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届けたい人に、届けるために。「顧客の声」が示した、万田発酵の次世代開拓への道標

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創業以来、独自の発酵技術を武器に健康食品・化粧品・農業資材など幅広い領域で事業を展開してきた万田発酵株式会社。主力の健康食品「万田酵素」はオフライン広告を中心に長年ブランドを育ててきた一方、顧客層は50〜60代が中心で、30〜40代の若年層への訴求が課題として残っていました。

その課題に正面から向き合うべく、同社は新商品「MANDA CARE PLUS」を軸に若年層開拓へと踏み出します。しかし、インフルエンサー施策を試みても成果は思うように上がらず、チームが出した答えは「施策を変える前に、顧客と市場を正しく知る」ことでした。

今回は、ダイレクトマーケティング部の齋藤氏・酒井氏に、Kaname.ax®によるCEPsリスニング®と、N1インタビューの実施に至った経緯、そこから得られたものについてお話を伺いました。

万田酵素を、次の世代へ。認知の先にあった、届かないという課題

ーまず、おふたりの担当領域とミッションについて教えてください。

齋藤氏:
私が担当しているのは、通販事業全般にわたるマーケティング戦略の設計です。商品・販売チャネルの検討から、新規獲得、そしてファン化・CRMまでを一気通貫で設計し、投資回収の観点から戦略が適切に機能しているかを判断しながら、通販事業全体を統合していくことがミッションです。

酒井氏:
私は齋藤が描いた戦略・ターゲティングをもとに、ECサイトやWeb広告、モールといったデジタルチャネルを通じて実際に売っていく部分を担っています。KPIとしては売上はもちろん、特にWeb広告においては定期会員数の増加を主なミッションとして持っています。

ー若年層開拓に取り組まれた経緯と、そこで感じた課題を教えてください。

齋藤氏:
これまで万田酵素はテレビ・新聞・折込といったオフライン広告を中心に成長してきました。そのため顧客層もどちらかというとアッパー層、年齢でいうと50〜60代が中心でした。一方で、次の世代——30〜40代の新規開拓はまだ十分にできていない。そこで新商品「MANDA CARE PLUS」をインナーケア市場に投入し、若年層の開拓に本格的に取り組み始めたのが2025年9月のことです。

若年層へのアプローチとしてSNS・インフルエンサーマーケティングにも取り組みました。ただ、実際にやってみてわかったのは、リーチ数は取れても購買に至らないということでした。コンテンツの視聴時間は短く、LPに来ても冒頭で離脱してしまう。「いいね」はついても、それはインフルエンサーのフォロワーが普段の投稿感覚で反応しているだけで、深いエンゲージメントには繋がっていませんでした

振り返ってみると、施策そのものが間違っていたというよりも、そもそも「誰に・何を・どう届けるか」という仮説が検証されていないまま動いていたことが問題でした。ターゲット自体がずれていたのか、訴求ポイントがお客様の実態と合っていなかったのか——そこを整理しないまま部分最適だけを回していた、というのが正直なところです。

MANDA CARE PLUS

30〜40代へのインナーケア訴求を目指す「MANDA CARE PLUS」。
50種類以上の植物原料を発酵させた植物発酵食品として、若年層開拓を担っている。

仮説から、ファクトへ。顧客の声を起点に据えた意思決定

ー「施策の改善よりも先に、まず顧客と市場を知る」という判断に至ったのはなぜでしょうか。

齋藤氏:
インフルエンサー施策が思うように機能しなかった時、私たちが考えたのは「次の施策に移る」ことではありませんでした。そもそも自分たちが描いていたターゲット像や訴求ポイントが、市場の実態と合っているのかどうか——そこを確かめないまま次の手を打っても、同じことの繰り返しになると思ったんです。

必要なのは、市場を知ることと、お客様を知ることの2つでした。市場全体の傾向や競合との相対的な立ち位置を把握するためにKaname.ax®のCEPsリスニング®を、そして実際に購入してくださったお客様の声・購買経路を深掘りするためにN1インタビューを実施することにしました。

酒井氏:
このことについて、社内での意思決定は、実はとてもスムーズでした。私たちもちょうど「このまま仮説ベースで動き続けていいのか」という話をしていたタイミングで、一度ファクトに基づいた分析を挟もうという考えは自然と共通認識になっていました。社内で理解してもらうことに苦労したという感覚は全くなくて、「当然やるべきこと」として話が進んでいきました。

また、今回のCEPsリスニング®はSNS上のリアルな投稿データを大量に収集・分析するものでしたが、これは自社ではとても対応できない領域でした。もともと自社でもN1インタビューや市場調査は定期的に実施していましたが、今回狙っていく30〜40代の未顧客層については、これまで十分にカバーできていなかった。そういう意味でも、外部の専門家の力を借りることは合理的な判断でした。

データになって見えた、顧客の声が検証した仮説の輪郭

ー今回実施したCEPsリスニング®の結果を受けて、どのような気づきがありましたか。

齋藤氏:
CEPsリスニング®の結果を見て、まず感じたのは「やっていることは的外れではなかった」という安心感でした。今回ターゲットとして設定していたインナーケア市場と、私たちの強みである発酵という領域のニーズが、大きくずれていないことがデータとして確認できた。新しい商品・新しいターゲットでゼロから始めているぶん、方向性への不安は常にありました。それが外部の客観的な分析を通じて裏付けられたことで、チームとして次のステップに進む根拠が持てた感覚があります。

酒井氏:
意外な発見としては、味への言及がなされていたことです。健康食品というと効果・効能の話になりがちですが、発酵食品として味そのものも評価されていた。そこは新たな気づきでした。MANDA CARE PLUSはペースト状で複数のフレーバーを展開していることもあり、小さな気づきではあるものの、味の見直しや改善にも活かせる可能性があると感じています。

SNS上のリアルな投稿データを大量に収集・分析するのは、自社では到底できない領域です。そういう意味で、Kaname.ax®を通じて普段は見えていない市場の声を可視化できたことは、純粋に大きな価値がありました。

CEPsリスニング®で得られた分析結果

CEPsリスニング®で得られた分析結果の一部。発酵食品・インナーケアなどのそれぞれの市場における状況CEPsと体験価値CEPsの関係性を可視化している。

データとしても、人の言葉としても残る。N1インタビューで得たもの

ーN1インタビューでは、どのような発見や気づきがありましたか。

齋藤氏:
今回のN1インタビューは、定期購入者とお試し購入者を対象に実施しました。インタビューの設問設計から当日のファシリテーションまでアライドアーキテクツさんにお任せできたからこそ、私たちは聞くことに集中できました。

N1インタビューを通じて感じたのは、商品に対する期待値の高さです。比較的早いタイミングで効果を感じてもらっていたり、万田発酵というブランドへの信頼感が購入の後押しになっていたりと、お客様の声の解像度が上がった感覚がありました。また、エステで酵素ドリンクを体験したことをきっかけに自分で検索し、複数回の広告接触を経て購入に至るという行動パターンも見られており、購買に至るまでの経路をリアルに把握できたことは大きな収穫でした。

インタビューが終わった後も、その場で受け取ったお客様の言葉が社内で生き続けていました。施策の議論をしている時に「そういえばあのインタビューでも言っていましたけど」と自然と引用されるようになっています。

MANDA CARE PLUSのポジショニング

N1インタビューと市場CEPsのギャップ分析から導き出した、カテゴリー内の棲み分けとMANDA CARE PLUSのポジショニング。
商品の強みと訴求上のリスクまでを一枚で捉えている。

知ることが、可能性を開く。顧客理解がもたらした次の視点

ー分析結果を受けて、戦略やマーケティングの考え方にどのような変化の兆しがありましたか。

齋藤氏:
N1インタビューを通じて、年代によって購買に至るプロセスが異なることが見えてきました。たとえば50代の方は、もともと万田酵素を知っていて、周囲の影響をきっかけに購入に至っていた。一方30代の方は、酵素ドリンクをエステで体験したことをきっかけに自分で検索し、複数回の広告接触を経て購入していた。私たちが想定していた「SNSで認知してもらって、お客様になってもらう」という流れとは、異なる経路でした。

この気づきが示唆しているのは、戦略の転換点です。「まず万田発酵を知ってもらって、そこから購買へ」という順序ではなく、「酵素というカテゴリーにすでに興味を持っている人に、万田発酵があると伝える」という発想へのシフト。お客様の行動フェーズに沿って、適切なチャネルで適切な情報を届けていく設計が、特にゼロから市場を作っていくフェーズでは重要になってくるだろうと感じています。

酒井氏:
「MANDA CARE PLUS」のCEPs分析では、インナーケアという広い括りの中で、“腸内環境を整えることを起点に美を作る”というポジショニングに、より明確にフォーカスしていく可能性も見えてきました。分析結果がその方向性の妥当性を後押ししてくれた形です。健康訴求と美容訴求、どちらの入口からお客様にアプローチするかも含めて、今後の施策の見せ方を整理していくヒントが得られたと感じています。

ー今後、こうした顧客の声を聞く取り組みは継続していく予定ですか。

齋藤氏:
はい、絶やさずやっていきたいと思っています。

新しい商品や、これから伸ばしていきたい領域においては特に、今のお客様の声を定期的に聞き続けることが不可欠です。市場全体の傾向を把握するCEPsリスニング®と、実際のお客様の声を深掘りするN1インタビュー——この2つを組み合わせることで、仮説の検証と顧客理解を同時に進められたことは大きな収穫でした。自社だけでは対応できない領域だからこそ、プロの知見をお借りしながら進めていくことの重要性を、今回改めて実感しています。

一回の調査で終わりではなく、顧客の声を起点に戦略を組み立て続けていく。その姿勢を持ち続けることが、結果的に正しいマーケティングへの近道だと、今回の取り組みを通じて改めて確信しています。

Kaname.axサービス資料表紙

顧客の声を「要」に、マーケティングAXを起動する

Kaname.axは、顧客の声(UGC・VOC*)をAIで解析。マーケティングコミュニケーション設計~実行支援までを一気通貫で支援するプラットフォームです。
顧客の声データとマーケティングコミュニケーション領域の知見をAIで統合・高速分析し、コミュニケーションの起点となるインサイトを発見。施策の実行・検証まで一気通貫で支援します。

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