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【カテゴリーエントリーポイント(CEPs)活用事例】分析結果をクリエイティブに落とし込めない——CEPs活用で事業の勝ち筋を掴んだ三井住友カード

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CEPs分析で「訴求すべき軸」は見えた。でも、そこからクリエイティブへどう落とし込めばいいか分からない——VOC分析やカテゴリーエントリーポイント(以下CEPs)分析を導入した企業が、次にぶつかる壁です。分析レポートは手元にある。しかし「このCEPsに対してクリエイティブを作りました」で終わってしまい、事業の成果にまでつながらない。そんな感覚を持つマーケターの方は少なくないのではないでしょうか。

この壁を越え、CEPs分析を事業の成果にまで落とし込んだのが、三井住友カード株式会社の旅行予約サービス「Vトリップ」です。同社はKaname.ax®のCEPsリスニング®を通じて、「価格」ではなく「楽しさ・思い出づくり」が顧客の第一想起であることを発見しました。その経緯は前回のインタビューでお伝えしましたが、本当の勝負は、分析結果が出てから——それをどうクリエイティブへ落とし込むかにありました。

あれから約半年。分析で見えた訴求軸はクリエイティブチーム「3℃1(サンドイッチ)」によって実際の広告へと落とし込まれ、認知・獲得の両面で成果が出始めています。さらに「CEPsが信じられる軸になる=お守り」という確信のもと、Vトリップを起点に、「Vふるさと納税」「Olive Healthcare」といった新規事業へも取り組みの射程が広がっています。

今回は、その実行フェーズで何が起きたのか——データとクリエイティブ設計の考え方、実際に出た成果、そして見えてきた次の課題について、改めて三井住友カード株式会社マーケティングユニットビジネス企画チャプター プロダクトオーナーの福田氏にお話を伺いました。

分析結果を「刺さるクリエイティブ」に落とし込む——三井住友カードが実践したカテゴリーエントリーポイント(CEPs)起点の訴求設計

課題

  • CEPs分析で訴求軸が定まり、分析結果をクリエイティブ・配信へ落とし込む必要があった
  • 分析をクリエイティブとして「料理できる」パートナーが求められていた
  • 複数サービスに横断できる、信じられる「お守り」の軸を広げることが課題だった

内容

  • 3℃1によるショート動画・LP・バナー制作から広告配信まで一気通貫で実施
  • CEPs・カテゴリー便益・ブランド便益をCoEPs(コミュニケーションエントリーポイント)まで落とし込み、「冒頭2秒の引き」を軸にクリエイティブを設計
  • テストマーケティングで3パターンの動画を検証し、「安心保障訴求」で成果が出ることを実証
  • ふるさと納税・オンライン診療でCEPs×CExPs(カテゴリーイグジットポイント)分析を実施

成果

  • 獲得広告:CPA従来比1/4に改善
  • 認知広告:視聴完了率30〜40%台を記録し、Vトリップの積極利用意向が139%向上
  • クリック単価20円以下を維持しながら、安定的な集客を継続
  • CEPsが社内・連携代理店の共通言語として機能し、施策の再現性が向上

CEPs分析結果をクリエイティブに落とし込めないという課題——「料理」できるパートナーを探して

ー前回のCEPs分析から、実際のクリエイティブ制作・配信へと進む中で、どんな課題がありましたか?

福田氏:
CEPsリスニング®の結果が出て、「どこで戦うか」の方向性は定まりました。ただ、分析結果をクリエイティブに落とし込む段階になって、改めて感じたことがあります。最近はCEPs分析を提供できる会社が増えてきていますが、出てきたCEPsから具体的な戦術実行に移せないパートナーが多いんです。

データの読み方は分かる。でも、そこからどんなクリエイティブをつくるかとなると、結局「このCEPsに対してクリエイティブを作りました」で終わってしまう。本本来であれば、自社の強みと、出てきたCEPsを掛け合わせて整理することで、はじめて説得力のあるコミュニケーションが成立するはずです。その整理をせずにクリエイティブを作ったところで、本当に成果が出るとは思えない——そんな感覚がずっとありました。

アライドアーキテクツに依頼したのは、Kaname.ax®による分析から3℃1によるクリエイティブ制作・広告配信まで、一気通貫で対応できる点が決め手でした。分析結果を「料理できる」チームが同じ目線で動いてくれる。自分たちに必要なのは、そういうパートナーだと思っていました。

福田氏

三井住友カード株式会社 マーケティングユニット ビジネス企画チャプター
プロダクトオーナーの福田氏
「Vトリップ」「Olive Healthcare」「Vふるさと納税」等の新規事業のマーケティングを担当

インサイトをクリエイティブに反映する方法——データが確信になり、分析結果を冒頭2秒にまで落とし込む

ーCEPs分析の結果をクリエイティブに落とし込む過程で、どのような発見がありましたか?

福田氏:
まず分析結果を見て驚いたのは、カテゴリー便益とブランド便益のギャップが思った以上に明確に出たことです。ユーザーが旅行カテゴリーに入るきっかけと、Vトリップとして訴求すべきブランド固有の価値が整理されて、「ここで戦えばいい」という確信が持てました。感覚では「たぶんそうだろう」だったものが、データとして可視化されることで腹落ちが全然違う。

特に「キャンセル安心オプション」の重要性がデータから浮かび上がったのは大きな発見でした。この勝ち筋をデータとして持てたことで、クリエイティブの方向性を迷わず決められました。
ただ、データが出た後が重要でした。アライドアーキテクツが他と違うのは、分析結果をCoEPs(コミュニケーションエントリーポイント)——「どう見せれば思わず見てしまうか」——まで落とし込んでくれる点です。

最初に提案されたクリエイティブには正直「これでいいんですか?」と違和感を覚えました。でも背中を押されて進めてみたら、驚くほど結果が出た。データの裏付けを持って「これでいいんです」と言い切れるパートナーがチームにいることが、自分たちにとっては大きな価値だと感じています。

図

カテゴリー便益「そのカテゴリーを買う目的」と
ブランド便益「そのブランドを買う理由」を示した図

第一想起獲得の成果:獲得単価約1/4、積極利用意向139%——見えてきた次の課題

ーデータ×クリエイティブを活かした施策を実施して、どのような成果が出ましたか?

福田氏:
まず獲得広告では、テストマーケティングとして3パターンの動画を制作し、実際に広告として配信しながら検証しました。その中で「キャンセル安心オプション」を訴求したクリエイティブで圧倒的に成果が出ました。この勝ち筋を見つけられたことで、従来のクリエイティブと比べてCPAが約1/4にまで改善しています。

認知広告では、「一旅入魂」というコンセプトのショート動画を展開しました。視聴完了率は約30~40%台を記録し、クリック単価も低単価で安定的に推移しています。さらに広告を見たユーザーのVトリップの積極利用意向が139%向上するなど、認知から検討への橋渡しとしても機能しました。

一方で、施策を進める中で新たな課題も見えてきました。広告でしっかり興味を持ってもらっても、その後のサイト・プロダクトとの「接合面」にミスマッチがあると、そこで離脱が起きてしまう。CEPs分析はプロモーションの改善だけでなく、プロダクト自体の課題を発見するツールでもあると実感しています。マーケとプロダクトが一緒に分析結果を見て、改善を進めていくことが重要だと感じています。

Kaname.ax®活用事例を他サービスへ——CEPs×CExPsで広がる活用の射程

ー他サービスへ展開しようとした背景と、そこで見えた新しい発見を教えてください。

福田氏:
Vトリップでの成果が確信になり、「どのサービスにもKaname分析を入れるべきだ」という判断に至りました。複数サービスを担当する中で、社内への説明にも代理店とのコミュニケーションにも使える「信じられる軸=お守り」が必要だと感じていたので、Vトリップで手応えを感じたことで、その軸を他のサービスにも広げていこうという流れは自然でした。

ふるさと納税ポータル「Vふるさと納税」では、CEPsに加えてCExPs(カテゴリーイグジットポイント)——なぜそのカテゴリーから離脱するか——も分析しました。昨年10月のポイント制度変更後、市場環境が大きく変わる中で、「やめた理由」を逆手に取った訴求へと転換しています。また分析結果はクリエイティブだけでなく、返礼品の開発やオウンドメディアの戦略にも活用しており、プロモーションの枠を超えた使い方が広がっています。

オンライン診療・無料相談ができるサービス「Olive Healthcare」では、「オンライン診療を受けたことがない人の参入障壁」に着目しました。日本人の9割以上がオンライン診療未経験という市場の中で、CEPs×CExPs分析を通じて「なぜやらないのか」を言語化し、その障壁を崩すコミュニケーション設計に活用しています。マーケとプロダクトが一体で動いているこの領域では、分析結果がプロダクト改善にも直接つながっており、うまく機能している手応えがあります。

サービスによって分析の切り口は変わります。対象カテゴリーをそのまま分析するのではなく、もう少し広い概念で捉え直すことで、より本質的なインサイトが得られる。その設計をアライドアーキテクツと一緒に考えられることが、複数サービスを横断して取り組む上で大きな強みになっています。

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オンライン診療「Olive Healthcare」で実施した
Kaname.ax®による「CExPs(カテゴリーイグジットポイント)分析」レポート

CEPsを事業の羅針盤に——広告訴求だけに留めない活用法

ー今後のマーケティング展開と、アライドアーキテクツへの期待を教えてください。

福田氏:
CEPs分析の結果を広告クリエイティブだけに使うのは、正直もったいないと思っています。社内プレゼンの根拠にも、パートナー企業へのブリーフにも、プロダクト開発の議論にも使える。「なぜこの施策をやるのか」を説明するときに、データとして示せることで社内の意思決定が格段にスムーズになりました。

今後期待しているのは、広告の枠を超えたところへのCEPs分析の活用です。当初はマーケティング施策軸でのソリューションと捉えていましたが、プロダクトの再構築・再開発だけでなくブランドコンセプトの再定義等、CEPsをベースにした事業戦略の見直しにも利用すべきと考えています。そして、アライドアーキテクツ社は、事業成長の支援まで一緒に考えていただけるパートナーとしてあってほしいなと思います。CEPs分析で見えたインサイトを、事業全体に波及させていくことが次のテーマです。

そのための第一歩として、部全体でのCEPs勉強会も計画しています。「なぜこれが信じられるのか」をチーム全員が理解した上で動けるようになれば、施策の質も再現性も上がっていく。アライドアーキテクツにも、こういった場にぜひ一緒に入ってもらえたら嬉しいです。

今回の取り組みを通じて感じるのは、データとして腹落ちできる軸を持つことで、施策の判断も社内への説明も格段にやりやすくなるということです。それはVトリップでの経験が証明してくれました。まずは「信じられる軸=お守りをつくること」から始める——そのプロセスをアライドアーキテクツと一緒に進められたことが、今の取り組みの土台になっています。

福田氏

今後の「施策の枠を超えたデータ活用」への期待を語る福田氏

分析から見えた訴求軸を、実際にどうクリエイティブへ「料理」したのか
——3℃1によるクリエイティブ制作の舞台裏は、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

FAQ(よくある質問)

Q1. カテゴリーエントリーポイント(CEPs)とは?

生活者がそのカテゴリーの商品・サービスを思い出す・選ぶきっかけとなる状況や文脈のことです。価格や機能だけでなく、「非日常を楽しみたいとき」のような感情的な文脈も含まれます。

Q2. CoEPs(コミュニケーションエントリーポイント)とは?

発見したCEPsを「どう見せれば思わず見てしまうか」というクリエイティブ上の訴求ポイントまで具体化したものです。CEPsとクリエイティブをつなぐ橋渡しの概念です。

Q3. 顧客の声(VOC)をクリエイティブに落とし込むには?

VOC分析で見つけたCEPsを、カテゴリー便益・ブランド便益に整理した上でCoEPsまで翻訳し、テストマーケティングで訴求パターンを検証しながら実装するのが有効です。

Q4. CEPs分析はプロモーション以外にも活用できますか?

はい。Vトリップの事例では、UI/UX改善の優先順位付け、返礼品開発、オウンドメディア戦略、事業戦略の見直しなど、プロダクト・事業全体への活用が広がっています。

Q5. メンタルアベイラビリティとは?

生活者の頭の中で自社ブランドが最初に思い浮かぶ状態のことです。CEPsを数多く獲得しているブランドほど、購買検討の初期段階で選ばれやすくなります。
Kaname.axサービス資料表紙

顧客の声を「要」に、マーケティングAXを起動する

Kaname.ax®は、顧客の声(UGC・VOC*)をAIで解析。マーケティングコミュニケーション設計~実行支援までを一気通貫で支援するプラットフォームです。
顧客の声データとマーケティングコミュニケーション領域の知見をAIで統合・高速分析し、コミュニケーションの起点となるインサイトを発見。施策の実行・検証まで一気通貫で支援します。

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