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2020.04.24
新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の世界的な流行に伴い「外出自粛」が行われるなか、消費者のSNS利用動向にはどのような変化が起きているのでしょうか?
今回は、「コロナショック」の今、消費者のSNS利用時間や利用プラットフォーム、利用目的にどのような変化があるか、また消費者はSNS上の企業活動についてどのように見ているのかを知るべく、約4,100名のSNSユーザーに「新型コロナウイルス感染症拡大に伴うSNS利用実態調査」を実施しました。
■調査概要
調査名称 : 新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う外出自粛に関するアンケートご協力のお願い
調査主体 : アライドアーキテクツ株式会社
調査時期 : 2020年4月8日~4月12日
調査方法 : モニプラ(アライドアーキテクツ株式会社)でアンケート調査を実施
調査対象数:4,157名(アンケート回答完了人数)
※設問ごとの有効回答数を「n=」で記載しています。
※本調査の内容を転載・ご利用いただく場合は「アライドアーキテクツ株式会社調べ」とクレジットを記載してください。
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全体の63.7%のユーザーが、コロナウイルスの拡大以降も、SNSの利用時間は「普段と変わらない(どちらでもない)」と回答しました。「すごく増えた」または「増えた」と回答した人は34.5%にのぼり、「減った」「すごく減った」と回答したユーザーは1.8%に留まりました。
コロナウイルスの流行により、消費者のライフスタイル全般に大きな影響が出ていますが、それに伴いSNSの利用が「増えた人」と「今までと変わらない人」のいずれかに分かれるようです。
利用する頻度が増えたSNSについて、全体の67%が「Twitter」、60%が「LINE」と回答、この2つのプラットフォームの利用頻度が増えている人が圧倒的に多いことが分かりました。FacebookとInstagramはそれぞれ29%、39%でした。
利用する頻度がもっとも増えたSNSについて、46%が「Twitter」、29%が「LINE」と回答しました。今回のコロナウイルス拡大によりもっとも利用する頻度が増えたSNSは「Twitter」であることが分かりました。
「もっとも利用する頻度が増えたSNS」を現在利用する目的についてSNS種類別に集計したところ、全てのプラットフォームを通して「コロナウイルスに関する情報収集」を目的として利用していると答えたユーザーが6割以上にのぼりました。
中でも、「Twitter」の利用頻度が最も増えたユーザーは、より「コロナウイルスに関する情報収集」を、「LINE」や「Facebook」の利用頻度が最も増えたユーザーは、より「友人・知人などとのコミュニケーション」を、「Instagram」の利用頻度が最も増えたユーザーは、より「趣味や好きな情報に関する情報収集やコミュニケーション」を目的とする傾向にあることが分かりました。
82%がコロナウイルスに関連する情報を目にすることが増えたと回答しました。また、コロナウイルスに関連する情報や友人の投稿だけでなく、企業公式アカウントの投稿も「増えた」と捉えているユーザーが全体の27%にのぼりました。
「SNS上での企業公式アカウントによる発信そのもの」の回数が増えているというよりも、ユーザーのSNS利用時間や頻度が高まる中で、自然と企業公式アカウントの投稿を目にする機会が増えていると考えられます。
コロナウイルス拡大以降、「SNS上での企業活動」に関して、57%はコロナウイルス拡大以前と「対企業への行動に特に変化はない」と回答しました。「新たにいいねしてフォローした」「キャンペーンに参加した」などのポジティブな行動をとった人は全体の約2割程度存在、一方で「非表示にした」などのネガティブな行動を取った人は全体の3%に留まりました。
企業側は対消費者に対して宣伝活動や発信を一部控える動きもある一方で、消費者側の対企業への行動は以前と変わらず、また5人に1人は企業を応援する動きをしていることが分かりました。
SNS上での企業のプロモーション活動についての意識を質問したところ、約94%が肯定的であることが分かりました。
感染拡大につながる行動に関すること以外であれば、40%が「企業がプロモーション活動をしていてもいいと思う(不快感はない)」、33%が「経済を回すためにも、企業のプロモーション活動をどんどんすべきだと思う(好意的に思う)」、21%が「企業はこれまでとプロモーション活動の方針を変更する必要はないと思う」と回答しました。「企業はトピックや商材に限らず、プロモーション活動を自粛すべきだと思う(不快感がある)」は6%に留まりました。
生活に大きな影響が出ている消費者が多い中、プロモーションの企画内容や伝えるメッセージについては十分に配慮をする必要がありますが、プロモーションの実施そのものを自粛する必要はないと考えられます。
コロナウイルス拡大以降、特定の企業に対する見方がプラスもしくはマイナスに変わった経験があるか尋ねたところ、全体の44%が「プラスもしくはマイナス(あるいは両方)」の経験があると回答しました。
また、コロナウイルス拡大以降にSNSの利用時間が増えているユーザーの方が明らかに多く「特定の企業への見方が変わった」経験をしていることが分かりました。
このことから、消費者は今回のコロナショック下における企業の行動をよく見ており、その情報源としてSNSの影響はとても大きいと考えられます。
企業への見方がプラスに変わった理由としては、60%が「企業のサービス提供方針に共感した」、54%が「企業の社会への貢献姿勢に共感した」、44%が「企業からのメッセージに共感した」と回答しました。また、「その他」と回答したユーザーの中には、いち早くテレワークを導入するなど「従業員を大事する姿」から企業への見方がプラスに変わったとの意見が多数見られました。
一方で、企業への見方が「マイナスに変わった理由」としては、「プラスに変わった理由」の真逆のエピソードが多数挙げられました。顧客や従業員のことを考えておらず、企業の都合を第一優先していると取られる姿勢は、消費者に確実にマイナスの印象をもたらしていることが分かりました。
コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした外出自粛に伴い、ユーザーはより多くの時間をSNSに費やすようになっています。特にTwitterとLINEの利用時間が伸びていることが特徴的で、それぞれ「Twitter=情報収集」「LINE=コミュニケーション」のインフラとして利用されていることが改めて浮き彫りとなりました。
また、SNS滞在時間の増加により、ユーザーがSNSで企業の投稿を目にする機会も増えていますが、多くの人は「企業がSNS上でプロモーションすることそのもの」には肯定的であることも伺えました。よって、企業は活動することそのものを自粛したり、怖がる必要はないと言えます。
ただし、全体の約4割のユーザーが今回を機に企業への見方がプラスもしくはマイナスに変わった経験があると回答しています。その企業が「社会」「顧客」「従業員」に対してどのような姿勢でいるのか、ユーザーは企業の行動をとてもよく見ており、その情報源としてSNSの影響はとても大きいと考えられます。
このように、SNSの「社会的インフラ」としての重要性はますます高まっています。企業は「生活者と企業が直接つながることができる場」として、SNSをより有効に活用していくべきです。
これは、大掛かりな社会貢献活動に限った話ではありません。普段からの投稿で有益な情報提供を行ったり、キャンペーン等の楽しい企画で会話を生み出したり…、「画面の先の顧客のことを考えた企業行動」は、しっかりと生活者に届いています。
例えば、チロルチョコ株式会社は、「外出自粛中のお家にほんの少しの楽しみを」とし、チロルチョコ320個を抽選で100名にプレゼントするTwitterキャンペーンを実施。この行動に、Twitterユーザーから多くの賛同の声が寄せられました。
キャンペーンツイート:
https://twitter.com/TIROL_jp/status/1250259618460135425
こうした一つ一つの積み重ねから、企業と生活者の間に「信頼」や「愛着」が生まれていき、いざという時に助け合える関係性につながっていくのではないでしょうか。
そして、企業はこんな今だからこそ、自粛するだけではなく「自分たちができることは何か」を考えること、そして改めて自社の日頃からの「顧客との関係性」を問い直し、信頼を結んでいくための一つの場としてSNSを活用していくことが重要だと考えられます。
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