アフターコロナで生活様式が変化する中、日本酒業界においても新たな楽しみ方が求められています。老舗酒造メーカー「沢の鶴」は、2021年に発売した「SHUSHU Light」のパッケージデザインのリニューアルを機に、20-30代の若い世代への認知拡大を図りたいと考えていました。
しかし、日本酒をよりカジュアルに楽しむことを自分ゴト化してもらうためには、利用シーンのUGCを増やす必要がありました。どのようなシーン訴求が効果的なのか、自社での仮説しかない状態でした。
今回は、沢の鶴様が、"顧客の声"をAIで解析し、コミュニケーションの"起点となるインサイト"を発見し続けるデータプラットフォーム「Kaname.ax」のCEPsリスニング(カテゴリーエントリーポイントリスニング)を活用してUGC創出施策を実施し、パッケージリニューアルに伴う認知拡大に成功した事例をご紹介します。
沢の鶴が抱えていた課題は、20-30代の若い世代に向けた日本酒の新しい楽しみ方の提案でした。「SHUSHU Light」のリニューアルを機に、今の時代に寄り添ったデザインへと刷新する一方で、商品の魅力を効果的に伝えるための利用シーン訴求が必要でした。
そこで同社は、アライドアーキテクツのデータプラットフォーム「Kaname.ax」を活用し、「日本酒×ミニボトル」のカテゴリでVOCを分析。CEPs(カテゴリーエントリーポイント)の抽出を図りました。
分析の結果、自社の仮説と合致し、かつ競合が言及していないCEPs(「食事と共に楽しむ」「リラックスして落ち着きながら」「休日の昼間に飲む」「女性が好んで飲む」など)を訴求軸として選択。これにより、仮説が明確なものとなり、戦略的なUGC創出が可能になりました。
CEPs分析の結果を基に、沢の鶴は以下の施策を実施しました。
モニター施策の実施
CEPs分析結果の活用
UGCの活用
この一連の施策により、パッケージリニューアルに伴う認知拡大に貢献しました。
今回のプロモーションでの大きな成果は、利用シーンの訴求に成功したことです。お酒を外飲みや友人との楽しいひとときをカジュアルに楽しめるものとして訴求することが目的でしたが、たくさんのSNSユーザーがUGCとしてそのメッセージを受け取ってくれました。
特に印象的だったのは、ユーザーが友人と乾杯しているシーンの写真を投稿してくれたり、「休日のランチにぴったり」「お休み中のおやつタイムに」などのコメントを付けてくれたことです。これらは、私たちが強化したいと考えていた「休日の昼間に飲む」「週末・休日に飲む」といったカテゴリーエントリーポイントにしっかりとマッチしており、非常に質の高いUGCの創出に繋がりました。
このように、施策の目的に対する具体的な成果を確認できたことは、とても良かったと感じています。ユーザーの皆さんが私たちのメッセージを受け取り、実際の生活の中で楽しんでいただけたことが、何よりも嬉しいです。