「まるごと素材の栄養をおいしく食べる『新しい食』を提案する」というコンセプトのもと、豆100%麺「ZENBヌードル」や「ZENBブレッド」を展開する株式会社ZENB JAPAN。同社は、健康意識の高い層から熱狂的な支持を集める一方で、マス層へのさらなる浸透に課題を感じていました。
そこで同社は、未顧客を攻略する勝ち筋となるCEPsを見出すべく、アライドアーキテクツが提供する顧客の声データ分析プラットフォーム「Kaname.ax®」のCEPsリスニング®(※1)を活用した「未顧客攻略調査」を実施しました。
今回は、ZENB JAPANが取り組んだ調査のアプローチ手法について詳しくご紹介します。
(※1)CEPsリスニング®とは?:CEPsリスニング®は、「Kaname.ax®」に取り込んだSNSのUGCやECのレビューなどから特許出願中の独自AI技術を活用して顧客の声を分析し、商品・ブランドを購入・利用する際のきっかけ(CEPs:カテゴリーエントリーポイント)を導き出すサービスです。生活者の実際の体験や感想をCEPsを軸に分析することで、生活者インサイトを発見・評価し、より効果的なマーケティング戦略の策定を可能にします。
(※2)3℃1とは?:企業と生活者の間にデータ・インサイト・クリエイティブという3つの温度を"サンドイッチ"することで、「おいしい関係」を創るチームです。生活者の声と企業の想いを掛け合わせ、感情と行動を動かす冷めないコミュニケーションを設計し、人間らしい温度のあるクリエイティブで、事業成果につながるブランド体験を生み出します。
ZENB JAPANの商品は、その高い機能性から「健康意識の高い」コア層には深く浸透していました。しかし、事業のさらなる成長のためには、まだZENBを知らない、あるいは「自分には関係ない」と感じている「未顧客層」への拡大が不可欠でした。
今まで通りの訴求だけでは、これ以上ターゲットは広がらないのではないか。
そう考えた同社は、「現在のターゲット層ではなくても、ZENBを欲しくなる瞬間(CEPs)」を見つけ出し、アプローチするための手がかりとして、「Kaname.ax®」によるCEPsリスニング®を活用した「未顧客攻略調査」を実施しました。
今回の「未顧客攻略調査」では、自社顧客の声×市場トレンド×界隈特定×メッセージ設計という4つの軸を掛け合わせた多角的な分析を実施しました。
【STEP 1】自社顧客の「本音」を可視化 ── レビューからCEPsを抽出
まず、自社の購入者レビューを「Kaname.ax®」に取り込み、顧客が商品を選んだ"きっかけ"となった要素(CEPs)を抽出。「どんな状況で」「どんな体験価値を求めるか」という文脈に分解しました。
【STEP 2】市場の「未充足ニーズ」を発掘 ── X投稿から潜在需要を可視化
次に、SNS上で「グルテンフリー」「糖質オフ」「パン」「麺」などのキーワードがどのような文脈で語られているかを分析しました。
これを【STEP 1】で抽出した自社顧客の声の分布と比較することで、「市場で語られているが、ZENBがまだ応えられていない文脈」を特定。既存顧客が感じている価値 vs 未顧客が求めている価値のギャップを可視化しました。
【STEP 3】親和性の高い「界隈」を特定 ── コミュニティ×カテゴリーのクロス分析
さらに、これらのキーワードを含む発話者のプロフィール情報から、普段の興味関心分野を推定し「界隈(興味関心コミュニティ)」ごとにセグメント化し、分類しました。
これによって、各界隈において、「カテゴリーとの親和性は高いがZENBがまだリーチできていない界隈」を抽出しました。
【STEP 4】クリエイティブチーム「3℃1」がターゲットに響くクリエイティブ・コミュニケーション戦略を設計
抽出されたCEPsを、実際のコミュニケーション施策に落とし込むため、クリエイティブチーム「3℃1」が「接触文脈(どんな状況・シーンでメッセージに触れると反応するか」や「刺さりフレーズ(どんな言葉・表現なら「自分ごと化」されるか)」といったCoEPs(コミュニケーションエントリーポイント)(※3)を踏まえてコミュニケーション戦略を設計。生活者が"目に留め、共感し、行動へ移す"クリエイティブ案を提案しました。
このように、インサイトを起点に「何を伝えるべきか」を言語化し、訴求開発→制作→検証のサイクルを回せる形で運用に接続しました。
未顧客のCEPsの特定~コミュニケーション提案までを一貫支援
このように、「Kaname.ax®」で発見したインサイトを起点に、「3℃1」が一貫性のあるクリエイティブ設計と施策実行を担うことで、調査・分析・企画・実行といった従来分断されがちであったプロセスをシームレスに実行することができました。
(※3)CoEPsとは?:コミュニケーションエントリーポイント分析のこと。本分析では、SNSのUGCやレビューなどのポジティブなVOCを独自AI技術により分析し、顧客がブランドや商品と接触する文脈(接触文脈)と、顧客の興味関心を喚起し購買行動につながるメッセージ(刺さりフレーズ)を明らかにします。
Kaname.ax®による「CEPs(カテゴリーエントリーポイント)分析」レポート
今回の取り組みは、まだZENBを「自分には関係ない」と思っている潜在顧客との接点を作るための大きな一歩となりました。
「機能」を語るブランドから、生活者のあらゆるシーンに寄り添った「体験価値」を届ける存在へ 。データによって導き出された深い顧客理解を武器に、ZENB JAPANは食の未来を切り拓く挑戦をこれからも続けていきます。
今回のCEPsリスニング®を通じて、これまでなんとなく理解していたつもりのお客様のニーズや動機について、明確に表現することができ、次の施策に落としやすくなったと思います。
特に、自社顧客の声だけでなく、未顧客の声も合わせてカテゴリーがどのような文脈で語られているかを合わせて分析出来たところが、これまで取り組めていなかったところかなと思います。
この分析自体をゴールにせず、関係者の共通認識として次の施策につなげていくことが必要かと思いますが、今回見えてきたCEPsをアライドアーキテクツ社とも連携し広告コミュニケーションにも展開するところまでイメージしながら取り組めたこともよかったと思います。