社内では当たり前の常識になっている一方で、生活者には自社商品の用途が十分に伝わっていない——そんな課題に頭を悩ませるブランド担当・マーケティング担当の方は少なくないはずです。ポッカサッポロフード&ビバレッジも、まさにその課題に直面していました。限られたリソースの中、宣伝販促グループが挑んだのは、VOC分析とカテゴリーエントリーポイント(CEPs)を起点に、ポッカレモン100の使い方を生活者に届けるコミュニケーション戦略への挑戦でした。
「ポッカレモン」は1957年の発売以来、時代に合わせた商品展開を続けてきたロングセラーブランドです。中でも70mlサイズの「ポッカレモン100」は、切る・搾る手間なく手軽に使える小容量タイプとして、料理からお菓子作り、ドリンクまで幅広い用途に対応してきました。そうした多様な魅力や活用シーンとの接点をさらに広げるべく、同社マーケティング本部 ブランドマネジメント部 宣伝・販促グループが動き出しました。
今回は、同グループWeb・SNS担当の藤重様、小林様に、CEPs分析を起点としたWebコンテンツの立ち上げから、店頭・お客様相談室・SNSへと広がった波及効果まで、詳しくお話を伺いました。
ー普段はどのようなご担当業務、ミッションを担っていらっしゃいますか。
藤重氏:
私たちはマーケティング本部ブランドマネジメント部宣伝販促グループ(Web・SNSチーム)に所属しており、普段はコーポレートサイトおよび公式SNSの管理運営、各ブランドのデジタル施策支援を主な業務としています。各ブランドのプロモーションを担う宣伝担当と連携しながら、WebやSNSを通じて自社および各商品とお客様を繋ぐ立場として、信頼感の醸成やブランドイメージ向上を意識して活動しています。
小林氏:
これまでWeb・SNSチームはブランドのマーケティング課題に対して主導するというよりは、支援や並走する役割でした。しかし、現組織では同じグループ内にブランドのプロモーションを担う宣伝担当がいることで連携がしやすくなり、もっと主体的に関われないかと考えるようになりました。
今回のポッカレモン100施策に関しても、新規・ライトユーザーとの接点創出を担う70mlサイズに着目し、私たちのチームならではのアプローチができないかと考えたことが始まりです。
ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社
マーケティング本部 ブランドマネジメント部 宣伝・販促グループの藤重氏(左)、小林氏(右)
※本記事内に掲載されている商品パッケージは施策当時のものです
ー今回ご支援させていただいたポッカレモン100(70ml)は、社内でどのような位置づけの商品だったのでしょうか。
藤重氏:
瓶タイプのポッカレモン100は2024年に機能性表示食品としてリニューアルしており、当時、ブランドとしては瓶タイプを中心に施策を展開していました。プラボトルの70mlに関しては新規・ライトユーザーとの接点創出を担いながらも十分な取り組みには至っていませんでした。
そこで、日頃からSNSを通じてお客様とのコミュニケーションに携わっている私たちなりのアプローチで、70mlサイズの活性化に取り組むことにしました。
普段の業務の中でも、ポッカレモン100の魅力や活用シーンを十分に提案しきれていないことは感じていました。コーポレートサイトには多くのレシピを掲載していたものの、「ちょいがけ」や「ドリンクに入れるだけ」といった、レシピと呼ぶまでもない気軽な使い方はSNS上に流れていくだけで蓄積されておらず、また、活用方法を発信しているものの、「使い切れない」といったお声を目にすることも多くありました。私たちのように日常的にポッカレモン100を活用していただくにはどうすればよいのか、どのようにお伝えすれば身近な存在になれるのか、そのヒントを探していました。
ポッカレモン100の70ml(左)と、機能性表示食品として展開する瓶タイプ(右)
※本記事内に掲載されている商品パッケージは施策当時のものです
ーこれまで顧客の声を活かす取り組みはされていましたか?新しい挑戦をするにあたり壁や課題はありましたか?
藤重氏:
冒頭でお話しした通りWeb・SNSチームとして施策を主導することが初めてです。当初はブランドが保有する定点調査や各種データもとに施策を検討していましたが、具体的な手段に落とし込むうえでは、生活者の行動背景や文脈をより深く理解したいと感じていました。
そんな中、アライドアーキテクツさんにお声がけしたところ、CEPs分析というアプローチをご提案いただきました。実際に分析結果を拝見すると、「どんなシーンで商品が使われるのか」「どのような文脈で想起されるのか」が見えてきて、率直に面白いと感じました。
社内で「なぜこのアプローチをしたのか」と聞かれた際も、「実際のお客様の声」を元にした分析だからこそ納得感を持って説明することができました。また、強みを裏付けるだけでなく、弱いところの数値で可視化されていたので、次に伸ばすべき一手まで見える点も有益でした。
この時の提案では、CEPs単体だけではなく、ポッカレモン100ならではの機能的な便益と掛け合わせる形でご提案いただきました。カテゴリーとして需要のある領域に対して、自社ブランドの便益がきちんと応えられるかどうかまで含めて設計されていたので、課題に対する具体的な手応えにつながりました。
カテゴリー便益(そのカテゴリーを買う目的)とブランド便益(そのブランドを買う理由)の関係性の図。CEPsというカテゴリー需要が起こるシーン・きっかけの時に、これら2つの便益が想起されることが、未顧客からも既顧客からもブランドが選ばれる条件になることを示している。
ーCEPs分析の結果をご覧になって、想定通りだった点、意外だった点はありましたか。
藤重氏:
「料理」「ドリンク」「健康」といったエントリーポイントの大枠の用途は、これまでの実感と大きくズレておらず、想定通りでした。一方で分析において、競合の対象としてレモン果汁ではなく「お酢」を含めてCEPsを明らかにしていただいたことに意外な発見がありました。お酢が想起されるシーンにおいてもレモン果汁へのニーズが存在することを数値で示していただいたことで顧客接点を広げるヒントを得ることができました。また、CEPsの広さの順番、どこにもっと力をいれるべき優先順位の道筋も立てられました。
さらに今回の施策の後にアンケート調査も実施したのですが、年代別のデータも公開いただいたことで、年代によってどのCEPsが刺さりやすいかにも強弱があることが見えるようになり、そこも新たな発見でした。
ーこの分析結果を受けて、クリエイティブの方向性をどのように定めていったのでしょうか。
小林氏:
最初にご提案いただいたイラストタッチのクリエイティブが、とても好印象でした。まず着手したのは、ポッカレモン100の基本的な使い方を紹介する「トリセツ」ページです。「揚げ物にかけるだけ」という印象を持つお客様が多い中、料理からドリンクまで幅広く使えることを、初見のお客様にも一目で分かるように、イラストと平易な言葉で丁寧に伝えることを意識しました。文章だけでは伝わりにくい「どのくらいの量を、どう使うか」といった細かな部分も、誰が読んでも迷わず、かつ継続して使い続けられる内容になるよう配慮しています。制作にあたっては、ブランド担当や宣伝担当、お客様相談室など複数の部署と連携し、表現のひとつひとつを確認しながらページを作り上げていきました。
イラストタッチで制作された『ポッカレモン100のトリセツ』ページのトップビジュアル。
CEPs分析で見えた『料理』『ドリンク』『味変』『健康』という活用シーンも、ページの構成に落とし込まれている。
※本記事内に掲載されている商品パッケージは施策当時のものです
ー制作させていただいたクリエイティブは、現在どのような媒体・場面で活用されていますか。
藤重氏:
現在も制作した5つのコンテンツはコーポレートサイト内に掲載しており、SNSの発信の際に活用しています。「ポッカレモン100ドレッシング&たれ早見表」ページのクリエイティブは、店頭のPOPのデザインにも採用されたり、「トリセツ」ページの内容も、お客様相談室がパンフレットにしたりと、自部署以外の活用にも広がっています。イラスト化されたことで親しみやすさが増したという声もあり、これまでの弊社サイトにはなかった雰囲気を持てたと感じています。
トリセツページの内容をもとに制作された、お客様相談室用の三つ折りパンフレット
※本記事内に掲載されている商品パッケージは施策当時のものです
ー社外でも大きな反響があったと伺っています。どのような出来事だったのでしょうか。
小林氏:
SNSにてお客様が「ポッカレモン100をジップロックに入れて凍らせる」という内容で投稿され、それが大きく拡散され話題になりました。この投稿を公式アカウントでも引用し、プラスチック製の製氷皿で冷凍する方法を案内したところ、こちらの投稿も大きな反響を得ることができました。
実は、私たちは数年前から「冷凍できます」ということを発信していました。それでも、このバズをきっかけに初めて知ったという声を多く見て、まだまだ余地があったことを実感しました。今回の施策で新規制作した「ポッカレモン100のトリセツ」ページに、1〜2週間で使い切れない場合はプラスチック製の製氷皿で凍らせることを案内しており、受け皿となるサイトがあったからこそ、公式としてスピーディーに引用してお客様にご案内ができました。さらに、この話題でお客様とコミュニケーションをとった結果、キャンペーンにもつなげることができ、さらに多くのお客様に情報を届けることができました。
「冷凍できます」は公式でもお伝えしています🍋✨
— ポッカサッポロフード&ビバレッジ🍋 (@pokkasapporo) June 9, 2026
広めていただきありがとうございます!
ちなみに・・
①水・炭酸水など飲み物に入れる
②味変としてちょい足しする
③料理に活用する
日常的に使う方、習慣にされる方が多いです🎶
色々な使い方を発信できるように頑張ります!😊 https://t.co/0mqYkuD93M pic.twitter.com/KHsXAd72Jv
よろしければ、こちらも参考にどうぞ🍋https://t.co/dBENk6Lwk3
— ポッカサッポロフード&ビバレッジ🍋 (@pokkasapporo) June 9, 2026
バズったお客様投稿を引用し、公式アカウントでも補足。さらに使い方も紹介。
/
— ポッカサッポロフード&ビバレッジ🍋 (@pokkasapporo) July 1, 2026
ポッカレモン100は冷凍できます🍋❄
\
レモン氷バズ記念フォロリポキャンペーン🎉
抽選で100名様にレモン氷お試しセット当たる🎁
①@pokkasapporo をフォロー
②本投稿を7/12㊐23:59までにRP#余りがちポッカレモン100は冷凍 をつけて
引用ポストで当選確率2倍✌
ご応募お待ちしています🍋 pic.twitter.com/3q8tGy5ZJa
バズきっかけでキャンペーンを実施
「ポッカレモン100のトリセツ」「2週間分レモンドリンクカレンダー」「ドレッシング&たれ早見表」など5つのサイトができたことで、ページ流入も増えています。Xキャンペーンツールの「echoes」を使ったキャンペーンで「ドリンクカレンダー」のページへ誘導した際も、流入が大きく伸びました。
ありがたいことに「ポッカレモン100」ブランドは、2025年度売上が過去最高を記録しました。CMや店頭展開、SNS上のUGCなど、さまざまな要因が重なった結果ではありますが、私たちが地道にSNSやWebでポッカレモン100(70ml)について発信し続けてきたことも、その一端を担えたのではないかと思っています。
3℃1ではInstagramでのインフルエンサー投稿も支援。3名のインフルエンサーを起用したショート動画で、目標を大きく上回るインプレッションを獲得した。
ー最後に、お二人ご自身の今後の取り組みや展望、そしてアライドアーキテクツへの評価について教えてください。
小林氏:
次は、「レモンミュージアム」サイトの改修にも力を入れていきたいと思っています。私は兼務でレモンそのものの価値や魅力を伝える啓発活動も担当していて、小学5・6年生向けに出前授業を行っています。今後はデジタルを活用して、より広くレモンの魅力を伝えていく方法を模索していきたいです。
藤重氏:
CEPsの活用については、キャンペーンなどの座組みでもアライドアーキテクツさんとご一緒し、CEPs分析を提案に組み込んでいただいています。また、今年はInstagramの運用においてもCEPs分析をベースに投稿内容や文脈づくりを行っており、私たちの中でも施策設計の考え方として自然に活かされるようになってきました。今後もお客様理解を深めながら納得感のある施策立案につなげていきたいです。
小林氏:
データを用いて定量的に示してくださるところがアライドアーキテクツさんの良いところで、根拠を元に検証もできる点が助かっております。また、話しやすく相談しやすい雰囲気で、自分たち以上に熱意を持って取り組んでくださっていると感じています。普段代理店様と一緒にお付き合いすることがなく自分たちだけでやってきた中で、とても頼りになるパートナーです。
藤重氏・小林氏(中央)と、アライドアーキテクツの関係者
※…2025年度「ポッカレモン100」ブランド過去最高売上達成について
機能性表示食品「ポッカレモン100」瓶3品を中心に販売が好調 「ポッカレモン100」2025年度 過去最高売上達成! 新ブランド「ポッカレモン食彩」で「レモン味」のさらなる接点拡大へ|ニュースリリース | 企業情報|ポッカサッポロフード&ビバレッジ