
三井住友カード株式会社が展開するクレジットカード会員・V会員向けの旅行予約サービス「Vトリップ」は、競合がひしめく旅行市場の中で、価格やポイント還元以外の差別化軸を模索していました。
CEPs(カテゴリーエントリーポイント)分析を通じて「楽しさ・思い出づくり」という顧客インサイトを発見し、訴求軸を定めた経緯はこちらの記事でお伝えしています。次の課題は、その分析結果をいかにクリエイティブへ落とし込み、実際の成果につなげるか、でした。
そこで同社が選んだのが、データ分析からクリエイティブ制作・広告配信までを一気通貫で担うアライドアーキテクツのクリエイティブチーム「3℃1(サンドイッチ)」との連携です。Kaname.ax®によるCEPs分析で見えた訴求軸をクリエイティブへ落とし込み、獲得広告ではCPA従来比1/4の改善、認知広告では視聴完了率30〜40%台を記録するなど、認知・獲得の両面で成果が出ています。
今回は、三井住友カード株式会社マーケティングユニットビジネス企画チャプター プロダクトオーナーの福田氏に、3℃1とのクリエイティブ制作の舞台裏と、そこから生まれた成果についてお話を伺いました。
サマリー
背景
- CEPs分析で訴求軸が定まったが、分析結果をクリエイティブへ落とし込めるパートナーを探していた
- 認知・獲得それぞれの広告で、データに基づいた一貫したクリエイティブ設計が必要だった
内容
- 3℃1によるショート動画・LP・バナー制作から広告配信まで一気通貫で実施
- CEPs・カテゴリー便益・ブランド便益をCoEPs(コミュニケーションエントリーポイント)まで落とし込み、「冒頭2秒の引き」を軸にクリエイティブを設計
- テストマーケティングで3パターンの動画を検証し、「安心保障訴求」で成果が出ることを実証
- 認知広告「一旅入魂」では、思わず見てしまうストーリー設計を徹底
成果
- 獲得広告:CPA従来比1/4に改善
- 認知広告:視聴完了率30〜40%台を記録し、Vトリップの検討意向が約7%向上
- クリック単価20円以下を維持しながら、安定的な集客を継続
分析結果を、クリエイティブに「料理」できるパートナーを探して
ーCEPs分析から、実際のクリエイティブ制作に進む中で、どんな課題がありましたか?
福田氏:
CEPsリスニング®の結果が出て、「どこで戦うか」の方向性は定まりました。ただ、分析結果をクリエイティブに落とし込む段階になって、改めて感じたことがあります。最近はCEPs分析を提供できる会社が増えてきていますが、出てきたCEPsから具体的な戦術実行に移せないパートナーが多いんです。
データの読み方は分かる。でも、そこからどんなクリエイティブをつくるかとなると、結局「このCEPsに対してクリエイティブを作りました」で終わってしまう。本来は自社の強みがあり、出てきたCEPsに対してアプローチができるのであればコミュニケーションとして成立するはずですが、その整理をせずに作ったところで、本当に成果が出るとは思えない、という感覚がずっとありました。
アライドアーキテクツの3℃1に依頼したのは、Kaname.ax®による分析からクリエイティブ制作・広告配信まで、一気通貫で対応できる点が決め手でした。分析結果を「料理できる」チームが同じ目線で動いてくれる。自分たちに必要なのは、そういうパートナーだと思っていました。

三井住友カード株式会社マーケティングユニットビジネス企画チャプター
プロダクトオーナーの福田氏
「Vトリップ」「Olive Healthcare」「Vふるさと納税」等の新規事業のマーケティングを担当
最初の2秒で、見る理由をつくる
ーアライドアーキテクツの3℃1によるクリエイティブアプローチで、どのような点に価値を感じましたか?
福田氏:
3℃1が他と違うのは、CEPs・カテゴリー便益・ブランド便益を整理した後、さらにCoEPs(コミュニケーションエントリーポイント)——「どう見せれば思わず見てしまうか」——まで落とし込んでくれる点です。
カテゴリー便益やブランド便益をいきなりクリエイティブで押し出すのではなく、まず「ついつい見てしまう入口」をつくることを徹底している。その冒頭2秒の設計に、異常なほどこだわるんです。
最初に提案されたクリエイティブには、正直「これでいいんですか?」と違和感を覚えました。日本語の言い回しなど、最初は腑に落ちなかったんです。でも「これでいいんです」と押し切られて進めてみたら、驚くほど結果が出た。
今では、チームのクリエイティブをチェックする際の指標も変わりました。「冒頭2秒で続きを見たいと思えるか」——それが成果につながる動画かどうかを見極める、一番シンプルな判断基準になっています。
世の中でバズっている動画には、必ずその引っかかりがある。データの裏付けを持って「これでいいんです」と言い切れるチームがパートナーにいることが、自分たちにとっては大きな価値だと感じています。
データが仮説を立て、クリエイティブが成果を証明した
ーデータを起点にしたクリエイティブ設計を実際に進めてみて、どのような成果が出ましたか?
福田氏:
獲得広告では、テストマーケティングとして3パターンの動画を制作・検証した結果、「キャンセル安心オプション」を訴求したクリエイティブが圧倒的な成果を出し、従来と比べてCPAが約1/4にまで改善しました。これはCEPs分析で「旅行への不安を抱えているユーザーが一定数いる」ということが見えていたからこそ設計できた訴求です。感覚ではなく、データが「ここに可能性がある」と示していたからこそ、自信を持って試せました。
認知広告では、CEPs分析で見えた「非日常の楽しさ・思い出づくり」というインサイトを起点に、「一旅入魂」というコンセプトのショート動画を展開しました。旅への想いをストーリーとして丁寧に設計し、冒頭の引きから最後まで「思わず見てしまう」構成を徹底した結果、視聴完了率は30〜40%台を記録。クリック単価も20円以下で安定的に推移し、広告を見たユーザーのVトリップ検討意向が約7%向上するなど、認知から想起への橋渡しとしても機能しました。
獲得も認知も、根底にあるのは同じです。CEPs分析で見えたインサイトを起点に、「誰の、どんな瞬間に刺さるか」を設計してクリエイティブに落とし込む。そのプロセスがこの成果につながったと思っています。
データとクリエイティブが一体になると、施策は変わる
ー今回の3℃1との取り組みを経て、どのような気づきがありましたか?
福田氏:
今回の取り組みで一番実感したのは、データとクリエイティブが一体であることの強さです。分析で見えたインサイトが冒頭2秒のクリエイティブにまで反映されて初めて、生活者に届く。その一連のプロセスをひとつのチームが担うことで、施策の精度が格段に上がりました。
また、成果が出るほどに次の課題も見えてきます。広告でしっかり興味を持ってもらっても、その後のサイトやプロダクトとの接合面にミスマッチがあると、そこで離脱が起きてしまう。CEPs分析はプロモーションだけでなく、プロダクト改善や事業戦略の論点を発見するツールにもなりえると感じています。
今後は、クリエイティブの枠を超えたところまでアライドアーキテクツに一緒に考えてほしいと思っています。データを起点に「どこで戦うか」を定め、クリエイティブで「どう伝えるか」を設計し、その結果をまた次の分析に活かす——そのサイクルを一緒に回し続けられるパートナーとして、これからも期待しています。

「データ×クリエイティブの活用」について語る福田氏
クリエイティブチーム「3℃1(サンドイッチ)」について
アライドアーキテクツでは、この課題を解決するために、生活者の声を起点としたクリエイティブ設計支援を展開する専門チーム「3℃1(サンドイッチ)」を発足しました。
「3℃1」は、企業と生活者の間にデータ・インサイト・クリエイティブという3つの温度を"サンドイッチ"することで、「おいしい関係」を創るチームです。データプラットフォーム「Kaname.ax®」から得られたインサイトを、生活者が"目に留め、共感し、行動へ移す"クリエイティブへと橋渡しします。
マーケティングコミュニケーション設計、生活者の声の分析、クリエイティブ設計、実行支援まで一気通貫で支援。データに基づくロジックと、感性に響く表現を往復させながら、見られるだけでなく、選ばれ、購買につながるクリエイティブを創出します。
ぜひ、クリエイティブチーム「3℃1」へお気軽にお問い合わせください。