創業200年を超える老舗製薬会社である天藤製薬株式会社は、主力のボラギノールブランドで培った信頼を基に、新たな事業領域への挑戦を続けています。2022年からは自社ECサイト「BORRAオンラインショップ」を通じて、健康食品や化粧品といった新たな分野での商品展開をスタート。その成長戦略の中核に位置するのが、顧客の声を深く理解し、それを施策に活かすアプローチです。
今回は、天藤製薬様が新商品のマーケティング戦略において、Kaname.axによる顧客インサイト分析を活用してLTV向上を実現した事例をご紹介します。
天藤製薬株式会社は、主にボラギノールブランドを展開している創業200年を超える老舗製薬会社です。生活者の健康意識の高まりにより、予防や未病対策の重要性が注目されてきたことを受け、これまでの「症状が現れてから対処する」製品から、その周辺の悩みに対してアプローチする健康食品・化粧品分野への新商品の展開を決定。この商品を展開する場として「BORRAオンラインショップ」を立ち上げました。
この新商品展開における最大の課題は、既存ブランドの信頼性を新しいカテゴリーでいかに効果的に訴求するかでした。当初は「ボラギノール」のブランド力を訴求していけば一定の成果が得られると想定していましたが、実際の運用開始後は思うような反応が得られませんでした。
「痔の薬」としてのブランド認知は強いものの、便通改善カテゴリーにおいては、そのブランド力だけでは顧客の購入行動を促すことができないという現実に直面したのです。
この課題を解決するため、天藤製薬様は「お客様の声」を深く理解し、それを施策に活かす戦略的アプローチを採用しました。
まずは、ターゲットにとってのボラギノールブランドの価値を『100年以上続く実績による信頼感』、『エビデンスに基づいた商品設計と情報提供』という2つに定義。その上で、この仮説を検証し、より効果的な施策を展開するため、アライドアーキテクツのKaname.axを活用し、実際に購入されたお客様や継続されているお客様の声を収集し、お客様が感じている真の商品価値や課題を明確化していきました。
Kaname.axによる顧客インサイト分析から得られた知見を基に、具体的には以下のような施策を実施しました。
Letroを活用して顧客の声をレビューとしてデジタル広告のランディングページやBORRAオンラインショップに掲載しました。さらに、単にレビューを掲載するだけでなく、顧客インサイト分析の結果に基づいて訴求ポイントを明確化し、それに合わせたクリエイティブへと変更。より戦略的に活用することで、CVR(コンバージョンレート)の大幅な改善を実現しました。
実際に、ヒートマップ分析においても、顧客のレビュー部分の熟読率が非常に高く、とても重視されている情報だということが分かりました。
同梱物に長期継続者が感じている商品価値を実際の声を用いて掲載することで、定期顧客の残存率が改善。顧客の納得感を引き出し「もう少し続けてみよう」と思わせるきっかけを創出しました。
今後は、ECシステムとの連携により自動収集体制を拡充し、これまで単発的であった分析を定常的に実施できる仕組みづくりを進めています。収集したデータの「量」と「質」の両面からデータの精度を向上させ、より効果的な施策展開を目指しています。
将来的には、データに基づいて顧客に最適な価値を提供し競争力を強化することで、市場での存在感を一層高めていくことを目標としています。
2022年よりEC事業への新規参入にあたり、BtoCビジネスにおいて最も重要と考える「お客様の声」を的確に捉えるための知見や仕組みが不足しており、お客様が当社商品に感じている価値や課題を十分に把握できていない状況でした。
このたび、アライドアーキテクツ社との連携/Kaname.axの導入により、顧客の声の収集・分析が可能となり、実際のニーズや課題を正確に把握。それらを具体的な施策へ反映した結果、オンラインショップへの流入増加やLPの購買率向上といった成果が得られました。
アライドアーキテクツさんは、メーカーである私たちと同じ視点で、豊富な経験を活かした視野の広い提案を行ってくれるパートナーです。
さらに、担当者の手厚いフォローにも非常に満足しています。多くのシステムがチャットやヘルプセンターへの対応を求める中で、直接のサポート体制を提供していただけることで、施策の実施スピードが上がり、着実な実装が可能になっています。このような伴走型のサポートが、他社と比較してもアライドアーキテクツの強みだと感じています。
今後も顧客の声を起点に、より良い購買体験の提供に取り組んでまいります。