感覚をデータに、データを戦略に。顧客の声に向き合い続けるマンナンライフのCEPs分析活用術

30年続くロングセラーブランド「蒟蒻畑」を展開する株式会社マンナンライフ。圧倒的な認知度を誇る一方で、購入のきっかけとなる食用シーンの想起率が低下しており、“自分が買う商品” として意識してもらいにくい、というジレンマを抱えていました。また若年層をターゲットとしたメイン施策であるSNS運用では、「反応は良いけれど、果たして購買に繋がっているのか?」という課題も同時に抱えていました。そんな同社が、Kaname.axのCEPs分析(カテゴリーエントリーポイント分析)を通じて戦略的なSNS運用へと転換し、新たな商品企画や実購買への可能性を見出しています。
今回は、企画部の北村郁実氏と阿久津千紘氏に、SNS運用における課題、CEPs分析で得られた発見、そして今後の展望についてお話を伺いました。
お客様の声に向き合う企業文化が、マーケティングの原点
ーまず、おふたりの役割と、マンナンライフ様の企業文化・マーケティング活動における特徴について教えてください。
北村氏:
私たちは、企画部でWebまわりの施策やSNS運用を担当しています。
日々の業務で大切にしているのが、お客様相談室に届いた声を毎日全社員でチェックすることです。
問い合わせフォームからいただくご意見はもちろん、わざわざ手書きのお手紙をくださる方もいらっしゃって、「この商品すごく美味しいです」「体調が悪い時に助けられました」「この味は終売しないでください」といった好意的なメッセージも多くいただきます。そうしたお手紙は工場にも貼り出していて、従業員の励みになっています。
また、小中学校サンプリングや産院サンプリングも実施しています。産院サンプリングは長年続けていて、「つわりで食べられない時に「蒟蒻畑」を食べている」という方が多くいらっしゃいます。妊娠時に配布されるサンプリングバッグの中に「ララクラッシュ」を入れてもらうような活動をずっと続けています。

「毎朝のお客様の声の回覧メッセージを楽しみにしている」という企画部 北村氏
エンゲージメントと購買のギャップ。SNS運用で見えた課題
ーおふたりがご担当されているSNSの、開設されたきっかけを教えてください。
阿久津氏:
弊社は広告予算のほとんどをテレビCMに掛けていたのですが、若者のテレビ離れが進む中で、2019年3月にInstagramを開設しました。
北村氏:
根本的な課題は、商品の認知自体はあるけれど「自分が買うものだと思ってくれていないこと」でした。「蒟蒻畑」は30年のロングセラー商品で、40代〜60代がメインユーザーでした。そこから若年層の10〜30代にもシフトさせるべく、購入のきっかけを促進するためにSNSを開設しました。
ーSNS運用においては、どのような課題を感じていらっしゃいましたか?
北村氏:
Instagram開設当初は商品を中心にシズル感を出した投稿や、アレンジレシピ動画が多かったのですが、同じような投稿の繰り返しで、少しマンネリ化している感覚がありました。アレンジレシピ動画は、Instagramの特性上、良い反応を得られていたので定期的に投稿していたのですが、実際に調査をしてみると、そのまま食べる方が大多数で、アレンジして食べている方はほとんどいらっしゃらなかったんです。
また、エンゲージメントを重視するあまり、商品文脈から外れるような、バズ狙いをしたこともありました。でもやはり、「反応はいいけど、果たして購買に繋がっているのか?」というモヤモヤをずっと抱えていました。

若年層への商品販促のためInstagram立ち上げに携わった企画部 阿久津氏
「考え方」から支援してくれる戦略性が決め手に
ーそうした状況の中で、アライドアーキテクツを選んでいただいた理由を教えてください。
北村氏:
バズに頼った投稿や、同じような投稿の繰り返しなど、戦略的なSNS運用ができていなかった課題を解消するために、コンペ形式で企業選定を行わせていただきました。
コンペでは、「こんなバズる投稿作れます」「綺麗な映像撮れます」といったご提案をいただく代理店様が多いなか、アライドアーキテクツさんは、アウトプットだけではなく、「考え方」のところから一緒にサポートしていただけそうだなと思えたことが大きな決め手でした。投稿企画もバリエーション豊富にご提案いただき、課題解決の可能性を感じました。
さらに、弊社のアカウント分析も客観的にしっかり行っていただいたうえで、公式アカウントとしてやるべきことを分かりやすく定義してくださったんです。戦略設計や目標設定も、納得できるかたちで整理していただきました。
蒟蒻ゼリーの枠を超えて。CEPs分析が明かした新たな可能性
ーご支援を開始後、CEPs分析(カテゴリーエントリーポイント分析)を活用したキャンペーンを実施しましたが、どのような発見がありましたか?
北村氏:
これまで自社で実施していた調査でも、メインの食用シーンとしては「小腹満たし」や、「健康的に罪悪感なく食べられる」といった便益が上がってきていて、SNSでも同じような傾向は把握していました。
それが今回のCEPs分析で、自分たちが想像していたシーンがしっかりとデータとして、かつ、より具体的に出てきたのは大きかったです。
とくに印象的だったのは、競合の捉え方です。これまでのベンチマーク調査では、競合商品として蒟蒻ゼリーを主にベンチマークしていたんです。でも、CEPs分析では、グミやチョコレートといった「小腹満たし」のカテゴリーまで一緒に見てくださいました。
弊社としても、蒟蒻市場はニッチですでに飽和している市場だという実感があって、その外のカテゴリーに出ていかないといけないという課題意識はあったんです。同じ食用シーンで食べられている別の市場の商品とも比較できたのは、新しい切り口としていいなと思いました。
分析結果では、「ダイエット中の間食」や「食事制限中の栄養補給」といった領域に加えて、「イベントや行事前」、例えば受験、サウナ、登山といった食用シーンも出てきました。「推し活のイベント時に食べている」という声も、SNSでは把握していたのですが、それもはっきりとデータとして表れました。
それを受けて、社内でも「推し活専用蒟蒻畑」といったアイデアが出てきたりするなど、営業への展開可能性も感じましたし、商品開発部への提案にも活かしていきたいと思えました。

発見されたCEPs × 便益 × 機能の組み合わせ
想起されるシーンとユーザー主語の体験価値、ブランド主語の機能価値を組み合わせて
投稿内容の戦略立案を行う。
シズルからシーン/ストーリー訴求へ。想起のきっかけを増やすコンテンツ戦略
ーCEPs分析の結果をもとにして、どのようなコンテンツが制作されましたか?成果も含めて教えてください。
北村氏:
これまではシズル感を出す投稿が中心だったのですが、季節イベントと掛け合わせたシーン訴求のコンテンツを増やしていきました。
具体的には、受験シーズンのお弁当企画や露天風呂の日の投稿などです。露天風呂の日の投稿は、お風呂の前後×蒟蒻畑というシーンを初めて訴求しました。シーズナルなタイミングもしっかり絡めて、ダブルで引っかかりを作って投稿を組み立ててくださったのはすごく良かったと思います。

あとは、9月の新商品発売のタイミングで、抹茶味やアセロラ味などカラフルな色味を生かして、推し活の切り口でキャンペーンを提案してくださいました。これによって抹茶味の認知も広がったかなと思います。お客様相談室に「抹茶味どこで売ってますか?」といった問い合わせも入り、SNSやPRでしか発信していなかったので、どこかでコンテンツに触れてくださって店舗で探してもらえているんだなと、SNSをきっかけとした認知効果を実感しました。
成果としては、フォロワーも目標だった2万人を早期に達成できましたし、戦略に基づいて具体的に目標に向かって進んでいるという実感が持てるようになりました。

CEPs分析を軸に、全社マーケティングへ
ーCEPs分析について、どのような価値を感じていらっしゃいますか?
そもそも、ユーザーの方に想起していただけるような商品作りやプロモーションをしていかないと、アイスやグミなどの伸長している別カテゴリーに、どんどん取られていってしまうという危機感がありました。
実際に、商品認知と想起は別のものです。当社としては想起率が落ちてきていることもあり、購入するきっかけとして、いかにお客様に想起していただく回数を増やしていけるか、がマーケティング全体の課題でした。
そういう意味で、CEPs分析を通じて受験やサウナ、推し活といった新しい食用シーンを見つけて、実際にコンテンツとして発信できているのは、これらの課題解決に繋がっていると、大きな価値を感じています。
ー今後、どのような展開を考えていらっしゃいますか?
北村氏:
CEPs分析は、継続的に実施することで時系列での変化が見えてくると面白いなと思いますし、時期によってニーズが高まったり落ち着いたりすると思うので、そうしたところが見えてくると、商品開発にも繋がっていくと思います。
今後、CEPs分析の結果から見えたことは、企画部から商品開発部へも共有していきたいです。Instagramでシーン投稿を試して反応を検証し、「蒟蒻畑じゃないといけない理由」のような大きなニーズが見つかれば、もっと商品企画にも活かしていけると思います。継続的にCEPs分析を実施して、こうした流れを作っていきたいですね。
SNS運用で一番重要なのは、買うきっかけを作ることだと思っています。売上にも繋がってくるところなので、CEPs分析の結果を戦略的に投稿に落とし込んで、想起するタイミングをどれだけ増やしていけるか、そこにチャレンジしていきたいですね。

お客様の好意的な声を力に、新たなマーケティングに挑む企画部のおふたり
記事公開日:2026.03.06

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