有限会社ズーティー
2018.6.30有限会社ズーティー
有限会社ズーティー 制作企画運営 清水 夏奈氏
モニプラ ファンブログ(以下モニログ)のファンサイト・オブ・ザ・イヤー2017(以下FOY2017)部門賞のひとつである「ルーキー賞」を受賞したのは、有限会社ズーティーが手がけるレディースカジュアルのファッション通販「イーザッカマニアストアーズ」のファンサイトです。運用から約半年という短い期間のなかでたくさんのファンを獲得し、ユーザーとの深いコミュニケーションを築いたことが評価されての受賞となりました。SNSマーケティングが主流である昨今、なぜブログを主に活用するモニログを導入したのか、また、ユーザーとの理想的な距離感を築くために取り組んでいることや、今後の展開などをうかがいました。
目次
-御社は2017年10月からモニログを導入されています。SNSを利用したマーケティングが主流となっているなか、なぜブログメインのマーケティングツールを運用しようとしたのでしょうか。
確かに昨今はSNSが主流で、自社でも各種SNSを利用したさまざまなマーケティングを行っています。モニログを導入したのは、SNS以外の集客チャネルが欲しかったからです。また、自社の商品は実店舗とECショッピングサイトの両方で販売しているのですが、弊社の購入者層である20代~40代前半とモニログのユーザー層が合っていたことも理由のひとつです。
-実際に運用を始めてみて、モニログの印象はいかがでしたか。
ユーザーが書くレビューのレベルの高さに驚きました。正直、運用を開始した時は無料のプレゼントに対して、きちんとレビューを書いていただけるのか不安を感じていたんです。しかし、無料プレゼントだからこそフラットな視点で書いていただけることに気付きました。投稿されたものはすべて内容が濃く、こちらの想像以上に質のよいものでした。写真などもプロが撮影したような凝ったものをあげてくださるなど、いい意味でこちらの想像を裏切る結果になりましたね。
-御社はイベント時にアンケートも行っていますが、どんな内容のものでしょうか。また、こちらはどのように活用されているのでしょうか。
アンケートは「欲しいカラーは何か」「どれくらいの頻度で使用するか」など、商品への要望や改善点について回答をお願いしています。いただいたアンケート回答は、社内の商品製作部と共有して、今後の商品開発の参考にさせていただいています。モニログのアンケートは年齡ごとに回答を抽出できるので、より詳しく分析できるのがいいですね。
-実際にアンケートをもとにして作られた商品などはありますか。
商品自体はまだありませんが、以前、自社ブランドでアームカバーを製作した時に、カラーの展開や発注数を決める段階でモニログのアンケート結果を参考にしたことがあります。私たちは、業界内情報による毎年のトレンドカラーや人気色などを参考にして製作・発注数を決めることが多いのですが、ユーザーが求めているのは流行色や可愛い色以上に、コーディネートした服に合わせやすい色や使いまわしがしやすい色を重視していることが分かりました。アンケートによるリアルな声は、企画側ではどうしても想像しきれない部分を埋めてくれるので、とても重宝しています。
有限会社ズーティーの運営するECサイト「イーザッカマニアストアーズ」
-まだ運用から半年ほどですが、すでに15回ほどイベントを開催されています。この頻度でのイベント運営はかなり大変なのではないでしょうか。
イベントはおかげさまで毎回好評をいただいております。運営は大変な部分もありますが、これからもできる限りたくさん開催をしていきたいと思っています。
-モニログ以外では何かイベントを開催されているのでしょうか。
過去にはSNSとからめた企画を行ったことがありましたが、これからは、モニログとSNSの両方で投稿してもらえるような企画も考えていきたいと思います。
-どのようなタイミングでイベントを開催されているのでしょうか。
主に新商品の発売にあわせたタイミングでイベントを開催していますが、推したい商品がある場合にも開催しています。モニログは販売戦略に合わせたタイミングでフレキシブルに企画を実施できるので、すごく使いやすいです。
-ありがとうございます。ちなみに、イベントモニターにはどのくらいの応募がくるのでしょうか。また、モニターを選ぶ際に重要視していることを教えてください。
現在は10人の募集に対して、600人ほどの応募をいただいております。一番気にしているのは、商品をそのまま記事にするのではなく、自分の生活に落とし込んで発信をしていただけるかどうかです。また、「今日はこのコーディネートにしました」と日々のコーディネートを写真で投稿してくださる人もありがたいですね。
写真:有限会社ズーティーのファンサイト
-FOY2017では部門賞のひとつである「ルーキー賞」を受賞されました。運用して間もないにも関わらず、ファンと深いコミュニケーションを築いていることがユーザー投票で評価されたわけですが、距離感を縮めるために気を付けていたことなどはありますか。
商品を発送する時に、商品のオススメポイントなどを手書きで同梱していました。モニターの方がレビューを書きやすいようにと始めたことですが、手書きのほうが私たちの思いも伝わりやすいと思って、現在でも直筆のものをお送りしています。
-そうした細かい努力の積み重ねによって、御社のファンサイトにはファッションが好きな人たちが集まって、いろいろな意見を交換して盛り上がっているのですね。
ファンサイトも「運営側対ユーザー」という付き合い方ではなく、運営側もユーザーも人と人との密度の濃い付き合いができるように心がけています。直筆の手紙もその一環で行っていましたが、結果、モニターのみなさんも私たちの期待に応えようとして、レビューを一生懸命書いてくださいますし、とてもいいコミュニケーションが取れているのではないかと思います。
-コミュニティとして理想的ですね。現在は、約3,000人がファンとして登録されていますが、今後もファンを増やす努力は継続されますか。
商品を知っていただくためにも、新しいファンを増やしていくことは大切ですが、一方で、既存のファンのみなさまも大切な存在です。ですから、新しくファンになってくださった方には、商品と一緒に私たちの商品への想いを伝えることで、そこから少しずつ商品の良さを知っていただいて、好きになっていただけたらと思います。最終的に「イーザッカマニアのファン」になっていただけることが目標ですね。
-御社とファンの間には、バランスの良い距離感と信頼感ができあがっているように思えます。
まだ運用から半年という短い期間もあって、まだまだモニログを使い切れていない部分がたくさんあると実感しています。これからもこの関係性を活かせるような企画にモニログを活用して、どんどん展開していきたいですね。
ーモニプラで醸成したファンサイトのコミュニティでの活動を、ぜひ他のチャンネルやメディアにも広げていっていただきたいです。最後に、今後考えている展開などを教えてください。
まずは、ファンの方から、レビューや紹介記事をたくさんいただいているので、これらをコンテンツとして生かしていきたいです。他にも、自社へ来ていただいて試着会を行うなどのリアルイベントや、自社アイテムを着用した撮影モデルとして、ブロガーさんに活躍していただくことも考えています。また、オリジナルブランドの共同開発も一緒に取り組んでみたいですね。モニログで生まれたコミュニティから、新しい企画がどんどん思い浮かんでくるので、期待でワクワクしています。