペーンはガイドラインに抵触する可能性がある

FacebookおよびInstagramでは、スパムによって「いいね!」、フォロー、シェアといったエンゲージメントを人為的に集める行為を禁じており、そのような関わりと引き換えに、直接的に現金や現金同等物で対価を与えることはNGとなります。

一方で上述の通り、プロモーションにおいては抽選や選考形式でのインセンティブの付与が認められていますが、特に「関わりの見返り」であると捉えられる「Instagram上で〇〇した方に全員プレゼント」のような形式は、プロモーションにおいてもこのガイドラインに抵触する可能性があると考えられます。

2.景品として「現金」「現金同等物」を提供することに関してはガイドラインに抵触する可能性が高い

「現金や現金同等物(英語での原文:money or giveaways of money)」の定義は詳細化されていないため線引きをすることはできませんが、「現金そのもの」や、プロモーションを行う商品・サービスに関係がなく、現金に引き換えられる「金券・ギフト券」を景品として使用することは、ガイドラインに抵触する可能性が高い、と言えます。

自社ECや店舗サービスにおける「クーポン」のような割引に関しては、どのように考えればよいでしょうか。日本の景品表示法上は以下の通り、正常な商慣習に照らして認められる範囲においては、景品に含まれないとされています。

正常な商慣習に照らして値引又はアフターサービスと認められる経済上の利益及び正常な商慣習に照らして当該取引に係る商品又は役務に付属すると認められる経済上の利益は含まないこととされています。

引用:消費者庁 景品に関するQ&A

これによって「割引クーポンは現金や現金同等物ではない」と断言することはできませんが、Instagramでは、プロモーションガイドラインや開発者ポリシーによって、プロモーションの条件として「合法的に行われること」「提供される賞品や賞金に適用される規則や規制を遵守すること」を明記していますので、この景品表示法における扱いに留意しておくべきかと思われます。

避けるべきキャンペーンのクリエイティブ表現

上述のとおり、「Instagram上で〇〇した方に全員プレゼント」の形式や「現金」「現金同等物」のインセンティブを避けることに加え、キャンペーン告知におけるクリエイティブ表現についても、十分に気を付けた方が良いと考えられます。
以下のような、「プロモーション」ではなく「関わりの見返り」と捉えられる表現は、避けるべきでしょう。

・フォロー&いいねでもらえる
・コメントしたら当たる
・ハッシュタグ投稿でゲット

これらは、以下のような形にすることが望ましいと言えます。

・〇〇名に抽選でプレゼント 抽選対象はアカウントをフォローし、この投稿にいいねをすることで応募意志表示をしていただいた方
・テーマに沿ったコメントをされた方から〇〇名を選考してプレゼント
・指定ハッシュタグを付けて写真投稿された方から、優秀賞に選ばれた方に〇〇を提供

Instagramポリシーとキャンペーン まとめ

結論として、Instagramポリシー、ガイドラインでは、「プロモーション」として合法的に行われるキャンペーンの実施は認められています。
また、2020年6月にInstagramコミュニティガイドラインの追記変更が行われてからも非常に多くのInstagramキャンペーンが行われている中で、当社の知る限り、アカウントの停止やコンテンツの削除が行われた、キャンペーンによって極端にリーチが下がったという公開情報が無いことからも、2022年5月現在、キャンペーンの実施が禁止されている状態ではないと考えられます

一方でInstagramキャンペーンは、禁じられているスパム行為的な形式・表現を避け、現金・現金同等物を景品としないこと、またInstagram上でのアクションはあくまで応募者を判別し当選者を選抜するための応募条件であることを明確にし、企業やブランドの商品・サービスを訴求する目的で実施することが、企業にとって不要なリスクを生まず、プロモーションに参加するユーザーにとってもInstagramの安心な利用に繋がると言えるでしょう。

※本記事の情報は、2022年5月13日現在の各種ガイドラインや法律に基づいて作成しておりますが、内容の正確性を完全に保証するものではありません。

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